終わりのセラフ〜転生した少年〜   作:鬼城

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やっと書けた〜!

さぁさぁ、暴走編の後半です。
ではどうぞ!


十六話 神剣

「うおおおおおぉぁぁああああ‼︎」

 

優の叫び声が辺りに響く。

 

「や…やっぱり人間どもは優ちゃんを…‼︎優ちゃんだめだ‼︎僕と一緒に…‼︎」

 

ミカはこれについて何か知っているようだ。

 

「どういうこと?ミカ!」

 

その俺の質問にミカが答えようとした時、優がこっちに向って刀を振る。

 

「…‼︎」

 

普段の優からは考えられないほどの威力。

周りの瓦礫は衝撃波だけで粉々に砕け散り離れていてもその威力は感じられる。そんな悲惨な光景を見ていると頭に頭痛がはしった。

 

「はは、エグイねぇ。」

 

すると、急に頭の中で響く声。その声が聞こえた瞬間俺は転生する前にいた場所に立っていた。

 

「おい!神様…いや…ヤハウェ!」

 

俺はその声の主の名前を言う。

そう、あの声は陵をこの世界へ転生させた神…ヤハウェのものだった。ヤハウェとは旧約聖書における古代イスラエルの唯一神の名である。その神様がいきなり陵に接触して来たのだ。

 

「おっ、名前どうして分かったのかな?まぁ今はそんなこと言っている暇はないか…。あれを止めたいかい?」

 

名前が知られている事に驚きの顔を見せるヤハウェ。だがそれも一瞬のこと、すぐに真剣な顔を見せた。

 

「当たり前だよ、どうすればいい?」

 

「あれを使いなよ、今はただ振り下ろすだけでいい。」

 

あれ?と疑問に思うが俺はすぐに何のことを言っているのか気がつき頷く。

 

「分かった。」

 

「じゃあね、君の活躍を天から見守っているよ。」

 

そしてヤハウェの姿は消え俺はもといた位置に立っていた。

 

 

俺が前を見た時、優はまだ動いてはいないようだった。だがそれも一瞬のこと…

 

「…なんだ?ちょっとまずそうなの出てき…」

 

クローリーが呟くのと同時に優が刀を振り落とす。

そしてさっきの威力の比にならないくらいの威力により周りの建物が瓦礫と化す。

そして出来たのは大きなクレーター。

 

「なんだよこれ、人間は気味の悪いバケモノを作るなぁ。でも、ちょっとやばいか…フェリド君どうする?」

 

「ん〜、あれ何?」

 

クローリーの言葉を聞いてフェリドは目の前にいるグレンに聞く。

 

「さて、なんだろうね。」

 

「また君ら人間のお得意の人体実験?一体その際限ない欲望はどっから涌くのかなぁ。正直怖くなるよ、おまけに君らはいつもそれを制御できないし…ほら、」

 

そしてグレン達の視線は優の方へ…

優の目の前には座り込んだシノアの姿がある。

 

「つつツツツツツ罪人は……罪人は…ミナミナミナ皆殺しだ。」

 

「え……ゆ…優さん…?」

 

今にもシノアを攻撃しそうな優。

 

「だ…だめだ‼︎優ちゃん‼︎」

 

そして、刀を構えてその刀を…

 

ドスッ…刺されたのはシノアではなくそれを庇った金髪の吸血鬼ミカだった。

俺はその光景に目を見張る。そして俺はすぐにヤハウェに言われた通りにあれを使うべく天に向って片手を挙げた。

 

「我の契りに従い、我を守り、盾となるため今召喚されたし!ヤハウェの神剣‼︎」

 

そして一つの雷光と共に現れたのは金色の長剣それを俺は掴む。ヤハウェの神剣、それは神々から神格を携えし剣でれっきとした神様の剣だった。

そして、その剣を召喚している間にも事は進んでいった。

 

 

シノアを庇ったミカは優に向って叫ぶ。

 

「だ…だめだ、優ちゃん‼︎人間を殺しちゃ…」

 

「あ…あなた…なんで…」

 

「黙れ人間…おまえのためじゃない…優ちゃんを利用しやがって……」

 

「邪魔スルナ、吸血鬼。ニンゲンどもは皆殺しだ。」

 

優が、いや優ではないものが言葉を発す。それに対して俺は怒りを含んだ声で答える。

 

「へ〜、ニンゲンどもを皆殺し?俺がいる間はそんなことさせないよ!」

 

そして、俺は優に向って神剣を振り下ろす。だが、それは刀で防がれた。

(…っ一筋縄ではいかないか!)

