神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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さあ、連続投下の1日目、ちょっと早めに投稿です!


第5話---会合

 

「やった、俺達でもやれた!」「いける、いけるってこれ!」

突然出てきて小躍りする4人組。アフロ・銀髪・黒髪ロングの野郎どもに、黒髪お団子で冬のセーターが似合う女の子。

彼らは俺に気づくと、少し警戒しながらも近づいてくる。対して俺も、鎧を解いて笑顔を見せる。

 

「ありがとう、俺だけじゃ豆がなくてあの茶鬼を倒せないとこだったんだ」

 

「あ、会話通じる?」「普通にツノないじゃん」「やっぱ人間?」「でもビーム出してたぜ…」

あっちは愛想笑いしながら、コソっと会議中。でもしょうがないよな。普通の人間はビーム出さないもんな。

 

「俺は兵藤一誠。学校休んでここに連れてこられた、アンタらの同輩だよ」

手を差し出すと、彼らは一斉にビクッと跳ねた。しかし、逃げることはしない。俺も、手を取ってくれるのを待つ。

やがて、アフロマンが恐る恐る、俺の手を握った。

 

「お、俺は藤春。黒髪がサラミ、銀髪がミンチ、そして紅一点のミツバだ。4人でバンドとかやってる」

「おお、よろしくな、みんな!俺のことはイッセーって呼んでくれよ!」

 

それから、グラウンドから物陰へと隠れて、少しお互いの話をした。俺の鎧のことやビームのことは、『森中で教わって鍛えた中国拳法で、ビームは体内の気を放出して、鎧は気を身に纏ってる』と説明した。流石に質問攻めにあったが、実際に謎の力を使うカミや鬼達がいることや、漫画なんかの影響で、最終的には受け入れてくれた。

 

「イッセーが味方だってんなら、心強いよ」「鬼もおそらくあと1匹だろうし、生き残れんべ絶対!」

俺達は盛り上がる。豆はまだ藤春が一発持っているし、俺も力を存分に溜めている…準備は万端だ。

 

 

「こうなると、俺たちの方から鬼を探した方がいいのかな」

「それがいいな、被害を減らせる……っつ!隠れろ!」

不意に黒髪のサラミが声を潜めて言う。俺達は慌てて近くの草むらに隠れる。

 

「どうした!鬼か!?」

「いや、違う!あれは、あれは……バカップルだ!!」

 

草陰からグラウンドをよく見ると、校庭のド真ん中で1組の男女が抱きしめ合っていた。

鬼に追われて生きるか死ぬかって時に、あのバカップルめ!

「「「くそう、リア充め、爆発しろ!!」」」

4人の男の怨みカルテットが、草むらに響いた。ミツバがそんな俺達を白い目で見ている。

 

俺達が観察していることも知らずにバカップルはいつまでも抱き合っている。キスは…する気配がないな。もししようとしたら全員で突っ込むつもりだったけど。

 

「いつまでやってんだ、あの野郎ども!」

「藤春、ミンチ、イッセー、どうする。処す?処す?」

「いや、待て、まだだ。あいつらが動き出して男が1人っきりになったら、ぶん殴りに行こう」

「でも、あの2人が離れることは無いと思いますけど……」

「「「くそう、リア充め、爆発しろ!!!」」」

 

作戦会議(しっと団仕様)は永遠に続くかと思われた、が。

 

「……あ、動きだした」

「「「「なにっ、ホントか!」」」」

 

バカップルが不意に抱擁を解き、一目散に校舎へと走り出す!

彼らをよく観察すると、どうやら蜂か何かが近くに来たようだ。

 

「よし、頑張れ、蜂!あいつらに、そして全国のバカップルに天誅を食らわせてやれ!」

「あの野郎、女の子の手を引いて逃げてやがる!ちくしょううらやましい!」

「よし、追うぞ!」

「「「おう!!」」」

「え、追うんですか、彼らを!?」

 

俺達は急いで、かつ静かに彼らのあとを追った。彼らを見失いはしたが、叫びながら逃げているようで、追うのは楽だ。

俺達は逆に、物音を立てずにかつ速く、彼らに近づいていく。

 

そして、ある部屋の前にたどり着いた。

「ここだな、奴らが入っていったのは……」

俺達は深く深呼吸をする。そして、2人が入っていったであろう部屋……理科室のドアを蹴破る準備をする。

「一発で蹴り破れよ、ミンチ。何発も蹴ったらカッコ悪いからな」

「もちろんだ!見てろよ、リア充どもめ!ビックリして小便チビるがいい!」

「本当にやんの?大きな音で鬼が来るかもよ?」

「ミツバ、男にはやらなければならない時がある。この俺という男のやらなければならない時とは、今だぁぁぁぁぁ!」

足を大きく振りかぶり、全力で扉を蹴飛ばすミンチ!その蹴る音はしかし、

 

「ゥラアアァイ!!!」

 

 

中から響く大きな声と重なる!この声は、豆が効くと叫んでいた声だ。理科室の中に入ると、隣の部屋、準備室の中から男女2人だけではない多くの声が聞こえてくる。

 

「取った!?取ったかハラカイ!?」「捕まえたか!?」

「今外で何か聞こえなかった!?」「そんなの気にしてる場合か!?」

 

喧騒はだんだんと小さくなる。と思ったら「っしゃああ!!」「やった!!」と歓声が聞こえて広がる。もしかして…鬼を倒したのか!

 

騒ぎを諌めるように、理科室のスピーカーから校内放送が流れてくる。

『皆さんどーも。セイン=カミです。たった今、最初のオーディションが終了しましたー。現在生存されている方々は次のへと進んでいただきますので、東棟1Fの食堂フロアに集合してください』

放送を聞いていると、準備室の中からたくさんの男女が出てきた。その中にはさっきのバカップルの姿も見える。

 

「やったな、明石!」「ラァァイ!」「アカッシーすごい!」「ハラカイも頑張ったな!」「俺も褒めてくれ明石……っつ!」

 

その内の1人が俺達に気付くと、戦闘態勢を取ってきた。あ、あいつ、さっきのヤバそうな奴!名前は、えっと……丑三(うしみつ)

 

「何者だ、お前ら。敵か、味方か?」

俺達が慌てていると、隣の男が言った。あ、あいつは、さっきのリア充!

 

「やめろよ丑三!どう見たって彼らは俺達と同じ高校生だろう!こんなところで生き残った奴同士で喧嘩してどうすんだよ!」

 

そうやってそいつが叱ると、丑三は大人しくなった。丑三を手懐けるとは、こいつできるやつか。それとも、同ベクトルなやつか…?

 

「俺は明石、明石靖人(あかし やすと)。君達は?」

その男、明石が言う。

こうして俺は明石達と出会った。

 

 

 




今回はちょっと会話が多すぎたかなぁ…気をつけねば。
さあ、第弐部の主人公との初対面です!ちなみにこの時点でイッセー君は彼のことをリア充のバカップルの片割れだと思ってます。まあ、すぐにその印象も覆るでしょうが…。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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