ダンジョンに騎空士がいるのは間違っているだろうか? 作:ヘイ!ゼエン!
(な、なんだこのステイタスは!?)
ヘスティアが与えた神の恩恵によって具現化されたジータのステイタス。しかしそのステイタスははっきり言って異常だった。
(Lv.10!?スキルが5つ!?魔法が5つ使える!?こんなステイタス聞いたことないぞ!?)
このオラリアにて最高レベルは7であり、唯一人だけ。【フレイヤ・ファミリア】の猛者と呼ばれたオッタルだ。しかし目の前の少女はそのさらに上、Lv.10を叩きだしたのだ。
本来レベルは大きな敵や試練を乗り越えることによってレベルが上昇する。仮に神の恩恵をもらっていなくてもランクアップ自体は可能だが能力の向上率はまるで違うし、ステイタスはあまり伸びないのだ。
(それにスキルが5つ…全部聞いたことがない。それにこの『遥かなる青』、持つ武器によってステイタスが変わるだなんてイレギュラー過ぎるぞ!)
ステイタスは日常の中で産まれる経験値を汲み取り神の力によってステイタスになり、力や敏捷などの能力が向上するのが一般的だ。
しかし、というかやはりこの少女だけは違う。持つ武器にステイタスが依存されるのだ。弱い武器を持てばステイタスが下がり、強い武器であればステイタスが上がる。
つまりは神の力に頼らず武器を変えるだけで強くなれるのだ。
(いったいなんなんだ!?僕のしってる人間じゃないぞ!?)
「あの~」
(レベルもステイタスもスキルもまるで聞いたことがないし、魔法が5つも使えるなんて)
「あのっ!!」
「うひゃぁっ!!」
「あの、私のステイタスが何か変だったんですが…?」
「い、いや何も問題な、ないよ。」
(変だよ!!こんなに変なの見たことないくらいにね!)
「は、はぁ。それならいいんですけど」
(マズイマズイ!もしこんなのが他の神に広まったら…確実におもちゃにされて遊ばれるに決まってる!)
「…いいかいジータ君、これから君のステイタスを渡すよ。でもこのステイタスを決して誰かに言っちゃいけない」
「…はい」
「…それじゃあ君のステイタスを渡すよ」
ジータ
Lv.1
力: 716
耐久: 467
器用:690
敏捷:618
魔力:120
《魔法》
《スキル》
「…えーっとこれって高いんですか?」
「た、高いほうだよ!ジータ君は旅をしてきたんだろう?それもあって元から高いのさ」
ヘスティアの取った行動はジータに嘘のステイタスを渡し誰にも知らせずに隠し通すことにしたのだ。いずれはバレるかもしれないが彼女に伝えてしまえば嘘をついてると見抜かれてしまう可能性もある。それなら最初から伝えないということにしたのだ。
「Lv.1かぁ…そういえばベル君は何レベなんです?」
「ベル君も君と同じLv.1だよ。でもステイタスの高さは君のほうが上かな」
「ふーん。じゃあ私のほうがお姉さんってことだね」
「お姉さん?…まぁそういうことになるね。とにかくベル君をよろしく頼むよ。今は君だけが頼りなんだ」
「ふふっ。任せてください!」
「神様にジータさん…まだ終わらないのかなぁ」
--翌朝--
「おはようございます、ジータさん」
「おはよう、ベル君。じゃあ早速行こうか" ギルド"ってところに」
ギルドとはダンジョンの運営を仕事とし冒険者の登録や魔石の換金、アドバイスなどなど、冒険者にとって必須の存在である。
これから私は冒険者として認められダンジョンで戦うことが許される。といっても今まで騎空士として戦ってきたので今更な話だが、この街でベル君の助けをする以上仕方の無いことなのだろう。
「あ、着きましたよ!ここがギルドです!」
目の前にある大きな建物。昨日見たばかりだがまだ早朝なせいかほとんど人がいない。というか私達しかいない。そもそもこんな時間からギルドはやっているのか気になるところだが…
「あれ、ベル君?こんなに朝早くからどうしたの?」
「エ、エイナさん!?何でここに?」
声をかけてきた女性は私よりも少し背が高く、耳が長く尖っている。エルーン族かと思ったが特徴である獣耳が見当たらないのだ。
昨日、神様を始めて見たとき背の小ささと胸の大きさからドラフ族かと思ったが違っていたように、ここの街の人々はどこか違う気がする。……まぁただの文化の違いというものだろう。
「ベル君こそ。こんな朝早くから何してるの?もしかしてまたダンジョンに行くきなの」
「違いますよ!いや違くはないんですけど。今日はジータさんの冒険者登録をしに来て」
「初めまして。ジータです。ベル君と同じ【ヘスティア・ファミリア】に所属したので冒険者登録にきたんです」
「…へっ?」
「実は神様からベル君を助けて欲しいって頼まれたんです。ですから冒険者登録をしておこうと思って…」
「…うん、まぁ話はわかったわ。とりあえずギルドのカウンターに話をすれば登録できるわよ」
「ありがとうございますね。それじゃあ失礼します」
「…うん、頑張ってね」
エイナと呼ばれてた女性は頭を抑えて何処かへ行ってしまった。具合でも悪いのだろうか。
とりあえずギルドのカウンターに向かうことにした。