魔法少女リリカルなのはBlack 番外編   作:黒崎ハルナ

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エピローグ/使用デッキ紹介+おまけコーナー

 世の中にはお約束というものがある。

 

 ──悪が必ず正義の味方に負けるように。

 

 ──恋愛漫画が最後は主人公とヒロインのハッピーエンドで終わるように。

 

 ──バトル物の主人公がピンチから華麗に逆転劇を決めるように。

 

 そんな、王道とも言える世界からの強制力。

 それはヴァンガードファイトにも言えることらしい。

 それが今日のファイトで学んだ最大の教訓である。

 

「なるほど……それは確かに貴様の言う通りだな」

 

 夜。あの熱いファイトが終わり、イベント的に大成功を収めてから数時間。

 フローリアン家のリビングで、同じ居候仲間であるディアーチェ・K・クローディアにそんな内容を話していた。

 普段は自分を含む居候5人とフローリアン家の姉妹と家長のグランツ博士の8人で賑やかなリビングも今は俺とディアーチェの2人だけしかいない為か、シンと静かな空間となっている。

 

「ネクステージのアタックで完全ガードを使わせ、スキルによりスタンドしたクロノジェットで追撃。ツインドライブでクリティカルトリガーを2枚引き当てての逆転劇。見事なものよ」

 

 皿洗いを終えたディアーチェがエプロンを取り外しながら、俺の正面の席に腰掛けた。

 

「うん。まあ、そうだな」

 

 そう。見事な逆転劇だったのだ。

 俺も、対戦相手のユーリも、実況の姉妹も、ギャラリーたちも、みんなが熱くなったファイト。

 その結末に相応しいものだ。

 力強く拳を天に高く突き出し、勝鬨を上げようとした俺は悪くない。

 そう──

 

 

 

 

「その後の6点目ヒールが無ければな」

 

 ──あ、ヒールトリガー……

 

 ──……………………えっ? 

 

 ダメージゾーンに置かれた6枚目のカード。

《綻びた世界のレディヒーラー》

 右上に付いているアイコンは治の文字。

 ヒールトリガーが発動して場がこれほどまでに白けたファイトは、もうないだろうと思った。

 

「で、返しのターンに《ハーモニクス・メサイア》に超越され、おまけにクリティカルトリガーを2枚乗せて散ったわけだな……くっ、くくく」

 

 笑いを堪えるように、口もとを手で隠すな。余計に悲しくなるだろ。

 

「……ちっ」

 

「しかし、我が夕餉の買い出しに行っている間にそんなことがあったとは。博士も一言かけてくれてもよかったというのに」

 

「晩メシがそれだけ楽しみだったってことだろ。実際、後で博士に聞いたら、俺はディアーチェの代打だったみたいだし」

 

「そうか」

 

 まあ、結局のところ楽しいファイトができたのだから、俺個人としては満足だった。

 それに、全国大会予選前に1回負けておいてよかったとも思っている。

 敗北は勝利以上のことを教えてくれる。

 自分の欠点や弱点が今回のファイトでぼんやりとだが、見えできた。

 

「なあ、ディアーチェ」

 

「ん?」

 

 テーブルに散らばっていたカードたちを集め、デッキを見せつける。

 

「ファイトしようぜ。新しくデッキ調整したからよ」

 

「ふ……いいのか? また負けるぞ」

 

「そん時はまたこいつらと相談するさ」

 

 ギアクロニクルたちと一緒にな。

 ディアーチェは笑みを浮かべ、スカートのポケットからデッキケースを取り出した。

 

「一緒に相談か。良い言葉だ」

 

「だろ」

 

 互いにファーストヴァンガードをヴァンガードサークルに伏せる。

 初期手札は5枚。

 手札は相変わらずの事故気味だ。

 苦笑しながら3枚を戻して引き直す。

 

「悪いが2回も負けられないんでな」

 

「ふん。塵芥風情がつけあがるとはな。いいだろう、ひとつ胸を貸してやるとしよう」

 

「え? 貸すほど無いだろ、お前」

 

「…………よし、殺す」

 

「なんで⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──イメージしろ。

 

 ここは惑星クレイ。

 

