ダンジョンに騎空士がいるのは間違っているだろうか?   作:ヘイ!ゼエン!

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第2話

 

「炎鳴流?うーん聞いたことないわね。どんな感じの人だったの?」

 

「えっと、ミノタウロスを一撃で倒してましたからかなり強い人だと思うんですけど…」

 

「なら少なくともLv.3以上の冒険者だね…それに格闘で戦う冒険者。かなり条件があるから絞り込めるとは思うけどギルドからはあんまり話せないから期待しすぎないでね」

 

「…その、できればもう一度会いたいんです。会ってお礼をしたくて…」

 

「はぁ……取り敢えず探しておくわね」

 

「エイナさん、大好きー!!ありがとー!」

 

 

 

 

 

 

「へぇ、オラリアかぁ、初めて聞く島だなぁ。」

 

私はあの洞窟から外に出てこの街について色々と聞いていた。

迷宮都市オラリア。ダンジョンと呼ばれる地下迷宮があり、私達が普段戦っている魔物はそこでしか生まれず、ギルドと呼ばれる組織によって魔物が街に出てくることを防がれてるそうだ。

しかしそれと相反するような存在がある。冒険者だ。冒険者はダンジョンに潜り魔物を倒すそうだが、そもそも魔物が街に来ないのだからわざわざ危険に飛び込む必要はないのだ。それでもダンジョンに潜り魔物を倒し、名誉や富を得たいという人がいるそうだ。

 

これを聞いたとき私の幼なじみのグランのことを思いだした。グランはお父さんから届いた手紙に書いてあった場所、イスタルシアと呼ばれる島を目指している。しかしイスタルシアに向かうためには空図と呼ばれる地図が必要なのだ。それがなければ瘴流域に巻き込まれ空のそこに落とされ命はないと言われている。それでもイスタルシアに行ってみたいとグランは言っていた。

きっと冒険者もグランも本質は同じなのだろう。もしかしたらあの白髪の少年も

 

「しかし、ここは一体どこら辺にある島なんだろう」

 

人々にいくら聞いてもそんなものは知らないと口を揃えていうばかりで空のその字も聞かない。

 

「うーん…船から落っこちてここまできちゃったのかな?それとも罰ゲームか何かでここに来させられた?」

 

思考を巡らせて行くうちにある考えにたどり着く。

 

「…お腹減った」

 

もう昼時になり、朝ご飯を抜いている私のお腹はペコペコだった。服を探り手持ちの金を確認してみる。3万ルピ、高級な料理のフルコースを満足に食べれるくらいの金額だ。

 

「…ちょっとくらい贅沢してもいいよね?」

 

そう呟きながら私は商店街に足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

私は絶望した。まさか、まさか…ルピが使えないなんて。この島の貨幣はヴァリスと呼ばれるものでありルピなんて知らないと言われてしまった。

私からすれば、いや私達からすればヴァリスの存在のほうが知らないと言える。どこの島もルピを使っていたし、違う貨幣を使うということは貿易だってできないのだ。

ここであることが浮かんでくる。

 

「…もしかして、星の民の影響を受けなかった島なの?」

 

私が今まで渡ってきたどこの島も星の民がもっていた技術や星晶獣とよばれる守り神によって生活がなりたっていた。もちろんルピもそのひとつだった。しかしあるとき、覇空戦争によって星の民は姿を消したといわれている。

 

話を戻そう。どこの島も星の民の力なくしては生活するのは難しいと思う。でもここオラリアは独立して他の島からの影響を一切受けずに生活している。何故なのか?今の私にはまだわからず必死に考えてみるも…

 

『ぐぅう〜』

 

腹の音がなってしまう。まだご飯を食べることが出来ず食事を買うヴァリスも持っていない。何かを売ればヴァリスが手に入るかもしれないと思ったがそもそも服以外に何も持っていないのだ。

…唯一ヴァリスも手に入れる方法が思い浮かんでくる。

 

「…あの子にかしてもらおう」

 

つまりは、『お前を助けたんだからちょっとくらい金よこせよ』ということだ。本来騎空士は困っている人を助けるのが仕事だが恩に着せて金を要求するというのは心が痛む、

 

『ぐぅううう~』

 

さっきよりも大きくお腹の音がなる。

痛むのは心だけではなくお腹もだった。

 

「背は腹に変えられないか…仕方ない」

 

私はさっきの少年が走って行った場所に向かって歩き始めた。

 

 

少年の通った道を歩き続けて十分程したところで大きな建物を見つける。掲げられた看板には『ギルド』と書いてある。

一体何の建物なのかは検討もつかないが人々が出入りしているので公共施設のだろうと予測してみる。誰かに聞いてみようと思い、ギルドの出入り口から人が出てくる。

 

「あの、すいません。この建物って…ええ!?」

 

「うぇ!?」

 

 

出てきた人物はさっき出会ったばかりの白髪の少年だった。

 

 

 

 

「え、えっと、その…助けてくれてありがとうございました!」

 

「どういたしましてかな。…そのちょっと悪いんだけどお願いを聞いてくれないかな?」

 

「は、はい!僕に出来ることならなんでも!」

 

「お金貸してくれない?」

 

「…え?」

 

しまった…あまりにお腹が減ってるせいで頭が回ってない。これではただのカツアゲにしか見えない…

 

「あ、いや変なこと言ってごめん。お腹が減ってるんだけどお金がなくてさ」

 

馬鹿か私は。これではまるで『助けてやったんだから飯奢れ』といっているようなものではないか。しかもこの子は目を丸くして『何を言ってるんだこいつは』って顔をしてる。

 

「ご、ご飯を奢ればいいんですか?たくさんとは言えないですけど少しだけなら大丈夫です」

 

「本当に!?ありがとうね!」

 

少年の手を取り、顔を近づける。改めて見ると白髪と赤い目のせいで兎のような印象を感じる。

 

「そ、その!近いです!」

 

少年は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。どうにもがっつき過ぎていたようだ。

 

「あ、ごめんね。」

 

手を放し少し下がる。少年の顔はまだ赤いままである。

 

「よし、それじゃあご飯食べに行こう!」

 

「あ、あの!その名前を聞いてもいいですか?」

 

 

「私?」

 

 

 

 

 

「私の名前はジータだよ。君は?」

 

 

「ぼ、僕はベル。ベル・クラネルです」

 

 

 

 

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