終わりのセラフ〜転生した少年〜   作:鬼城

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やっと、戦闘シーンです。

上手くかけているか心配ですが、これから慣れていけたらと思います。


十話 乱闘

グレンからの初任務はこういう内容だ。

原宿には吸血鬼が人間狩りをして家畜化している集落があるから、原宿に行ってその集落を潰して人間を解放する。そして新宿に向かう。というとても簡単なものだった。

 

その原宿にいくため俺たちは歩いていた。

城壁から外に出るとそこには倒れたビル。ひび割れたり穴のあいている道路。昔の賑やかさを思い出させないほどの静かで壊れた世界。俺にとってとても久しぶりな光景だった。こんな世界を見て与一は言う。

 

「本当に世界って滅亡したんだ。僕帝鬼軍が渋谷に保護してくれてから外に出るの初めてだけど、ここまでとは…優くんと君月くんと陵くんは普通科来る前は渋谷警備兵として外出てたんだよね?」

 

俺は与一に向って頷く。

その時、

 

「はっ!結界が掛かった城壁周辺の弱い《ヨハネの四騎士》を殺した程度でいい気になってもらっては困るな。そもそも……」

 

と自信満々にそしてなぜか嬉しそうに言ってくる三宮。

そんな彼女の長い長い説明はまだまだ続いた。まぁ、俺はほとんど聞いていなかったが…

 

「シノア、あれっていつものことなの?」

 

「あは、すっごく可愛いでしょう?何気に彼女新人の命を任されて責任感じてるんですよ。」

 

いるよね、たまにこういうやつ。というように俺は溜息をついた。

そして、しばらく歩いていくと原宿駅につく。

 

「…任務地だな。」

 

「つまりここに吸血鬼が…」

 

と、君月と優がそれぞれ言った瞬間きゃあああ!!という悲鳴が聞こえた。そしてその悲鳴とともに現れたのは一人の少女。

 

「助けてぇ‼︎」

 

その少女の後ろからヨハネの四騎士が出てきた。どうやらヨハネの四騎士に襲われている所みたいだ。

それを見てすぐさま優は助けに行こうとするがそれを三宮に止められる。

 

「動くな馬鹿‼︎隊列を崩すな‼︎」

 

「ああ!?なんだよそれ‼︎」

 

「優、これはきっと罠だよ。」

 

苛ついている優に俺はそう声をかける。

 

「ああ!?なんでんなこと分かる‼︎?」

 

その優の質問には俺ではなくシノアが答えた。

 

「簡単ですよ。こんな世界で子供一人生きられるはずがない。あれは私たちを釣るための餌でしょう。」

 

「餌!?冗談だろ‼︎意志を持たないはずの《ヨハネの四騎士》が何故吸血鬼に従う!?」

 

「君月、それは違うな。正確には従ってはいない。吸血鬼に上手く使われているだけだよ。」

 

ヨハネは吸血鬼は襲わない。人間だけ襲うのだ。まるで増えすぎた人間を罰しているかのように。まぁその生態は俺にはよく分からないが…

 

「バケモノの前に餌を放って襲わせ助けに来た人間を捕獲するーー。吸血鬼がよくやる手…」

 

「んなのどうでもいい‼︎じゃあどうすんだよ‼︎?」

 

優は必死に叫ぶ。優はもう誰も失いたくないのだろう。それも自分の目の前で…彼は目の前の人を助けるために、あのような事が起こらないようにするために戦っているのだから。

 

「だから…待機だ。敵の出方を…」

 

三宮も耐えている。我慢している。みな同じなのだ、結局。誰が目の前の少女を見捨てると言うのだろう。助けたくないと言う奴なんてこの場には誰一人としていないのだ。それはきっと優も分かってるはずだ。

 

「ふざけんなよてめぇ‼︎ガキ一人救えなくて何が吸血鬼殲滅部隊だよ!‼︎」

 

ついに優がキレる。その少女のもとへ走って行こうとするが三宮がそれを止める。がそれを俺が止める。

 

「じゃあ、優。助けに行こうか、俺たち二人で…」

 

「ふざけるな‼︎」

 

三宮が叫ぶ。だが俺はその言葉を無視してヨハネに向って走る。例え、罠だとしてもそれがどうしたっていうだ。それならその罠さえも壊してしまえばいいだけのはなし。

 

「じゃあ、優はあの女の子頼むね。」

 

「分かってる‼︎」

 

俺は一瞬でヨハネとの距離を詰め光剣をしっかり握る。

 

 

 

それは一瞬だった。

誰も、状況が理解出来ないくらいのはやさ。陵が走り出した瞬間にヨハネは倒れていた。

 

 

 

そしてヨハネが倒れた時優も少女を無事助けていた。

喜んだのもつかの間、優の頭上から吸血鬼が現れる。その数は三体。それも貴族ではなく普通の一般吸血鬼だ。それでも遥かに人間より強いのだが…。

 

その吸血鬼達は優を囲い込むようにして降りると、すぐ優に斬りかかる。さすがの優でも同時に三体は厳しいらしくとても苦戦している。

 