一度距離をとり優の出方を観察する。その優の顔はさっきまでとは違い驚きの色を見せていた。

 

「ナッ…貴様…ナンデその剣をモッテイル!」

 

「あいにく、教えるギリはないね!」

 

俺は今出せる最大のスピードで優に近寄る。優は俺の剣をずっと見ていたため、隙だらけだった。そして…

俺の剣は防がれることはなく優に突き刺さった。

 

「ごめんな…優…」

 

そして、ドサッと倒れる優。

倒れた優を見ると背中にあった翼のようなものは消えていた。

(成功か…)

俺は優の無事を確認して神剣を消す。

 

「ゆ…優さん!陵さん、優さんは大丈夫なんですか?」

 

「ああ、眠らせただけだよ。」

 

催眠効果…これは神剣の能力の一つだ。今回はこれが優を救った。俺たちはとてもホッとした気持ちになったが…例外もいるようだ。

 

「…に、人間どもが…一体優ちゃんに何をしたんだ!?」

 

っと、ミカは一人怒りをあらわにして言う。

 

その一連の光景を見終わったあとグレンは笑った。

そしてフェリドはそんなグレンを睨む。

 

「ふふふ、派手な演出だろう?あれが俺の切り札だよ。」

 

「でも結果はなんにも出なかったじゃない。それより、あの鈴谷 陵ちゃんがクルルの言ったようにバケモノだね。」

 

「いや…結果は出たね。俺たちはなんせただの時間稼ぎの囮だからな。日本帝鬼軍のお偉方がーー、本隊率いてここに来る。お前らはこれで終わりだ。」

 

「ん?」

 

そして、遠くからの視線或いは殺気に気付きフェリドは遠く後ろの方を見る。

そのフェリドの視線の先には白髪の髪をしている一人の男の姿がある。

その男は遠くからフェリドを銃の鬼呪装備で狙っていた、柊 深夜(少将)だった。

 

「おっと、バレた〜でももう遅いよ。敵を貫け《白虎丸》あ…グレンには当てないようにね、じゃズドン」

 

深夜は引き金をひく、そして出てきたのは白い虎。その白い虎はまっすぐフェリドを狙って突っ込んでいく。

 

「くそ。」

 

流石にこれには危機感を覚えるフェリド。

そしてドドドドと音を立ててその虎はフェリドのいたところへ着弾する。

 

「…ふ〜助かった。君の忠告がなかったら、狙撃で死んでたかも。」

 

片腕はやられていたがほとんど無傷のフェリド。

どうやらうまく避けることが出来たらしい。それでも、十分な時間稼ぎにはなった。

それを裏付けるようにグレンの後ろには準備万端の沢山の部隊が現れた。

 

「おっとっと、これはこれは…」

 

「よし、一瀬中佐、分家のクズの割りには良くやった。」

 

グレンの隣に現れたのは、いかつい感じで、いかにも俺はすごい、偉いなどといった雰囲気をまとっている男。

柊 暮人 (中将)柊家の一人だった。その暮人にむかってグレンは言葉を返す。

 

「うるせぇよ。」

 

「あとは柊家で引き継ごう。俺の部隊が吸血鬼を殲滅する。」

 

「どうぞ、いつも通り美味しいところ本家様が持って行けよ。」

 

「はは、愚痴るなよグレン。あとでおまえにもちゃんと褒美をやるからさ。じゃ、いくぞ。貴族どもを生け捕りにする、人間にーー日本帝鬼軍にーー、…我ら柊家に逆らう者が一体どうなるか、骨の髄まで思い知らせる必要がある。やれ。」

 

それは誰もが見ても恐る黒い笑顔。

そして、暮人の命令によって部隊が動きだした。

 

その状況を見ていたクローリーはフェリドに聞く。

 

「これどうする?フェリドくん。」

 

「う〜ん、人間がわらわら増えてきてなんか気持ち悪いから逃げる。」

 

「は…相変わらずプライドないなぁキミ。で…僕はどうしたらいい?」

 

「死のうが、生きようが好きにすれば?」

 

