それと、陵のことがほんの少しだけ明らかに?
というわけですので今回も楽しく読んでくださったらとおもいます。
吸血鬼都市
(くそっ、あいつはどこだ。)
周りを見ながら目的の人物である、奴の姿を探す。
その探している人物は丁度目の前に現れた。そいつは銀髪の髪をなびかせながらあるいている。第七位始祖、フェリド•バートリーはこちらに気づきニコッと笑いかけてきた。
「やっと見つけたぞ。フェリド•バートリー。貴方が逃がしたもう一人の少年は鈴谷 陵ですね?」
「ん〜、確かそんな名前だったかな〜?」
私は苛立つのを感じる。
「そう、まさか天使だけでなく彼までも逃がすとは思わなかったわ。解析した結果彼は天使より悪質なものだった。」
「あっは〜?なんのことかな?」
またもとぼけるフェリド。
天使も人間側にとられ、彼までも人間側にとられた。彼だけはやっぱり私が見ておくべきだった。
「もういい。貴様を私は一生ゆるさない。」
「またまた〜、そういう君も好きだけどね。」
そういうフェリドを無視して私はその場を去った。
ー東京 表参道ー
「おい、まじでおまえこの車動かせるのかよ?まじのまじ?おまえすげぇな」
「…うるさいぞ、おまえ」
車を見つけたため移動手段として車を使おうとなったのだが…壊れていたため、今は君月が直し中だった。
それを見てか、あの優が君月に対して称賛の声を送っている。
「いや、でも俺…子供の頃しか車乗ったことがねぇからさぁ。吸血鬼の都市は車なかったし、渋谷じゃガソリンが貴重だって車なんかほとんど…」
優が言っている間も君月は黙々と作業を進めていく。
丁度その時車が動く。どうやら直ったみたいだ。
「どう?いけそう?」
「ああ、問題ない。」
優はどことなくワクワクした顔をしている。
「ってか、あれかな?あの、俺もちょっと運転していいのかな?」
「はあ?その様子じゃおまえ運転出来ないだろ。」
「いやでもさ、ちょっとだけならさ…」
「とにかく触るな。あとでちょっとなら運転教えてやるから。」
その言葉にさらに優は目を輝かせる。
「お前、運転も出来んのかよ!まじですげぇな‼︎」
本当にこういう時だけ素直な優である。
ふと君月の方を見てみると…あっ、照れてる。顔を少しばかり赤くしていた。本人もまさかこんなにも褒められるとは思ってなかったのだろう。
「い…いいからガキは後部座席に乗ってろ。」
俺と君月は歩いてすぐそこでお茶しているシノア達に近づく。
「動いたぞ。これで新宿はすぐだ。」
「おおー本当に動いたんですか?君月くん、車泥棒は犯罪ですよ?」
「うるせぇシノア。早く乗れよ。」
その時、あ…あ後ろ!と与一が声を出す。
後ろを見てみると車が大きな岩にぶつかっているところだった。そしてその車はバックしてまた反対側にあった岩にぶつかる。
「おまえ、何やっ…て!」
「優!?」
「「うおわ‼︎」」
その車はこっちに向って走ってきたためそれには流石に驚き君月と逃げる。
「てめぇ、ぶっ殺すぞ‼︎」
「これはやばい。ガチで死ぬ。」
優は車から降りて自信満々な顔をして言ってくる。
「いや、もう慣れてきた。乗れよ!俺が新宿連れてってやる!」
ビキツ…
隣にいる君月のキレる音が聞こえたきがした。
そして二人は喧嘩を始める。その喧嘩に何故か俺も巻き込まれた。
「ちょ…誰か…たすけ…」
そんな俺の願いは叶わず本格的に喧嘩に巻き込まれた。
「馬鹿やってないで、行くぞ。原宿での任務が終わったらすぐに新宿に来いと言われてるんだ。さっさと行かないと…」
「じゃー、シノア号かな乗ってさっさと新宿へ行きますか〜。」
シノアが車に向って歩き出す。
「みなさん、早く乗ってください。………あれ?」
流石にシノアの身長じゃあ車は高すぎたみたいだ。
そのシノアの様子に優と君月は喧嘩をやめてシノアの方を見ていたかと思うとハハハハハ!と大声で笑いはじめる。
「おまえの身長じゃ、無理だろ!」
「シノア、背小っちゃ!」
と言いながら。
その様子を見て俺はとてつもなく可哀想に思った。もちろん優と君月が…
「あっはぁ、なるほど…とりあえず今笑った人は死刑にしましょう。」
「「え」」
そしてシノアは鬼呪装備を出して…こちら向って攻撃してくる。…え?なんで俺まで?