 竜が、人が、神秘の化身や人魚が、知能と意思を持つロボットが、たくさんのユニットが生きている異世界だ。

 

 地球によく似たこの惑星に、俺たちは今からか弱い霊体として降り立つ。

 

 霊体でしかない俺たちは何の力も持たない非力な存在だ。

 

 

 

 だけど、そんな俺たちに力を貸してくれるユニットたちがいる。

 

 ヴァンガード。

 

 導く者という意味だ。

 

 ──さあ、イメージしろ。俺たちは今からユニットたちの力を借りて戦うことになる。

 イメージするんだ。こいつがどんな風に、どんな世界で戦うのか。

 

 

「いくぜ!」

 

「こい!」

 

 

 イメージは無限大。

 どんな未来だって創造できる。

 さあ! 始めよう──

 その始まりの合図と共に! 

 

 

「「スタンドアップ・THE・ヴァンガード!」」

 

 

 

 

 

 

 おまけコーナー

 

 

 キャラクター紹介・デッキレシピ

 

 黒道 リクト

 私立天応中学3年生 15歳。

 使用クラン ギアクロニクル。

 渾名はコクトー。

 決闘名 黒の超越者。

 

 概要

 作者オリジナルキャラクターで、本編である魔法少女リリカルなのはBlackでは主人公のようなものをやっている。

 今作の番外編でも主人公をしてもらった。

 本編では23歳だが、今作では15歳の中学三年生。

 放浪癖のある父親に半ば強引にグランツ研究所に預けられ、居候という形で世話になっている。

 最近の悩みは年頃故の女の子に対して、具体的には性的な興味を居候先の娘に向けそうになっている事。

 特にシュテルとキリエは天敵らしい。

 ギアースによるファイトで初の超越ことストライドをしたファイターで、“黒の超越者”の二つ名を持つファイター。

 世間では超越の開祖的な扱いをされてはいるが、実際のファイトの実力は本人曰く並程度らしく、ダークマテリアルズとのファイトは全て負け越している。

 他人に残念と言われるくらいに引きが弱かったり、メインVにライドをすんなりできなかったりと才能の有る無しで言えば間違いなく才能の無いタイプ。

 が、ここ1番のファイトに関しては必ず勝利を収めたりと所謂本番に強いタイプでもある他、ヴァンガードの面白さと理不尽さの表裏一体な部分全てを受け入れているなど、ヴァンガードに対する想いは本物。

 大会にはアミタとキリエの2人とチームを組んで「ギアーズ」として参加することが多い。

 

 使用デッキ・戦略

 使用クランのギアクロニクルはカードデザイナーである母(現在は行方不明)がデザインから作成まで手掛けた新クランで、一般的に流通はしているが一部のカードのみ──《クロノ・ドラン》などはコクトーだけが所有している。ちなみその理由は本人も知らない。

 基本戦術は超越後に発動するスキル──Gブレイクを使うクランを主力にした、相手のリアガードを山札に戻したり自分のリアガードを山札のリアガードと入れ替える《時翔》を使った盤面干渉を中心とした戦術を得意とする。

 切り札である《クロノジェット・ドラゴン》が、よく初期手札に来ないことを密かに気にしていて、その為か通常のギアクロニクルよりもドロー能力を持つユニットを多めに採用した構築なのが特徴。

 

 デッキレシピ 「時空超越」

 Gユニット 計8枚

《クロノドラゴン・ネクステージ》2枚

《時空獣 メタリカ・フェニックス》2枚

《時空獣 アップヒーバル・ペガサス》1枚

《時空竜 ラグナクロック・ドラゴン》2枚

《時空竜 フェイトライダー・ドラゴン》1枚

 グレード3 計8枚

《クロノジェット・ドラゴン》4枚

《スチームファイター バリフ》4枚

 グレード2 計10枚

《スモークギア・ドラゴン》2枚

《アップストリーム・ドラゴン》2枚

《グリマーブレス・ドラゴン》2枚

《ヒストリーメーカー・ドラゴン》2枚

《スチームファイター アンバー》2枚

 グレード1 計15枚

《スチームメイデン ウルニン》2枚

《スチームカラー ジジ》2枚

《スチームメイデン ダーニッシュ》1枚

《スチームメイデン アルリム》完全ガード4枚

《スチームファイター ウルニギン》2枚

《スチームブレス・ドラゴン》4枚

 グレード0 計17枚

 クリティカルトリガー 計10枚

《ドキドキ・ワーカー》4枚

《スチームカラー カー・ランマ》4枚

《スチームファイター ダダシグ》2枚

 ドロートリガー 2枚

《ラッキーポット・ドラコキッド》2枚

 ヒールトリガー4枚

《スチームメイデン ウルル》4枚

 FV 《クロノ・ドラン》

 

