神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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さぁ、すなとりが続きます。ガンバレ乾物屋!


第12話---100g

「立候補制だから、毎回頼むぜ乾物屋!!」「そりゃいいや兄ちゃん」「頑張れ、K・B・Y(乾物屋)!!K・B・Y(乾物屋)!!」

 

「らっしゃああっ!!」

 

北山メンバーの声を受け、乾物屋こと桐谷は気合い十分だ。こいつがいる限り、この山の負けはまず無いだろうな。ラッキーだ。

他の山は突然のチートキャラ出現にざわめいたが、見猿に3回戦の参加者を出すように怒鳴られて、こちらを見ないようにしながら話し合いを始めた。

東山と西山は時計回りの順で参加者を出す様で、南山は……明石がずっと出るみたいだ。うちは乾物屋に全てを任せる!

3回戦、東山は弁髪の男子、西山は『100Y.A.』のリーダーらしい男が出る。

乾物屋は無表情で砂を取り、手で計る。一定量の砂を指の間から落とすと、残りを計りに置いた。

そして、ジャッジが始まる。

『「東山」254g「南山」189g「西山」64g「北山」100g』

乾物屋はジャスト100g!!俺達どころか、全ての山が乾物屋を讃える。桐谷も、満更でも無さそうだ。

 

4回戦。

『ジャッジメント!

「東山」280g「南山」138g「西山」2g「北山」101g』

すげぇ!今度もほぼ100gだ!周りはまたも彼を褒める。しかし本人は「ちょっと取りすぎちまったなぁ……へへへ」なんて言っている。100gジャストしか眼中に様だ。

 

それにしても、西山は大丈夫か?始まる前に1人死んで、4回戦やるうちに3人死んで、残りは5人しかいないぞ。最初に取りすぎで1番危なかった南山は明石が健闘して100g近くを出しているから、このままいけば西山が全滅して終わりそうだな。

 

 

--しかし、悲劇は起こる。

5回戦。

『ジャッジメント!

「東山」269g「南山」117g「西山」179g「北山」……99g』

「あ、やべ……」という声が聞こえたが、もう遅かった。

桐谷の顔は後ろの猿に潰される。

「「「「乾物屋……!!」」」」

何ということだ!100gちょうどを狙いすぎて、少しの誤差で死んでしまった!貴重な戦力が……!

今になって後悔する。「100gなんて狙わなくていいよ」と言えなかった事を。この試験は100g当て大会では無いのだ。100g以上砂を取ればそれで良かったんだ。もっと早くに「105gくらい取っておいた方が良い」と言っておけば……いや、自分達も100gジャストに興奮してしまい、次も100gを出してくれる!と期待してしまったんだ。俺達も悪いんだ、彼は俺達の期待を裏切らないために、100gを狙うのを止めることが出来なかったんだ。

 

乾物屋……せめて安らかに眠れ……何か計れるものがある世界で……

 

と、ここで見猿が動き出した!

『おいおいお前らぁ!?いつまでチマチマやってんだよぉ!

ビビりすぎだろぉお!?』

そういうと見猿は……南山の砂山を大きく削る!

明石も「え……えぇ……!?」なんて言ってるがそりゃそうだ。それで棒が倒れてゲームセットとか言ったら、俺は絶対許さねぇぞ!

 

『こんな調子じゃあぁ!!何年経ってもぉおお!!終わんねぇだろうがぁあ!!?』

見猿はそのまま西山、東山の砂を削ると、俺達北山も削ろうとする。しかし、それを止めるものがいた。彼は見猿が砂山に入れていた手を掴むと、外に引っ張ってこう言った。

 

「あー、ストップ。アングリーモンキー。アングリー(おこりんぼう)アグリィ(醜い)よ」

丑三、お前命知らず過ぎるだろ!周りは騒めくが、見猿は丑三の方に顔を向けて、黙った。

丑三は続けて言う。

「次は俺が立候補する。早くやろうぜ、『すなとり』」

 

丑三が早くやろうと言ったからかは分からないが、見猿は舌打ちして元の場所に戻り、『6回戦いくぞおらぁあ!!!』と仕切り直すように叫ぶ。

乾物屋がいなくなってこれからはどうなるか……まずは丑三だが、この不安は何だろう。

 

丑三は俺達の指示を聞きながら、かどうかは分からないがスタスタと正面までたどり着き砂山に触れる。

「お?触った……?」

「ストップストップ!!」「焦んなよ、ゆっくり取れ!!棒倒さなきゃ何でもいいから!!」

丑三はしかし、こちらの言うことを聞いているのかいないのか、口角を大きく吊り上げると、「明石ぃ……」と彼に呼びかける。明石もそれを聞いて、「ん……?」と耳を傾けた様だ。

 

 

「大好きだよ」

そう言うと丑三は……砂山に両手を突っ込んだ!?両手は深く深く、手の平と肘のちょうど真ん中位まで砂に入る。丑三の不気味なほど、引き裂かれるんじゃ無いかと思うくらいに笑んだ形の口が目に入った。

「なぁ!!?」「こ……コラ、お前!?何やってんだあああ!!?」

そんな仲間の声も聞こえていないのか、丑三は続ける。オイオイオイオイまさか、やめろ丑三!!

「一緒に生き残ろうね、ね?勝利を掴もうね、ね?」

「……え?え?」

何も見えない明石は混乱している!でしょうね!これで平然としてたらそいつは天使になれるわ!

 

 

 

「ハレルゥヤァ!!!!!!!!!!」

 

 

 

砂山に入っていた手が一気に引き抜かれる!北山の砂が大量に空中に舞った!




乾物屋ぁ!!
……すなとりも波乱の展開になってきました!丑三の真意とは!?

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!
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