神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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「オスメス……すまない。お前を置いて行ってしまった」
リリィはオスメスに優しく言う。
「あぁ……あぁ、リリィ……」
オスメスは口を開け、一点を見つめる。
「俺達の夢を再び叶えに行こう。さぁ、俺について来い」


「明石くん……」「明石……」
「涙ちゃん……ナツメグ……」
明石はただうわ言のように名前を繰り返す。震える身体。その身体を持田涙が抱きしめた。
「ここまでよく頑張ったね。偉いよ、凄いよ。
最初から無茶ばっかで、今にも死んじゃいそうで、たくさん心配させて……それでも、生き残った」
「明石……私がアンタの身代わりになったのは、やっぱ無駄じゃなかったんだね。
私じゃあんたなしでここまで来れなかった」

「「おめでとう」」

「……」
ありがとう、と口に出そうとした。
でも、嗚咽が止まず言えなかった。
そして--


第54話---人形

復活した兵藤一誠の言葉。それを聞いた明石は剣を--

 

 

--握りしめ、一誠の後ろに回る!

「?木場、どうし--

 

木場は何も言わず、一誠の首を刈る。胴から離れた頭が、宇宙にフワフワと浮きながら離れていく。

 

「な、何をしてるんです、木場さん!?」

紫村は驚愕する。目の前で起きたことが信じられなかった。

木場はそのまま、一誠の隣にいた紅髪の女性の心臓を突く。右手を突き出して何かをしようとしていた女性の身体は、ボロボロと崩れていった。

 

「我が同胞にして同僚、兵藤一誠。並びに我が主人リアス・グレモリー。死んだ彼らを利用して僕達を殺そうと言うのは、許さない!!」

木場が言うと、持っている剣が紅々と輝く。まるでその通りだ、と言わんばかりだ。

 

『紫村とやら。あれは偽物だ。神とやらが造り出したダミーに過ぎん』

木場の左腕にこれまた真っ赤な籠手が現れた。そこから声がする。

「偽物……なんでそう言えるんです?」

 

籠手に問う紫村。籠手はハッキリと告げた。

 

『相棒の魂。そしてリアス・グレモリーの魂。それは今も俺達の心にいる。あいつらがわざわざあんな神もどきのところにホイホイと行くと思うか?』

 

それを聞き紫村は思案する。

「でも、イッセー君は女性が好きでした。もしかしたらマナの誘惑についていっちゃったのかも……」

『それはない。奴は大の巨乳好きだ。リアス・グレモリーの戦車ならともかく、これまで全く接点のなかったちんちくりんについていきはしないさ。

 

巨乳……おっぱい……おっぱいドラゴン……うっ、頭が……』

 

「紫村君。イッセー君の魂は、今でも僕達の中にいる。いつまでも見守ってくれている。そうだろ?」

紫村は、胸に手を置いた。いつもの数倍大きくなった心拍を感じる。

「ああ、これは……イッセー君達が暴れてるんでしょうか?」

紫村は微笑む。胸を1回撫で下ろし、そして前を向いた。

その目にはもう、迷いはない。

「イッセー君達やお母さん、お父さん達のためにも、僕はマナを倒します!」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

ドッ、と小さな音が響く。

 

「え……」

 

刺された男……リリィは戸惑いの感情を顔に浮かべ、刺した男、オスメスを見る。

 

彼の顔は、憤怒で歪んでいた。

 

「俺について来い?」

 

オスメスが右手を少し横に動かすと、リリィの腹に刺さった刃も動く。リリィは小さく声をあげた。

 

「リリィはあの時、私に託してくれた。六糞野郎の全てを。リリィの全てを。世界の全てを。

 

そんなリリィが今更、『俺について来い』?

 

リリィを馬鹿にするなぁ!!」

オスメスは右手を真横に払う!リリィの左脇腹が裂けた!

さらにオスメスはその右手を器用に動かし、一瞬でリリィの四肢をもぎ取ってダルマ状態にする。

「ま、待て!オスメ……「もう喋るな」

 

リリィの顔面中央を、刃物が通る。

それは脊髄をなぞるように振り下ろされ、リリィの身体は綺麗に2分割された。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

涙を拭った明石が見たのは、背中に刃物のような鋭い先端を持つ羽と、巨大に膨れ上がり、さらに棘のついた腕。

 

それらが、明石に襲いかかる!

