終わりのセラフ〜転生した少年〜   作:鬼城

21 / 40
今回は暮人や深夜、葵が出てきます。

余談ですが…動画でやっている「終わらないセラフ」でもこの面接シーンは面白くできていましたね。

では、どうぞ!


二十話 面接開始

ーー 一号執務室ーー

 

中は光などない暗闇だった。本当にココであっているのか不安になるほど何もない部屋。いや、人の気配はある、でも何故電気をつけていないのか。

すると、バタンとさっきまで開いていたドアが一人でに閉まる。

 

「?なんだ?」

 

「優…前をみなよ。」

 

そして、俺の声により前を向く優。俺たち二人の目の前にはライトに照らされた吸血鬼が二体いた。だが、その吸血鬼には鎖で繋がれていた後がある。どうやら、意図として放たれた吸血鬼みたいだ。

 

「おまえを…殺す。」

 

「はぁ?なんでここに吸血鬼がーー」

 

「そんな事を言っている暇はなさそうだよ。優そっちの一体は任せた。」

 

そして吸血鬼は「死ね人間!」と襲いかかってくる。

 

「いや、死ぬのは君だよ…吸血鬼!」

 

俺の言葉のあと吸血鬼は消えた。そして、優の方を見る優も一発で吸血鬼を殺したみたいだ。

 

「ったく、なんだよいったい…」

 

その優の声に何処からか現れた三人の内の一人が答える。

 

「裏切り者を試す、踏み絵だよ。おまえが吸血鬼を殺せるかどうか試した。結果おまえは非武装の吸血鬼を平然と殺したーーという事実が一つ増えたな。だが、それだけだ、では面接を始めようか。」

 

「柊 暮人…日本帝鬼軍の中将…」

 

「ああ、あの黒髪が陵の言っていた奴か…」

 

俺の呟きに優は納得いったように頷く。

そして、面接が始まった。

 

 

面接が終わり大きな建物をでたあと三宮はシノアの姿を見つける。

 

「…シノアか、何してる?」

 

「別にーちょっと散歩してるだけです。みっちゃんは呼び出しですか?」

 

「ああ…出世した『吸血鬼殲滅部隊•特務少尉』になった。」

 

「さっすが〜名門•三宮家、全然活躍してないのに出席だなんてなかなかやりますねぇ。」

 

そのシノアの言葉に三宮は顔を険しくする。

 

「あは〜、怒りました?」

 

「別に…面と向かってそんなふうに言ってくれのは、あんただけだし……」

 

少し照れたように顔を赤くして答える三宮。

 

「みんな意外と影でグチグチ言いますからねぇ。」

 

そのシノアの言葉に三宮は小さく「…あの二人は違ったけど。」とつぶやく。

 

「え?」

 

「ううん、なんでもない。それより、あんたのほうはどうなのよ。あんたも今回の件で当然階級がーー」

 

「上がりませんよ。もし昇進辞令がきても全部蹴っちゃいますしね。」

 

シノアはニコニコ笑いながら言う。そんなシノアに三宮は苦笑する。

 

「さすが本家様やりたい放題ね。」

 

「いえいえ、むしろ私は中枢に見捨てられてるんだと思いますけどねぇ、なにせ姉が柊を裏切って大事件を起こした張本人なので、」

 

その言葉に三宮は苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

「《鬼呪》に呑み込まれた壊れた天才ーー柊 真昼 か…」

 

「ええ、それに姉が天才すぎて私は父にあったことすらありませんしね。たくさんの女に産ませた子供の中で姉は次期家長候補として最も評価されていた、でもその姉が死に…そしてラッキーなことに雑魚な私は用済みに…」

 

「ラッキーって……」

 

「だって腹違いとは言え家族同士で権力を争うなんて嫌でしょう、それも相手はあの柊 暮人なんていうバケモノですし…」

 

三宮はこの名前を聞いただけでゾクっと悪寒がはしるのを感じる。それだけ、暮人は誰もが認める強さなのだ。

 