そんな好き勝手なフェリドの物言いにクローリーは苦笑する。

 

「えー、呼んでおいてそれかよ。」

 

「あはは、さてじゃあ帰ろうか。僕がやりたかったことはちゃんと終わったし…」

 

「ん?やりたかったこと?」

 

「こっちの話、じゃあねークローリー君。」

 

そして、不可解な笑みを浮かべてフェリドはクローリーのもとを立ち去った。

 

 

「優は大丈夫なのか!?」

 

「優くん…」

 

「そいつは大丈夫なんだろうな?」

 

君月、与一、三宮がそれぞれ俺達の方へ集まってくる。

その三人にも、不安の色がみえる。

 

「大丈夫だよ。眠っているだけ…。」

 

俺はそう一言三人に返すと、さっきまでの顔が安心した顔へと変わっていく。仲間になったばかりだというのに、これほど心配されたり、したりする。本当に優しい奴らだ。だからこそ、俺はここにいる仲間が好きなんだ。そう改めて実感する。そんな中俺はプツンと糸が切れるのを感じた。

 

「…っ!?」

 

急に、気が抜けたのか体に力が入らず、そして俺は意識を失った。

 

 

今にも優たちの元へ行きそうなミカに

 

ポンッーー

 

と、それを止めるようにフェリドの手が肩に置かれる。

 

「撤退するよー」

 

「放せ‼︎僕は僕は優ちゃんを助けるんだ‼︎」

 

「気持ちはわかるけど、今はムリムリ…ほら見てよ、人間どもの欲望があんなにも醜くあの二人に絡みついてる。」

 

ミカの視線の先には、意識を失った二人を人間が支えているという光景。

 

「…!」

 

その視線にシノアは一人、気がつきその視線を送っている本人へ顔を向ける。

 

「……くそ、人間どもが……‼︎」

 

「あはぁ、どう?そろそろ人間が嫌いになってきたでしょう?人間が嫌い、でも吸血鬼も嫌い。じゃあ一体君は何になるのかなぁ〜〜?とても楽しみだ、じゃ帰ろうか。」

 

そしてフェリドはミカの腕を引っ張る。

 

「放せっ!」

 

それでもなお抗うミカ。

ガッー、フェリドはそんなミカの首元を掴む。

 

「はい、うるさーい。もう十分はしゃいだだろ、黙れよガキ。」

 

「優ちゃん…陵ちゃん…」

 

そして二人の吸血鬼は撤退していった。

その光景を見ていたグレンはその二人が消えた空を眺める。

 

「……ま、予定通りの成果はでたか…」

 

「中将…一瀬グレン中佐、あとで少し…お聞きしたいことがあります。」

 

そう言ったのは俺を抱えていたシノアだった。

 

「俺は、お前の話に興味がない。だから来んな。」

 

「中佐‼︎」

 

そんなシノアの声を無視してグレンはその場を立ち去っていった。

 

「そんなことより、二人を早く運ばないと!」

 

「これって、治療必要なのかな?」

 

「…はい、治療は必要だと思います。新宿に戻りましょ…」

 

「俺が優を抱えて走る‼︎お前らは陵をどうにかしろ!急げ‼︎」

 

そして走り出す君月。

 

シノアは一人その場に座り込み呟いた。

 

「…「ミカ」「優ちゃん」…「陵ちゃん」…家族…か…」

 

そのシノアの声は誰にも聞かれることなく虚空へと消えて行った。

 

 

コンコンコン、ドアを叩く音が聞こえて来た。

さっきから新宿の方で立ち上がっていた煙も消えており茜は一人安堵する。そして、扉を開けるべく玄関の方へ…

扉を開くとそこには優が着ていたものと同じ制服を着た男の人が二人立っていた。

 

「百夜 茜 さんですね?新宿に連れていくように言われています。今すぐ、準備してください。」

 

「え?…分かりました。」

 

突然の事に驚いた茜だが、荷物はそれほど多い方ではないのですぐに準備を済ませることが出来た。

 

「では、行きます。」

 

「…はい。」

 

そして、二人の男性に連れられて私は部屋を後にした。




やばい…ネーミングセンスがなさすぎる!
誰かネーミングセンスを分けてくれ!

ということがおきた十六話でした。

次回は優、一回休みになるかな?

では次回もよろしくお願いします!
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