神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

41 / 171
久々の欠席者編です!ここからはしばらく欠席者編が続くかな?


第10話---すなとりもの

見猿の言葉に周りの奴らも皆口を閉じた。『もう試験は始まっている』、その言葉で皆に緊張感が出てきたんだろう。もう無駄に騒ぐやつは1人もいない。

真っ二つの死体を避けながら、俺達は廊下を進む。やがて1つの教室のドアを見猿が開けた。

中に入るとそこにあったのは、大きい砂山がドン、と乗ったテーブルが4つ、そしてそのテーブルを囲む椅子だ。見猿は俺達に、受験票に書かれた番号と同じ椅子に座るよう指示した。俺と松田、元浜は3人隣り合って座る。しかし、

 

「い、イッセー君〜、松田君、元浜君〜……」

紫村だけが俺達とは別のグループになってしまった。こちらとしても紫村を1人にするのは凄く不安だ。しかし、紫村のチームには明石達がいたから、俺は紫村に「チームを信じろ」と声をかける。紫村は震えながら、小さく頷いた。

 

『これからお前らにやってもらう「すなとり」は、別名「砂山くずし」とも言う』

見猿は再び目を手で隠すと、ルールの説明を始める。

簡単に言うと、試験は36人がテーブル毎の4チームに分かれて行うチーム対抗戦。砂で作った山に棒を刺し、刺さった棒を倒さないようにしながら砂山の砂を取っていくという試練だ。試練の合格条件は棒を倒さないことで、どこかのチームが倒したら、その時点で倒したチームは全員死亡。生き残るのは他の3チーム27人。子供の楽しい遊びをこうも残酷な試練に変えてしまうセイン=カミの発想に、俺は恐怖を覚える。

さらに、ルールとして説明されなかった謎が2つある。1つは椅子の背もたれにくっついている猿の置物。椅子の装飾物にしては大きすぎて、怪しさ満点だ。そしてもう1つ、黒板には謎の暗号が……『白イカはぺっしゃんこ』???ただの落書き、ブラフの可能性もあるし、よくわからないから、今は置いておこうかな。

 

最後尾を歩いてた奴らが小走りで教室に入り、自分の席を探して座る。全員が席についたその時、急に縛られたような感覚が!よく見ると腰の辺りにシートベルトのような固定具がついている。どうやら俺はそこから動けなくさせられたらしい。それは周りのみんなも同じな様だが、無理に出ようとする奴はいない。背もたれが広いため背後を見ることもできず、どうしようもないので俺はチームメンバーを確認することにした。

うちのチーム--旗には「北」の文字が見えるから、北チーム--のメンバーは、俺、松田、元浜の3人に双子っぽい同じ顔の男子2人。小麦色に焼けた肌をした小さい感じの(しかし胸は大きそうな)女の子に長い黒髪を綺麗に伸ばしているクール系(胸でか)女子、アザゼル先生の様な甚平を着た男子。そして……不安要素、丑三(うしみつ)

うーん、丑三か。最初にカミの前で啖呵切ってた時とは雰囲気が違って誰それ構わず皆殺しにしそうな雰囲気はなくなってる。先程まで明石にべったりだったから、明石の影響か?

 

そんな事を思っていると、教卓の上に座っている見猿が低い声で言った。

『それでは、1回戦の「すなとりもの」を決める。各山から1人名乗り出よ』

?「すなとりもの」?プレイヤーのことか……?

『さっさとしろ!!ブッ殺すぞ!!やる奴挙手だよ!!』

皆が静まったままお互いの顔を眺めていると、見猿が怒鳴った!

その声に焦った各山からそれぞれ立候補者が出てきた。俺達の北山は……

 

「……じゃあ、俺が行くよ。俺が!」

立候補したのは、松田だ。

「おい、松田!大丈夫かよ!」「そうだ、これで失敗したら、俺達全員死ぬんだぞ!」

俺達はそう言うが、松田は冷静だ。

「大丈夫だ、幼稚園の時から俺はすなとりとスカートめくりに関しちゃプロ級だ!ルールが分かってるんなら問題ない!倒したりなんてヘマはしねぇよ!」

そして、隣にいた俺と元浜にこっそり言う。

 

「それによ、ここでカッコいいとこ見せりゃ、モテるかもしれねぇしな」「「!!?」」

 

こいつ、このデスゲームの中でも、女にモテる事を考えている!並大抵の男子には出来ることじゃない!こいつは正に真の漢じゃないか!

「わかった、俺から言う事は何もない」「俺もだ、頑張れ、松田」

 

 

「ありがとう、友よ!では俺は行く!そして生きて戻る!」

松田は俺達に敬礼する。俺達も敬礼で、松田を送った。

「あれ、でもこのベルト取れねぇな……」

最後に明石達のチーム、南山も明石が出る事に決まると、これで代表は全部決まった。見猿は相変わらず渋い顔で声を上げる。

『決まりだな、始めるぞ』

 

そう言うと、松田達すなとりもののベルトが外されたようだ。松田はゆっくりと立ち上がる。

……と、その時!背もたれに付いていた猿の人形が立ち上がり、松田の頭に飛びついた!異様に大きな手が松田の顔を包む!

「うお、なんだなんだ!?何も見えねぇぞ!?」

松田は混乱する。あの猿は目隠しか!

つまり、見猿の試験は目隠しのすなとり!確かに普通にすなとりするんじゃ簡単すぎるよな!

 

だがこれはチーム戦。松田には味方が、俺達がいる!

「松田、落ち着け!俺達が指示を出す!」「おう、安心しろ、俺達が無事に砂山にたどり着かせてやる」「ガンバレ、坊主頭!」「私達の命がかかってるんだからね!」

 

皆の声を聞き、松田も落ち着いた様だ。「俺はどっちに、どのくらい進めばいい?」と聞いてきた。

「そのまままっすぐだ。そうそう、そのままそのまま!」「もうちょっと右だ!それであと半歩前。OK、そこだ!」

俺と元浜で松田を誘導する。スイカ割りに似てる気がする。

 

「お、砂だ。よし、ほんのちょーっと……よし、取ったぞ!」

「よし、良くやった松田!」

松田は無事に砂山から砂を取る事ができた。あとは他の山だが……明石以外のチームは砂山を壊さずに砂を取った様だ。まぁ、あれだけあればすぐには崩れないよな。

そして明石は砂山にたどり着くと……砂を大きく削り取った!

「アカッシー!?」「バカヤロー、何やって……!?テンパりすぎだあああぁ!!!」

明石の行動にチームから悲鳴が上がる。しかし明石は砂を取ったポーズのまま、黙っているだけだ。

 

『時間それまで、ジャッジメントだ』

「ジャッジ?……!」

その言葉と共に、松田達1回戦の参加者の目隠しの手が外れる。

 

『「東山」……鎌田勝利。「21g」

「南山」……明石靖人。「420g」

「西山」……森福珠理杏。「43g」

「北山」……松田大輔。「82g」』

手が外れ、松田は小さく息を吐き

 

ドパンッ!という音とともに、

 

松田達の顔が叩き潰された。




久しぶりの欠席者編、『すなとり』の試練スタートです!早速第1の犠牲者達が…
1回書いたあと読み返してみたら、松田君何気なく死亡フラグ建ててますね。意識したつもりは無いんですが…

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。