終わりのセラフ〜転生した少年〜   作:鬼城

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やっと来たー!冬休みです!

そして、今回はついにあの二人が…

それでは、どうぞ!


二十一話 新たな進展

「百夜 優一郎および鈴谷 陵…逆らえば仲間を殺すぞ、真実だけ話せ。」

 

暮人の言葉が冷たく頭に響く。

さっき、こいつはなんていった?仲間を殺すといったのか?何故?何故、何故…という壊れた声が頭を埋めて行く。そして、俺は気づいたら動いていた。

 

と、同時にドサッという音…君月と与一を掴んでいた軍人が倒れた音だ、それに誰もが言葉を失う。なぜなら、一瞬の出来事だったからだ、この中でだれ一人としていま起こったことが分かっていないだろう。

 

「なっ‼︎?馬鹿ないくらなんでも速すぎる!」

 

「柊 暮人、もし俺がスパイだったとしたら一瞬でお前ら殺してるよ?」

 

俺の声とは思えない、ひどく冷たい声…俺自身もびっくりする。そして俺の言葉に暮人は冷や汗のようなものをかいていた。

 

「おまえは遊びが過ぎた…でも大丈夫だよそこの二人は死んでない。気絶しているだけ…」

 

俺はそこで倒れている軍人に目を向ける。そこには同様に倒れている君月と与一がいるため、その二人に近寄り、口にある布を外し手にしてある縄を外した。

 

「ありがと、陵くん」

 

「感謝する、陵。」

 

「これくらいのこと、当然だよ。」

 

そして、今だ驚いている暮人の方へ歩く。

 

「で?質問してくれれば、真実だけ話すけど?」

 

「ははは、本当お前は人間か?これほどまでの奴には会ったことがない。まぁ、いいだろう今日はお前の言うことを聞いてやる。」

 

そう言うと暮人は何枚かの紙を取り出した。

 

「じゃあ、やるぞ。お前らの報告は少ない。この短期間に急に《鬼呪装備》それも黒鬼シリーズを手に入れた逸材ーーああまぁ、そこの二人もそうか…通常《鬼呪装備》試験を受ける者の背景は徹底調査されるが…おまえらはされていない。さてこれは一体どういうことだ?おまえらはどこから来た?何を任務としている?」

 

「任務って…吸血鬼を殺すことだけど?ねぇ?優。」

 

「ああ、俺はそのためだけに生きてるからな。」

 

そう自信満々にいう優…そんな俺たちを値踏みするように見る暮人。

 

「なるほど…ということは吸血鬼に家族を殺されたことは事実だな?」

 

「「事実だ。」」

 

「だが、なぜだ?なぜグレンはおまえらを救った?おまえらはグレンのなんだ?」

 

「そ…それは…」

 

優が言葉を詰まらせる。さすがにグレンのことなんて知らない、だが一つ言えることは…グレンは優のナニカを利用しようとしているということだけ…

 

「百夜 優一郎、おまえは名字に百夜の名をもってるが…かつて日本最大の権勢を振るった呪術組織《百夜教》の生き残りか?」

 

「…え?い…いやこれは、俺がいた孤児院の名前をつけただけで……」

 

「ちょーと、これ優ちゃんが吸血鬼のスパイかどうかの質問から離れてない?君ほんとはグレンを疑ってるでしょ。もしくはグレンへのスパイに仕立てあげようとしてるとか。」

 

と話を遮る深夜。

というより、誰が柊のコマになるかよ。と思うがそこは言わないでおこう。

 

「ふっ、それは出世ということだろう?俺の直属の部下になってグレンを探る。でも、やめておこう。彼らは…特に鈴谷 陵は我々の手に余る。」

 

「そりゃどうも、賢明な判断ですよ。」

 

そんな会話に優は今の状況がつかめていないのかこちらをジッと見てくる。もちろん、それは今は無視だ。

 

「さて、《百夜教》はかつて、まだ人間が地上で栄華を享受していた時代ーー俺たちよりも質が悪い宗教組織だった。そして《百夜教》が運営していた孤児院はすべからく身寄りのない子供を集めて人体実験をしていた。おまえは恐らく呪術実験のモルモットだ。」

