終わりのセラフ〜転生した少年〜   作:鬼城

23 / 40
メリークリスマスー!

そして祝お気に入り数200突破!

読んでいる方ありがとうございます!

これからオリジナルを増やしていこうと思っていますのでしばし我慢を…それではどうぞ!


二十二話 真昼

 

「さーて、《鬼》には性質がある。武器使用者に取り付いてより強くするタイプか、外に出て特殊な力を使うのが得意なタイプか。」

 

そしてグレンは自分の刀を取り出し構える。その刀は黒い霧で覆われていく。

 

「ちなみに俺の刀は《前者》だ。使用者に憑依してより強くしてくれる。」

 

「へぇ〜、阿修羅丸おまえはどっちのタイプなのかな〜」

 

優は自分の刀を見てグッと握る。その様子をみてグレンは「よし。」と声を出した。

 

「おまえが次の段階に進んでいいか見てやる。刀を抜いて《鬼呪》を発動してみろ。俺も普通に《鬼呪》だけ発動する。斬り合うぞ。」

 

「お、まじで?ちょっと久しぶりだな。」

 

そうして二人は刀をそれぞれ構える。グレンは刀を前に構え、優は腰を低くして横に刀を構えた。

 

「これ、俺はどうしたらいいやつ?」

 

「さぁ?優さんの行く末を見守りましょう。」

 

そして、同時に聞こえたのは刃と刃が重なり合う金属音。グレンの動きに優はちゃんとついていっておりほとんど互角だ。

 

「へっへーん、どうよ。もう昔みたいな差ねぇんじゃねぇの?褒めてもいーぞ?」

 

「と…今のが《鬼呪装備》だけの力を使った場合。で、次は鬼を憑依させる。俺に憑依しろ《真昼》」

 

優の自慢気な言葉を無視するグレン。そして、グレンの雰囲気がガラッと変わる。グレンの後ろには女の人の影が見えさっきまでの黒い霧は炎のように立ち上がる。

 

「……真昼?」

 

不意に隣で声がした。シノアの方を見ると驚いたように目を見開いている。そんなシノアをよこにグレンはさらに続ける。

 

「一撃でも受けられたら褒めてやるよ。」

 

そしてグレンは刀を振る。それを真っ正面から受け止めようとしていた優はその衝撃により屋上の外へ

 

「ちょ…うおお嘘だろ!?うわわっ!!」

 

まぁ、優のことだ落ちてもへっちゃらな顔で戻ってくるだろう。そして屋上は優がいなくなったためか静かになる。

 

「ふむ、ちょっと静かになったか。」

 

「しーちゃん、殺っちゃってください。」

 

「ん?」

 

シノアが鬼を具現化しグレンに攻撃をする。その鬼をグレンは簡単に消すとそれを狙っていたかのようにシノアはグレンの首に鎌をかけていた。

 

「陵、おまえの彼女止めなくていいのか?」

 

「冗談言わないでほしいよ。真昼って柊 真昼だよね?なら仕方のないことなんじゃないの?」

 

柊 真昼 柊家の次期当主とまで言われていた天才。だがその真昼は死んだ。それなのに、グレンは真昼の名を呼んだ。それを問い詰める権利はシノアにもあるはずだ。

 

「はぁ、で?シノア、なぜ止める?殺りたきゃ殺れよ。」

 

「私の武器の長所は特殊能力ですから、近接じゃ全然中佐にかないません。どうせ簡単によけちゃうんでしょ?」

 

「おまえにだったら殺されてもいい。」

 

「柊 真昼を……私の姉を殺した罪滅ぼしにですか?その刀には私の姉が入っているのしょう?さっき姉の名前呼んでましたもんね。」

 

それは初耳だった。柊 真昼という名前と死んだ、というのは知っていたが…グレンが殺したとは、まぁたとえ授業でしていてもほとんど寝ているため覚えてないだろうが…

 

