神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

33 / 171
お久しぶりです?祝日だという事を忘れておりました!今日から再開!投下投下!!


第2話---ごみ箱

いきなり乗れって言われても、俺にはどうしていいかわからない。ただ、1つ聞きたい事があった。

「リアス達を殺したのは……世界中のテロはお前の仕業なのか!なんでみんな死んだんだ!?生き残った奴は何の為に--」

それを聞いたにのはこっちに再び振り返ると、重い口を開く。

 

『あれは1回戦(プロローグ)、次はもうすぐ始まるよ。時間はタダじゃないんだ。お前も参加するなら早く乗りなよ』

「お前も参加?つまり俺も朱乃さん達と試練を受けろって言いたいのか!?やはりこれを仕組んだのはお前なのか!?」

 

叫びながら、力を溜める。

神からの贈り物、神をも殺せる龍の力を。

 

『お前は学校をサボった不良(クズ)だ。でも僕達はチャンスを与える。「にの」はその使いなのさ』

そういうとにのは再びこっちに背を向け、背負ったゴミ箱の蓋を開いた。

『「善心が起こったならばすぐ行動するがよい」さあ、決断の時だ。にのに乗るの?乗らないの?』

 

最初は、こいつを吹き飛ばしてやろうと思った。跡形もなく、粉々にしてやろうと思った。

 

だが、思いとどまった。こいつを吹き飛ばしたって、きっと仲間が他にいる。そいつらはきっとまた俺のことを狙ってくる。そうなると、今度は俺の周りにいるみんな、父さんや母さんも巻き込んでしまうかもしれない。

リアスやギャー助、そしてレイヴェルまでも殺せるような奴らだ。俺がどんなに頑張っても、大切な人たちを守り切れるという確信は、ない。

 

それに、俺は知りたい。こいつらが誰で、何を目的にこんなことをしてるのか。そして、できることなら、こんな使いっ走りじゃなく、天辺に座って笑ってるやつをぶん殴ってやりたい。

だから。

 

「……わかった。乗るよ」

俺は、死の試練に参加すると決めた。俺が一人で動くよりも、今生き残っているメンバー、彼らと協力した方がいい。だから、俺もこの試練に参加する!

 

『じゃあ乗って。早く早く、はよせな……はよせな……』

催促されてゴミ箱に足をかけるが、俺はそこでふと、ある物の存在を思い出した。デスゲームにあるまじき、裏ワザのようなものだ。

「あ、ちょっと待ってくれ。ちょっとだけでいいから」

『……3分間待ってやる。遅れたら殺すよ?』

「充分だ」

俺は屋上から自分の部屋へと飛んで行き、それを探しに行く。それは俺の部屋の机の引き出しの中にあった。

 

「これだ、悪魔の駒」

過去、いろいろあってサーゼクス様から預かった仮の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)。生きる者、そして死していても肉体を残す者を、悪魔として転生させる、魔王の奇跡。

形はチェスの駒を模し、その数は王のコマを除いた15個。

これで、最大15人を助けられる…そのはずだ。

 

俺は悪魔の駒を懐に入れ、屋上に再び向かおうとする。その時、1つの写真が眼に入った。

眷属みんな、そしてレイヴェル、イリナ、アザゼル先生と撮った、卒業アルバム用のオカ研の部員の集合写真。

今、俺の周りには誰もいない。ここに写っている、誰も……

感傷的になる暇も無い。そう思った俺は写真を部屋に置き直して未練を捨て、悪魔の駒を服の内ポケットに直した。急いでにののいるところに戻る。屋上に着くとにのが、相変わらず重い声で、しかし早口で喋り掛けてきた。

『2分経ったよ、はよせな、はよせな』

像の目が点滅しているのを見て、慌てて背中に乗る。ゴミ箱の中にはサドルとハンドルがあり、俺はそのサドルに腰かける。

 