 

「え……」

 

優はその言葉に驚く。それもそうだろう、自分が人体実験をされていたなんて聞いたら誰でも驚く。その優の驚いた様子を見て暮人はさらに続ける。

 

「知らなかったのか。だが、おそらくおまえはその生き残りだ。グレンはそのおまえの中の何かを利用しようとしているぞ。知ってたか?」

 

「………」

 

「よし、事実は整理された。これから、精々頑張るんだな。」

 

そう吐き捨てるように言う暮人。そして暮人は出口である扉に手をかけて開ける。どうやら帰ってもいいみたいだ。

 

「帰る前に言っておくぞ、少なくてもグレンはおまえみたいなやり方はしない。」

 

「はは、そうなのか。だがな百夜 優一郎、それだからグレンは俺に追いつくことができないんだよ。」

 

そして、踵を返して柊 暮人は部屋から出て行った。それを見てから俺たちは与一や君月に近寄り手を貸す。

 

「それじゃあ、帰りますか。」

 

そして、俺たちが部屋を出て行く時、深夜は一人呟いた。

 

「あはは、いやー、すごく嫌な所でしょう。ここ」

 

と、苦笑いを浮かべながら…

 

 

外に出るとシノアと三宮の姿があった。

 

「あ、陵さん。」

 

「!優…って君月‼︎?与一も……‼︎いったい何があった‼︎?」

 

そう聞いてくる三宮。だがその質問には誰も答えなかった。なぜなら三宮の後ろいるグレンの姿を見つけたからだ。

 

「グレン‼︎おまえ全部説明しろ‼︎あと俺たちに仲間でいて欲しいなら、ちゃんと《鬼呪装備》の使い方を教えろよ‼︎馬鹿が‼︎」

 

「優の言う通りだよグレン。」

 

「もちろんそのつもりだ。」

 

グレンは俺たちにそう言うと帰って行った。

 

 

俺たちは今、屋上にいる。もっと正確に言うと屋上につながるドアを少し開き屋上の様子を見ていた。もちろんシノアも一緒だ。

 

「さっきからあの二人なにも話しませんね。」

 

あの二人とは屋上にいる優と茜のこと。茜はどこかソワソワとしている。

と…茜が優に向かって話し始めた。

 

「ねぇ、優ちゃん。私ね優ちゃんのこと好きなんだ。」

 

「ああ、俺も家族はみんな好きだ。」

 

「優ちゃん馬鹿だね。」

 

本当にそうだ。と俺とシノアは心の中で同意する。

 

「優さん最低ですね。ここまで鈍いとは…」

 

「それには心の底から同意するよ。」

 

そして、また二人に目を向ける。

 

「違うの…そういう意味じゃなくて…優ちゃんに彼氏になってほしいの。」

 

「……は?え?ごめんけど今は…」

 

「知ってる。でも…こんな崩壊した世界で、そんなこと言っても意味ないでしょ?私は優ちゃんを支えていきたいの!」

 

そう言った茜の顔は少し赤かった。シノアはさっきから隣で「茜さんいくんです!いまだ!そこだ!」とかなんとか叫んでいる。

 

「俺は……ミカを助けてからでいいか?」

 

「もちろんだよ!私も早くミカに会いたいからね。」

 

とそこで二人の会話は終わったようだ。

 

「シノア終わったみたいだよ。」

 

「そうですね。それじゃ、行きますか。」

 

そして二人で屋上の扉を勢いよく開けて「いい、天気だな。」といいながら屋上に入る。

 

「!?びっくりした。おまえらかよ。」

 

優はいきなりしたドアの開く音にビックリしたみたいだ。そんな優を見てシノアは笑う。

 

「ビックリするなんて…なにかやましいことでもしてたんですか?二人で…」

 

「ば…馬鹿じゃねーのそんなこと…なにもなかったよ。うんなにもなかった。」

 

「そうだよ〜シノアちゃんそんなことなにもしてないよ。」

 

