神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
「--。」
朱乃先輩はボーッとしていた。ただ虚空を見つめている。まるで、イッセー先輩が1度死んだ、あの時の様だ。目の色彩が消えている。オーラが全くない。何をされても反応しなさそうだ。
前のイッセー先輩の時と違って、今の朱乃先輩に欠けたのは、1人では無い。大勢のクラスメイト……悪魔や
さらに、朱乃先輩のクラスメイトの中には部長……リアス先輩もいた。朱乃先輩にとって、主であり親友の部長を亡くしたショックは何よりも大きいだろう。先輩は心の大事な拠り所を1つ失ったのだ。
幸いなのはイッセー先輩が生きていたこと。だけど、この状況ではむしろそれもマイナスかもしれない。朱乃先輩はイッセー先輩に、リアス先輩を見殺しにした事の責任感を感じている。だから駒王学園でイッセー先輩を見た朱乃先輩は発狂して……壊れてしまった。
「朱乃さん、大丈夫ですか?」
同じ部屋のソーナ会長も心配して朱乃先輩を気遣っている。
ここは私立サーゼクス病院。リアス元部長の兄であり、現四大魔王の1人、サーゼクス・ルシファー様により駒王町に建てられた、この周辺地域の中で最も大きな病院だ。今は私達駒王学園以外にも、多くの学校の生徒がこの病院に入院……いや、収監されている。
警察はあの試練の中で生き残った私達生徒を容疑者として見ている様で、さっきもこの部屋に刑事が3人ほどやってきた。テレビを付けてもこの謎の全国同時テロの事ばかりで気分転換などできるはずがないので、私は部屋の他の女子とおしゃべりをして過ごしていた。
部屋のメンバーは朱乃先輩、ソーナ会長、シトリー眷属の『兵士』で私と同じ1年生の、
仁村さんとおしゃべりをしながら2人を待っていると、テレビの電源が不意に付いた。
「あれ、誰かテレビの電源付けまし--!?」
息が詰まった。
テレビに映っていたのは、1つの文。
『カギで扉開けたならおわり』
……おそらく、新しい試練の内容だ。
「そ、そんな!?終わったんじゃ……」
私は絶句した。この状況でなお試練が続くの!?目が勝手にある人の方を向く。姫島朱乃先輩--戦意喪失している今の彼女が、次の試練を乗り切れるはずが無い。
(朱乃先輩は私が……私が何があっても守らなくては……!)
そう決心を固めた時、ドアがコンコンと2回ノックされた。
由良さん達か、それとも--新たな試練か。
『に〜むらさん♪』
合成音声の様な声、これは間違いなく由良さん達じゃない!
『あー♪そー♪ぼー♫』
ドアが開いた。外にいたのは……こけしだった。
『としのぶ』、『つばさ』、『たかはし』と胴体に名前を書かれた、大きな--人1人くらいの大きなこけしだった。
「……い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!やだやだやだやだやだ、怖いぃぃぃぃい!匙先輩、助けてぇぇぇぇぇえ!!」
仁村さんは突然の恐怖に錯乱している!でも、それがこけしに通じるはずもない。
『何だ、お前。ノリ悪ぃな』
その平坦な一言と共に、『としのぶ』の口部分からビームが発せられ……仁村さんの顔の半分を吹っ飛ばした。
「る、留流子!」
会長が彼女に駆け寄ろうとするが、それより早くこけしの声が部屋に響く。
『しー♫とーり♪さーん♪あー♪そー♪ぼー♫』
久々の出席者編、こけしの試練スタートです!
知将ソーナ・シトリーがどう試練を乗り越えるのか、乗り越えられないのか。姫島朱乃は復活するのかしないのかは、2016年1月1日更新予定の第9話で。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!