終わりのセラフ〜転生した少年〜   作:鬼城

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三巻の最初らへんまでと最初らへんはオリジナルが多いです。




九話 新しい仲間

鬼呪装備を無事獲得した日の夜。

いつも通り俺はシノアとご飯を食べる。今日は豪華にシチューなんてものを作ってみた。そんな食事の時

 

「陵さんの鬼の名前はなんて言うんですか?」

 

と、シノアが興味津々というふうに聞いて来る。別に隠すことでもないため俺は答えた。

 

「沙鬼だよ。」

 

「そうですか。陵さんの鬼呪装備は約一年前に急に出てきたものですから、誰が作ったとかもわからないんです。触れようとすると何故かみんな吹き飛ばされましたし。」

 

(だから俺の鬼呪装備に興味津々なのか。)

そして今日の沙耶の言葉を思い出す。あの最後の言葉を…

 

「なぁ、シノア、鬼と会話って普通に出来るのか?」

 

彼女には色々と聞かなければならない。

そのためにもまずは会わないといけなかった。

 

「はい、できますよ。寝ている時とか、私はよくシーちゃんと話してますし。」

 

シーちゃんとはシノアの鬼の名前のことだろう。

そしてシノアはいつの間にか食べ終わっていたシチューを片付ける。ついでに俺のも片付けてくれた。

 

「ありがとう。」

 

「いえいえ、私はこんなことしかできませんから。」

 

そう言ったあと少し暗い顔をしたシノアに俺は気づかなかった。

 

 

「それでは、おやすみなさい。」

 

「ああ、おやすみ。」

 

俺たちはあの後、色々話をしてそろそろ寝ようかということになりそのまま自分達の部屋に入っていく。

時計を確認すると今は丁度午後9時だった。俺は自分の鬼呪装備を机の上に置く。

 

「沙鬼、いや沙耶少し話をしようか。」

 

そして俺はベッドの中に入りすぐ眠りについた。

 

周りは白い空間今日一度見た景色だ。俺はそこにいるはずの鬼に声をかける。

 

「呼びかけに応じてくれてありがとう。」

 

自分の後ろの鬼が笑うのを感じた。

俺はすぐに本題を切り出す。

 

「で、沙耶は何故鬼に?」

 

「それはね、あなたの力になりたかったから。」

 

沙鬼は歩いてきて俺の目の前に姿を現す。

 

「じゃあ何故。転生しなかったの?」

 

「それじゃあ、貴方の力にはなれない。それにずっと一緒にいることができないじゃない?」

 

彼女は言う。でもこれだけが理由ではないだろう。でも彼女は本当の事を言わない。昔からそうだった。なんでも一人で隠す。いつか言ってくれる時がくるのだろうか?

 

「君は本当に沙耶なんだよね?じゃあシノアの魂は?」

 

「そうねぇ、死んだ後私は貴方と同じように神に会ったわ。そして私は魂をコピーして貰ったの、だからここにいるのはコピーされた魂。そして神様はコピーの魂つまりは私に器を与えてくれた。それが鬼の私。」

 

分かるような分からないような説明だ。つまり本物だけど偽物ということだろう。

 

「じゃあ、俺が2割人間じゃないとはどういうこと?」

 

そんな俺の質問に彼女は笑うのを止める。

 

「それは…教えられない。貴方のためにも…せめて今は…」

 

それは知っているけど教えられないということだそれも今は…。こんな思いつめた顔の彼女は見たことがなかっただからこそ知ることに恐怖があったのかもしれない。本当の事を知るのが怖かったのかもしれない。これ以上彼女に質問することは出来なかった。

 

 

あれからついに俺たちは本格的に吸血鬼殲滅部隊に配属されることとなった。

着る服も今まで着慣れていた制服ではなく月鬼ノ組の制服となる。俺は新しく配られた制服をしっかりと着、気持ちを入れ替えていく。

 

「陵さぁん〜!行きますよ〜」

 

シノアの呼ぶ声が聞こえたので急いで身支度を整えて最後に剣を腰にさす。これで準備はオールオッケーだ。

そのまま俺は自分の部屋を飛び出し、玄関でまっているシノアの元へ

 

「ごめん、遅くなった。さぁ行こう?」

 

「はい!」

 

