神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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『NINE』もいっこ発見!?何だこれ!?あるかこんな事!?何かが俺に踏ませようとしてる……っ!?もしかして、これ、マジで明石の言うとおりになんのか…!?信じればこんな偶然が重なって……

いやいやいや……アホか俺は!?
あるかそんなもん!何テンパってんだよ、俺……!?
ただの偶然!意味なんかねぇ!さっきみたいに消しゃあ、それで終わりだろ…!?なのに何を迷ってる……?さっきからこんなに感情を表に出して、冷静さを欠いて……!!

これじゃあ俺も、バカと一緒じゃねぇか!?





俺も……人間(バカ)……

だとしたら……だとしたら俺はーー


第73話ーーー人間

9時になって2分以上が経過してる……もう残り時間は20秒もない……その代わりに『F・I・V・E』のスペルは見つけることができた!だから『9』は諦めて次の1周に掛けようかと思っていた矢先に、突如ゴールプレートが出現した!!

「佑……!」

明石が東浜に向かって嬉しそうな声を漏らす。そうか、東浜が助けてくれたのか!

「ありがとう、東浜!お前も絶対クリアしろよ!」

それだけ言うと俺は、後ろでこっそりゴールを狙っていた他の神の子を飛んで追い抜かし、『9』のゴールプレートを踏んだ!

鳥達が集まって『CLEAR♪CLEAR♪』と囀るのを聴きながら、俺は転送されるのを待っていた。そこに、1つの声が聞こえた。

「イッセー君!……死なないで!何事も生きてこそですわよ!」

そう言う朱乃さんの目から、キラリと何かが光った。

「イッセー君……私はあなたを、ずっと愛していますから!私は、いつまでもあなたの側にいますわ!」

「……えぇ!?朱乃さん!?こんな所でやる様な話じゃないんじゃないでーー」

話している途中で俺は転送され、朱乃さんの話の意図は良く伝わらなかった。

(朱乃さん……明石も涙ちゃんも東浜も、皆無事にクリアしてくれよ!)

俺は心の中で祈った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

イッセーがいなくなった空中のフィールド、そこにいるのは4人の少年少女。

その中の1人、明石靖人は、イッセーのクリアの功労者に、感謝の声をかける。

「佑……ナイス佑!ゴール出してくれたんだな……!助けてくれたんだな……!マジでナイスタイミングだぜ!!信じてたぜ佑!ありがと「あああぁ!!!クソぉぉ!!!」!?」

功労者、東浜佑はその労いの声を払いのける様に叫び、そして明石に告げる。

 

「明石……俺と最後の勝負をしろ」

「え?」

「現状……ゴールを出現させる『12』はさっきの所に残ってる。同じく『3』もさっき見つけてある。つまり、残された足場から『4』か『5』、そして『11』を見つければ、俺達と、あの女達も助かる。お前さっき言ったよな?『全員が助かる様なスーパーな方法を考えてくれ』って」

「うん、言った」

「今、俺があの男を救ったのは、そんな奇跡起きねぇって証明する為だ。

俺はお前を否定する為に、あえてお前を信じてやる事にした」

そう言われた明石の頭に疑問符が浮かぶ。否定する為に信じる、なんてことは明石には良く分からなかった。

 

「今から俺達2人で『11』を探す。見つけられたらお前の勝ち。見つからなきゃ俺の勝ちだ。

見つからなかった時は俺に『12』を譲って、お前は死ね。

 

どっちが正しいか、決着つけようぜ。明石」

「OK佑、望む所だ」

案山子が手時計を11時に合わせる。それと共に明石と東浜はそれぞれ別方向へと走り出す!

「佑……俺の事信じてくれてありがとう!」「あ?」

「俺は、1人じゃ何もできない……どうしようもない臆病者(チキン)だ!すぐビビるし逃げようとする!お前みたいに強い人間じゃない!

でも!誰かの為なら勇敢(ビーフ)になれる!強くなるし、なんだってできるんだ!」

 

その言葉に、東浜は思う。

(あー、なるほど。やっとわかった。俺とコイツは……逆なんだ。

誰も信じずに生きてきた俺。『誰かを信じる』という行動原理の元で動いてる明石。

言わば俺達は『隠と陽』、全くの正反対を生きてるんだ。だからこんなにも魅かれ、乱されているのか、俺は。

 

これか……?俺が求めていたのは……?俺に足りないものは……

共に戦う『仲間』か?鎬を削る『宿敵』か?

