神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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ーー「戻れ!」
その一言で紫村の身体は元に戻った。
「……」
紫村は人肌に戻った両手を見る。今の自分は神の力を手に入れた、自分は何でもできる、その事を実感し、教室の中のあるものを見る。

「ん?それに興味があるの?」
マナが言う『それ』は、透明な八角形の液体に包まれている。緑と青と白と茶色、そのグラデーションは紫村も図鑑などでよく見たことがあった。
「それはあんたの『世界』の『地球』だよ」

そこにあったのは、1つの星だったのだーー



第41話ーーーチートカード

JOKER、ババ抜きにおいて最もいらないカード。木場はそのカードを見てゴクリと唾を呑む。

(なるほど……つまり、『JOKER』は最後に持ってたら死ぬ代わり、持ってる限り死なないカード、ってことか……)

これを有効に使えれば、最後の1人を除いた全員が生き残ることができる。

「……木場さん?引かせてもらいたいんだけど?」

秋元の言葉に我に帰ると、木場はJOKERを秋元に渡す。秋元もまた目を丸くしたが、焦らずそのカードを高畑に回した。

高畑は特に表情を変えず、残りのカードを全てかみまろの前に出す。

 

「うーん……これ!」

かみまろはニヤニヤと下卑た笑いを浮かべながら1枚を手に取る。そのカードは、ハートのJ。『神罰シンクロ』の効果を持つカードだった。

(……!)

ここで、高畑は気づいた。今、手元にあるのはただのハートの9とクローバーの6、そして『死ぬ神罰を受けない』効果のあるJOKERと、『引かれたら死』のスペードの4。

今、かみまろが『引かれたら死』の神罰を引いたら。

高畑はJOKERの効果で死なない。しかし、神罰自体は発生する。そのため、

 

神小路かみまろのみが、死ぬ。

 

(なんてラッキーなんだ……)

高畑はそう思いながら、どこか納得できなかった。

 

そして次。

「……よし、これを捨てられるのは大きい」

かみまろからカードを引いた匙が捨てたのは、ダイヤの3と『くすぐり』のクローバーの3。これでまた1つ、神罰カードが減った。

次、明石が引くターン。彼は先ほど自分がハンナに渡したハートのJを受け取った。

(ハンナ……すまない)

どうすることもできなかった無念を思いながら、明石は丑三に1枚のカードを強調させる。

丑三はそのカードを引き、

 

「ジーザスクラーーーイスト!!」

思いっきり叫んだ。

「ごめんな丑三。ハートの5、『ハイテンション』カードを引いてもらった。ずっとハイテンションの強張った表情作ってたから……顔がつった……」

「HEY明石!気にするな!お前の苦痛は俺が引き継ぐ!」

丑三は言いながら、後ろを見る。

 

そこにいるのは、割とガチで危険な相手。

「『ハイテンション』……あまり役立ちそうではないですね」

オスメスだ。

オスメスに対し、丑三はカードを裏向きにしてシャッフルすると、目を瞑り、

「どれでも好きなのを選べ」

とカードを前に突き出す。

「なるほど、自分もどれがどのカードかわからない状態なら、確かに私もカードは読めない……ここは運で引きましょうか」

オスメスは1枚のカードを引き抜く。その後、目を瞑ったままの丑三の方に手を持って行き、

「グハッ」

デコピンを1発。オスメスが引いたのは『引かれたらデコピン』のスペードのKだったようだ。予期せずデコピンを喰らった丑三は攻撃された部分を抑えてハイテンションに悶絶する。どうやら少し肌が破れ、出血しているようだった。

 

その後、オスメスがリリィにカードを1枚渡す。

天谷も、リリィからカードを何事もなく引いた。

次に木場のターン、天谷から引いたカードはハートの8。木場はそれを含めた安全なカードを秋元の前に出す。秋元はダイヤの5を引いた。

高畑は秋元からダイヤの5を受け取る。そして、かみまろのターンとなった。

 

「かみまろ、今度こそお前を殺してやる」

「……顔が変わったなぁ、さっきのカードで俺を殺せるようになったのか?」

未だヘラヘラと笑いながら、かみまろは1枚抜き取る。

 

そして、その顔がニヤァと歪んだ。

高畑は、顔をしかめる。

 

(JOKERを引かれた!)

かみまろがJOKERを手にしてしまった。これでは、かみまろを殺すことはできない。高畑は焦る。それに対しかみまろは笑いながら、

「ありがとう、高畑瞬。なんだかんだ優しいじゃんか。ツンデレってやつだったりする?」

などと高畑を茶化す。高畑は思わず奥歯を噛み締めた。

 

しかし、次のターン。

「……なんだこのカード!?チートじゃねーか!?」

匙がかみまろからカードを引き、そう言う。それを聞いて高畑は、JOKERが匙に移ったことを察した。

 

(となると……スペードの4をかみまろに引かせれば、俺はやつを殺せる!ただその代わり、俺も死ぬ……か)

 

高畑の頭の中に、1人の少女の姿が映った。それを見て、高畑は思う。

 

(何をためらう必要があるんだ?俺はかみまろを殺すために復活してここまで来た。かみまろを殺すのが俺の人生の最終目標だ。かみまろとともに死ねるなら、むしろ本望じゃねーか。かみまろが死んじまったあと、抜け殻になるより100倍マシだ)

 

高畑瞬の視野には、もはや標的以外は映っていない。未来など見る気もなかった。




誰も死なない回はグダる……ババ抜きは動きがないので、当たり前といえば当たり前ですが、ちょっと読むのがきついかな?

この頃『神さまの言うとおり0』とか言うのがどっかで連載してるらしいですが、このSSはそれらの設定等は反映しません。というか読む気ない。
この前発売した『神さまの言うとおり弐』の最終巻までの内容+αです。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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