マンションの外に出る。そこには丁度茜と優の姿があった。どうやら茜が優を見送っている所みたいだ。

茜はまだ鬼と契約できていないため俺たちとは別行動だ。

 

「おはよう優、」

 

俺は茜がマンションの中に入っていった後に優に声をかけた。

なんとなくだが二人の邪魔をしたくなかったから。というのが理由だ。

 

「ああ、陵とシノアか、今日も仲がいいことで。」

 

「あはは、ありがとう。」

 

からかわれた?のだろうか。一応お礼を言っておく。

 

「陵さんもですが優さんも制服なかなか似合ってますねぇ。」

 

シノアが俺たち二人の方をじーっと見ながらそんなことを言ってくる。お世辞だとしても嬉しいものだ。

 

「シノアも…その…」

 

こっちも褒めようと思ったのだが意識して見るとなかなか言えたものではない。

 

「なんです?」

 

シノアが目をキラキラさせて聞いてくる。そして悪戯な笑みを浮かべてもいる。

(どう答えても嫌な予感しかしない。)

ようするにチェスでいうとチェックメイトの状態だ。逃げ道などない。だから俺は諦め、言うことを決意する。

 

「その…可愛いよその制服姿も。」

 

自分で言って顔が赤くなるのが分かる。俺はそっぽをむき一人歩きはじめる。その時シノアはこれ以上ないっていうくらい喜んでいたようだ。

 

「お前も大変だな。」

 

そんな優の声がすれ違い際に聞こえた気がした。

余計なお世話だよアホ優め。

 

 

 

 

三人で歩いてる途中シノアが色々と説明してくれた。

 

「今日から学校には行きません。関西方面の吸血鬼達が新宿奪還を目論んでいるようです。ですからこの渋谷を出て…」

 

「新宿にいくんだね?」

 

その会話に優はやっとかという顔を見せる。

 

「新宿行きゃ吸血鬼殺せるってことだな。」

 

「あまり最初から血を求めないでください。戦闘になる前に新宿の守りを固めることで…って聞いてます?」

 

優は正直に聞いてませ〜んと言う。

 

「シノア、じゃあもう城壁の外に出るの?」

 

城壁の向こうでは、吸血鬼はもちろんヨハネもうろついている。そんな外の世界に俺らは行こうとしてるのだ。

 

「そうです。誰も守ってくれない。魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する壁の外へ行きますよ〜。」

 

遠くに見える城壁を目指して俺たちは三人で歩いていく。少しして城壁の前まできた。その城壁は近くで見ると思ったよりとてつもなく大きく人間って素晴らしいなと感心するほどだった。

 

その城壁にある外の世界とつながる扉の前には数名の人がいる。監視役みたいなものだろう。

その人達にシノアは声をかける。

 

「吸血鬼殲滅部隊ー月鬼ノ組です。吸血鬼退治に外へ出ます。開けてください。」

 

数人の軍人はシノアの言葉を聞いてヒソヒソとそれぞれ話をしている。まぁ大抵のものが聞こえてきていたが…その中にはガキという言葉もあった。

 

「ガキって言われてますよ優さん。」

 

「お前のことだろ。チビだし。」

 

その優の言葉を聞いてシノアが怒ると思ったのだがそうではなく胸をはって言う。

 

「いえいえ私はまだ成長中ですから、なにせ姉の真昼は胸がぼいーんの美少女でしたからね。」

 

そんな自信満々のシノアに突っ込むことなく優が聞く。

 

「へぇおまえ姉貴いんの?」

 

「もう死にましたが。」

 

そんな会話の中でゴゴゴッと音をたてながらゆっくり扉は開いていく。優は申し訳なさそうな顔をしてシノアに謝るがシノアは気にしていないようだ。

 

「こんな醜く荒廃した世界で大切な人を亡くしてない人なんてもういないでしょう?」

 

「「……」」

 

シノアの言葉で思い出したのは守ることが出来ず死んでいったミカやその家族。優もきっとそのことを思い出しているのだろう。

 

「グレン中佐‼︎あたしは納得いきません‼︎」

 

昔の事を思い出しているとそんな大声が俺を現実に引き戻す。俺と優はその声がする方を一緒にみる。

 

「んぁ、なんだぁ?」

 