 

「明石!」

それらの攻撃を両腕と両脚を使って受け止めたのは、丑三清志郎。彼もまた、2人の生き返りに猜疑を持った者だった。

「今、マナが俺達の味方である人物を、人質ならともかくこっちに送るはずがない。神の力を与えて攻撃、または自爆させる。そういう考えだろう」

言いながら、丑三は片手で明石を、もう一方の手で涙を掴んで引き離し、明石を背後に投げる。自分もその後、明石のところまで戻った。

「明石、2人は……いや、今生き返った全員が、偽物(ダミー)だ。マナに造られた(アーミー)だ。倒さなきゃいけない」

その言葉を聞き、明石は丑三を向く。その目は涙に濡れている。

「でも……言ってくれたんだ……『おめでとう』って……温かい言葉だった……」

「それはマナの命令に従った、従来機能(プログラム)だ。感情のないセリフに過ぎない。現に今、あっちは攻撃を仕掛けてきただろう」

「それでも……!!」

 

「明石っ!!」

思わぬ叫びに明石の身体がビクッ反応した。

「俺達は今、人類全ての命運を託されてるんだ!2人を救うことは、それ以外の全部を切り捨てることだ!これまで死んでいった星達をバカにする愚行だ!」

「……でも」

 

首を垂れた明石の呟きに、丑三は覗き込むように彼の顔を見ようとする。その直前に、明石が大きく顔を上げた。

「それでも!俺はこの2人をもう失いたくないんだ!1回死んだ彼女達がもう1回死ぬなんて、見たくないんだよ!!」

「それは明石のエゴだ!」

「ああ、そうさ!エゴだよ!操られてるのもわかってる!攻撃されたのもわかってる!それでも俺は彼女達を殺せないし、殺したくない!ただのエゴだ!」

「なら……!」

その言葉を遮るように、明石は前に飛び出す!その先には件の2人が待ち構えている!

 

「あああああああああああああ!!」

 

明石は2人の方に飛び込み--

 

 

 

--その身体に蹴りを浴びせる!

「明石!?何を!」

これには丑三も逆に驚いた。明石は丑三だけでなく、皆に届くように声を張り上げる!

 

「俺は、彼女達が死ぬところを見たくない!……でも、彼女達が人を傷つけるのを見るのは、もっと嫌だ!!涙ちゃんとナツメグ、2人は俺が止める!!2人は俺に任せて、お前達はマナを倒してくれ!!」

 

丑三は、突撃に驚いて空いたままの口を、笑みの形に変えた。

「そう、そうだ!It's明石!わかったよ明石!!明石の分まで俺、頑張る!」

 

周りに散らばる星達が薄れるほどの輝きを見て、丑三は明石から目を離し一方を向いた。残る3人も、同じ方向を見据えている。

 

「……つっまんねー。大事な人だから殺さない?ならお前が死んでろよな。青臭い茶番に付き合ってる暇はねーんだけどぉ」

マナが両手を広げると、再び文房具が彼女の周りに出現する!

「もういいや、皆死んどけ」

 

文房具の弾幕が、7人を襲う!!

 




「最初ならいざ知らず、今更こんなもので怯む僕達じゃない!!
赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』!!」
『Transfer!!』

創造してから貯め続けていた『赤龍帝の籠手』の倍加の力を、木場は生き残り4人に分け与える!
その力はただでさえ強力な神の力を、何倍にも何十倍にも……いや、何万倍にも膨らませた!!
「そして僕も!!神器よ!我が心に応えろ!!」

『BOOST!BOOST!!BOOST!!!BOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBOOSTBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB!!!!!』

『Explosion!』

「僕が盾になる!」
紫村が1つの星ほど巨大なダイヤモンドとなり、文房具の弾幕を全て防ぐ!

「ラストダンス!」
スケボーを生み出した丑三が、紫村の影からマナに向かってソニックブームを多数飛ばす!マナは周りを鋭利な空気の刃で囲まれ、動けなくなった!

「この戦いを私の最後とする!」
ソニックブームに混ざりながらマナに突撃したオスメスが、マナの左肩から右脇腹までを袈裟懸けで一気に両断する!

「これが、僕達人類の……

……力だ!!」

木場が正面からマナに突撃!!
マナは大きく口を開ける。中から極太のビームが飛び出してきた!
さらに、分断された下半身がオスメスを襲う!

「それくらいは読んでる!!」
木場はビームを上下に割るように剣を持ち、極太ビームと衝突させた!
斬られたビームは果物のように剣を境に分かれ、霧散していく!木場はビームに沿って進撃し、遂に!!

「ガッ!?」
ビームの砲台であるマナの口を、捉える!
「だああああああ!!」
木場は一層力を加え、剣を振り切った!!


マナの顔面は、上唇と下唇の付け根から上と下に離れていく--

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