雑木林から届く蝉の声はけたたましく、早朝にも関わらず太陽の光は熱さを帯びて地上に降り注いでいた。
六月も終わりを迎える頃合い。
梅雨は長くは続かず、空は爽やかな青に満たされていた。
季節はすっかり夏。
既に紅魔館に移り住んで二月以上が過ぎた頃合い。
その日の早朝も、俺は薄い霧の中を湖沿いに走っていた。
体力作りの一貫で始めたこの習慣も意外と続いていた。
平均気温はここ数日でグンと上がったが、日中は霧が立ち込めるこの湖の周辺は肌寒いくらいで、どちらかと言えば快適だ。
なんだかんだと、湖の住人であるわかさぎ姫(相変わらず陽気でのほほんとしていて心配になる)や周辺の妖精たち(ただしチルノには要注意)との交流や、洋館に住むプリズムリバー楽団の演奏を聴いたり(というよりも聴き流すように意識しないとすぐにアてられるが)と、俺は存外この習慣を楽しんでいるらしい。
出る際に美鈴に『気』を操ってもらうおかげですこぶる調子がいいし。
それにしたって、幽霊楽団の演奏を楽しむなんて、紅魔館に来た頃と比べるとなんていうか随分と余裕が出てきている。
これもここでの生活、特に紅魔館で過ごしているおかげだろうか。
なんというか、我ながら豪胆になったものだなあ、と。
「わっ!」
!?
「うっぉ」
不意にかけられた声に転びそうになった。
「び、っくりしたぁ……」
我ながら豪胆などと考えていたくせに軽い悪戯にあっさりと驚かされた俺が振り向けば、身長差のある俺の背中に触れるためか宙に浮いた少女がくすくすと笑っていた。
「おはよーございます。悠基さん」
「おう、おはよう大妖精」
見知った顔の少女に俺は表情を緩めながら挨拶を返す。
大妖精は柔らかい草地に降り立つと、後ろ手を組んで数歩俺に近付いてきた。
必然的に上目遣いで俺を見つめる彼女は「今日も成功ですね」
「いや全く、相変わらずお前は驚かせるのが上手いな」
大人しい顔立ちで言動もこそ礼儀正しいものの、彼女もまた悪戯好きの妖精だ。
ほとんど挨拶のように、俺は彼女に毎度驚かされている。
一応は警戒しつつ考え事をしていたつもりだったが、今回も接近されていることに全く気づかなかった。
気配を悟らせること無く走っている男に追いつくとは、この大妖精、実はかなりのやり手なのかもしれない。
「悠基さんも結構敏感な方なので驚かし甲斐があるというものです」
「おう、ありがとな」
胸の前で両の拳を握る大妖精の微笑ましい仕草に思わず顔を綻ぶ。
調度いい位置に頭があったので軽く撫でてやると、くすぐったいのか頬を赤らめながら大妖精は首を竦めた。
とはいえ、特に拒絶する様子はなし、嫌というわけではないのだろう。
どこか居心地が良さそうに目を細める大妖精の様子を見ていると、驚かされたことで早まっていた動機が落ち着いてくる。
それにしても、こうしてると寺子屋に勤めていたころを思い出す。
子どもたちは元気にしているだろうか。
……と思いを馳せてみるものの、普通に先週人里へ行った際に会っているので、別に懐かしむほどのことではなかったな、うん。
「そういえば悠基さん」
ふいに思い出したように大妖精が瞼を開いた。
「うん?」
「ずっと前にレティさんを探してましたよね?」
「レティ?」
久しぶりにその名前を聞いた。
阿求さんの依頼で――半ばダメで元々とはいえ――探していた妖怪の名だ。
文明レベルが百年も前であり、凍死者こそ出ていないものの気候の変化が死活問題になりかねない人里の事情もあって、冬の気候について寒気を操るレティに何か話を聞けないかと考えていたのだが、結局は接触は叶わなかった。
