神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
俺達の前に姿を現したのは、サンタクロースだった。飛び切りの笑顔が逆に不気味だ。こいつは俺達に何をしようとしてくるのか。急に襲いかかってくることはないようだ。気になるところは非常に大きい顔……それが正面以外にも身体の横に2つ付いていることだ。手足は2本ずつなんだが、それだけにあの顔の意味がわからない。
サンタはトナカイを模しただろうぬいぐるみが引いていたそりから降りると、頭陀袋をそりの中から引っぱり出した。中から包装紙に包まれたプレゼントを取り出す。
『学校をサボった悪い子達に、プレゼントを届けに来たぞ。さあ、3つのうちから選びなさ……』
言葉が止まり、『カチ』と機械的な音が小さーく聞こえる。
『とか何とかいきなり言われても選べないであろう!!』
急にサンタの首が回転し、別の顔に切り替わった!?口調まで変わったよ!?なんだこのサンタ?カチって音がしたが機械なのか?
厳つい顔になったサンタは何事もなく話を続ける。
『まず第一に、プレゼントの中身は「受験票」也。お主らは3つの試験場の中から1つを選ぶべし!今ここにいるのは全部で104名!それがそれぞれ38・36・30名の3チームに分かれる
言い切ると共に、再び鳴る『カチ』という機械音。すると予想通りまた顔が変わった。最後の顔はおちょぼ口をした、しゃがれた顔。
『ヨーホホ、分かれた3つの場所で試験内容はそれぞれ違うのです。で、あるからして……クリアできる人数も違うので注意してください。それでは3つの違いを紹介致します。ホホホ』
1つめは、音楽室で行われる『いすとり』の試験。定員は38名、合格者は最大19名。
2つめは、3年B組『すなとり』の試験。定員は36名で、合格者は最大27名。
そして3つめが、体育館を使って行われる『あやとり』の試験。これの定員は30名、合格者は最大10名。
いすとり・すなとり・あやとりと告げられた後に、サンタはもう一度顔を変える。今度は1番最初の不気味に笑った顔だ。
『これがお前らの運命を変える選択だ。袂を分かつ3択になるだろう』
『さあ、選んだ選んだ。ちょちょいのチョイス』『早い者勝ち売り切れ御免』『3択ロースの「クリスマスプレゼント」だよ〜ん』
『きゅうしょく』に続く次のしりとり、「く」は『クリスマスイブプレゼント』の「く」か!
『いすとり』『すなとり』『あやとり』の三択!この選択が、サンタの言ったとおり自分達の運命を決める!
『……と言ってももう夜は深い。2次試験開始は明朝10時!それまでは宿泊棟で休むといいよ〜ん』
そういうと同時に、空が急に暗くなっていった。空には星々がきらめいている。まるでプラネタリウムだ。この箱を考えた奴は、一体何がしたかったんだ?
『まぁ、受験票は早い者勝ちだけど、明日10時までなら変更してもよし、誰かと交換してもよし。ま、気楽に決めなさい、ホッホッホ』
サンタの正面の顔がそう言い終わり、皆が静まりから解き放たれざわめき始めた時、サンタのにいた男子が口を開いた。
「お……俺、『いすとり』!『いすとり』の受験票、ください!!」
その言葉が始まりの合図となった。生き残った奴らが、サンタに殺到する!!
「俺、『あやとり』!」「はいはい、俺も!」「私達2人『すなとり』!」
『ん?時間はまだたっぷりあるのに、あわてんぼうだよ〜〜ん』
皆、サンタの前にあるプレゼントボックスから受験票を受け取っていく。
「ど、どうしましょう?このままだとすぐにどれかなくなっちゃうかもしれませんよ」
「俺達もいった方がいいんじゃ……」
紫村や松田はそう言ってプレゼントボックスに向かおうとするが、それを元浜が止める。
「そんなに慌てて決めても、後で後悔するかもしれんぞ。それより少し考えて、きちんと選んだ方がいい。そう思うだろ、イッセー」
「お、おう。珍しく常識的な事を言うな……」
「誰が『珍しく』だ!俺はいつも常識的な事しか言わん!』
「「「それは無い」」ですね」
「紫村にまで言われた!?」
俺達は軽く殴りあいながら、寝床を確保しに向かうのだった。
今回のクリスマスプレゼント、『神さまの言うとおり弐』の原作ではここまでの合格者は98人だったんですが、それに更に『ハイスクールD×D』のキャラを足したら104人になりました。計算ミスはしてないです!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!