神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
「じゃあね」
その言葉と共に高畑は今度こそ向こうに歩き出す。顔はこちらを向けて、ゆっくりと歩いて行っている。
まずい……このままじゃ、影を踏めない!
慌てて後をつける俺達。周りを見た感じ、ここは渋谷のようだ。こっそりと影を踏めないかと考えているうちに、高畑はスクランブル交差点を歩く人混みの中に入ってしまった。これじゃあ誰にもバレずに影を踏むなんて、絶対無理だ!?
仕方なくそのまま後を追う俺達。運が悪い事に、高畑は女の子の友達と待ち合わせしていたようだ。いつもなら少しくらい嫉妬するけど、あの話を聞いた後ではそんな気は起きない。
高畑と女の子を眺めていると、横から声が聞こえた。
「はーい♪国民の妹女子アナ、鈴村ゆまです♪
渋谷から中継しまーす♪」
!どうやらTV局の人が来ているようだ。そう思ってそちらを見る。どうやら、結構可愛らしい女子アナが生中継しているみたいだ……でも俺、あんな女子アナ知らないな……サーゼクス様が改築してくれて、TVも日本全域のチャンネルが見られるようになってから、可愛い女子アナ調べをしたけど、あんな人は見たことない……
「3ヶ月に及ぶ死のゲームが、先程ついに終わりを迎え……108番目の最後の神の子が誕生した今!ご覧ください!!ここ、スクランブル交差点では……若者が異様な盛り上がりを見せていまーす!!」
その言葉と共に、カメラがアナの後ろに向かうのを見て、俺もそちらを見る。
そこにいたのは、若者(大学生くらいだろうか)の集団だった。
「YEARrrrrr!!」「フゥ〜〜〜」
「かーみーのこ!!かーみーのこ!!」
……おかしいだろ、何だこれ?もう、こんな事になってんのかよ、世の中……
もうリアス達が死んでから3ヶ月経ったのか……その間に、変わりすぎだろ、この世界……
「はい、それではここで!!街にいる若者にインタビューしてみたいと思いまーす!!
いぇーい!!神の子最高!?」
アナが聞いてきたのは……明石だ。明石は困惑している。
「神の子最高ー!?」
アナは再び明石に問う。それに対し、明石はこう言った。
「おかしいよ……お前ら……」
「は?」
スクランブル交差点の空気が、凍った。周りはシンとなり、皆刺すような眼でこちらを睨みつける。しかし、明石は止まらない。
「何人死んだと思ってんだよ……!?何で、そんな笑ってられるんだよ!?お前ら、絶対間違ってる……!!」
「こ……これは珍しい意見ですねー」
アナは複雑そうな表情になり、アシスタントが必死に『盛り上がって!』というカンペをこちらに向ける。その態度に、明石はついにキレた!
「フザけんな……まだ終わってないんだよ……
首謀者はまだ生きてんだよ!!
カミを殺さなきゃ終わんねぇんだよ!!」
良く言った!と思うと同時に、言い過ぎだ!とも思った。渋谷のビルのスクリーンには、大きく明石の顔が映っている。LIVE……と書いてあるってことは、現在進行形で今の明石のセリフが全国に広がったって事だ。カミがいるっていうような宣言は、下手したら俺達の正体がバレる事にもなり得る。そうなったら俺達は、死ぬ!
明石も言い終わってから、慌てて口を抑えた。しかし、周りは皆不思議そうな眼でこちらを見ている。
「……神!?神とはいった……!!」
不意に、ビルのスクリーンの電源がブツッと切れた。砂嵐がモニターを埋め尽くす中で、男の低い声がうっすら聞こえてくる。その声はだんだんと大きくなってきた!?
『あ……映ってる?』
次の瞬間、モニターの中に1人の男の顔が映った。長い髪に濃いあごひげ、そして異常なくらい長い爪。『きゅうしょく』の時に1度見て、ついこの間クラスハウスで再び見た、その顔。
『どーも、
次回、ただひたすら名前を言うだけ。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!