もう半年前のことだが、その折にチルノが師匠と称していたことを思い出す。
思い出すと言えば、大妖精もよく俺がレティ・ホワイトロックを探していたことを覚えていたものだ。
「ああ、そうだけど、そのレティがどうかしたの?」
「今、いるんです」
「いる?」
「はい。チルノちゃんのお家に」
「…………へぇ」
大妖精の言葉に、俺は逡巡するでもなく無言で佇み、暫く後におもむろに空を見上げる。
霧があるとはいえそこまで濃い霧ではない。
白濁の向こう側には澄み渡っているであろう群青が広がっている。
レティは寒気を操る妖怪と言われ、冬に目にするそうだ。
代わりに春や夏といった季節の目撃情報はほとんど皆無で、一説によるとその力が大きく弱まっているため住処に篭っているだとか、冬眠ならぬ夏眠をしているだとかで、ともかくにしろ夏場にお目にかかることはないと阿求さんは見立てていた。
まさしく夏真っ盛りなやかましい程の蝉の声を聴きながら、俺はポツリと呟いた。
「……マジかー」
他に口にして然るべき言葉はいろいろあったのだろうが、なんとも、間の抜けた感想しか浮かばなかった。
* * *
チルノの住処は湖から少しだけ歩いたところにあるらしい。
もう夏本番を目前としているのに、その周辺だけは異様な冷気が漂っており、軽装のまま訪れていれば後悔したことだろう。
しかし、都合三度もチルノに氷漬けにされ、彼女の発する冷気の恐ろしさを身を以て味わわされていた俺は、大妖精から話を聞いた後に一旦紅魔館に戻り防寒用の装備を揃えてきていた。
隣を歩く大妖精も、以前俺がプレゼントした防寒具を身に着けたている。
そんな彼女に案内され暫く歩いていると、次第に氷と雪で覆われたドーム状の物体が凍りついた雑木林の中に見えてきた。
……というか、かまくらだった。
ついでに言えばそのかまくら、蝉の声も周辺の蒸し暑い空気も燦燦と照りつける太陽光など関係ねえとばかりの存在感を放っていた。
間違いなく冷気の発生源はあのかまくらからだ。
入り口があるところを正面とするならば、俺たちの方向からみたそのかまくらはやや右側を向いておりその中がどうなっているか分からない。
足を止めた大妖精がその物体を指差す。
「あそこです」
「凄いな……あんなの作れるのか」
妖精としては規格外なチルノの力。
この暑い中であんな物を作るその力を改めて見せられた俺が感心しつつ呟くと、大妖精が俺の袖を引いた。
「いつもはもっと奥に洞窟があって、チルノちゃんはそこを冷やして住んでるんです。でも今はレティさんがいるから」
「あれはレティの力のおかげってこと?」
「ここだけこんなに寒いのも、チルノちゃんだけじゃなくてレティさんが手伝ってるんだと思います」
「なるほど。似たような能力だからこんなことも出来るってわけか」
「はい。それじゃあ、行きましょうか」
「うん」
ある程度近付いたところで、大妖精が小走りになって入り口の穴へ近付く。
「チルノちゃん」
一応は女子の住むところというのもあるし、大妖精なりに気を遣ったのかもしれない。
大妖精の呼びかけに応じる声はないが、中を見た大妖精は俺の方を振り向いて「大丈夫です。来てください」と、少し声を小さくして言った。
大妖精の行動を少々不思議に思いつつも、彼女後に続き俺も中を覗いた。
かまくらの中心に横たわる二人の人影。
一人は湖周辺に住んでいることもあって馴染みのあるチルノで、すやすやと眠っていた。
