皆様、読んでくださりありがとうございます。
文才はないですが、これからもよろしくお願いします。
俺たちは今、シャワーを浴びていた。
今日は疲れただろうからシャワーをまず浴びようとなったのだ。俺はシャワーを浴びながら優に聞く。
「優〜、最近茜とどうなの?」
「あ?別に…どうもこうもないけど?」
「ふうん、」
「なんだよ!?」
(優は鈍いからなぁ、)
最近になってだが、茜は優といる時いつもソワソワしている。なんていうか…すごく分かり易かった。
そんな他愛のない会話をして俺たちはシャワーを手短に済ませる。シャワー室から出た時シノア達が入っているシャワー室からきゃあああああ!という叫び声。全くなにやってるんだか。
「…たく女どもシャワー長えな。いったいなにやってんだ?」
優も同じことを思ったらしい。
シノアのことだまたふざけているんだろうが…
俺は手に持っていた牛乳をゴクっと飲む。やはりシャワーを浴びた後の牛乳は絶品だ。
「…で少しだけ君に聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
君月が件の少女に話しかけている声が聞こえたため少女の方を向く。
少し顔が強張っているように見える少女はコクンと頷いていた。
「君月、怖がられてるよ。」
「うっせぇよ、陵。」
そんな会話に少女の顔が緩む。
少しは笑顔にすることが出来たみたいだ。
「答えなくなかったら答えなくていいから。嫌だったきちんと、「大丈夫です。助けてもらったお礼をしたいので。」
そう言った少女に優が優しく声を掛ける。
「礼はいいって、そういうの気にすんな。これからおまえが毎日笑って元気に生きてくれりゃそれで…」
バタンッ優の言葉を遮るようにして扉の開く音が聞こえる。そこから出てきたのはシノアと三宮だった。
そして、三宮は優を見るとちっと舌打ちをする。
「えー」
(優、嫌われすぎ。それともシノアが何か言ったのかな。)
思い出して見ると三宮は優を見た時少し顔が赤かった気がした。
「シノア、三宮に何かしたの?」
シノアは笑うだけで何も言わなかった。
◆
チュンチュンという鳥の鳴き声に耳をすませながら目をつむる。今俺たちがいるのは表参道地下鉄の入り口付近。今から任務を行う予定だ。
「えー、優さんが救出した少女によると、どうやら吸血鬼たちは原宿から1キロの表参道地下鉄跡地に潜んで人間を飼っていることがわかりました。吸血鬼の数は7人我々より多いですね。なので吸血鬼が眠りについている早朝から昼にかけて奇襲攻撃を行います。」
シノアが言い終わると君月が手を挙げる。
何か質問でもあるのだろう。
「はい君月くん」
「捕らえられている民間人はどうする?人質に取られたりしないのか?」
その質問には三宮が答えた。
「人質は無視だ。敵の方が数が多い。誰かの心配ができるほど、あたしたちに余裕はない。」
優は何か言いたそうな顔をしている。それを見て三宮が続ける。
「なんだその顔は、不服なら渋谷に帰っていいぞ。」
「誰が不服っつった?俺は吸血鬼が殺せんならそれで…」
いい。とは続かなかった。優の言葉をシノアがあと…、と遮る。
「吸血鬼七人全員武装した状態で起きていた場合は絶対に勝てませんので、やはり逃げます。」
流石にそれには、あ?と声をあげる優。そんな声を無視してシノアは続ける。
