オリジナルの装備なので把握お願いします。
ではどうぞ!
「さーて、ここだ」
その言葉とともにグレンは大きな扉を開ける。その中には鬼の形をした大きな像がずらりと並んでいた。
俺はゆっくりとその部屋の中に入る。
中に入った途端誰かに見られているような感覚を覚えたそして同時に頭痛。
「…っ」
「どうかしましたか?陵さん」
隣で心配そうにシノアは見つめてくる。
「大丈夫。なんでもないよ。」
さっきまでした頭痛は無くなっており何かの視線も消えていた。きっと気のせいだったのだろう。
「なんだここは…」
優は周りを見ながら不思議そうに声をだす。
「おまえらが一番欲しがってた最上位の鬼神を封入した武器が集まっている部屋だ。」
「最上位の…鬼…、じゃあこれがありゃ吸血鬼を狩れんのか?」
そんな優の問いかけにグレンは
「そりゃおまえの実力次第だな」
と答える。俺は周りをもう一度見回し奇妙な雰囲気に顔をしかめる。見れば見るほど気持ちの悪いその鬼の像は俺たちを笑っているように見えた。
「ここにあるのは希少な『黒鬼』シリーズだ。まぁどうでもいいだろ。始めようぜだらだらおまえらに付き合うほど俺も暇じゃねぇんだよ。」
そんな風に俺たちに早くしろとうながすグレンに優がきく。
「で、どうすりゃいい?」
「でどうすりゃいい?好きな武器を選んで儀式陣に入れ武器に触れたら自動で契約の儀が始まるようにできている。おまえらが鬼に負けなけりゃ力が手に入る。」
グレンの説明を聞いているとまた、一つの視線と頭痛。
それはさっきまでよりも強くなっている気がした。
すぐに戻るだろうと思って待っていてもなかなかおさまらない。それよりどんどん視線と頭痛がひどくなっていく。
「…っクソなんだこれ。」
一人で何かと戦っていると他の三人優、君月、与一はすでに儀式陣の中に入っていた。
俺もゆっくりと歩き出そうとするとドクンッと心臓がひどく波打つ。まるで金縛りだ。
なかなか儀式陣の中に入らない俺の様子を見てかグレンが声をかけてくる。
「陵、おまえも早くしろ。」
「わかってる!でも動か…」
バッとある鬼の像を見る。今度ははっきりと何処から視線が来ていたのか分かった。するとさっきまでの痛さが嘘みたいに何事もなく引いていく。俺はその鬼の像に向かって歩き出す。
「あれは…!陵さんそれは危険です!」
そんなシノアの心配する声に大丈夫だと手で制し儀式陣へ入っていく。
「お前だよね?俺を呼んだのは…さぁ力を貸してもらおうか!」
その言葉と一緒に目の前にあった剣を抜く。
そして俺は意識を失った。
◆
気付いたらそこは辺り一面真っ白な空間だった。
「ここは?」
「ここは何処だと思う?」
後ろからそんな声が聞こえた。バッとその声がした方へ振り向く。そこにはいるはずのない彼女がいた。
「なんで…沙耶が…ここに!?」
彼女は生前と変わらない笑顔で笑っている。
変わったといえば背や顔くらいだろう。その姿は死んだ時の子供の姿ではなく、俺と同じ高校生に見えた。
背は当たり前のように伸び、顔は少し大人びてさらに美人になっている。
「あはっ、久しぶり私の彼氏さん?」
その言葉で俺は今鬼とあっているのだとわかる。
「俺の今の彼女はシノアだ!鬼が!」
そんな俺の言葉に沙耶は寂しそうな顔をする。
「陵?あなたは本当は分かっているでしょう?私が本物だと…」
それは俺の感覚だった。彼女の言葉によりそれが確信にかわる。
「本当に?本物…、でも…沙耶はなんで鬼に?」
「今は、話している暇はないの。それよりも貴方は私に何を望むの?」
沢山の疑問が思考を包んでいく。だが今はどうでもいいと振り払った。