大妖精が声を潜めたのは彼女を起こさないようにという配慮だろう。
そして、チルノ同様に目を閉じ眠っている様子の少女。
大人びた顔立ちをしたその少女は、チルノの背中の羽が邪魔であるにも関わらず、チルノを背中から抱きしめる形で眠っていた。
髪が同系色なせいか、一見すると年の離れた姉妹が仲睦まじく一緒に眠っているようにも見える。
どこか儚い印象を受ける眠り顔は美しく、まじまじと見つめているのも失礼な気がして俺は目をそらした。
「あの人が?」
「はい」
隣に並ぶ大妖精は、俺の問いかけに頷きつつも視線を向け続けてくる。
視線で「どうしますか?」と問いかけくる大妖精に、俺は軽く頭を掻いた。
気持ちよさそうに眠る二人をわざわざ俺の都合で起こすのも申し訳ない。
「出直すよ」、と応じようと口を開きかけたところで、不意に「ん~」と唸るような声が聞こえてきた。
チルノが身動ぎし、様子を見守る俺たちの目前で薄っすらと目を開いた。
どうも起こしてしまったらしい。
「大ちゃん?ゆーき?」
「おはよ、チルノちゃん」
まだ眠ったままのレティを配慮したのだろう、大妖精は囁くように挨拶した。
「んあ?」
寝ぼけた様子のチルノは、起き上がろうとしたのかもぞもぞと動き、自分がどういう状況なのかしばらくしてから気づいた。
「あー……」
自分の体に巻き付いたレティの腕を少しの間見つめた後、相変わらず眠そうな目で「師匠~」とぼやくように言った。
「おーきーてー」
「んー…………」
抱枕にしていたチルノの訴えにレティも瞼を揺らす。
少ししてゆっくりと瞼を開いた彼女の薄紫の瞳と目があって、思わず俺は唾を呑んだ。
話こそ聞いてきたものの会うことは叶わなかった、探し続けていた彼女との初の邂逅だ。
なんだかんだで俺は少し緊張していたらしい。
こんな美人だとは聞いてなかったし。
だが、レティは固まる俺を見ても反応を示さない。
どころか、再び瞼を閉じると、顎の下に収まっていたチルノの頭に頬ずりをしながら、ゆっくりとした口調で言う。
「あと五分~」
……これまたベタな。
随分気の抜けた言葉に俺は思わず脱力する。
と、そんなレティの腕から逃れようとチルノは若干抵抗を強める。
「レティー離して―」
「駄目よーチルノ」
「なんでー」
「修行って言ったでしょー?」
なんとも間延びしたテンポで会話する二人に、こちらも緊張したのがバカバカしくなってきた。
ほのぼのとした光景に俺は思わず苦笑を漏らす。
「修行?」
レティの言葉に大妖精が首を傾げると、未だにレティに捕まったままのチルノが威勢よく頷いた。
どうやら完全に目を覚ましたらしい。
「そうだった!こうしてレティとくっついてるとあたいの力がパワーアップするんだよ!」
「へえ、そんなことがあるのか」
普通に感心する俺だが、直後に気付く。
それってつまりこれまでにされてきたチルノの
と、俺が眉を顰める目の前で、自慢げに修行だとのたまっていたチルノは元気よく言い放つ。
「でも飽きた!」
「チルノちゃん……」
どこか呆れたように大妖精が苦笑した。
「もう、それじゃあ修行にならないじゃない」
「でもレティ、こうしててもつまんないよ」
「我慢しなきゃ意味ないでしょー」
「むぅ……」
まあ、レティの言うことはもっともかもしれないけれど、そうは言ってもチルノは子供だ。
多少飽きっぽいのも仕方のないことだろう。
「あの、レティ――」
と、俺がチルノに助け舟を出そうとしたところで、レティは再びチルノの頭に頬をすり寄せる。
「はぁ~、しゃっこくて気持ちいいわ~」
あれ?
