東京喰種 ー大蛇転生ー 作:百舌木
真っ白な空間に行列が並んでた。
前の人がいすぎて何人並んでるかさえもわからない行列だ。
…美味しいものでも前にあるのだろうか?
そんな少し頭のおかしい疑問なんかも浮かんできてしまうほどの悠久の時間を僕は行列で過ごした。
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やっと最前列になった時、全身が真っ黒い姿をした『異形』という言葉が似合いすぎるモノがそこにいた。
「え〜と、君は西野基木君だね。君は少し特殊な死に方したから転生かランクアップだけどねーどうする?」
そんなのんびりな口調で黒いのは僕に喋った。
『な、何だこの黒いの。頭おかしいのか…?』
疑問が出すぎて脳が破裂しそうだった。
『そりゃいきなり転生とかランクアップとか言われたらリアクションに困ってしまうじゃないですか。…死んでんのはわかってるけど』
「まぁ、転生っていうのは君の場合だと君の好きな漫画やアニメの中に転生するっていう感じで、ランクアップはそのままここに残って管理者として就職するかーって感じだね」
『こ、心を読まれた…⁉︎』
「うん。管理者になると心が読めるようになるんだよ…でもさ、後ろ混んでいるから早めに決めないとダメだから、お願いね」
自分の来世なのでうーんと少し悩み考える。
『転生かぁ、漫画の世界に行けるならば東京喰種に行きたいなぁ。…願わくばー…』
「あー東京喰種のニシキ君に転生かぁ…君、面白いね」
彼はその黒い頭を揺すりクックと笑いながら僕の方に顔を向けてこう言った。
そして、僕は思考を先読みされて固まった。
…へっ?っていう心の中の戸惑いが一刻終わってから出てしまったのはご愛嬌なのであろうか。
「いいよ、転生…ね。じゃあ行ってらしゃい」
いつの間にか空いていた地面に落ちて突然の浮遊感僕を襲う。
僕は戸惑いと困惑の表情をしながら真っ逆さまに落ちていった。
******
「結構えげつない事するのね」
そう声かけたのは東の管理者アズマ。目の前のモノとは正反対の真っ白で埋め尽くされた異形のモノだ。
「早く終わらせたかったんですよー」
そう返答したのは先ほど理不尽に思考を読んで転生という奈落に突き落とした北の管理者ホク。
「だってあの子、あのままなら死んでしまうのわかってるでしよ?」
「知らないですよーさっきまで死んでたんですから元に戻るだけでしょ?…何か悪い事しましたか?」
その漆黒に埋め尽くされた顔を傾げながら人の命をゴミの様だと言い切った。
「……あなた、前から思ってたけど管理者向いてないわよ」
呆れが混じった声を出され小首を傾げて彼は言い返す。
「いやいや、喰種の世界に転生するのは伝えたから大丈夫ですよ」
ーだって彼は特殊な人生を歩んできた人だから
「はぁ、まぁいいわ。だけどね…これ以上酷い事してる様だと上に伝えるからね。…わかった?」
「わかりましたぁー」
パタンとドアを閉め、アズマは出て行った。
ホクは1人思考を巡らす。
…彼は死にはしないだろう。彼の転生する前の人生から読み取れる通り、彼は常人であれば発狂モノのハードモードな人生を送ってきている。彼は壊れにくいから拷問されるかも知れない。だが仮にハードモードな転生をしても、彼の最初の人生よりは甘いだろう。
そう結論付けてため息を吐いた。
「彼は、どの様な喜劇を生み出すんだろうか…?」
そんな事を上の空で呟いた。