東京喰種 ー大蛇転生ー 作:百舌木
にしキックが嫌いな方は退出お願いします。
僕は女性に縁が無かった。
…ただ、彼女を眺めている事しか出来なかった。告白なんてものは到底出来ない様な臆病者で弱腰な人間だった。
僕は物語の主人公の様に異世界に転移されて勇者として世界を救うなんて事や、人生の最後に人を救って2度目の人生を異世界でやり直すなんて事は出来ないと思う。
そんなヘタレで臆病な僕は良くも悪くも傍観者だった。
例えば、コンビニと家を繋ぐ近道である裏路地で女性が数人の男達に襲われそうになってるのを写真を許可を取らずに連写して撮り、少し震えた声で「これで、貴方達の顔を撮りました。僕は今から警察に行きます」なんて事を言って止めたとしても、そこから電車男の様な恋愛物語は生まれない。他にも、幼馴染みと苦難を乗り越えて秒速5センチメートルの壁を超えて彼氏彼女の恋人という関係から夫婦などになったとしても、僕だったらそこまで行けずに友達以上恋人未満に落ち着いてしまって先には進めないだろう。
僕はそんな奴だった。
好きな女の人もいない奴で趣味は読書にあだ名はネクラ。
そんな男だったのである。
だけど、1人だけ僕が憧れた男の人がいた。
東京喰種というある大学生が織り成す悲劇の物語を綴った漫画の登場人物である
彼は喰種という人を主食とする生物に産まれながらも逆境にも負けず、そしてたった1人の家族を失っても挫けず、そして彼が人間である自分の恋人を護る為に内臓などを抉られてボロボロの状態になりながらも闘った男であった事。その闘っていた時は悪者として読者に認識されていた月山っていう男に「ニッ…シキくん…君はッ…ゾンビかいッッ⁉︎⁉︎」と罵られる程にまで彼女を…自分の大切な人を助ける為に、護る為だけに命を懸けた男なのだ。
そんな人に、そんな男に僕は憧れた。
ただのオタクの非リアが、とか言われるかも知れない。だが、僕はそんな男に憧れて、サインやなんかが欲しいとまで思ってしまったのだ。
女性関係が皆無な僕は、そのひたむきな程に愛する事が凄いし憧れた。女性にとっては少々重いかもしれないが、それ程までに僕は憧れたのだ。
…ああ、初恋なんてした事がないまま死ぬのは少し惜しい。
そう。僕は死ぬのだ。
今、僕の左の胸には包丁が深く深く突き刺ささっている。
冗談なんかではないし、急展開なのは解っている。
鈍い痛みが体を走り回り、まるでオーバーヒートした銅線の様に今にも切れそうだ。
きっとこれも何かしらの数機的な運命なのかも知れない。
これから、僕が身代わりになってしまった女性は僕の死という事象を基に幸せな人生を歩むきっかけになるのかも知れない。…もしかしたら、僕は生まれ変わってしまうのかも知れない。そしたら、初恋を体験したいなぁ
そんな事を思いながら僕、