「さっき……暮人様と深夜様に会ってきた。」

 

「あ…やっぱり一号執務室にいるのは暮人兄さんなんですね。で…どうでした?」

 

三宮は一号執務室があるであろう場所を見上げる。

 

「…いま優が会っるはずだ。あいつが吸血鬼と繋がってないかどうか調べるらしい。」

 

「へぇ…で、みっちゃんは昇進と引きかえにどこまで話したんですか?」

 

「なんのことだ。」

 

「戦場での出来事ですよ。あと優さんたちについての質問。」

 

「あの二人は…裏切ったりしない、とだけは言った。」

 

「あの暴走と陵さんの雷とともにでてきた謎の剣については?」

 

そのシノアの質問のあとしばらくの沈黙…シノアは笑うのをやめて下を向いている。

 

「…優については知らないようだった。ということはつまりアレは帝鬼軍の正規の研究じゃないな。陵は…雷は大きかったしバレているかもしれないが…鬼呪の能力とか言ったらバレないだろうな。いったいアレらがなんなのかおまえは知ってるのか?」

 

そして、シノアはグレンの言葉を思い出す。「人体実験」をしているという言葉を…だが、それに陵も入っているのかは知らない。

 

「……さて、どうでしょう。これほど壊れた世界ではもう誰が味方で誰が敵かーーいまいち判然としませんからねぇ。」

 

「……まあな、とにかく…優たちに何事もなければいいが…」

 

そう心配する三宮。その姿を見てシノアはいつもの笑顔で笑う。

 

「あ…まーさか、みっちゃん優さんにホの字とか?陵さんは渡しませんが…」

 

「な!!?そんなはずないだろう‼︎なんであたしがあんな馬鹿を!?それにおまえ…陵が好きだったのか!!?」

 

「え?…なるほど馬鹿ですね。知らないんですか?私たち付き合ってますよ?」

 

「え?ぇぇぇえええええ!」

 

そして三宮の声が外に響いた。

 

 

「私の名前を知っていたか…じゃあ自己紹介はいらないな…さて、ではおまえらが誰で信用に足る人物なのかについての面接試験をはじめよう。まず、おまえの純粋な剣の技術を見せてもらう。《鬼呪》を発動するな。」

 

そして、優に剣先を向ける暮人。どうやら一人、一人見ていくようだ。

 

「いいけど、でも本気でやっていいのか?柊のお偉いさんが負けて恥かいてもしらねぇぞ。」

 

「ははは、百夜 優一郎 おまえはそんなに強いのか。それは楽しみだ。」

 

「俺は別に楽しくないけどね。ま…んじゃ来いよ。」

 

そう言って優が刀を構える。両方とも準備オッケーだ。

 

「優ちゃ〜ん、あまり暮人兄さんの言うこと信じない方がいいよ。」

 

いよいよ始まるというときに白髪の男がそう優に警告する。だが…そんなことはもう遅い。

 

「もう遅いよ。憑依しろ《雷鳴鬼》」

 

「なっ…‼︎てめ鬼呪は使わないって…‼︎」

 

そう優が言っているような間に暮人は優の首元に剣を突きつけた。

 

「なるほど、おまえの実力はわかったよ。」

 

「…卑怯だぞ。」

 

「ああ、そうだなで、それが?戦場で卑怯だと叫びながら死ぬか?だが、態度はいい。『鬼呪は使うな』という住家の言うことを疑いなく聞く、その姿勢には好感が持てる。跳ねっ返りのグレンの部下とは思えな…」

 

優に後ろを向けてそう言う暮人に優は素早く動きその背中に刀を振り下ろす。つまりは、卑怯な手というわけだ。

 

そしてキィンという金属音。優の刀は金髪の女性により防がれていた。

 

「…ぐっ、この子強………‼︎」

 

「おまえいま仲間が守ってくんなきゃ死んでたぞ。あ…それとも背中きら襲うなんて卑怯だーっていうか?」

 