そこには、与一、君月(呼び捨てにすることにした。)グレンそして見知らぬ女子の4人がいた。

その女子は髪が金髪で高い位置に二つくくりをしている。

さっきの大声はこの女子が出したと思われた。

 

「なんであたしが新人ばかりの部隊に配属されるんですか!?13の時から殲滅部隊にいるエリートですよ‼︎」

 

またその女子は声を張り上げる。

そんな彼女にグレンも困ったような顔をしていた。

 

「あの金髪の子新メンバー?」

 

「そうみたいですね。月鬼ノ組の最小部隊は5人で構成されますが…私たちは6人みたいですね。」

 

俺の質問にシノアが答える。

とりあえず、その4人の方へ行くと与一が気付いて手を降ってくる。

 

「あっ優くん!陵くん!」

 

「遅ぇよ。馬鹿優。」

 

「誰が馬鹿優だ。」

 

そんな挨拶を済ませた後俺は先に来ていた二人に聞く。

 

「あれ誰?」

 

「三宮 三葉さんっていうらしいんだけど…」

 

その三宮という女子の方を見る。彼女はいまだにグレンに色々と文句を言っている。

じっとその光景を見ているとグレンがこちらに気付き

 

「ああ揃ったな。じゃ今からおまえらに命令を…」

 

といった所で三宮が此方を見てきて叫ぶ。正しくはシノアの方を見てだが…

 

「現れたな、柊 シノア‼︎」

 

シノアは怒っている三宮に笑顔で答える。

 

「はーい、私が現れましたよ。みっちゃん。」

 

「おいシノア喧嘩すんなよ。三葉はこれからお前の分隊に入れ…」

 

「もちろん大丈夫ですよ中佐。私は大人なので実力のない負け犬の遠吠えなどひらりふわりとかわしてみせます。」

 

グレンの言葉にシノアは三宮を弄りながら答える。

三宮は三宮でついに鬼呪装備を出して怒る。ちなみに三宮の鬼呪装備は斧ににた形をしている。

 

「ぶっとばす‼︎」

 

そんな三宮にシノアも鬼呪装備を出してこたえる。

ギィンッ刃と刃が重なり合う音が響く。この状況を見てグレンは頭を抱えながら溜息をつき剣をぬく。そして二人の戦闘《喧嘩》のなかに入り止める。そのまま、二人の首を手で掴む。

 

「逆らうなよ。これ以上上官の俺に面倒掛けんなら独房に入れんぞ。」

 

「ありゃりゃ」

 

「う…すみません。」

 

二人はやっと反省のいろをみせる。

 

「シノア、三宮となか悪いの?」

 

「いえいえ、むしろ仲はいいですよ。月鬼ノ組にいる同年代の女の子って少ないですし。」

 

きっと喧嘩するほど仲がいいっていうことだろう。

それにしても、シノアは本当に人を弄ったりからかったりするのがうまいなぁ。と心の底から思う。

 

「じゃお前ら、こいつが新しい仲間となる三宮 三葉だ。覚えとけよ。月鬼ノ組は基本5人一チームで動く。五人以下で武装した吸血鬼とぶつかると殺される可能性があるからな。この城壁を出た瞬間からどんな状況でも決して仲間割れや単独行動は許さない、いいか?」

 

グレンの言葉に優はまた協調性がないことを言おうとするが三宮がその前に優に蹴りを入れる。

 

「何すんだよ。」

 

優はそれを見事に片手で止めてみせた。

そんな優をみて三宮は納得する。

 

「ふぅん、反応はいいな。だがあたしはお前のような馬鹿が一番嫌いだ。お前のような奴が部隊を危険にさらす。」

 

その言葉には何処か重く感じさせるものがあった。彼女にも何かあったのだろう。

 

「とにかく、ここにいる奴らがお前らの仲間だ。仲間は家族以上の存在だ。命懸けで守れ。んじゃこのチームに初任務を与える。」

 

グレンのその言葉に俺はもう一度決意する。

きっと、仲間を守ってみせると…

そして俺たちに任務が伝えられた。




三葉が出てきました!

やっとこれから戦闘シーンに入れる!

次回はどこまでいこうか。迷い中です。

最後に読んで下さりありがとうございました。



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