まだ答えはわかんねぇけど……

 

今は何故か心地いい……)

 

「あ……あった!あったぞ『11』!!」

明石のその言葉に東浜は振り向き、明石の方へと向かう。確かに明石の目の前には、『11』のスペルが出現していた。

しかし、明石は嬉しそうな顔を歪めた。

「あ……でもダメだこれ。1段飛ばしになってるから、俺のジャンプじゃ踏めないや。

仕方ない……もう1周待つか」

 

「いけ、明石。ゴールは俺が踏んでやるから」

明石は東浜の方を向く。

「え?でも……」

「俺なら一段飛ばしで踏める。この試練は人が多ければ多いほどプレートが無くなっていって不利になる。1人でも先にゴールした方がいい」

「でも、俺は『THREE』を踏まないと「それも俺がやってやる。それより時間が無ぇ、11時が終わる前に、早く」

「何言ってんだよ、それじゃあダメだ。お前が先にゴールしなきゃ、嫌だよ、俺……納得いかねぇ!まだ、足場も時間も残ってるんだし、次の11時まで勝負を続けようよ」

「じゃあ、引き分けだ。今回の勝負はドロー。

それなら文句ねーだろ?決着はここを生き残った後……次の選別でつける、ってのはどーだ?

 

……お前にはまだ、死なれちゃ困るんでな」

「……へへ、わかったよ。頼むぞ佑!」

明石は『11』のゴールプレートの出現地点前にたどり着く。すると、横から声をかけてくる人がいた。

「明石くーん!!」

涙ちゃんがブンブンとこっちに向かって手を振っている。明石もそれに手を振り返して応じた。

「涙ちゃん、俺、先に行くよ!」

その言葉に、涙ちゃんは頷く。そして、大きく息を吸い、

「明石君!!あなたに会えて、私は幸せでした!生きて!明石君!生きて!!」

どこかで聞いたような台詞だ、と明石は一瞬思ったが、その言葉に「わかった!!」と大きな声で返事をする。すると、涙ちゃんはにっこりと笑って、振っていた手を収めた。

 

「……ここまで、俺の思い通りにならなかった人間は、お前達が初めてだ、明石……」

東浜が話す。その言葉に明石はもう一度東浜を振り向く。

「本来、俺の計算なら、今俺達が立っている場所は逆だった。

 

でも、お前のバカな行動が、俺の策の全てを壊し、結局見つかったのは俺しか踏めない、一段飛ばしの『ELEVEN』。神の気紛れで、俺達の運命は入れ替わっちまったんだ……

 

認めてやるよ、明石。お前の勝ちだ。

 

俺の人生が何故退屈で、何が足りないのか、今わかった……

 

俺が求めてたものは『敗北』。俺を超える強者だ。

完膚なきまでに負けるってのは、案外、清々しいもんだな。

 

明石……俺はお前が大嫌いだ!」

その言葉と共に、東浜は『ELEVEN』に向かって走り出す!

 

「一度信じた仲間には甘く、自分の感情を抑えきれないポンコツだ!

でも!その生き方を貫け!

お前はこの世で唯一、この俺に勝った人間なんだ!

 

俺をガッカリさせるんじゃねーぞ!バカが!!」

『ELEVEN』が踏まれ、『11』のゴールプレートが出現した!明石はそれを確認すると、ゴールプレートを踏む!鳥が周りで囀るのを聴きながら、明石は叫ぶ。

「佑……俺さ!お前の事信じて良かった!!ありがとう!先行って待ってるぞ!」

 

その言葉が終わったか終わらないかのうちに、時計は12時を指し、

 

 

 

 

『タイムオーバー!!タイムオーバー!!

にわとりもへじが、「24時間」をお知らせします!!』

 

その言葉と共に、足場が1つ1つ……どんどんと崩れて消えていく。明石は目を疑い、そして気づいた。最初のルール説明。『制限時間は24時間』というルールを。あれはつまりリアルタイムじゃなくて……案山子の手時計『24時間』だ、という事を。

「言ったろ?俺とお前のいる場所は、逆のはずだったんだ。これだからバカは嫌いだぜ」

「残念ながら、ここで脱落……イッセー君には、ごめんなさいと伝えておいてくださいませ。そして、あなたには何の責任もありません、とも」

「明石君。これまで楽しかったよ。絶対に、生き残ってよね」

 

「待って皆!佑!涙ちゃん!!俺達まだーー

 

言い終わらないうちに、明石は転送されていった。それを全て見終わった後、東浜はひっそりと呟く。

 

「……死ぬなよ……明石……」

 

 

あぁ、これか……

他人(ひと)を信じるって、こんな気持ちか

……何だよ、クソ 案外悪くねーじゃん…

 

ありがとうな、明石……俺を……

 

人間(バカ)にしてくれて




空中ケンパ、閉幕。生き残ったのは原作と同じく8名。ただ、中身がだいぶ違いますが……

そして、いよいよそろそろ新章にして最終章突入!1話くらいは間に入れると思いますが。だんだん終わりが近づいてきた!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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