東方言霊伝   作:柊 夏芽

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のんびりゆっくりやっていきます。一応書きダメはしますが忙しくなるので少し投稿が遅れる場合がございます。ご了承ください。


第一話:幻想郷

目を覚ますと、知らない森の中で倒れていた。

あたりは薄暗く、いかにも何かがいそうな雰囲気を醸(かも)し出していた。

 

「どこだ? ここは」

 

 あたりを見渡しても、木、木、木ばかり。それになんだか体が重たい感じもする。

 そして、耳を澄ませると遠くから足音が聞こえてくる。その足音は俺のいるところに向かってきている。

 野生動物かと思い、鞄に入っていたライターを手に持つ。

 

「あれ? 見かけない顔だな」

 

 現れたのは、金髪のロングヘアーで白と黒を基調とした帽子、そして、帽子と同じ色をしたエプロンドレスを着ていた女の子だった。

 そして、彼女は俺に何故と聞いてきた。

 

「気付いたらここにいた」

 

 俺はそう答えるしかなかった。というよりもそう答えることしかできない。

 

「そうか、だったらお前は外来人か?」

 

 外来人? 男勝りな口調の女の子がそんなことを言ってきた。

 

「外来人がなにかもわからないようだな。よく妖怪に食べられなかったもんだぜ。相当お前運がいいな。私のうちに来るか?」

 

 俺が場の状況と女の子が言っていることに混乱していると、その女の子が又口を開いた。

 

「取り敢えず私の家に来てみなって。そうだ忘れてた」

 

 女の子は自分のペースで話している。そして、何かを思い出したように言った。

 

「私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ。よろしくな!」

 

「え、あ、よろしく」

 

 混乱している俺は名乗らずに宜しくとだけしか言えなかった。

 そして、魔理沙についていくこと小一時間が経っただろうか? ようやくそれらしき家に着いた。

 

「ここが私の家だ」

 

「あ、そういえば俺まだ名乗ってなかったな。さっきはいろいろ混乱してたから。俺は言葉(ことのは)霊(れい)これでも立派な男だ」

 

「そうなのか? てっきり女の子かかと思ったぜ」

 

 俺が混乱していて、尚且つ警戒もせずに自分の家に上げようとしていた魔理沙は、やはり俺を女の子だと思っていた。

それもそのはず、俺の髪は肩までかかっており、セミロングだ。さらに結わえていない上に女の子みたいな顔つきなのだ。声と一人称でわかると思っていたのだが、やっぱりだめらしい。

 

「とにかく俺は男だ。異論は認めない!」

 

 俺がそういうと、魔理沙は「そうか」とだけ言った。

 

「ここで話すのも何だから、早く入ってくれ」

 

 俺は魔理沙に促されるまま、家の中に入った。家の中は一言で言うと本で散らかっていた。

 正直に言うと、女の子が住んでいるような部屋ではない。いやうちの妹とほとんど同じで、片付けるのが苦手なのかもしれない。

 

「その辺に座ってくれ。何もないけど寛(くつろ)いでていいぞ」

 

 寛げと言われてもどこに座ったらいいのかわからない。俺は適当に本を避け、ほこりを払って座った。

 

「それで、霊はなんであそこにいたんだ?」

 

「いや、その、なんていうか……気づいたらあそこにいた」

 

 嘘ではない。事実である。ゲームを起動させたらいつの間にか森の中だったのだ。しかし、そう言っても魔理沙は信じないだろう。

 

「そうなのか?」

 

「俺からも質問があるんだが、ここはどこなんだ?」

 

「ここは幻想郷だ」

 

 幻想郷? そういえば『東方紅魔郷』でもそういった単語が出てきたかもしれない。

 

「幻想郷が何かわからないようだな。幻想郷っていうのは外の世界で存在が亡くなりそうになったり、忘れ去られたものが最後に行きつく楽園ってとこだな」

 

 なるほど、と頷く

「まあそれに関しちゃ霊夢の方が詳しいだろうから、博麗神社にでも行くか」

 

 そういって魔理沙は家から出た。

 

「あ、おい待てよ」

 

 俺は慌ててその後を追いかけた。

 

「そういえば霊は……当然飛べないよな」

 

「え? 魔理沙は飛べるの?」

 

「ああ、まあ箒を使うけど」

 

 そう言って箒に乗り、ふわりと浮かんで見せた魔理沙を見て俺は、驚いた。

 

「おーい」

 

 あまりの常識外れに、言葉が出なかった。人が空を飛んだ。魔理沙の場合は箒になっているが、それでも何かトリックがあるのかとも思う。

 

「なんかすごすぎて言葉が出なかった」

 

「幻想郷で常識に囚われていたらダメなんだぜ」

 

 そうなのか……そう言われてみるとそうかもしれない。俺が今この幻想郷にいることが何よりもの証拠なのだ。

 

「魔理沙の箒に乗せてもらうことって出来るか?」

 

「出来なくもないけど……絶対途中で例が落ちると思うぜ」

 

