ルーミアと別れてから約数分。俺は森の奥深くまで来ていた。実際今自分がいる方角がわからないし、空を見ても赤い霧に覆われているだけ。
つまり絶賛迷子中である。
「くそ……ここは、どこなんだ!」
そろそろ俺の体力も限界に近づいている。長期的な運動はあまり得意ではないが、別に運動をしてこなかったわけでもない。
俺自身、昨日までは武道をしていた。しかし、所詮は武道。長期にわたる運動はなれていない。短期的な運動で技術を磨いてきただけに過ぎなかったのだ。
こんなに運動をするなら、町内でも走っておけばよかったと少し後悔している。
しばらく歩いていると、だんだんと寒くなってきた。
「うー。なんか急に冷えてきたな。でもまだ夏だよな……秋にしては早すぎる」
ぶつぶつと文句を言いながら歩いたら、寒さの元凶が姿を見せた。
「おい! 人間。あたいと勝負しろ!」
とても頭の悪そうな一言で、俺は固まった。いや、思考が追い付かなかった。いきなり現れて、勝負しろと言われたら誰でも変な奴に絡まれたと思ってしまう。今の俺がその状況だ。
「おい! 聞いてるのか? あたいはサイキョーなんだぞ!」
自分で最強とか言っている奴は、基本は弱い。この水色一色で染めたような服装をしている少女が言っても全然強そうとは思えない。
「無視するな! いいだろう人間私がサイキョーだということを証明してやる!」
この少女も、ゲームで見た。確か名前はチルノといったはずだ。
「ちょっとチルノちゃん。ダメだよ、いきなりそんなことをしちゃ」
横から現れたのは、チルノの友達だろうか……確か二面での中ボスだった気がする。
「えっと、すいません。私は大妖精って言います。こっちはチルノちゃんです。お騒がせしました」
ぺこぺこと頭を下げる大妖精に、俺まで「あ、どうも」と言ってしまった。
「ちょっと大ちゃん。邪魔しないでよ」
「いつも迷惑かけているから、やめておこうよチルノちゃん」
「ああ、大丈夫だよ大妖精さん」
必死に止めようとしている大妖精が、なんだか可哀想な気がしてきて、俺はつい大丈夫と言ってしまった。誰が見ても馬鹿な発言をしているチルノに対して質問をしてみようと思った。
「なあ、チルノ。最強だっていうなら、俺が今から出す問題に答えられたら認めてやる」
「お! 本当か? なら早く問題だしてよ」
簡単な問題ではすぐに解けてしまうだろうと思い、俺は数学のある公式を問題にすることにした。
「じゃあ問題。ax2乗+bx+c=0 ( a≠0 )の解は?」
中学で習う数学の二次方程式の解を問題にしたが、我ながら簡単すぎただろうか? そう思いつつも、まあいいかと思ってしまう自分がいた。
そしてチルノはというと……。
「う~ん……」
なぜか唸っていた。この際このままにしていても大丈夫だろう。そして大妖精は、ずっとはてなを浮かべているようだった。
「そうだ、大妖精さんには答えを渡しておくよ。解説もついているから、結構ベン行になると思うよ」
俺は、鞄から白紙のミニノートを取り出し、解説付きで答えを書きそのページをちぎる。
そしてそれを大妖精に渡した。
「まあ、多分チルノじゃ解けないと思うから、きりがいいところで遊ぶといいよ。ごめんね」
「いえ、本当すいませんでした」
深々とお礼をしてきた大妖精だが、すぐにチルノの所に向き直った。
「さて、俺は早く霊夢を追いかけないと……」
十分な休憩と言ってもいいほど、立ち止まっていたと思う。だから俺はまた走って赤い霧の中心に向かい、霊夢を追いかけた。
一応小説家になろうの方でかなり進んでます。