「真昼はもういない…あいつは《鬼》になり《鬼呪装備》を完成させて世界を救ったんだ。」

 

「あはは、冗談言わないでください。姉は世界なんかに興味のある人じゃなかった。ただ、ただ、あなたに恋をしていただけ…決して結ばれない運命のあなたを欲しがって鬼に取り憑かれてしまった。なのに8年前ーー世界が突如終わっちゃってーー」

 

8年前、抗ウイルス薬を持ってなかった大人たちは全員死亡ーー大地には人間を襲う《ヨハネの四騎士》がどこからともなく現れーー人口激減による血液不足を恐れた吸血鬼が人間を管理し始めたーー

 

「誰かが言った。それは破滅だ、黙示録だ。増えすぎた人間に神の罰が下ったのだ。と…もしも姉が《鬼呪装備》を完成させていなければ、本当に人間は滅びていたかもしれない。恋する乙女が一転まるで救世主ですよ。でも、彼女は殺された、研究に取り憑かれて鬼に成り果てたからそしてその彼女を退治したのがーー姉のかつての恋人一瀬グレン。」

 

そして、シノアは語り終えるとグレンの首に鎌の先端を向ける。だが、それだけですぐに鎌を下ろした。そしてまた続ける。

 

「ということに表向きはなってますがーーもしかして、姉はその刀の中でまだ中佐と一緒にいるんじゃないですか?中佐は姉に取り憑かれている。」

 

「…だったらどうする?」

 

「さて、どうしましょう。」

 

「そもそもおまえらそんなに仲のいい姉妹だったか?」

 

「…いいえ、私は柊家ですよ?家族っていうのがなんなのかもわからず育ちました。」

 

「ならもう黙れよ。」

 

そうグレンがため息を吐いて言う。そして屋上の扉からカンカンカンという音も聞こえ始める。優が戻ってきているのだろう。

その音を聞いてシノアは笑う。

 

「ですが…血が繋がってるわけでもない家族にあんなに必死になってるのを見せられちゃうとちょっと…友達や仲間をもう少し大切にしてみてもいいかなぁとか思いまして……優さんを利用しようとしてるのは姉の命令ですか?姉が…いえ《鬼》が刀の中から命じてる?中佐の目的はなんです?」

 

「「もしそれが優(さん)のためにならないことならちょっとやめてくれないかな(やめてくれませんかねぇ)?」」

 

そして、俺たちは鬼を具現化する。俺は初めてだったが上手く呼び出せたみたいだ。俺の後ろで薄い紫色の長い髪がなびいている。

 

「なんだ?おまえら二人して…それに陵おまえ具現化できたんだな。それがお前の鬼か?」

 

「はは、そうだね。元は人なんだけどね。」

 

俺がそう言ったあとにバンッと音を立てて扉が開く。

 

「やっと戻ったああああ‼︎!外壁に刀刺して戻ろうとしたら壁に傷つけんなって衛兵にすげぇ怒られたんだけど!!」

 

そう言って入ってきたのはもちろん優だ。

 

「あはは〜優さんはいっつも間抜けですねぇ。」

 

「ああ!陵それ鬼なのか!そうなのか!なんでお前はもう出来てんだよ!ずりぃだろ!」

 

優は俺の後ろにいる鬼を指で差しながらそう問い詰めてくる。

 

「知らないよ。なんか出来るようになってただけ…」

 

「クソッ!つか俺の刀はどっちかな?憑依?具現?」

 

そう聞いてくる優と話している時グレンは出していた刀をしまう。それを見て優がまた騒ぐ。

 

「あ!なんでおまえ帰ろうとしてんだよ‼︎」

 

「あれ?もう中佐がいる。」

 

「あ、ほんとだ」

 

「ん?」

 

優が騒いでいる時与一、三宮、君月の三人が丁度屋上に到着する。

 

「グレン中佐…早いですね。確か集合時間まで、まだ30分以上あるはずですが…あたしたちの思い違いでしたでしょうか?」

 