『そんじゃ行きます。はばぐっどふらいと』

「え!?飛ぶの!?」

ゴミ箱の下から大きな音がしたかと思うと、俺は空を飛んでいた。自分の力ではない。足とゴミ箱の底からジェットのようにパワーを噴出し、にのが飛んでいるのだ。不思議と風の抵抗なんかはない。ただひたすらまっすぐにのは進んでいく。

 

にのが駒王町の上空を出て少し経った。俺が地上を見渡していると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「うおおぉぉぉぉ!飛んでる!すげぇ!」

「高いの怖いたかいのこわいタカイノコワイ」

 

振り向くとそこにいたのは昨日1日を共に過ごした悪友達。

「松田、元浜!」

「おお、イッセー!元浜!まさかこんなところで会うとはな。見ろよ、俺、空飛んでんだぜ!」

「……」

元浜は意識が飛んでいるようなので、大声で呼びかける。彼は一度痙攣すると、意識を取り戻した。

 

「おーい、元浜ー、大丈夫かー!?」

「はっ、いかん。つい下を見てしまった」

松田も元浜も俺と同様に試練を受けるという。つまりここからは、学校に行ってない高校生が学校に行ってた生き残りに合流するってことか。

 

「なあ、にの。そもそもどこに向かってるんだ?そういえば聞いてなかったけど」

松田の問いに松田が乗っているにのが答える。

『これからいくのはごみ箱さ。そこで君達は「要るもの」と「要らないもの」に「ぶんべつ」される』

 

「それってもしかして…学校にいた奴らと会えるんじゃないのか!?一緒の試練を受けるんじゃないのかよ!?」

俺の叫びにも、にのは無機質に返す。

 

『いつか逢えるよ。お前が世界にとって……「要るもの」となればね』

 

 

何か言おうとする前に、にのは片腕で俺を制し、もう片方の手で前の方を指差した。

『おっと、そろそろ到着だ。しっかり掴まってた方がいいと思うよ』

顔を上げると巨大な白い立方体が見えた。下に黒い穴が空いていて、その中に沢山のもの……いや、にのが吸い込まれている。あのにの達にもそれぞれ人が乗ってるんだろうか?そんなことを考えていると、にのがスピードを上げた。

 

「おおおおお!!」「ヒャッホー!」「う、うわあぁぁぁぁ!!!」

落とされないように手をしっかり掛ける。スゴいスピードで飛んでるが、ゴミ箱の上は安定していて、掴まっている限り落ちる事は無さそうだ。

 

「あれ、なんか逆向きに乗ってる奴いるぞ。良く落ちねえな、アレ」

松田がそんな事を言ってる間に箱の暗闇を抜けた。

 

「着いた……のか?」

周りには、見渡す限りの人がいる。見た目は様々だが、みんな俺達と同じくらい…高校生に見える。

 

そして俺の眼前に広がるこの建て物は……

「学校……?」

とりあえずにのから降りる。すると割と聞き慣れた音が聞こえた。

キーン コーン カーン コーン

キーン コーン カーン コーン

 

「チャイムだ」

学校で良く聞くチャイムの音に気を取られていると、校舎の方から若い声が聞こえる。少しジャンプしてみると、朝礼台の上に誰かいるのが見えた。

 

『マイクテスマイクテス、えー……ご入学おめでとうございます。いま!この瞬間から!YOU達は、我が「ごみ箱学苑」の生徒となりました。

僕はこの学校の理事長を務めます、「セイン・カミ」と申します。どうぞよろしくお願いします』

 

朝礼台にいたのはチェック柄の上着を着、くせっ毛の金髪にそばかすのある外国人風な、小・中学生くらいの男の子。

 

『えっと……何だっけ……あ、そうだ。YOU達は学校をサボった不良(クズ)です。「くずはごみ箱へ」これ、世の常識ですよね。だからYOU達はここに集められました。これからYOU達にはこのごみ箱の中で適者生存を学ぶ試練(カリキュラム)をこなしてもらいます』

