神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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第42話ーーー意思

少し動揺している匙から、明石は1枚カードを取る。クローバーのK、効果は何もない。

続いて丑三が明石から1枚。クローバーのAが明石の手元を離れた。

そして、オスメスが引くターン。

「おっ、揃いましたか」

オスメスは丑三が明石から受け取ったクローバーのAを引き、手持ちのダイヤのAとともに捨てた。

「さて……これを引かれてはまずいので。リリィ、こちらを……」

残り手札2枚となったオスメスは、1枚のみをリリィの前に示す。リリィはそれを受け取ると、オスメスへデコピンを行う。スペードのKが移動したようだ。

「さて、俺のターン!ドロー!!……お?」

リリィからカードを1枚抜き取る天谷は手に入れたカードを見て、口角を引き上げる。

「デコピンか……久しぶりだなー。まだいけるか?」

試しにと言わんばかりに机に1発パチキをかます天谷。すると、

 

「!?」

バチィン!という鈍い音が響き、大理石ほどの硬さでできている机に、大きな凹みができていた。

「いけるいける。これは神罰だから、死んじまっても仕方ねーよな……リリィ!今回こそ俺はお前を倒す!」

子供のように無邪気な笑みを浮かべながら、天谷はリリィの額の前へと指を持っていく。対してリリィは、無言で天谷の方を向くばかりだ。

 

「待て!天谷!!何する気だお前ーー「無理だぞ明石、天谷(コイツ)の衝動は神さまでも止めらんねぇよ。

 

そうだろ天谷?」

 

椅子から立ち上がり天谷の方へ向かおうとする明石を、高畑が制す。それを聞いて天谷は、さらに笑みを深める。

「わかってんじゃねぇか……愛してるぜ、瞬♪

 

さぁ、喰らって死ね、リリィ!!」

天谷が中指を、リリィの額に向かって勢いよく伸ばす!

 

 

一瞬、世界から音が消えた。

 

 

ボキリ、という鈍い音がまず全体に広がった。

続いて、石が崩れる音。リリィがデコピンの衝撃で後ろに吹き飛び、椅子でもある地蔵を破壊したのだ。

 

リリィは一瞬宙に浮かぶ。その後重力に従って、勢いよく地面に叩きつけられた。

 

皆が息を呑んだ。オスメスも何も言わなかった。

 

ただ中指を通常と逆方向に曲げた天谷のみが、倒れたリリィを見て笑っていた。

 

「……やった!サシでリリィに勝った!ヒヒヒ、さすが俺!ざ「……さて、ババ抜きを続けるか……」!?」

 

床から聞こえてくる声に、天谷も、そしてババ抜きメンバーも驚愕する。

「……ッ!?おい、マジかよリリィちゃん!?もう死んどけよ、お前!」

立ち上がって来たのは、額を大きく凹ませたリリィ。彼はバラバラになった地蔵の残骸から座席部分を抜き取ると、そこに座って声を出す。それは天谷や周りにではなく、自分に言い聞かせているように木場は聞こえた。

 

「まだだ……まだ俺達は、誓いを守れていない。

誰かが神にならなければいけないんだ……それまでは、死ねない……」

 

 

 

 

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