神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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ーー紫村の体は光に包まれ、勢いよく天へと昇っていく。

「……!?なんだこの道?人類の……いや、地球の歴史?」
上がっていくまでの道には、多くの生き物の姿が浮かんでは消えていく。
「恐竜……原始人……侍……軍人……現代人……そして……」

『人類は……』
『月へ行ける日がきたのです……』
『これは大きな一歩でしょう』

『遂に宇宙の果てを知りました』



『間も無く太陽が爆発します』
『人類は地球を捨てる時がきたのです』

「……未来まで……」

地球が光り出した。紫村はそこに突っ込んでいき……

「!……ここが……神の、場所」
たどり着いたのは、学校の教室。黒板には、『卒業おめでとう』の文字が書かれていた。

「卒業おめでとう、紫村影丸。あんたが最初の神だよ♪」

窓に腰掛けながらこちらに話しかけるのは、アシッド・マナ。彼女は掌を上へ向けると、そこから何かを生み出した。

「『神の力』だよ♪……コレ、どんな風に見える?」
マナが紫村の前に持ってきた『神の力』というものは、紫村には真っ白で、真ん丸な球体に見えた。
「『神の力』は人によって見え方が違うんだよ。
見る人の想像力を増幅して、具現化するものだからね」
「え……じゃあ、『戯』も……」
「ご明察♪あれは『神の力』を限定的にしたものだったから。
これはその何億倍も強い力だよ。でも、マナと比べたら1万倍くらいは劣るものだけど。
今のアンタなら、この原型を手にする資格がある!さぁ……手に取ってごらん」

紫村は無言で、その力を掴む。

『!!?』
(身体が……熱い……全身が、焼け爛れる……)
「脳内のイメージをコントロールして!あらゆる経験と感情を思い出して!何が自分を形成してるか描くの!
そして、その固定概念に捉われないで!何でもできると信じて!
そしたら、神の力はその身にやどるわ……」

(何でも……何でもできる……今の僕になら、何でも……)

「石ぃぃぃ!!」

一瞬、紫村の身体が大きく光ると、次の瞬間には、紫村の身体全体が、大きなアメジストになっていた。

「石に変化する戯……だったっけ?そのイメージを膨らませてたから、そうやって変化することができた。
うん、『神の力』は完全に身体と同期したよ!」



第40話ーーーブラフ

「……丑三、続きだ。俺達も早く、あっちに向かうぞ」「……ああ、もちろんだ(アイムオーケー)

紫村の昇っていった方向を眺めていた丑三は、明石のその言葉で我に帰る。

「明石、どれでもOKだ」「わかった、じゃあこれを」

スペードの8を引く明石。彼はそのカードをそのまま、ハンナが死んだため次の順番になった匙に横流しした。

 

そして、匙からかみまろが引くターン。

「よっと!……お?ラッキー」

かみまろは『夢を語る』スペードのAと、ハートのAを捨てた。それを見て匙は歯ぎしりする。

無視してかみまろは、高畑にカードを向ける。今度もまた、1枚を強調する形だ。高畑は再び強調されたカードを引く。

ダイヤの10。『時限爆弾』だ。

高畑はチッ!と舌打ちしながら、次の秋元に『時限爆弾』を回す。時限爆弾は早く回して、10を持っている人に消してもらうのが吉だ、という考えだ。

秋元も木場に『時限爆弾』を渡す。続いて、天谷が木場から引くターン。

木場は、『時限爆弾』カードを引かせるよう強調させる。対し天谷は、そのカードを取った。

 

「お?マジか?」

 

そして、そのカードを。

 

 

「これで、あと2枚♪」

捨てた。

 

 

「……え?」

明石靖人は声を上げる。

「な……何でそのカードを、お前が……?」

明石の掠れた問いに、天谷はキョトンとした顔で答える。

 

「え?なんでって?リリィがこのカードを引かなかったからに決まってんだろ?」

 

明石は思わず、2つ隣の席を見る。そこに座っている、先ほど紫村に向かって試すような口を聞いていたオスメスは、何も言わず黙ったままだった。物事が思い通りに進んだ時の笑みは、出てきていない。

(となると……ハートの10を止めていたのはオスメスじゃなかったのか!?)

つまり、紫村がハートの10をオスメスから引ける可能性は、0%だったのだ。どんなに運が良かろうと、1%の可能性さえ引き当てるほどの悪運があろうと、紫村はオスメスから10は引けなかったのだ。なぜなら、オスメス自体が10を持っていなかったから。

 

天谷は、ハートの10を木場から受け取ったあと、1枚のカードを強調させ、リリィに引かせた。つまり、あのカードはハートの10ではなかったのだ。だから、ハートの10はハンナまで回らず、そしてハンナは死んだ。

「……」

木場祐斗には、隣に平然と座っている男が、理解できなかった。

なぜ、同じように試練を生き抜いてきた仲間と協力しようと思わないのか。なぜ、この男はハンナを見殺しにしたのか。

 

ただ、1つだけ思った。

 

こいつは許せない男だ。絶対に倒さなければいけない男だ。

 

「おいおい、何を怖い顔してんだよ、お前ら。あくまでゲームなんだからよー、もっと楽しくやろうぜ!

さぁリリィちゃん!1枚お好きなのどーぞ!」

重たい空気の中で、天谷の軽い声が響く。

リリィが天谷からカードを1枚引く。

 

『神罰「順番リバース」発動。順番は逆周りだぁ』

「やっぱついてんな、俺!もう1回引けんじゃん!」

順番が変わり、リリィからカードを1枚引く天谷。彼は今度はこちらの目の前に、カードを持ってくる。

 

「ほら、好きなの引けよ」

木場は怒りを抑えてそのうちの1枚を引く。

(……!?なんだ、このカード!?)

 

そのカードは、JOKER。

 

その効果はーー『持ってる間、死の神罰を受けない』

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