「ぐ…‼︎力を貸せ‼︎阿朱羅丸‼︎」

 

優の声が聞こえたかと思うと黒い何かが吸血鬼をはばむ。

 

「…‼︎なんだこいつ。」

 

吸血鬼もこれには驚いたらしい。

でも、吸血鬼は更に驚くこととなる。

 

「ねぇねぇ。後ろいるんだけど?」

 

俺は吸血鬼の後ろにまわりこみ、そこから攻撃を仕掛ける。吸血鬼は声をかけてやっと気付いたみたいだがそれでは遅い。俺は吸血鬼の腹部を光剣で刺す。鬼の武器ではなかったので殺すことは出来なかったが…

それでも十分だろう。

 

「この強さ。なるほどおまえら…吸血鬼殲滅部隊か…!」

 

一人の吸血鬼が驚いた顔で言う。

そしてもう一人の吸血鬼が応援を呼ぶように促した。

だがそんなことはさせない。

 

「させると思っているの?」

 

俺は三体の吸血鬼をそれぞれ蹴って吹き飛ばす。その様子を見てかチャンスだと思ったのだろう三宮が、大声でいう。

 

「そこまでだ優、陵。全力撤退‼︎」

 

だがその言葉に吸血鬼は笑う。

 

「…は、家畜が…逃がすわけが…」

 

「あ?てめぇ今なんつった?」

 

家畜という言葉に反応した優が吸血鬼達を睨む。吸血鬼もその目にビクッと畏怖している。

 

「優さん!ここは敵陣です!応援を呼ばれる前に…」

 

今にも吸血鬼を攻撃しそうな優だがシノアの言葉にその怒りを鎮める。

 

「…分かってるよ。仲間の命が最優先だ。」

 

そして吸血鬼達は一旦引いていった。

 

 

渋谷拠点監視哨

 

パンッ、そんな音が響く。

優と俺がビンタされた音だ。帰って早々に俺たちは三宮に叩かれた。それは身勝手な事をしたからだろう。

 

「いったいどういうつもりだ‼︎おまえらの行動が部隊を危険にさらしたんだぞ‼︎」

 

「ああ、そうだね。でも俺たちは後悔はしてないし、反省はしないよ。」

 

「…子供は救う必要があった。だからどんな状況でも俺たちは同じ行動をした。でも悪かったとは思っている。仲間の命を危険にさらした。殴って気がすむなら、いくらでも殴っていいぞ。」

 

俺も優と同じ意見だ。守る力があるのに守れないのは辛いから…

それでも三宮はまだ怒っているようだ。

 

「おまえらは…わたしはおまえらのような奴が一番嫌いだ。おまえらのような奴が部隊を全滅させるんだ。」

 

その言葉に重いものを感じる。前と同じような感じ…やはり何かあったのだろうか?だから彼女はこんなにも仲間を守るのに必死なのだろう。

 

「…悪かったな。以後気をつけるよ。」

 

「……」

 

「あの…お兄ちゃんたち…」

 

不意に聞こえた声は俺たちが助けた少女のものだった。

その少女は笑顔で言う。

 

「あ、あの……命を助けてくれてありがとう!」

 

その笑顔に少なくても俺は救われたような気がした。

 

「気にすんな。やるべきことをしただけだ。」

 

優はその少女に笑いながら言う。三宮は少女に歩みよりスッと座り少女の手を握る。

 

「もう大丈夫だからね。これからは日本帝鬼軍があなたを守るから!」

 

(そんな顔もできるんだな。)

三宮は今までに見せたことのない優しい笑顔で話掛けていた。ジッとその様子を見ていたらシノアが少し機嫌が悪いように言ってくる。

 

「そんなにみっちゃんを見つめて楽しいですか?」

 

「…あははは。」

 

事実なので何も言い訳が出来なかった。それに怖い。

 

そして、少女が歩いていくと俺たちはバイバイと手を振る。少女が見えなくなった直後に三宮は後ろに振り向き俺たちに指をさしてくる。

 

「だがお前らは嫌いだ‼︎」

 

と大声で言いながら。

 

「「えー」」

 

そして三宮は何処かに行ってしまった。彼女は弄りがいがありそうだ。これからは行動をともにするのだ、どうやって仲良くなろうか。などと考えているとシノアが俺たちに話掛けてくる。

 

「まぁーあれです。ああ見えて三葉ちゃんにも過去が色々あるので、優しくしてあげてくださいねぇ。」

 

「やっぱりか。」

 

「おや、陵さんは気付いていたんですか。まぁそれはそれとして敵に此方の存在がバレてしまったんですが、どう原宿を攻略しましょうかねぇ?」

 

それもそうだ。もう不意打ちなど出来ないだろう……。まぁ大丈夫か、こっちには黒鬼シリーズが結構いるんだ。気をぬかなければなんなく勝てるだろう。

 

そして俺は歩いていく三宮の背中を見る。

 

 

(もう誰として失わない俺が守るんだ。)

 

 

 




書くうちに分からなくなっていく…文がおかしかったかもしれません。

次回は吸血鬼殲滅です。

よろしくお願いします。
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