神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
あの
隣には翼紗。そして近くには同じ箱で生き残った、板東さんという女子が立っている。
今の時刻は7時24分。確か30分から何かが始まるらしいが……木場達グレモリー眷属が来てないぞ、何かあったのか?お、来た来た!良かった……?
俺は遠目で人数を数える。木場、小猫ちゃん、桐生もついてきてる。ただ、1人いない。
「おい、木場!姫島先輩は!?」
その言葉に木場は言う。
「どこにも……どこにもいないんだ。朱乃先輩は、いつの間にか不意にどこかに消えた……」
「消えた……?な、何を言ってるんだ!?」
「わからないんだ!昨日イッセー君の家で最後のミーティングをした。その時朱乃先輩はお手洗いに行って、そして帰って来なかった!家の周りは悪魔の方々が囲んでいてくれたから、魔力を使った可能性や外に出て行った可能性はまず無い!朱乃先輩は……消えた……」
訳がわからない……俺はそれ以上何も言えなかった。
と、そこで。
キーンコーンカーンコーンと、学校のチャイムのような音が辺りに響いた。
その音と共にサイコロの一部が開き、俺達の目の前に扉が現れる。それがゆっくりと開いていくのを見届けると、俺達はいない人達の事は1度忘れ、その中に警戒しながら入って行った。
中身は真っ暗。ただ、その中に1か所だけ光が見える。俺はそこに近寄る。そこにあったのは『入場門』、新たな試練への入り口の様だ。
と、そこで急に。
『ガコン』という音がして、俺達はエレベーターに乗った様な感覚に襲われた。なんだこれ、もしかしてこのサイコロが動いてんのか!?
……数分すると動きも止まり、入場門がゆっくりと開く。次に出るのは鬼か蛇か、俺達は固唾を飲み込み、ゆっくりと入場門を潜る。
「……うぉ、眩し!」
だだっ広い空間に出た。真ん中にあるのは……陸上のトラック?なんだここ、競技場か?
周りには沢山の人がいる。みんな高校生くらいの歳に見える。俺達と同じ、神の子の様だ。
「はい、ちゅうもーーーく」
!!!俺はその声に応じて上を見る。そこにいたのは……神小路かみまろ!かみまろは空中に浮いた小型サイコロから、俺達を見降ろしていた!
「集まりました?……あれ?何か少なくない?…………ひぃふぅみぃ……半分くらいしか来てない……まいっか」
俺は聞こえた。その後に『来ない奴にはお仕置きだべぇ〜〜』と言う低い声が。
「だるまねきねこけ…しょんべんこぞ……うらしまたろうん………うん…うん……うん………
うん…どう…かい……
ハイ……『運動会』、やりまーーーす」
え、それはかなりこじつけじゃ!?周りの奴らも『しりとりだから「ん」どうかいじゃない?』なんて騒ついているじゃねーか!体操服にゼッケンとかでなんとなく予想はしてたけどな!
「それではただいまより……『神の子大運動会』を開会しまーーす」
だが、
「大会実行委員会、入場」
その言葉と共に、競技場内に音楽が流れる。あ、この曲聴いた事ある……なんだったか?
その疑問は、実行委員会の入場と共に明らかになる。
行進しながら入ってきたのは、巨大な『くるみ割り人形』!あいつらが今回の実行委員らしい。なるほど、それでこの曲。これも『くるみ割り人形』って曲だったな。
マイクを持ったかみまろが言う。
『これから皆には1〜6年生に分かれてもらって、最後の1つの学年になるまで競ってもらいます。それで優勝した暁には……俺と同じ「神の力」を手に入れて、君達も神になります』
神に……なる?神……オーディン様やロキみたいな、神に?
と、俺が考えていると、近くから怒声が響いた!
「何が『神の力』だ!ふざけんじゃねぇ!お前なんてただの人殺しだろぉ!?」
その言葉にハッと目が覚める様な気持ちになる。そうだ、あいつは神じゃない。ただの人殺しだ!俺はあいつを殺すんだ。神の力なんて俺には関係ない!
俺は頭をぶんぶんと振り、かみまろの方を再び向き直す。
「……はぁ〜〜〜〜〜。何かやんなっちやった。疲れたわ……あとは基本実行委員会に任せまーす。よろちくー」
その言葉と同時くらいに、かみまろのいるサイコロから、1人の女の子が出てきた。
服装は体操服にブルマと、運動会には合っているとも言える。しかし、体操服は胸の下まで捲られ、さらにその上に……縄による緊縛まで施されていた!顔は喘いでいるような顔で固定されている。首や手足の細さと造形から人形であることはわかるけど、縛られている胴体は人形とは思えないほどの肉感があり、妙な色気がある。
その女の子(の人形?)は告げる。
「実行委員長であり進行役の、美少女フィギュア、『育子』なのだ♡……あん♡
みんなぁっ♡よろちくぅあああ!!」
……中身も外見と同じくらい、残念だった。というか、酷い……
『運動会』、開会!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!