 

カリキュラム……おそらくは何かしらのデスゲームの事だろう。適者生存、即ち使えない奴……生き残れない奴は文字通り死ぬ。俺達もリアス達出席者と同じ目に合わされるということだ。

 

『全ての決定権は理事長である僕、セイン・カミにあります。だから基本僕に逆らったら死刑です、そこんとこよろしく!そ・し・て!YOU達の中から無事卒業する者が現れたならその時は……………

 

カミの力、与えちゃいマスので♡』

 

 

「「「「「は……?」」」」」

神の力?何だ、それ?俺達の知ってる神様達と同じ力を貰えるのか?

……前に立ってるあの男子にそのようなことができるようには見えない。でも、リアス達を殺した謎の力をあの男子が持っているとしたら……

 

「お前誰だよ!?」「こどもじゃねーか!?何人だお前!?」「保護者出せ保護者ぁ!!」「ちゃんと説明しろーーー!!」

周りからはブーイングが巻き起こる。あ、松田と元浜もやってる。

 

『あれ……?信じてないみたいですね、カミの力……じゃあねー、ん〜〜〜……』

そういうとセイン・カミは前の方にいるニワトリみたいな髪型の男子を指さした。

『YOU。特に不満面してるYOU。こっちに来ちゃいなよ』

「あァン……!?」

 

彼は不機嫌そうな顔に青筋を浮かべ、ゆっくりと朝礼台の前へ向かう。今にも噛みつきそうな具合だ。

 

『YOU、朝礼台上がっちゃいなよ』

「おいおいナメてんのかガキこら。朝礼台で俺と公開バトルってか?あ゛ーーーー?!」

 

ニワトリ頭が指を鳴らすといいぞー、と他の奴らが囃し立てる。彼はジャンプで朝礼台へとよじ登ると、腕をぐるぐる回しながら、

 

「このナメたガキ、ぶっ飛ばしちゃうぜぇーーっ?ん、何だよ?」

 

アピールを止めるかのようにニワトリ少年の肩を叩き、内緒話をする様にセイン・カミは手を口の前に出す。ニワトリ少年は耳をカミに貸した。

 

一瞬、スウッと息を吸う音が聞こえ、

 

 

「♫()ァ〜〜〜(しょ)ォ〜〜〜!!!」

 

カミが叫ぶ!!

 

あまりの声の大きさに思わず耳を塞いだ。塞いでもなお耳に声が響く。それどころか声が起こす空気の波が、ビシビシと身体を叩いてくる。近くで聴いているニワトリ少年は、すでに気絶している。そんな音を喰らったのだから当たり前だろう。すでに鼓膜も破れて、下手したら脳もグチャグチャなんじゃ?俺は恐怖した。やっぱりあの男子、ただの人間じゃない!?何らかの強力な力を持っている!!!

 

(りき)ィ〜〜〜!!!」

 

最後まで終わらないうちに、ニワトリ少年の頭……いや、上半身が吹っ飛んだ。音の出す波に身体が耐えられなかったようだ。

 

「うわあああああ!!?」「い、嫌ぁぁあああああ!?」

みんなが悲鳴をあげる中、カミはご機嫌そうに歌う。

「これがカミの力〜〜〜♪ラララ〜♫」

そして、マイクを手に取り、

 

『さあ……長々とした入学式はもう終わり。始めましょう、入学テストのお時間です!!』

指をパチンと鳴らした。

 

 

 

 

 





いよいよ欠席者も、本格的に試練スタートです。これからは第壱章と第弐章、どっちも並行して話を出して行きます。しばらくは第弐章ですね。
今回も読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!


---追記---
サーゼクス様がイッセーに悪魔の駒を与えた、みたいな事を書きましたが、あれは原作ではなくて、他のSSだったかも…
もし原作に無くても、もらったことにしておいてください!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。