そう二人ではぐらかす様子はとても可笑しく思えた。そして、シノアがさらに弄っていくのを見てから俺は西の方を向く。俺たちがいた吸血鬼都市の京都がある方角を…

 

「あそこにミカがいるかな。」

 

不意に声が聞こえ隣を向くとそこには同じく西を見ている優がいた。

 

「なにを二人して見てるんですか?」

 

「西だよ。」

 

聞いてきたシノアにそう答える。そして次は優が喋り始めた。

 

「…ミカがいるのはきっと西だろ?吸血鬼の都市は…俺が捕まってた場所は京都の地下だったと聞いたからな。」

 

「ふうん、新宿から京都が見えるなんて優さんは目がいいですねー。」

 

「いや、さすがに見えねーけどさ。でも…俺は必ずあいつを…家族を取り戻しに行くんだ。」

 

「家族だから…ですか。」

 

一瞬悲しそうにするシノア。その表情に優は気付いていないようで、笑いながらシノアに向けて指をさす。

 

「あ…吸血鬼んとこ殴り込みに行く時はシノア…一緒に頼むな?」

 

「え〜私も行くんですか?陵さんが言うなら考えます♪」

 

「それこそ、え〜だよ。こっちに話をふらないでよ。でもま…俺たちでミカを救うの無理だしね。助けてよ、シノア。」

 

そう言うとシノアは「いいですよ♪」と言いながら腕にしがみついてくる。

 

「そういえば…茜、小百合さん達に呼ばれてなかった?」

 

「あっ!そうだね。じゃあ三人ともまたね!」

 

俺の言葉に茜はそう返して屋上から出て行く。それとすれ違いにグレンが入ってきた。ちなみに、シノアは腕にしがみついたままだ。

 

「なんだ?おまえら、またイチャついてんのか?」

 

「そうですが、羨ましんですか?グレン中佐」

 

「おまえちょっと黙っとけ。」

 

そして、グレンはこっちをジッと見てくる。

 

「陵…おまえ…《鬼呪装備》の使い方教えるのになん鬼呪装備をもってきていない?ふざけてんのか?」

 

グレンの言った通りで今の俺の腰には鬼の刀が装備されていない。

 

「あー、これのこと?」

 

そう言って俺は腕に付けてあるブレスレットをグレンに見せる。そのブレスレットは刀と同じように黒くその真ん中には蛍光色の緑の線が入っていた。

 

「なんか分からないけど、朝起きてたらこうなってたんだよね〜。」

 

「まあいい。って言うより俺、帰っていいか?」

 

そんな事を急に言い出すグレン。とうの本人は欠伸をして眠たそうにしている。

 

「ざっけんな!はやく教えろ!」

 

「はぁ、優うるさい。別に俺が教える意味はねぇんだよ。シノアと三葉はやり方しってるしな。」

 

「へ?そうなの?」

 

「まぁ、教えられますけど…私、普段鎌持ってないでしょう?でもどこからともなく《鬼》と《武器》を具現化しちゃいまーす。シーちゃん出てきてー」

 

シノアの言葉に応じて鎌がシノアの手に現れて鬼がその後ろに具現化する。

 

「おーー!…んじゃこれが『具現化』か?」

 

「そうでーす。契約した鬼を外に出して特殊な能力を使えるようにした状態です。ちなみに彼女は私が契約している《四鎌童子》のしーちゃんです。ね、しーちゃん。」

 

「………」

 

「愛想ねぇなぁ。」

 

「鬼は基本外では喋らないですからね〜でも、私の心にはいっぱい話してくれてますよ。」

 

「へー、それは残念。シノアの鬼と話してみたかったんだけどなぁ。」

 

と俺が言うと優がこっちをジーッとみてくる。

なにかしたかな?と一瞬不安になるが…

 

「陵、おまえ死ねよ。」

 

とグレンが言ってきたのでやっぱり、なにかやらかしたらしい。

 

「はぁ、それじゃ始めようか。」

 

そして、新たな力を手に入れるための授業がはじまった。




微妙なところでおわってしまった…

次回は陵が能力使うところまでいきたい…

それでは、次回もよろしくお願いします!

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