これってどう見ても……。
「レティさん、もしかしてチルノちゃんを抱枕にするために嘘ついてません?」
俺の思ったことをそっくりそのまま大妖精が問いかけた。
戸惑いがちなその問いかけに、レティは悪びれもせずに微笑む。
「そんなことないと思うわ。多分」
……これ、完全に開き直ってるというか、最初から隠す気ないな。
「そうだぞ大ちゃん。師匠は愛弟子に嘘なんてつかないんだぞ」
この場でただ一人、レティの言葉を信じ切った様子のチルノが自信満々に言った。
思い出したように「師匠」呼びする彼女の様子に、俺は思わずため息をつく。
「あー……チルノちゃんがそれでいいなら別にいいかぁ」
さしもの大妖精も苦笑を浮かべる。
どうやらそのままチルノを放っておくことにしたようだ。
まあ、その内我慢できなくなってレティの腕から自分で脱出するだろう。
俺はそう結論付けると、改めてレティに向き合う。
「レティ、お休みのところすまない」
「ん~?人間の男が私に何か用?ていうか貴方だあれ?」
レティの問いかけに、俺は自己紹介をしようとして、それを遮るようにチルノが声を上げた。
「悠基だよ!」
「ゆーき?チルノの友達なの?」
「うん!」
元気いっぱいにチルノが首肯した。
躊躇いなく断言する彼女の様子に俺が思わず笑みを漏らしていると、更にチルノが補足する。
「お菓子くれるんだ!あと凍らせると消えるけどまたひょっこり出てくるんだよ!」
おい後者。
ていうか、その説明の仕方だと誤解されかねないんだけど。
「あらぁ、人間と思ったけど妖精なのね貴方?」
案の定のほほんと誤解するレティに俺はため息混じりに「違います」と否定した。
大妖精が助け舟を出す。
「悠基さんはそういう能力があるってだけで、普通の人ですよ」
「そうなの。それで、その人間さんが私になにか御用?」
相変わらずチルノを抱枕に横になったままの姿勢でレティが言った。
なんともマイペースな彼女の態度に脱力しつつも、俺は気を取り直すように咳払いをする。
できれば、今のうちにレティに尋ねたいことがあった。
以前、俺がレティ・ホワイトロックを探していたのは、人里にとって益になる気候について、彼女から何かしらの情報を得られないかと画策していたからだ。
しかし、夏真っ盛りで弱体化しているらしい今のレティからは――現に、目の前の彼女はリラックスこそしているがどこか気だるげにも見える――そういった情報は得られないだろう。
だが、季節が巡り次の冬が来た折には話を聞けるようにはしておきたい。
今のうちに仲良くなっておこうと、そういう打算的な考えがあるにはあった。
とはいえ、現状俺がレティに尋ねたいのは、そのこととは別件だ。
「レティ、君は妖怪の山に住んでいるのかい?」
「山?まあ、しばらく滞在することはあるわね。どうして?」
「冬場にチルノから君が山に向かったと聞いたもんでね」
「そんなことあたい言ったっけ?」とレティに捕まったままのチルノが首を傾げた。
そういえば「妖怪の山」と言ったのは大妖精かもしれないが、まあそこは問題ではない。
「なあに?私の家に用事でもあるの?」
若干ずれたレティの予想に俺は首を振った。
「生憎だけど、俺が興味があるのは山の方」
「まあ、山に?」
「そう。山に」
「ふぅん。人間には無縁のところだと思うけど、山がどうしたの?」
「……単刀直入に聞くけど」
でもって、無謀を承知で聞くけど。
「妖怪の山に侵入する方法を知りたい」
探るように俺を見据えていたレティの目が丸くなり、その後細められた。
「貴方、あれね?」
「あれ?」
「あたまのおかしな人間」
直球ぅ……。
まあ、客観的に見ればそうなるよな。
レティの言葉に胸を抉られながらも、俺は苦笑を浮かべる。
「自覚はあるよ。とはいえ、簡単に諦めるのもなんなんでね」
「そ。じゃあ教えてあげるけど、そんな方法はないわよ。あそこの白狼天狗には優秀な子がいるからね。妖怪ならお情けで通すかもしれないけれど、人間の侵入者を見逃すことはないでしょうね」
個人を指すようなレティの言い方に、俺は一人の白狼天狗の少女の顔を想い出す。
「……わかってるけど、それでもなにか手立てなり方法なりないかと探しているところなんだ」