その三宮の言葉にシノアはグレンに向かって笑う。

 

「…あれぇ、私達が聞いてた集合時間と違いますねぇ。まさかこれ、私に姉のことを伝える会だったとか?」

 

「俺の凄さを伝える会だよ。まずシノア、お前の姉は死んだもう戻らない。鬼になって刀の中にいるが制御できてる、俺はあいつに取り憑かれてない。次に優。」

 

「お?」

 

「おまえはもっと強くなれる。」

 

「まじかよっ!」

 

グレンの言葉に嬉しそうな顔をする優。

 

「《鬼呪》の使い方はシノアや三葉に教えてもらえ、別に俺じゃなくてもできる。それと、陵に稽古でもつけてもらっとけ。じゃ話は終わりだ」

 

「えー、そうやってすぐ俺に振る〜優に稽古とか必要ないよね。」

 

「おお!俺に稽古してくれんの!?俺、陵と刀交えたことないからワクワクするな!」

 

俺の言葉を聞かずにそうはしゃぐ優。そこまで言われたらやらないなんて言えない…そして、そんな俺たちをほっといてグレンは帰ろうとする。

 

「おいちょっと待てグレン。帰るなら一つ教えてくれよ、柊 暮人とかいう奴に俺はあの孤児院で人体実験の材料にされてたって聞いたんだけど、あいつの言ったことはほんとうか?俺はなんかの実験体なのか?俺の家族も…ミカやあそこにいた孤児院の仲間たちもみんな実験に使われてたのか?それ分かってておまえは俺を利用しようとしてたのか?」

 

「…そうだ、利用価値のない奴を助ける余裕はないからな。で、それ聞いてガキが怒るのか?」

 

そんな優とグレンの会話に重い空気が漂う。そして、三宮たちもその話を静かに聞いている。

 

「いいや、お前が俺を助けてくれた事に変わりはない、だから俺が気になるのは俺はお前の役に立つのか?ってことだけだ。…おまえには俺が必要か?必要なら同じ孤児院だったミカのことも欲しがってくれるか?もしそうなら…俺はおまえを全面的に協力する。」

 

「ねぇ、グレン。言ったよね?俺はおまえらの親だと…なら俺たちにミカの取り戻し方を教えてくれるよね?」

 

「優くん…陵くん…」

 

与一が俺たちを心配するように呟く。そしてグレンは俺たちの方を見て答えた。

 

「当然の事を怒鳴るな馬鹿が…俺も含めてここにいる仲間はもう家族だ。ならみんなでおまえらの家族を取り戻せばいい。じゃあ俺は帰るぞ」

 

そう言って帰っていくグレンを見送ると優が「よし!」と急に声を出す。

 

「そうとなったら、さっそく《鬼呪装備》の訓練始めようぜ!シノア 三葉教えてくれ!」

 

「ふむ、ならまずあたしのことは先生と呼べ」

 

「いやだね」

 

三宮の言葉に君月がそう答える。

 

「なんだと‼︎」

 

「ちょっと〜」

 

君月に対してそう怒る三宮…を止める与一。そんな中俺はシノアの方を見る。さっきからシノアはなにかを考えているのかずっと無言のままだ。

 

「中佐は信じられても姉は…平気で家族を裏切る人なんですけどねぇ…」

 

「そうなんだ…でもグレンの刀なんかやばい気がする。」

 

「やはりそうですか…まぁ陵さんの鬼呪装備の方がヤバいんですけどねぇ。」

 

「そうかな〜」

 

そして会話が途切れる。その沈黙を優が破った。

 

「おまえらどうしたんだ?」

 

「「なんでもありませ〜ん」」

 

「じゃあ〜さっそく《鬼呪装備》の訓練をはじめますか?」

 

「おう‼︎」

 

そして、シノア隊の修業が始まろうとしていた。





次回は鬼呪の能力ですね、

それでは次回もよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。