神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
「じゃんけん……ポン!」
「……あ、やった、勝ったし!」
俺達内側の足場に閉じ込められた(俺は自分から飛び込んだんだけど)は、再び5人で『バイバイ7th』作戦を反復する。プレートを見つけたらじゃんけんではなく、見つける前にじゃんけんしてゴールする人を決める所は元の作戦とは異なるけど、それと人数以外に特に違いはない。
さっきじゃんけんに勝ったのは千夏ちゃんだ。千夏ちゃんは残り4人から離れ、ゴールプレートが出現する方に進んで行く。その後、明石が見つけて出現させた『6』のゴールに、千夏ちゃんは他のゴールのスペルを探している神の子に先んじて、楽々ゴールした。
あと俺達がゴールできるのは、『8』・『9』、そして過ぎてしまった『3』・『4』・『5』の6つ。その間にも2人ほど落下していって、内側にいる人数は残り10人になった。
次にじゃんけんで勝ったのは天馬ちゃん。俺達は『8』の綴りを探して歩き回る。そこで、明石の声が聞こえてきた。
「涙ちゃんや天馬ちゃん、イッセー達を助けるんだ!
協力しなきゃ、この『TWELVE』も消す!」
どうやら明石は離れたフィールドの端にあるという『ELEVEN』のスペルを消して、残った『TWELVE』を交渉材料に東浜を協力させようとしているみたいだ!
「は?どういう神経してんだお前?俺は1度お前を裏切ってんだぞ!?今さら協力なんて……」
「佑……お前は俺達を試してる……今度は俺達がお前を試す番だ。
お前は確かにスゲェよ。頭も身体も顔も全部、俺に無いものいっぱい持ってる。でもまだ俺は認めてねぇ!お前が信じるに足る人間なら、この状況をくぐり抜けられるハズだ」
そこで明石はビシッと東浜を指差して、言う。
『お前を信じてよかった』って、俺に言わせてみろ」
そう言われた東浜は動揺した様に数秒固まるが、すぐに後ろを向いて明石から離れていく!
「どこ行くんだよ!?作戦は「あるかそんなもん!!」」
東浜が声を荒げる。初めて俺はそんな感情を表した東浜を見た気がした。
「あ、『E・I・G・H・T』、少々『T』が離れてますけど、ありましたわ!」
朱乃さんの言葉に、ハッと我に帰る。ちょっと離れてるなら、飛んで踏めばいい。俺はじゃんけんで勝っていた天馬ちゃんをゴール付近に行かせ、ドラゴンの翼を展開させて『E・I・G・H・T』のスペルを踏んだ。『8』のゴールプレートが出現した瞬間に、天馬ちゃんはそこに飛び乗る!
「ありがとうございます……!!ありがとうございまぁす!!」
そう言って天馬ちゃんは消えていった。
今の『8』のゴールプレートに気が逸れたのか、更に3人ほど落ちていき、残りの人数は外の2人を合わせて8人!最初は100人くらいいたのにこんなに減ったのか……と今更思う。
「さ、次のじゃんけんしよう!今度は私が勝つよ!」
涙ちゃんの一言で、俺達は3回目のじゃんけんに移行する。
「じゃんけん……ポン!」
涙ちゃんはパー、朱乃さんも同じ様に手を開いている。それに対し俺は……チョキを出していた。
「お……俺!やった、勝った!」
俺はじゃんけんに勝った事に喜ぶ。
「……おめでとうございます、イッセー君」
朱乃さんは静かな声で、そう告げた。俺はそれに「ありがとう、朱乃さん!」と返す。
その後彼女は更に一言付け足したみたいだったけど、それは声が小さすぎて、俺には聞き取る事ができなかった。
「……よかった」
東浜 佑は、柄にもなく焦っていた。
(現状『TWELVE』しか残っていない……俺は『ELEVEN』を見つけ出して……2人分のゴール……100%助かる道をもう1度復活させる……!!)
「明石ぃ!見つかりそうかぁ!?」
「今俺と佑で探してるから、すぐ見つかるよ!」
(こんな時にそんな都合よく見つかるかよ……!!『夢見るバカ』が!そんな奇跡みたいな事、あるわけーー)
「あ……」
そんな佑の目の前に、ある物が見えた。
『N・I・N・E』と並んでいるプレート。東浜以外の全員が探しているプレートが、皮肉にも東浜の前に現れていた。
(え……?あった……?このタイミングで……!?あいつらの探してるから『NINE』!? は? マジかよ!?こんなの絶対……っ
潰すっしょ!!?)
皮肉にも、東浜の前に現れた『NINE』のスペルは、東浜の足により潰された。
(見ろ明石……!!お前が信じた奇跡は今……俺が踏み潰した!!!
残念でしたぁ!!!!)
「フフッ、ハハハ」とつい笑みがこぼれる。東浜はその笑みを隠そうともせず、ただ明石達を見つめた。
「やべぇ、もうすぐ……あと1分くらいで9時が終わる!明石、『NINE』は!?」
「見当たらない!でもきっと大丈夫!佑が見つけてくれる!」
(詰んでんだよバーカ!詰み詰み!お前らの希望は、今消えた!ゲームオーバ……う……お!?えぇ……!?)
東浜は明石から目を離し、そして進む先にあるある物を見て動揺する。東浜の前に現れたのは……先ほどとは別の『NINE』のスペルだったーー