「うそだろう!?俺は笑ってな…」
「陵さん…理由は自分で考えてください。」
そして、鬼神を思わせる顔でシノアは笑った。
◆
車の中で揺れながら俺は思う。
なんでこんなことになったんだ。と…
膝にはシノアが乗っている。それはしょうがないだろう、この車は5人乗りなのだから。
だが、今はそれではなく何故俺もシノアに怒られなくてはならなかったのか。ということだ。
前の席では俺と同様にボロボロな二人の姿がある。
「もう…シノアを身長でからかうのはやめよう。」
「ああ、そうだな。」
「なんで俺まで…理不尽だ。」
ふとシノアを見ると上機嫌に鼻歌をしている。
まぁ、機嫌はいいようだしシノアが笑っているならいいか。と結論付け考えるのをやめた。
しばらくして外から、ドゴン…ドゴオオン…と音が聞こえてくる。
「?なんだ?」
「音は新宿の方から聞こえているみたいだよ。」
その俺の言葉にみんなの顔に緊張感が走る。
「みなさん、とりあえず臨戦態勢で…あらゆる状況に対応できるようにしてください。」
「次の角を曲がったら、新宿の防衛壁が見えるはずだ。……曲がるぞ。」
車が曲がる。そして見えたものはあちこちから煙が上がっているそんな光景だった。
「あれは…新宿が襲われてる…‼︎?」
「うわっ‼︎」
キキキッと車のブレーキがかかる。俺たちの進む先には人影があった。よく見て見ると…
(あれは…貴族の吸血鬼だ‼︎)
「あの服…吸血鬼の…貴族だ‼︎止まるな君月‼︎轢け‼︎」
優も気付き君月に轢くようにと声を出す。
そして吸血鬼に近づいた瞬間に俺たちは車から出る。
ドンッと音を立てて車は吸血鬼にぶつかるが…いやぶつかってはいない。その吸血鬼は車を受け止めた。
そしてそれが合図だったように戦闘が始まった。
まず与一が敵に矢を打ち込む。完璧なタイミングだったのにもかかわらずその全ての矢が撃ち落とされた。
そして今度は吸血鬼が剣を振るう。
与一は動けない。しかし、与一の前に三宮とシノアが立ちその斬撃を受け止めた。それでもギリギリだったようだ。
「みなさん独断で動かないで‼︎相手は一級武装した吸血鬼です‼︎今までとは…‼︎」
シノアが言っている間にその吸血鬼はシノアの後ろにまわっている。
「させないよ!」
その吸血鬼の腕を切る。
「おっと…人間のわりにはやるねぇ、何者なのかな。」
「そのまんま、人間だけど?」
そして、優と君月、俺でその吸血鬼に攻撃を仕掛ける。
最初に君月が剣を振り下ろすが見事にかわされる。
そして優はそのかわしたところで剣を下ろす。がそれもかわされる。
「一旦、立て直すよ‼︎」
俺たちはバックしてシノアたちがいる方へもどる。
その時だった。新たに吸血鬼が二体増える。一人はボブな感じの髪をしている吸血鬼。もう一人はクルクルに毛先を巻いている吸血鬼。
「な…‼︎」
「どうする?また撤退か?」
「逃げられるならそうしたいですが…あのレベルが三人もいては無理でしょう。」
「なら、俺があの三人を引き止めるよ。その間にシノアたちは…」
「ふざけるな!お前まで失ったら俺は…」
そんな優の言葉に自分の頭が一気に冷めていくのを感じる。
「ごめん、優。じゃあ…まっ、みんなで戦いますか!」
「当たり前だろ!俺はそのために力を手に入れたんだから。」
そしてみんなで前にいる吸血鬼を見据える。
「こんなところでなにやってるんですかぁ。」
「前線で第七位始祖様がお呼びです。クローリー様。」
(前線?それに第七位始祖って…フェリド•バートリー!あいつ死んでなかったのか!)
「んー?フェリド君が私を?それはいかないとまずいねぇ。ここもちょっと、面白くなってきたんだけどなぁ。まっ、それは次の機会でいいか。」
クローリーと呼ばれた吸血鬼は俺の方をみて笑ってくる。
「今回は見逃してあげるよ。でも次は、君の血を吸わせてもらうからね〜。」
「俺の血はまずいよ。」
「あはは、それは僕が決めることだ。」
気付くとクローリーは後ろにいる。俺はすぐに後ろを向きクローリーの手を避ける。
「この、速さについてこれるとはね。まぁいいか。じゃあねぇ、かわいい家畜君たち。」
そしてクローリー達、三人の吸血鬼はこの場から去っていった。
「やった…、助かった…。」
「あの野郎…ふざけんな‼︎余裕顏で馬鹿にしやがって…‼︎」
そんな優を見て俺は掛ける言葉を呑み込む。
「くそ…、なんだよこれ、鬼呪装備使ってもこんなに力の差があんのかよ…?」
「優…、それでも俺たちは助かった。確かに強くなることも大切だけど…チームをこれからもっと磨いていくしかないよ。」
俺は優の肩を叩き落ち着かせる。
「陵さんの言う通りです。今回はいい勉強になりました。死者も出なかった。優さんが自分から撤退を提案してくれたのも嬉しかったです。なにより…陵さんを止めてくれてありがとう。貴方はグレン中佐が言った通り仲間想いですね。」
その言葉に照れる優。
「それと…陵さん貴方は後で説教です。」
「え!」
シノアに言われたその言葉に俺はこれからのことを思ってため息をついた。そして、
「よし、行くぞ!新宿を守るんだ。」
俺たちは新宿にむかって足を進めた。
なんか今回陵が不運だった気が…
まぁいいか。
次回はミカが出てくる〜!
シ、りょ「「次回もよろしく!」」