「正直 黒鬼シリーズを使えるあなた方は強いのでなんとかなる可能性もありますが…どうせやるなら無傷で敵を皆殺しにしたい。なので、独断専行は…」
「しねぇよ。無傷で奴らを皆殺し…いいじゃねぇか。」
やはり前向きな優に俺は少し笑う。
「では行きましょうか。陣形を崩さず互いを守り、絶対にはぐれないようにいいですか?」
その言葉にそれぞれ返事をする。
「では、吸血鬼を皆殺しにしましょ〜」
おーと一人シノアは言うが俺たちは誰もおー、と言ってあげなかった。
(せめて誰かやってあげようよ。)
それなら自分がすればいいのだが…流石に恥ずかしい。
そんなグタグタなまま俺たちは任務を開始した。
◆
階段を降りるとそこには沢山の人間がいた。
だが人間がいるだけで吸血鬼は一人として見当たらない。
「どうなってる?吸血鬼がいないのに、こいつらなんで逃げずにここにいる?」
「考えてみてよ、君月。逃げたとしても外にはヨハネがウロウロしてるんだから…ここにいる方が安全だよ。」
俺はまた人間が沢山いる方を見る。
(あの服…昔俺が着ていた服だ…)
「無視しろ!進むぞ!吸血鬼がいるというB3フロアまで一気にすすむ!」
三宮の声が聞こえ、急いでその後を追う。
B3フロアに着くとそこにも沢山の人間がいた。ほとんどの人が座っており、元気がない。これでは生きながらに死んでいるみたいだ。
周りを見渡すと柱の向こうに一体の吸血鬼が見えた。
その吸血鬼もこちらに気付く。
「総員攻撃準備‼︎」
その声を合図にして全員鬼呪装備を出す。
「こい、沙鬼」
俺も初の鬼呪装備を出した。
光剣でもいいのだが万が一に備えての配慮だ。
「仲間を呼ばれる前に…」
三宮が言い終わる前に優は走り出す。
そしてそのまま突っ込んでいき吸血鬼を殺した。
「ガァ、この家畜が…‼︎」
「はは、その家畜に殺される気分はどうだバケモノ。」
その優の行動に三宮が怒る。
「この馬鹿が…、あれほど独断専行はするなと…‼︎」
「独断専行じゃねぇ。敵は非武装だった。抜刀の命令も待った……」
優が色々言っている中で三宮の後ろから吸血鬼が迫ってくるのが見えた。当然、三宮は気付いていない。
俺はそのまま走り出す。この速さなら間に合うだろう。
そして吸血鬼が三宮に剣を振り下ろす瞬間その吸血鬼は消滅した。
「な…なんだ!?」
まだ自分が殺されかけたことに気付いてない三宮。
まぁ、俺が何もしなくても優がなんとかしていただろうが…
「やーやー、グレン中佐の秘蔵っ子ですから強いってのは分かってましたが、まさかこれほどとは。」
シノアがパチパチと手を叩きながら褒める。
「すごいよ、二人とも!」
「俺よりは弱ぇけどな。」
一人、喧嘩を売っている奴もいるが…気にしないでおこう。負け犬ほどよく吠えるっていうし…俺は負け犬になんかなりたくない。
「……よし、おまえら浮かれるな。まだ敵は5人い…」
ガシャーンと音を立てながら三宮の後ろにある窓ガラスが割れる。現れたのは吸血鬼。
「三宮‼︎」
吸血鬼は三宮の首をつかむ。
吸血鬼に不意をつかれたが驚いたのはそれだけではない。
「3…4…7人!?」
「…どういうことだ。情報と数が合わな…」
情報通りにいくと、後五人のはずだった。吸血鬼が応援を呼んだ?いや違う。情報が嘘だったんだ。
「情報?はは それは誰が出した情報かな?」
その吸血鬼の言葉に俺は自分が怒っているのを感じる。
(こいつら…子供を脅しやがったのか!?どこまでも外道な奴らが!)
