神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
(は……始まっちゃった!?待ってよ大阪の人……まだ何を出せばいいのか……)
アホか、お前?人生懸けたジャンケンやぞ?
胸張って誇れる自分、出せばええ。
(胸張って誇れる自分……!?)
そうや!!1番好きな自分を魅せろ!誇れる自分はどれなんや!
「グー」っと堪えて、やり過ごす自分か……!?
(違う……)
「チー」まみれになって、傷つけた自分か……!?
(違う…………!)
はたまた「パー」っと、金づるにされる自分か……!?
(違う……!!俺が胸張って誇れるのは--
--皆と一緒に、笑ってる自分……!!
誰も傷つかない、平和のピース!!)
『ポン』
ハラカイが力強く出したのはチョキ。
そして、カミが出したのは………
………グーだ。
「あ……ハラ……」
そんな明石の震えるような声が、静まった空気の中で少しハラカイの耳に入る。
……胸張らんかい、ダァホ。それがお前の選んだ……『誇れる自分』、やろ?
その言葉で、ハラカイは自分の手を見つめ、明石達の方を向く。その顔は……彼がこれまで生きてきた中で、最高の笑顔だった。
「ライ」
その言葉を遺して、ハラカイは血の塊となった--
--ハラカイはジャンケンに負けた。その前の田中君も血になって消えた。今までのカミの戦績は、7戦4勝3敗。
「さぁて、どんどん行きますよ〜」
そうやって腕を回すカミに、列に並んでいる奴らから声が漏れる。
「ここまで7人ジャンケンして……勝ったのは約半分。って事は、ここにいる奴……半分は死ぬって事じゃん……」
死亡確率50%。数字だけ見るとそこまで高くないようにも見えるが、降水確率の50%は雨が降る可能性がかなり高い。それと同じように、このジャンケンも半分も生き残れないだろうというのは、俺も想像できた。
……いけない、皆の中に絶望の空気が漂い始めた。ダメだ、この空気に呑まれてはいけ『パァンッ!!』
その音にハッと我に帰る。音源を向くと、朝礼台の上の女の子が、手を叩いた状態で止まっているのが見えた。
「oh!次の挑戦者、
カミも驚いたのか驚いていないのかよくわからないような声を出す。
女の子……やえちゃんは、合わせていた手を離すと、再び手を叩いた。
「確かにこのジャンケンは残酷や……生きるか死ぬかは50%50%で時の運……でも、今までの戦いを思い出してみ……!これまでウチらは50%より厳しい死線をくぐり抜けてきたハズ……!!
絶望も『
やえちゃんは、関西弁風な言葉で俺達に訊いてくる。
「……き……希望だヨ……」パン!「俺も希望の『50%』……!!」パン!「お……俺も……。勝て……!!」パン!
勝て……!勝て…………!!
皆の声が1つになる。拍手の音が大きくなる。その中でやえちゃんは、今度はカミに問う。
「ねぇカミ、ひとつ確認させて。あなたは『心を読む』なんてインチキしてないよね?」
その言葉に、カミも真顔で答える。
「愚問ですよガール。
もし心を読んでたとして、何を基準に合否を判断するんです?心意気?執念?そんなもの私にとってはどーでもいい。
皆がひたむきに頑張ってるカオ、私はそれが見たいだけなんです♪」
そう言ってカミは、不気味にニンマリと笑い、その顔をまた真顔に戻すと、言う。
「二番煎じですが、宣言しましょう。私は次……今度こそ、パーを出します」
その言葉に、皆の手拍子も止まる。辺りが騒めき始めた。
「……じゃあ、チョキを出せば、ウチは勝てるんね……?」
その言葉に、カミは何とも言わず、ただ真顔で立っていた。
『セット。
さーいしょはグー』
「か……勝て…………!!」「勝て……!!勝ーて!!」「勝ーてっ!」
『ジャン、ケン……』
「「「「「「「「「「勝ーてっ!!勝ーてっ!!」」」」」」」」」」
『ポン』「なんちて♪」
!……カミはグーを出した!?まただ、また嘘つきやがったぞ、あいつ!?
慌ててやえちゃんの手を見る。
彼女が出していたのは……パーだ!!
「ちっ……喰えないガール」
「やった……やったっ!!」
『蓬莱やえ、生キル』
わぁぁぁぁあ!!と歓声が上がる。その場にへたり込んだやえちゃんは、そのまま上へと上がっていく。
「皆……待ってるから……!!きっと勝てるって信じて……!!待ってるからぁ!!!」
そう言って皆を鼓舞し、やえちゃんは空へと飛んで行った。
今なら、いけるんじゃないか?この流れでいけば、全員勝利も夢じゃないぞ!!
最初に出てきた大阪弁は、『豆まき』の時に死んだ、今SSに登場していないキャラです。説明なくてすみません!やえちゃんではないですので、そこだけはわかってもらえれば!
これで8回戦が終了。今のところ戦績は、4勝4敗の50%50%。
波乱のジャンケンはまだ続きます!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!