「ははは…負けん気が強いな、前言撤回しよう。確かに君はグレンの部下だ。」

 

そして暮人は白髪の男…柊 深夜に声をかける。

 

「深夜、次はおまえだ。」

 

「えー、やだよ。暮人兄さんと違って弱いものいじめ嫌いなんだけど。」

 

「黙れよ。弟は兄の言うことを聞くもんだ。」

 

「血ぃ繋がってないじゃない。僕 柊家の養子だし…」

 

「いいからやれ、殺すぞ。それと…鈴谷 陵次はおまえだ。」

 

急に話を振られて困るがやっと俺の番が来たらしい。そして、俺の前には暮人がそして優の前には深夜がという配置となる。

 

「よし、じゃあ始めるか…さっきも言ったように《鬼呪》はなしだ。いいな?」

 

「さっきので、説得力ないんだけど?まぁいいよ、別に鬼呪装備使わないしね。」

 

そして俺は腰から光剣をだし構える。

 

「はは、そんなもので俺とやりあうと?舐められたものだ。」

 

そして、暮人も刀を構える。

 

「じゃあ、はじめようか。」

 

その声と同時に暮人の刀から優の時と同じように無数の雷が光る。

 

俺は目を閉じた。そして、息を整える。目を開けるとすぐ目の前に刀が迫っていた。それをなんなく受け流す。

 

「ほう?なるほど…おまえはあいつと違うようだ。」

 

「優は強いよ。ただ…さっきのは油断しただけじゃない?」

 

「戦場で油断とは…まぁそれはお前にもいえるがな…何故本気でこない?それこそが命取りとなる。」

 

その言葉とともに後ろから殺気を感じる。後ろを見るとさっきの金髪の女性 三宮 葵が俺に向って刀を振り下ろしていた。だが…遅い。

そして、その後ろからの攻撃をなんなく受け止め、前からの暮人の攻撃は避ける。普通の人間では反応できることが出来ないだろう攻撃。だがそれすらも俺には届かない。

 

「!?お前…本当に人間か?」

 

「戸籍的には人間かな。」

 

「ははは、気に入ったぞ鈴谷 陵。」

 

そして俺たちの戦いは終わった。何故気に入られたのかはわからないが…どうやら認められたみたいだ。

そして、俺は隣で深夜と戦っている優を見る。そっちも丁度戦いが終わり優はコテンパンにやられていた。

 

「優負けたの?」

 

「うるせぇよ。」

 

「ちなみに言うとね、優をコテンパンにしたのは柊 深夜少将だよ。」

 

俺は優に向けて笑う。そうして、優と会話をしていると深夜の声が聞こえた。

 

「これで、僕の嫌疑は晴れたかな。あきらかに優ちゃん僕のこと知らない反応でしょこれまぁ、陵くんはシノアちゃんの彼氏だから知っているとしてもね。」

 

「あ?つかおまえら何の話をして…」

 

「実はいま、グレンと仲がいい僕も疑われて面接されてるんだよねぇ。軍の中に吸血鬼のスパイがいるかもしれない……なんてのは、柊家にとっては許しがたい大問題だから。」

 

優の言葉にそう説明する深夜。やはり俺たちは疑われていたらしい。

 

「おいちょっと待てよ。俺達が吸血鬼のスパイなわけ…」

 

「黙れ…喋るなスパイの言葉は信じない。」

 

優の言葉を止めて暮人はパチンと指をならす。すると扉から軍人二人に連れられてでてきたのは与一と君月だった。二人とも口に布を加えており腕は後ろに縛られている。

 

「な…‼︎与一‼︎君月‼︎」

 

「なるほど、これが柊家のやり方か?それなら少しやめてくれない?」

 

「ほざけ、おまえらがスパイなどするから仲間を少し痛みつけただけだ。」

 

俺は少し怒気を含めた声で言うとやはりと言うべきか…予想していた答えが返ってくる。

 

こうして本当の面接が始まろうとしていた。




まだ終わらない面接…

次回はどこまでいくかわかりません…
では次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。