神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
「見えた♪」「何だこれ?」
丑三達の目の前に広がるのは、透明なドームと、その中に広がる巨大な街。地図帳なんかで見た事のある景色に、高畑は気づいた事を口にする。
「東京の複製ってトコか?中にいんのかな皆?」「どうする?」
「ディープインパクトだ」
丑三は急激に『戯』のスケボーの速度を上げ、ドームに突っ込む!!ドームの天井に衝撃波を走らせながら、丑三達は何とか中に入り込むが、
「スケボが制御不能!」
不意にスケボーが弾け、丑三の身体にくっついていた高畑と天谷を振り落とす。だが、
「関係ねぇ!俺は1人でも神を殺す!!」
高畑は1人、別の方向に落ちていく。天谷もそうだ。
「あ、ちょっと!危ないって!……ああもう!スピード速すぎんだろ!」
声の方を向くと、光圀が連れて来ていたはずの男が、光圀から離れて落ちていくのが……いや、違う。
(あいつも飛んで……光圀の様に翼を生やしてる?何だあいつ?あれは光圀の『戯』じゃ……)
そう思いながらも、丑三は急速に落ちていく--
「あがいても無駄だぁ!
勝利の高笑いをするプゥ。その頭の上に流れ星が流れ……
「!?」
空を流れていた星が、弾ける!そしてその星が、落ちてくる!?
「ば『
』
強烈な衝撃で地面が揺れる。落ちてきた何かはその墜落音と衝撃波でそこにいたイパネマらの鼓膜と視界を一時的に使い物にならなくする。
数秒後、恐る恐る眼を開けたイパネマ達別働隊が見たのは、驚愕している太陽の国の兵士達でも、黒焦げになって倒れているプゥでもなく。
空から降ってきた、1人の少年。
「瞬!!」
別働隊の中の1人、月の国の『
〜〜〜〜〜〜〜
所変わって秋葉原某所。紫村、真田達星月連合軍とオスメス&C・Bの衝突地点には、2人の少年が降り立った。
「あー、ヤバい。だいぶ壊れてる……六ちゃんのスケボ……大切なもの……」
「……」
突入の衝撃で所々に亀裂が走るスケボーに哀愁を感じる丑三と光圀に、紫村は叫ぶ。
「丑三君!光圀!!避けて!!」
その背後に、オスメスの鋭い金属手が迫っている!!
言われて光圀は慌てて横に飛ぶが、丑三はゆっくりとこちらを向くと、「あ、紫村!明石はどこ?」などと気軽に問う。
その丑三をオスメスの手が貫く……ギリギリの所で、丑三は『戯』を使い回避する。丑三は、攻撃してきたオスメス達に明石の居場所を聞くが、
「明石はもうすぐ死にますよ」
「
表情の無くなった一瞬の隙を突く様に、オスメスは丑三に腕を振るう!丑三は避けるが、オスメスは攻撃を繰り返す!
「急な『展開』ついて『いけっかい』?『落下』と『ラップ』で敵を倒す!行け、俺の結晶!」
光圀は『戯』でつららを飛ばし、オスメス達の注意を引きつける。
「丑三君、そいつらは敵だ!!明石君の居場所なら僕が知ってる!!そいつら倒してくれたら、明石君に会えるよ!!」
それを聞いて、丑三はボロボロのスケボーを見る。
(撃ててあと1発……ってとこか……)
丑三は力を溜めると、スケボーに意識を集中する。その身体に、オスメスの腕が迫る!
(1番大切な人に逢う為に、1番大切なものから
忘れるわけじゃないよ、六ちゃん……ただ……1人で行かなきゃいけない時が来ただけだ
ありがとう 今まで傍に居てくれて)
丑三は全ての力をスケボーに注ぎ、それをオスメス達に向かって蹴り飛ばす!!
「な!?」
スケボーとぶつかったオスメスのロボットアームは、スケボーに負けて粉砕されていく!スケボーはそのままオスメス&C・Bと近くにいた太陽の国の兵士を吹き飛ばし、近くのビルにぶつかって止まった。
「マジかよ……助かったのか、俺達……奇跡じゃん」
ユキオが夢を見ているかの様に、半ば呆けながら呟く。
2つに割れたスケボーを背にしながら、丑三は紫村に問う。
「明石はどこだ?」
〜〜〜〜〜〜〜
ミケが脚を振り下ろす直前、何かが学校の壁を突き破ってミケのいる地点に落ちてくる!ミケは風圧に負け吹き飛ばされながらも、落ちてきたものを睨みつけ、
その顔面に、強力な飛び膝蹴りが入る!!
空中でバランスを崩して背中から着地するかと思われたミケは、しかし宙で回転すると、その勢いで刃付き靴を襲撃者に向かって繰り出す!
が、襲撃者はそれをあろう事か、歯で受け止めた!!
「な!?」
ミケの顔に初めて動揺と、少しの恐怖が滲む。襲撃者はそれを見て嬉しそうに笑うと、刃を手で持って上に力強く投げる!クルッと空中で今度は自身の意思とは関係なく回るミケは襲撃者に頭を向ける様な体制になり、その無防備な後頭部を殴られて叩きつけられる。
襲撃者はうつ伏せになったミケを仰向けになる様転がすと、馬乗りになって彼の顔面を包帯の巻かれた手でメチャクチャに殴り飛ばす!!
「それそれその
襲撃者、天谷武はもはや全身から力が抜けたミケを、なお殴り続ける-
〜〜〜〜〜〜〜
太陽の校舎まであと数分の所までたどり着いたイッセー。その10数m後ろに、何かが墜落する。風圧に押され、転ぶイッセー。起き上がりながら落下してきたものを見る彼。砂埃の中から現れたのは、彼のよく知る人間……いや、悪魔だった。
「匙?」
黒い鎧を身に纏った男。その鎧をイッセーは見た事があった。匙の
イッセーの声を聞いた匙は、スクッと立ち上がり、
身体の上に、巨大な黒い火炎球を造り出す!!
「な!?おい匙やめろ!」
イッセーの制止も聞かず、匙は火炎球を投げ飛ばす!イッセーのいる方向とは真逆の所に投げられた火炎球は、ビルを何個か粉砕すると、かなり離れた所に立つ電信柱にぶつかり、爆発する。
「おい、匙!!」
イッセーの叫びに、匙は口を開く。
「かみまろ……神はどこだぁぁあああああああ!!!」