「俺の今言える『能力』は『自分の爪を回転させ発射する程度の能力』だよ」
なんとか無難な答えを出して安心してしていると月夜見様が口を開いて
「本当に『能力』はそれだけか?」
「・・・それは何故?」
「いやなんでもない。今言ったことは忘れてくれ」
「分かりました」
「それで月夜見様、常徒は都市に住んでもよろしいのでしょうか?」
「嗚呼。災条常徒は今日からこの都市に住むことを許そう。ただし、都市に貢献しろよ?」
「ありがとうございます。この命に代えて都市を護りましょう」
自分でも言い過ぎだと思うがここまで言えばどれだけ本気なのかが分かってくれたはずだ
「何もそこまで貢献しろとは言ってないが……」
「そうですか」
やはり言い過ぎだったようだ
「では月夜見様、私どもはこれで失礼させていただきます」
「分かった」
男女移動中
移動している最中に俺は少し疑問に思っていることを永琳に聞いた
「なぁ永琳俺は一体どこに住めばいいんだ?」
「あら、まだ言ってなかったかしら?」
「言ってない。一言も言ってない」
「なら今から言いましょう」
「嗚呼。言ってくれ」
「貴方が住む場所は」
「住む場所は?」
勿体振るな、早く言ってくれ。そんなことを考えていると
「私の家よ」
は?
「待て。誰の家だって?俺の耳が悪くなければ今〔私の家よ〕と聞こえたが?」
「聞こえているじゃない」
「待て待て。永琳お前はどこまでお人好しなんだ?見ず知らずの俺を都市に連れてきただけじゃなく、その上一緒に住むと言ってるのか?」
「あら、駄目かしら?」
「駄目と言うか、無理だろ」
何を言い出すんだこの女は
「なんで?」
「いや俺は男で永琳お前は女だろ?もしも間違いがあったらどうするんだ?」
「間違いって例えばどんなことを?」
「そりゃあ……って言えるか⁉︎」
本当に何を言い出すんだこの女⁉︎
「そんなことより、早く部屋の中に入りなさいよ」
「……そうだな、もう疲れたよ」
ガチャ
……俺は永琳のボケに対するツッコミで相当疲れたらしい。部屋の中が滅茶苦茶汚く見える
「あら、入らないの?そんなに目をこすって、目に塵でも入ったのかしら?」
「目に塵くらい入るだろ⁉︎これだけ部屋が散らかっていたら‼︎」
「そんなに散らかっているかしら?」
(無自覚⁉︎なんて困る反応‼︎)
「・・・」
「・・・」
「なぁ、永琳お前もしかして俺を家に呼んだのはもしかして部屋を掃除してもらうもらうためか?」
「・・・」
(何で黙り込むの⁉︎)
意外に永琳が家事のできない系女子はおそらく、誰も知らないだろう。と言うかきっと、この事を言っても誰も信じないと思う
「……永琳、今までご飯はどうしてた?」
「外食するか市販で売っている物かしら……」
「……料理は出来るのか?」
「………」
「……作る」
「え?」
「幾ら何でもこれは酷いから作る‼︎永琳、食材は⁉︎」
「ふぇっ⁉︎…台所にある冷蔵庫の中だけど?」
「少し貰うよ?」
「ハ、ハイ‼︎」
パカッ
冷蔵庫の中には色々な食材が入っていた。普段から使う慣れ親しんだ物から、今まで見たことのない物まで
「この食材なら俺の好きな"アレ"が作れる‼︎」
青年調理中
「完成!永琳、出来たぞ!」
「良い匂いね。これは、何かしら?」
「
「美味しそうね」
「食べるか?」
「えぇもちろん、いただくわ」
「じゃあ「いただきます」」
「美味しいわね!」
「だろ?俺の好きな食べ物の一つだからな」
「……部屋の事黙ってて悪かったわ。ごめんなさいね」
「……良いよ別に。どうせこれから長い付き合いになるんだろうから。必然的に掃除もしなきゃいけないな」
「それって、もしかして?」
「別に、此処に住んでも構わないんだろう?」
「もちろん、大歓迎よ‼︎」
「なら、厄介になるよ」
「私の事は家族みたいに思ってね?」
「了解したよ永琳」
この日から俺は永琳の家に住むようになった。この世界で本当のスタートは此処から始まった。……気がした