「時間の無駄だと思うわ」
レティの返事はすげないもので、少なくとも彼女からこれ以上話を聞くのは難しそうだ。
「……そうか。うん」
期待こそしてはいなかったものの、もしかしたらという思いが全くないというわけではなかった。
再開してからも変わりのない妖怪の山侵入計画だが、今回も結局進展はゼロらしい。
「わかった。話をきいてくれてありがとう」
と、礼を言いながらも肩を落としたその時、チルノが声を上げた。
「ねえ師匠、悠基も色々頑張ってるみたいだしさ、助けてあげてよ」
「――チルノ?」
予想外の応援だった。
目を丸くする俺だが、驚いたのはレティも同様らしい。
「あらチルノ、貴女がそんなこと言うなんて思わなかったわ」
「そう?」
「ええ。とっても意外」
「そうかなあ?」
「あの、レティさん!私からもお願いします!」
首を傾げるチルノに代わって、今度は大妖精が声を上げる。
「大妖精……」
「そんなにその人間を助けたいの?」
「はい。悠基さんには私もチルノちゃんもいつもお世話になってるので、なにかお手伝いをしたいんです」
「えー?あたいは別に悠基にお世話なんてされてないよー」
「チ、チルノちゃん!」
「でも悠基が困ってるってんなら、私は友達だからね。助けてあげなきゃ」
……ああ、全く。
普段の行いはえげつない悪戯ばかりだというのに。
こんな時だけ健気で、頼もしい。
「…………お前たち……」
些細なことかもしれないが、それでも俺は感極まって思わず俯いた。
こういうのには弱い。
「随分とまあ、好かれてるのね、貴方」
「……おかげさまで」
何が「おかげさま」なのかはともかくとして、俺はどうにか緩みかけた涙腺を締めなおすと顔を上げた。
「レティ、なんでも構わない。山について、君が知っていることを教えて欲しい」
「このとおりだ」と、俺は頭を下げた。
正直なところ、それでレティが応じてくれるとはあまり思わなかった。
どちらかといえばその行動は、俺を援護してくれたチルノと大妖精の言葉に誠意を持って応えたいという意図が強かった。
果たして、チルノたちの言葉で気が変わったのか、それともその行動の誠意が伝わったのか。
そのままの体勢で反応を待っていると、ごそごそとレティが身動きする音がした。
「そうねえ。私はやっぱり無駄だと思うけど」
顔を上げると、チルノを器用に抱きしめたままながらも、レティは上半身を起こして俺に向き合っていた。
「面白いものも見れたし、ちょっとくらいなら教えてあげてもいいわ」
「師匠!」
「レティさん!」
レティの言葉にチルノと大妖精は自分のことのように目を輝かせる。
そんな二人の様子に思わず口元を綻ばせながら、俺はレティに再度頭を下げた。
「ありがとう、レティ」
「別に、礼を言われるほどのことじゃないわよ」
目を細めて澄まし顔でレティは応じるも、ふと思いついたように「あ」と小さく声を上げた。
「でも、せっかくだし、ただというわけにはいかないわ」
「?」
一瞬不穏な予感を抱いた俺だが、知り合ったばかりのレティの微笑みは、反して安心感を抱かせた。
「お菓子よ」
「お菓子」
「ええ。さっきチルノが言ってたお菓子、私にも頂戴な」
「あ、あたいもー!あたいも欲しい!」
「チルノちゃん……」
レティの提案にチルノが早速とばかりに手を挙げて、それを大妖精が困ったように諌める。
結局終始チルノを抱きしめたまま、俺を見据えて微笑むレティに、俺も笑みを返す。
「ああ、もちろんだ」
前回から少し時間が飛びつつあります。主人公早朝ランニングの習慣は五十話から。主人公のレティ捜索は十話からです。優秀な白狼天狗は三十八話のあの子。そして結末はいつものほのぼのお菓子パターン。
今回は新作自機おめでとう!な彼女の紹介です。
名前:チルノ
概要:初登場十話。紅魔郷ニ面ボス、他。『冷気を操る程度の能力』、他。
当作における彼女は原作よりも精神年齢が幼い。最強の妖精でありその能力は人間はもちろん妖怪にも対抗しうる。見た目も中身も子供なこともあり、主人公は基本的に甘やかしてはいるものの、凍りづけにされたこともあるので同時に警戒もしている。チルノにとっての大ちゃんは親友。レティは師匠。主人公はお菓子くれる人。