 

 

 ユーリ・エーベルヴァイン

 グランツ研究所助手 9歳(オリジナル設定)。

 使用クラン リンクジョーカー。

 決闘名 紫天の盟主。

 

 概要

 本編ではメインヒロインを担当。今作ではファイト相手を担当してもらった金髪幼女。ちなみに作者が好きなキャラなので、かなり贔屓目の扱いになっている。

 主人公との仲はかなり良好ではあるが、本編時間軸では大人の容姿で書かれているのに対して、番外編軸では普通に原作同様のロリ娘なのでコクトーロリ疑惑が生まれているとかいないとか。

 なのセントの原作と同じで引っ込み思案だが、他人想いの優しい性格の持ち主。ただし、偶にだがヤンデレのような状態になることもあり、グランツ研究所の所属ファイターたち曰く「その状態のユーリとはファイトしてはいけない」らしい。ゲーム版の暴走モードのようなものである。

 ただし、その原因は大抵がコクトーの所為なので、最近ではコクトーに押し付けるのが共通認識となっている。

 普段は研究所でグランツ博士の助手を務めながら大会やイベントの運営をお手伝いする裏方役が多い為ファイトする機会は少ないが、その実力はランキング1位のシュテルすら苦戦を強いるほど。

 実はこの作品内で数少ないPSYクオリアの持ち主で、それが原因で1度だけだが惑星クレイ絡みの事件に巻き込まれた過去を持つ。ちなみにその事件後にメサイアシリーズを入手した。

 

 使用デッキ・戦略

 メサイアシリーズと呼ばれるリンクジョーカーの中でもかなり特異なデッキで、作中内ではユーリ以外の使用者もカード保有者もいない超激レア中の激レアデッキを扱うファイター。

 相手のユニットの動きを封じるリンクジョーカーのクラン特性《呪縛》と、呪縛を解除する希少スキル《解呪》を自在に操り、手札アドや相手を封殺したりする戦法を得意としている(可愛い顔をしてやっていることはダークマテリアルズの中でも1番エゲツない)。

 

 デッキレシピ 「紫天の翼」

 Gユニット 計8枚

《ハーモニクス・メサイア》1枚

《創世竜 アムネスティ・メサイア》4枚

《創世竜 エクセリクス・メサイア》2枚

《創世竜 ジャッジメント・メサイア》1枚

 グレード3 計8枚

《オルターエゴ・メサイア》4枚

《中性子星のレディガンナー》4枚

 グレード2 計10枚

《アレスター・メサイア》3枚

《アローザル・メサイア》3枚

《重力井戸のレディバトラー》2枚

《ヘヴィマテリアル・ドラゴン》2枚

 グレード1 計15枚

《アスリープ・メサイア》3枚

《ディスティニー・ディーラー》4枚

《真空に咲く花 コスモリース》完全ガード4枚

《ダークメタルカメレオン》2枚

《サクリファイス・メサイア》2枚

 グレード0 計17枚

 クリティカルトリガー 計6枚

《ブリンク・メサイア》4枚

《震脚のパルスモンク》2枚

 ドロートリガー 計6枚

《絃理論の愛し子》4枚

《スプレイ・バーディ》2枚

 ヒールトリガー 計4枚

《綻びた世界のレディヒーラー》4枚

 FV 《ネオンメサイア》

 

 

 

 

 

