「着いたぞ」
数時間走って突然言われた言葉はそれだけだった。大きな門に見張りが2人、諏訪と違うのはこの見張りは神力を持っていると言う事
「止まれ。貴様、何者だ?」
「其処の堅物男に拉致されただけの一般人様だよ」
「此奴には諏訪の神に言いたい事を伝える為に連れて来た」
「だそうだ。あと、コレに頭から水でも掛けてやれよ。まだ芯まで凍ってないからな」
そう言って、冷凍チャラ男を門番に渡した。多分どこもヒビは入って無いと思う
「では、通るぞ」
「「お疲れ様です」」
堅苦しく、暑苦しい門をくぐるって中に入る。少し歩くと到着したらしく、堅物男が「失礼します」と言って襖を開いた。中には数名の男女が居り、1人は直ぐに分かった
(背中の大きなしめ縄に紫のショートヘア、この神はガンタn……、『八坂神奈子』様だ!)
「貴様が諏訪の土着神と中の良い人間か?」
「諏訪子と中の良いかは分かりませんが、諏訪に居る狐男ならこの俺、災条常徒のことですね」
此処で、普段は絶対に呼ばれない「神秘と秘封を探す旅人」と言っても良かったが、相手に伝わる気がしないので止めた。……自分で言うのもなんだが、痛い。もう、数年は言わないようにしよう。最早、恒例になっている権力者の前での考え事は健在で、黙っていると神奈子様は急に
「早速で悪いが常徒、御前は諏訪と大和のどちらに付く?」
「それは、諏訪と大和が戦争をすると言うわけですか?」
「そう、考えてもらっても良いよ。近々、我々は諏訪を侵略しそこの信仰を貰うからね」
「それは、貰うと言うよりも奪うと言うのでは?そしてその事を俺に言っても宜しいのですか?」
「良いんだよ。此処に来た御前に出来る選択権は、何も出来ずに死ぬか、諏訪を裏切り大和に付くの何方か片方だけ何だから」
無茶苦茶な事を言ってきやがる神様だ。如何やら俺を諏訪のアキレス腱だと思っているらしい。だが勿論そんな選択するわけがない、だから三つ目の選択を出させてもらう
「ほら、さっさと選びな?」
「嫌ですね。その問いは俺に得るものが無いですから」
「大和に付けば良いじゃないか?」
「そうしたら、俺は一生後悔して大和に居なければなりませんし、かと言って死ぬのは論外です」
「なら常徒、御前は如何したいんだ?」
「俺が取るのは、第三の選択。それは、今此処での賭け事ですよ」
「賭け?」
「はい賭けです」
(よし神奈子様は乗ってきた)
神様のように傲慢な態度をする者なら乗るに決まっている。相手は俺を只の人間だと勘違いしているから、必ず勝つと思ってしまうが問題は俺が只の人間でないと言う事だ。俺は軽く賭けの内容を説明していく。その内容は……