神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
学年ごとに並べと言われ、俺達は1年生のプレートの所に移動する。そこにはすでに9人ほど集まっていた。
「おーい、君達も1年生?」
俺が聞くと、彼らはそうだと返してきた。そこで自己紹介の流れになる。
俺達の仲間には、1番最初に試練をクリアしたという最初の神の子、1の箱のメンバーがいた!こいつらのことは神の子特集で何回も目にしたぜ!
まず注目したのはくすんだ金髪にシュッとした顔の、『最も成功した神の子』として有名な男、現在爆売れの人気アイドル、秋本=クリストファー=健人。
黒髪に平安貴族みたいな形の太眉。そしてまん丸の目をした、真田ユキオ。
ピンク髪の、第1の箱の紅一点、秋元いちかちゃん。
体操服に身を包んだ、見た目普通の男子高校生の高畑 瞬。ただ、さっきかみまろに啖呵を切っていたのは彼だ。多分彼も心の中に何かを抱えてるんだ、と思う。
そして……神の子の中でも最もクレイジー、などと評されていた、天谷 武。救助隊のヘリを奪ってどこかに行って、そのまま行方不明って聞いてたけど……戻ってきたのか。
残りの4人は13の箱。
頬にバツ印の傷が付いた男、影裏章太。その傷は招き猫の試練の時に、仲間を庇って受けた名誉の傷らしい。
濃い赤髪のおしゃれ男子、冠城敬宏。過去には読者モデルなんかをやってたらしく、体操服のジャージを見事に着崩している。
ぽっちゃり系男子、大熊正史。気は優しいけど力は弱い。
ガリガリの少し老け顔の男子、平野道生。とても頭がいいんだとか。
以上が俺達の仲間みたいだ。しかし……少ない!!
俺達の人数は15人。でも他の学年はどこを見ても20人以上はいる!というか5年生とかは50人近くいるんじゃないのか!?この人数的不利はマズいだろ!?
……もしかしたら、俺達の
と、ここで上から育子の声が聞こえる。
『それでは整列も済んだようなので、早速始めていきたいと思いまーす♡
プログラムナンバー1は〜〜〜……』
ここで、育子の後ろのくるみ割り人形が、『しゅもく』と書かれた紙をめくる。
そこに書かれていたのは……『ときょうそう』!要はかけっこだ!俺達悪魔勢は楽勝、桐生も脚が速いし他の奴らも基本早そうだが、大熊と平野は運動ができなさそうだ心配だな……
なんて考えていたのだが。
『かみまろさーん、お願いしまーす♡』「OKー」
かみまろが起き上がった!かみまろは床に置いてある何かを手に取り、天に掲げる。あれは……習字の筆だ!くるみ割り人形が持ったバケツのインクを筆にベッタベタに付け、かみまろは筆を振り上げる!付きすぎたインクが人形達にかかるが無視し、かみまろは『ときょうそう』と書かれた紙に墨を付ける!
かみまろが筆を納めた後に、俺は種目の看板を眺める。ときょうそうの『と』に濁点がついて……『どきょうそう』になってるいる!どきょうそう……一体なんなんだ!?
かみまろはそのまま説明もなしにサイコロの内部に入っていく。それを見送ってから育子は言う。
『それでは、出場選手のくじ引きをしますので、名前呼ばれたら出てきてくださーい♡
1レーン……46の箱、田中
2レーン……18の箱、和田 健
3レーン……25の箱、梅村千智
4レーン……47の箱、
5レーン……19の箱、久田ゆい
6レーン……13の箱、影裏章太』
!いきなり俺達1年生の中から、影裏の名前が呼ばれた!
『心配しなくてもいいですよー、皆必ず、1回ずつ呼ばれるからー、とりあえずコースについてくださーい♡』
早速呼ばれた影裏だが、彼は落ち着いている。神妙な顔で「行ってくるぜ、皆……!」とだけ告げて、レーンに並びに行った。
レーンにいるのは6人の走者、そしてその数m後ろには、6体のくるみ割り人形が設置されている。フライング判定のためだろうか?
ゴールへの距離は100mほど長くはないけど、50mより長い……70mくらい。そしてゴールが、2つある。そのそれぞれに○と×の2つのマークが付けられている。
よくわからないまま6人が、それぞれの構えでダッシュの準備をする。そして、育子が合図を始める。
『位置について……
問題です』
銃声は鳴らずに育子の声が続く。問題?
『世界で初めて運動会を行った人物は……フランスの教育学者「ウン・ドゥー・カイ」である--「○」か「×」か?』
……まさか、○×クイズなのか!?
出題の後にバン!とスタートの合図の銃声が鳴った。走者の6人もどうすればいいのかわからずに困惑している……その時!
後ろのくるみ割り人形達が口を開けて一斉に走り出した!見るだけでわかる、捕まったら、殺される!!
それを見て走者も慌てて走り出した!しかし、1人がくるみ割り人形に追いつかれ、そして……
「待て!待ってくれ!!まだゴールしてな……ああぁあああ!!!!!」
全身を噛み砕かれ、死んだ。
「……走れ影裏ぁあああ!!」
影裏は追いつかれないよう走る!今のところは独走状態、人形達にも追いつかれていない!しかし、答えを迷っているみたいだ!しかし迷っても仕方がないと考えたのか、影裏は片方に向かってさらにスピードを上げる。向かっているのは……○だ!
「よし行け影裏ぁ!」
そして影裏はゴールテープを切る!
……と思っていた。
「!!?影裏ぁ!?」
ゴールテープに触れた影裏の身体は、上半身と下半身に分かれた。命令を失った下半身が先に倒れ、遅れて上半身が遠く離れた地点に音を立てて落下した。
「うわぁ!ば、『×』だ!×行け×!」
影裏の後ろについていた3人はなんとか×のゴールを潜る。そちらはゴールテープを切っても何も起こらない。どうやらこれは×が正解だった様だ。
間違えたら死ぬ。これまでの試練と変わらない、相変わらず理不尽な試練だが、ルールはいくつかわかった。
この競争は◯×問題になっていて、問題を言われた直後にスタート。それと同時に後ろからくるみ割り人形達も追いかけてくる。それに追いつかれたら死亡。ただその後はくるみ割り人形も動きを止めるようだ。現に今最下位になっている男はゆっくり走ってゴールに近づいているが、くるみ割り人形に追われる様子はない。1人を犠牲にして問題を考えるという手段もあるのか……と考えたその時。
×のゴールが、突然、最後の走者の前でシャッターの様に閉じた。ゴールできなくなり焦る走者の後ろで、くるみ割り人形は思い出したかのように立ち上がり、全力で生き残りに向かって走って来る!走者はシャッターと人形に挟まれ死亡。その死体は無惨にもくるみ割り人形の餌食となった。
『人形ちゃん達よりおっそい人は
……もう一つ、ルールがわかった。
こりゃあ、一筋縄ではいかねぇぞ!
第1種目、どきょうそうの始まり!
久しぶりの試練、出席者達は無事生き残れるのか!?
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!