神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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第3話ーーー天邪鬼

「ーーよっと、これで全部ですかね?」「ああ、恐らくピースが合うのはこの7体だろう。そして、さっきハズレだったのを除いて……6体だな」

今、俺達のいる部屋の中央には、6体の裸の千夏ちゃん人形が居座っている。ポーズは様々で、見た目もそれぞれ違う。例えば身長が1mくらいしかなかったり、肌の色がめちゃくちゃ黒かったり、髪が短かったり、最後の1体に関しては男のくんしょうが生えてたんだけど、やめてくんない!?トラウマになるから!!……それらを俺達は全部除外していく。残ったのは2体。

「……どっちが本物だい?」「……どっちも千夏ちゃんに見える……」

千夏ちゃんの人形……どちらもかなり似ている。髪型や顔、身長、脚の長さ、おっぱいの大きさ……

 

いや、考えろ……何か違いがあるはずだ……考えろ……思い出せ……

 

……あ。

 

「ほくろ……」

そうだ、千夏ちゃんの左目の下には、泣きぼくろがあるんだ!俺は残っている人形の目の下を確認する。片方はほくろなんてない、もう片方は……あった!左目の下に小さなほくろ!

「白戸さん!こっちです!このほくろがある方が千夏ちゃんだ!」「そうか、わかった!」

そう言うと、白戸さんはピースを人形に嵌めようとするが、直前でピタッと動きを止める。

「……もし、もしだ。これが正解者1人だけしか生き残れなかったら、どうする?」

!!

「……なんでそれを今?それを言わないままピースを嵌めれば、少なくともあなたは確実に生きられたのに……」

「そんな事は出来ないさ、僕を心配してくれた君に、騙すような真似はね」

そう言うと、白戸さんはピースを持った手と逆の手をグーに握る。

「こういう時は公平に……じゃんけんで決めよう。勝った者がピースを嵌める。負けた者は潔く嵌め終わるのを待つ。2人とも生き残れるのがベスト、1人だけしか生き残れないならそれは仕方ないと諦める。それでいいんじゃないかな?」

「……そうですね、恨みっこなしですよ」

 

じゃんけんは1回。俺が出したのはパー。

 

そして、白戸さんが出したのは、チョキだった。

「……そうか、わかった。僕が嵌めよう」

彼はやったともごめんとも言わずに、こちらに背を向け、ピースを穴に合わせる。そして、正解であろうドールにピースを嵌め込み……

 

 

『はずれ』

 

その肉体は上半身と下半身で完全に分断され、彼はバタッと横に倒れた。

「は?……え!?」

どうなってるんだ!?おかしい!?確かに俺は正解のドールを選んだはず!間違った訳が無い!それは確実だと言ってもいい!ちゃんとルールに則って、正解を選んだはず……。

 

 

 

 

「あ?」

もしかして……そういう事か!?

俺は正解だと思っていたドールから落ちてきたピースを拾うと、それをズボンのポケットの中に入れ、ある人形の前に立つ。

 

 

さっきの、ピースの穴が無いドールの前に。

「この試練の名前は『天邪鬼迷宮』……『天邪鬼』ってのは、妖怪の一種で、他人の質問に、180度嘘の答えを返すいたずら好きの鬼だ。つまり……

この迷宮、ルールは全て書かれてある事の『逆』なんだ!そんで、この『ジグソードールの部屋』のルールは、『パズルを完成させて魂を肉体に戻せ』……その逆はつまり……

「『パズルを完成させずに、魂を肉体に戻すな』って事か!」

つまりこのパズルとピースは全てフェイク!本当の千夏ちゃんは……パズルのピースが付いてない、この人形だ!

俺は、ピースの付いてない千夏ちゃん人形に触れて、部屋全体に響く様に言う!

「千夏ちゃんは、これだぁ!これが本物の千夏ちゃんだ!」

そう言った瞬間。

 

『「ジグソードールの部屋」……クリア』

部屋全体に音声が響き渡る。それと同時に、ここにあった他の千夏ちゃん人形は全てジグソーパズルのピースになり、更にさらさらと空気に溶けて消えていった!

『兵藤一誠、安千夏……生きる』

 

それを聞いて俺は千夏ちゃんを振り向く!千夏ちゃんの身体が一瞬ぶるっと震えると、「あ……」と軽く声を出す。良かった、生きてる!これでクリアだ!

 

「やった、千夏ちゃ「あ、ああぁあああん!!」……」

千夏ちゃんは絶叫するとヘタリ込む。そしてそのまま……粗相をした。

 

(やべ、偽物だしいいかと思って色々触ってしまってたんだった!どうしよう……この気まずい状況!とりあえず謝る?それとも開き直っておくべきか!?)

「イッセー……」

千夏ちゃんの低い声が聞こえてくる。俺が振り向くとそこには、水たまりの上に立って、ケンパの時以上の絶対零度の視線を向けた千夏ちゃんがいた。その全身から湧き出ているのは……純粋なる殺意?

「あ……いや、違うんだ!……あ、俺は……そう、何もしてない!してないんだよ!「私は動けなかっただけで、意識も触覚もあったんだけど?ただ身体は動かなかっただけでね」……」

千夏ちゃんはそこで入口の方を見る。そこにあったのは、千夏ちゃんの着ていた服と、小さな鍵。

千夏ちゃんはその小さな鍵を掴んで笑いながらこっちに近づいてくる!俺は後ずさる……が、途中で壁にぶつかった。

 

「大丈夫……殺しはしないから。ただちょっと、今の事を忘れてもらうだけだし」

そう言うと、鍵を握りしめた拳が俺の頭に振り下ろされる!俺はそれを数撃食喰らった所で、意識が薄れていった--




「ジグソードールの部屋」何とかクリアです!そして唐突に飛び込むラッキースケベ……後悔はしても反省はしない!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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