「俺は、大切なものを無くさないように…今度は守れるように…大きな力が欲しい!」
俺は彼女に言う。その言葉を聞いて彼女はまた笑う。
「そう、今はまだそれでいいわ。それじゃ貴方の為に力を貸しましょう。私の今の名前は沙鬼、力が欲しい時名前を呼んでね。陵」
「ああ、分かったよ沙鬼。」
彼女はよろしいと頷く。そして思い出したように言う。
「あっそうそう、一応言っておくわ。陵、貴方はもう二割ほど人間では無くなっている。気をつけなさい。」
その言葉を聞いた後俺はそれはどういう…と聞こうとしたがそんな時間はなく俺は気付いたら元の場所に帰っていた。
目を開くと目の前には安心した顔をしているシノアがいた。そんなシノアの頭を撫でる。
「ちょっと、陵さん。どうしたんですか急に。」
シノアは少しびっくりしたようだ。
「いや、なんでもないよ。」
シノアと話しているとグレンが俺に近づいてくる。
「終わったか。お前のその鬼まだ何か分かって無かったし、普通の鬼より変な感じしてたから少し心配したんだが…杞憂だったな。」
なるほど、それでシノアは慌てたのか。そう心のなかで納得する。周りを見るとまだ君月君と優、与一は儀式陣の中で倒れていた。
「なぁグレン、あいつらは大丈夫?」
「ん〜、与一が少し危ないな。」
与一の方を見る。今はまだ大丈夫そうに見えるがグレンには何か感じるものがあるのだろう。
俺はゆっくりと立ち優と君月君の方へ向かう。
ちょうどその時、君月君は目が覚めたみたいだ。その手には二つの剣があった。
しばらくして優も目が覚める。その隣には一本の剣、俺やグレンと同じ形をしている。
「優やっと、起きたの?遅いよ。」
俺はそう一言言う。
「あっ陵、お前も成功したの…か…よ。」
どんどん声が小さくなっていく。きっと俺の後ろにいる君月君を見つけたからだろう。
「ッチ、お前も成功したのかよ。」
優は君月君に向けていつもと同じように悪態をつく。
「当然だ。」
「とか言って、俺に負けてたでしょ?」
俺は自信満々な君月君に言う。流石に睨まれたが問題ないだろう。
「で与一は?」
その優の言葉がして約1秒ドンッと与一が挑戦していた所の鬼の像が爆発する。
その様子をみてグレンは言う。
「あーあ、まじぃな。与一はやっぱちょい力が足りなかったか。でもま、《黒鬼》に挑戦して四分の三が成功は上々だろう。」
「いったいどういうことだよ!!」
グレンの言葉に優が叫ぶ。
「よし鬼呪装備も手に入れたことだし吸血鬼殲滅部隊月鬼ノ組での初任務をおまえらにやろう。優、君月、陵。天井を見ろ人喰いの鬼が出たおまえら三人で始末しろ。」
グレンに言われるまま上を見る。そこには与一を乗っ取った鬼が弓を持って座っていた。
その瞬間鬼が弓を引く。
一気に四発此方に向かって打ってくる。そのうちの一発がこっちに来たのでその矢を光剣で払い落とす。
「あーお前ら、追加の命令だ。おまえら鬼呪装備は手に入れたが契約したてじゃ使いこなせないだろ。だから鬼は呼びだすな鬼呪装備の基礎能力だけであの鬼を始末して見せろ。」
「あー、グレン?鬼呪装備使わなくてもいい?」
そう俺が聞くとグレンはやれるならやってみろと許可を出してくれたので俺は鬼呪装備を床に置く。
「ってか殺せってどういうことだよグレン‼︎与一は仲間だぞ‼︎」
優は今回の事に納得していないようだ。
「はぁ〜?仲間?ありゃどう見ても鬼だろうが早く殺して楽にしてやれ。」
「ざっけんな‼︎仲間殺せるわきゃねぇだろうが‼︎」
「生言ってんじゃねえ‼︎ここを何処だと思ってる?月鬼ノ組だぞあるのは修羅の道だけだ。それともてめぇは復讐ごっこでもしに来たのか‼︎」
