神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
公開された手札は4枚。スペードの5、『シンクロ』の効果があるハートのJ、そして『引かれたら死』のスペードの4とダイヤの4。
『再配分だぁ』
4枚のカードは次の4人に配られた。
「……」
匙元士郎。
「!!」
明石靖人。
「なるほど……」
丑三清志郎。
そして。
「……あ?」
オスメス。
「……」
オスメスの額から汗が流れる。その原因は彼の手元にあった。
彼がもともと持っていたのは『引かれたら死』のハートの4。そして、現在再配分で回ってきたものが、ダイヤの4。
今、彼の手元に残る2枚のカードが揃ったのだ。
(いや……しかし、ダメだ。これを捨ててしまっては、誰も殺せない……まだ私は誰も殺していない。このままでは、
目の周りを形どる♂♀のペイントが、汗と共に頰を伝っていく。しかしそんなことも気にせず、オスメスは考える。
(次に何が来るかわからない……『引いたら死』を引く可能性もある……その時、私の次のターンであるリリィに『引かれたら死』がいく可能性は66.6%……天谷武がリリィを殺す可能性は十分あり得る。そういった意味ではここで『引かれたら死』を減らすのが最善。しかし、それでは私は--)
「オスメス」
ハッ、と我に帰るオスメス。耳に入ってきたのは、これまで何度も指示を仰いできた声。自分が神にする、と決めた男の声だった。
「何です、リリィ?」
答えるオスメス。声が少し低くなってしまったのを自分でも感じる。オスメスほどではないがリリィも相手の心理を読み取る能力には長けている。これでは何かを迷っていることがバレバレだろう、とオスメスはさらに焦った。
そのオスメスに、リリィは「揃ったな?」と短く告げる。
リリィに指摘され、仕方なく頷くオスメス。それを聞いて周りがどよめく。
「でも安心してください!私はリリィを置いて神になるつもりなどありません!私はリリィ、あなたを神に「上がれ」……は?」
リリィははっきりと、オスメスに告げる。
「上がれ。お前が神になれ、オスメス」
「な、何を……正気ですか?リリィ?私ごときに神となれ、と?」
ひどく動揺しながら答えるオスメス。対してリリィはオスメスに、というより自分自信に告げるように、ゆっくりと言う。
「6人の誰かが神になればいい。そいつはきっと、平和な世界を創るだろう」
「……!!」
オスメスは思い出した。上官に裏切られ、死に行く仲間を目の前にし、どうしようもなかった自分達を救った神の化身。それから告げられた、自分達を、そして自分達のような人間を救う手段を見つけたあの日。残された6人で誓った約束。
「俺が神になるのが全てじゃない。誰か1人でも神になることができたなら、その時点で俺達の勝ちなんだ、オスメス」
リリィが、頭の片隅に置いておいた……しかも、無理やりに抑えこもうとしていたものを取り出してくる。
(私が神になる。そんなおこがましいことを……)
オスメスは俯いていた顔を上げ、リリィを見る。
彼は少し不器用に、それでも微笑んでいた。ほんの少し口角を上げていただけではあったが、長年の付き合いであるオスメスには分かっていた。
「………………
声が震える。足も震える。揺れる手から2枚のカードが零れ落ち、机の上に着地した。
『オスメス!!
オスメスの上に光が差し。
それに連れ去られるように、彼は天へと昇っていった。
残り人数も半分を切りまして、そろそろ終盤です!
ここで現在の状況確認。
死亡……アルフ・E、天馬遊、ハンナ・フェリックス、秋元いちか、高畑瞬、神小路かみまろ
突破……紫村影丸、オスメス
選別中……木場祐斗、匙元士郎、明石靖人、丑三清志郎、天谷武、リリィ
残り手札の枚数は、
匙・明石・丑三・木場……3枚
リリィ……2枚
天谷……1枚
次のターンは匙→明石です
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!