 おまけその2

 原作キャラクターの使用クラン一覧

 チームT&Hエレメンツ

 高町なのは 使用クラン ロイヤルパラディン

 フェイト・テスタロッサ 使用クラン かげろう

 アリサ・バニングス 使用クラン なるかみ

 月村すずか 使用クラン ダークイレギュラーズ

 アリシア・テスタロッサ 使用クラン バミューダ△

 その他

 プレシア・テスタロッサ 使用クラン シャドウパラディン

 リンディ・ハラオウン 使用クラン アクアフォース

 ユーノ・スクライア 使用クラン グレートネイチャー

 リニス・ランスター 使用クラン かげろう

 クロノ・ハラオウン 使用クラン ギアクロニクル

 アルフ、リニス・ランスター、エイミィ・リミエッタ 未定

 

 チーム八神堂

 八神はやて 使用クラン ジェネシス・ペイルムーン

 八神アインス 使用クラン オラクルシンクタンク

 八神ヴィータ 使用クラン ディメンジョンポリス

 八神シグナム 使用クラン ゴールドパラディン

 八神シャマル 使用クラン エンジェルフェザー

 八神ザフィーラ 使用クラン ノヴァグラップラー

 八神リイン、八神アギト 未定

 

 チームダークマテリアルズ

 ユーリ・エーベルヴァイン 使用クラン リンクジョーカー

 ディアーチェ・K・クローディア 使用クラン ダークイレギュラーズ

 シュテル・スタークス 使用クラン シャドウパラディン

 レヴィ・ラッセル 使用クラン なるかみ

 アミティエ・フローリアン 使用クラン ノヴァグラップラー

 キリエ・フローリアン 使用クラン ネオネクタール

 その他

 グランツ・フローリアン 使用クラン むらくも

 

 中島家

 中島スバル 使用クラン なるかみ

 ティアナ・ランスター 使用クラン ゴールドパラディン

 中島ギンガ 使用クラン かげろう

 中島チンク 使用クラン グランブルー

 中島ディエチ 使用クラン ぬばたま

 中島ウェンディ 使用クラン たちかぜ

 中島ノーヴェ 使用クラン スパイクブラザーズ

 

 スカリエッティ研究所

 ジェイル・スカリエッティ 使用クラン メガコロニー

 娘たち 使用クランに固定はないが、必ずリバースユニットを採用した構築

 

 

 

 

 

 

 ファイト対戦カード没案

 概要

 様々な理由から断念したファイトカードたち。

 その多くの理由は主にデッキが完全しなかった為。

 

 対戦カード

 1.高町なのはVSフェイト・テスタロッサ

 2.八神はやてVSディアーチェ・K・クローディア

 3.コクトーVSアリシア・テスタロッサ

 4.コクトーVS高町なのは

 5.月村すずかVSアリサ・バニングス

 6.DAIGOVSコクトー

 7.作者VSコクトー

 

 6つ目のファイトに関しては実在する人物の為に断念したという悲しい理由。その直後にアニメスタッフがクロノVS DAIGOの対戦カードを用意してくれたので、作者的にはアニメスタッフに感謝。

 ギアクロニクルVSレガリアは個人的にはかなりの名勝負だったと思う。

 7つ目は番外編だからと最初に考えていたファイト。しかし、作者が作品内に出しゃ張る作品は叩かれ易いと結論。

 今考えるとやっぱり駄目だろうと反省。

 どうでもいいが、作者のリアルデッキはバミューダだったりする。




ヴァンガード編ひとまず終了!
ずっと書きたかったカードゲーム小説を書けたので、作者的には大満足でした。しかも感想まで貰えたのは真面目に嬉しかったです。感想は作者の1番の動力源と言いますが、本当そうでした。
他にも毎回アクセスして読んでくれたり、お気に入り登録してくれたユーザーの皆さま。本当にありがとうございます。
ひとまずヴァンガードはここまで。もしかしたらまた書くかもしれませんが、その時はまたお付き合いください。
また、番外編の元ネタである魔法少女リリカルなのはBlackも現在リメイクしながら掲載してますので、よろしければそちらも読んでもらえたら嬉しいかぎりです。
では長々と失礼しました。また次回もよろしくお願いします。 by 黒崎ハルナ















……さて、次は何を書こうかな。えっ?さっさと本編更新しろって?ははは……いや、まじすみません。
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