 自信満々に言う魔理沙に、乾いた笑いしか出ない。

 

「そうか、歩いていくしかないのか。『俺も飛べたら』いいのに」

 

 その瞬間ふわりと体が宙に浮いた。今何が起こったのか俺には分からなかった。

 

「おお! なんだ、飛べるじゃんか」

 

「あ、いや……なんで飛べたのかわからないんだけど」

「そうか……でも飛べたから解決したな」

 魔理沙はまだ疑問を浮かべている。けれども、その疑問を振り払うように頭を左右に振ると「こっちだぜ」といい、俺はその後に従った。

 

 

 しばらく飛んでいると、魔理沙が指をさして言った。

 

「あれが博麗神社なんだが、普段は霊夢がお茶を飲んでいるけど、何かあったときは頼りになるぜ。あとは参拝客があまり来ていないのでも有名で、お賽銭が雀の涙以下でも有名だな」

 

 どれだけ、廃れた神社なのか想像してしまったが、近くまで来てみると、とても綺麗な作りの神社だった。

 そして、神社の縁側に紅白の巫女服を着た少女が座ってお茶を飲んでいた。

 

「あら、魔理沙。どうしたの? ……察したわ」

 

「おう、理解が早くて助かるぜ。こいつは魔法の森で見つけたんだ」

 

「俺は、言葉霊。よろしく」

 

 俺は者みたいに言われたが、気にせずにすぐに自己紹介をした。

 

「どうも、初めまして。私は博霊神社の巫女をしている、博霊霊夢よ。よろしく」

 

「霊夢。お茶の邪魔されたからって不貞腐れるなよ。いつものことだろ」

 

「いつものことだから不貞腐れているんでしょうが。毎度のこと面倒事を持ってくるあんたに言われたくはないわよ」

 

 俺は面倒事扱いされているらしい。

 

「それよりも……えっと霊と言ったかしら、ここに来た経緯を話してくれるかしら?」

 

 俺は、魔理沙と同じ説明を霊夢にも説明した。霊夢はすぐに納得したようである。

 

「でも不思議ね。飛べなかったはずの貴方が、いきなりそれも一瞬で飛べるようになるなんて……」

 

 うーんと唸っている霊夢であったが、実際俺にもわかっていないのである。

「まあ、考えても仕方ないわ。ゆっくり様子を見てみましょう」

 

 お茶を啜りながら呑気にいう霊夢。本当に神に仕える巫女なのだろうか?

 

「それじゃあ、私は帰るぜ。いろいろとやらないといけないことがあるし」

 

「すまない。ありがとうな、魔理沙」

 

「おう、じゃあまたな」

 

 魔理沙は箒に跨(またが)りまた森の方へ飛んで行った。

 とうとう霊夢と二人きりになってしまった。二人きりというのは別に問題はないのだが、俺はこれから野宿でもしなくてはならないのかと思い、ため息をついた。

「何か不安でもあるの? 今すぐ帰りたいなら帰すこともできるのだけれど」

 

「それは本当か?」

 

 うんと頷く霊夢。俺は帰れるのかとほっと安心した。

 

「ちょっと待ってね。少し準備するから」

 

 霊夢はお茶を置いてどこかに行った。その間に俺は何をしようかなと思い、考えていると、

 

「はい、それじゃあこっち来て」

 

「うわ!」

 

 早すぎる準備である。それに驚いてしまった。

 

「何も驚くことはないじゃない。ほら早くこっちに来て私も忙しいんだから」

 

 忙しいようには見えないが、突っ込んだら負けという気がする。そう思いながら、霊夢の後をついて行った。

 

「ここを通れば帰ることができるわ」

 

 そこは神社の鳥居だった。

 どう見ても帰れないように見える。本当に鳥居をくぐるだけで帰れるのだろうか?

「なんか帰れないと思っている顔をしているようだけど、結界を弄って外の世界とつなげたから帰れるわよ。まあ外からはこれないけれどね」

 

 そうなのか……疑ってなんだか悪いと思った。

 

「そうか、ありがとう、短かったけど世話になった。魔理沙にもよろしくと伝えておいてくれ」

 

 俺は、鳥居のほうに歩きだし、くぐった……。

 

「え?! 嘘……」

 

 後ろから声がした。

 そう、俺は帰ることができなかったのだ。

 そして、何か違和感を感じる。ふと空を見上げた。

 

「あれ? なんかやけに空が赤くないか?」

 

 なぜか空が、赤い霧のようなものに覆い尽くされていった。

 霊夢が目を見開き、言い放った。

 

「これは……間違いなく異変ね。霊が帰れないのもこれが原因かもしれないわ。全くトン等に魔理沙の奴は面倒事を持ってくるんだから」

 

 霊夢がぶつくさと言いながら、赤い霧の原因を探ることにしたのであった。

 




自分で言うのもなんだけれど、展開が早いような気がします。
もう少し、内容を濃くするように努力いたします。
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