「ふふ、人間は醜いよなぁ。家族や仲間を人質にされたら平気で同族を売る。さて、動くな人間。仲間を殺されたくなければおとなしく…」
「くそ‼︎あたしはもう終わりだ‼︎見捨てて早く逃げ…。」
三宮が叫ぶ。仲間思いな彼女らしい言葉だった。
だからこそ俺は見捨てない。誰にもわからないだろう速さで三宮を掴んでいる吸血鬼の後ろへ行く。
「ねぇ?吸血鬼さん、バイバイ。」
その言葉を最後にその吸血鬼は消滅した。
誰もが言葉を呑み込む。あまりにも速すぎたからだろう。吸血鬼でさえも固まっている。
「三宮。俺はお前を見捨てないよ。」
座っている三宮に手を差し伸べる。その手を三宮はとり立ち上がった。どこも怪我などはしていないようだ。
優は三宮が無事なことを確認すると怒りを隠さず、吸血鬼に向って睨む。
「人間は醜い?家族を人質に取られたら平気で同族を売るクズだって?そりゃよくご存知で…そうだよ家族のためなら人間は何でもする。平気で嘘をつくし鬼にでも悪魔にでもなる。それを醜いってんなら…その人間の醜さに怯えながら死ね、ヴァンパイア。」
そう言う優を見て俺は笑ってしまう。
「優が、かっこいいこといって…もってかれたなぁ…」
「たく…めんどくせー奴が仲間だなぁ。ま…やるか六対五だが、このメンバーなら。」
「やれるでしょう。どうやら二級武装の吸血鬼しかいないようですし…」
そして陣形をつくりそれぞれ武器をかまえる。
「行くぞ、吸血鬼を殲滅する。」
こうして第二幕の戦いに火蓋がきられた。
◆
無事、任務を終え地下鉄を出る。
ほとんど無傷で終えることができた。誰も目立った外傷はない。外傷は…だが、さっきから身体がズキズキするように痛い。きっと久しぶりの本気に身体が悲鳴をあげているのだろう。あんな速さ、なんの代償もなしにだせるはずもなかったのだ。これから慣れていかないとな。と思いながら歩いていると一人の少女が俺たちに向って走ってくる。
「ごめんなさい…私…私」
泣きながら謝ってくる少女。その少女に俺は歩みよる。
「大丈夫だよ。君は家族を守ろうとしたんだ。だから君は悪くない。」
そう慰めてやると少女も落ち着いたようだ。
しばらく少女と話しているとシノア達がいる方から怒鳴り声が聞こえてきた。
「なんで吸血鬼を殺した!?あいつらがいなくなったら俺らは…子供たちはどうなる!?」
どうやらその声の主は吸血鬼を殺した事に怒っているようだ。その男性はなおも続けて声を張り上げる。
その男性の言葉を聞いて優が俺は…、と声を出す。
「俺は子供の頃…ずっと吸血鬼の都市にいた。残飯食わされて毎日、毎日血を抜かれて…それでも自分は家畜じゃないと言い続けて生きてきた。そしてある日、脱出を企てた。そのせいで仲間はみんな死んだ。…いや自分が逃げ切るために見捨てた。」
「…優…。」
「今はそれを後悔してる。俺もあの日一緒に死ねばよかったって、そう思うこともある。だけど、それでも…それでもあの日家畜をやめようと決めたのを後悔したことは一度もない。」
(優…やっぱり一人で背負いこんで…)
俺は辛い顔をしないように、作りものの笑顔でその場を見つめる。
その場を立ち去ろうとするが身体中の痛みで思うように動かない。
(流石に…これは…)
「陵さん。大丈夫ですか?肩を貸します。」
「ありがと、シノア。助かるよ」
そしてシノアの肩を借りて歩き始めようとすると後ろから声をかけられる。
「陵!そ…その…さっきはありが…い…いやなんでもない」
「えー、そこまできたら気になるよ〜。」
「な…なんでもない。とにかくあたしはお前と優が嫌いだ‼︎」
突然、そんなことを言われる。近くにいた優も、俺も!?と驚いている。そして、
「「また、それかよ〜」」
と二人して声をあげた。
吸血鬼が弱すぎる!!?
次はクローリー君が出てくるからきっと大丈夫だろう。
では次回もよろしくお願いします。