「……ぐ」
「殺されたきゃ好きにしろ止めねぇよ。だが与一はもう戻らない。てめぇが軍人だって胸張ってんならやるべきことをさっさとやれ。」
グレンは鬼のような顔で優に怒りをぶつける。優はくそがぁと叫ぶと鬼呪装備を手に取る。そして俺たち三人は鬼に向かって攻撃を仕掛けた。
鬼呪装備を使っている二人は身体能力が上がり動きがいつもと違って速い。俺が本気の六割を出してやっと追いつけるほどだ。
「矢は任してよ。二人は攻撃に専念して。」
そして俺は鬼が打ってくる矢を全て打ち落とす。
優と君月君は鬼を相手に押していた。が…二人は与一を殺す事が出来ない。
「与一正気になれ!鬼になんか負けてんじゃねーよ。」
「与一!目を覚ましてくれ‼︎」
俺と優は必死に鬼の中にいる与一に向かって叫ぶ。
だが鬼は矢を約10本以上同時に放ってくる。
俺は舌打ちをし二人の前に立つ。そして向かってくる矢…だが今回はさらに速い速度で矢が飛んでくる。
俺は一つ息を吐きその矢をやはり全て打ち落とす。
「優、与一を助けたい?」
「そんなの当たり前だろ‼︎俺はもう二度と仲間は見捨てねぇって決めたんだ!だから与一正気に戻れーーー!」
それは優の心の叫びだった。
心に届かなくても優はずっと叫んでいる。与一が帰ってくることを祈って、それでもその願いは届かない。
「うるさい、死ね。」
その言葉とともに鬼は弓を構える。
優は何か決意した顔で剣を捨てた。
(優…まさか!)
「やれよ。俺は仲間は殺せない。そして与一も…おまえも俺を殺せない!おまえが俺と一緒なら目の前で家族を喪ったんなら仲間を殺せるわけないんだ‼︎だから早く目を覚ませよ‼︎馬鹿与一っ‼︎」
(優は本当馬鹿だなだけど…俺はお前のそういう所を気に入っているんだよ!)
与一が弓をギリギリまで引く。
矢を放つその瞬間グレンが叫ぶ。
「おい!与一‼︎てめぇはまたベッドの下で家族が死ぬのを見てるつもりか‼︎いいからさっさと出てきて仲間を守れ‼︎」
鬼がいや与一が弓を引き矢を放つがそれは優の顔の横を通り過ぎる。そして与一は泣きながら優に抱きついた。
周りからは驚愕の声が聞こえる。
「グレン、こうなることわかってたよね?」
グレンは俺の方を向きうるさいボケっと言ってくる。
どうやら図星だったようだ。そしてグレンは与一の方へ歩いていく。
「お前には才能がある。なのに姉貴を助けられなかったことに負い目を感じて生きる欲望が足りてない。だが今日それを見つけられたろ?おまえが生きる理由は今日おまえを助けてくれた仲間を守ることだ。復讐?んな小さいもんにとらわれんな。」
グレンは優を蹴り優に…みんなに向かって言う。
「昔の家族はもう忘れろ。ここにいるのが新しい家族だ。おまえは今いる家族に命を掛けろ馬鹿が。過去には何もないあるのは未来だけだ。」
(家族ね…)
みんなが前線やら吸血鬼狩るやら話しているなか一人俺は自分の鬼呪装備を見る。その剣は今日は使わなかったがこれから先は使わないといけないだろう。
ちょんちょんっとシノアが服を引っ張ってくる。
「どうかした?」
「怖い顔をしてたので…」
考え事をしていただけなのだが、知らない間に怖い顔をしていたらしい。
「それより、陵さん!黒鬼の攻撃を光る剣で全て打ち落としてましたね?なんなんですかその強さは!ズルイです」
と聞いてくるシノア
「あははー、やっぱり男の子だからかなぁ〜」
俺は困ったように答える。
そして、長い長い一日が終わり新しい一日《戦い》が始まろうとしていた。
やっと二巻が終わりました。
読んでくれた方ありがとうございます!
次回は未定です。
でも早めに出したいと思います。