S4T~スーパーサイヤサクラちゃんがすっごくつおいだけの話~ 作:ナレイアラ
その日の事を、今でも覚えている。
「そこに誰かいるの?」
ある春の日、木の葉萌ゆる森の木漏れ日の中、その人はいた。
「・・・・すごいな、これでもそれなりに隠れるのはうまいつもりだったんだけど」
木の上から彼が飛び降りてきて驚いたように言う。
黒いくしゃくしゃの髪に額あてをした少年は不思議そうに私を見ていた。
「うん、わたし、かくれんぼは得意なんだ」
「へえ、じゃあ君は忍者の素質があるかもね」
その言葉がその子の運命を変えた。
その日以来何も知らなかったその子は彼に導かれ忍者を志すようになった。
彼が来る日は少なかったけれど、少女は毎日その森に行き、彼に教わった方法で修行を続けた。
彼女にしてみればそれは新しい遊びだったのかもしれない。
ただ、ボール遊びにも飽きて、かくれんぼは決して負けないから。その程度の理由だった。
でも、時々くる忍者の少年と修行するのは楽しかったし、両親に教わった術を見せて驚かせるのは幼い自尊心を十分に満たした。
二人の交流は少女が両親の勧めで忍術アカデミーに入ってからも続いた。
ある日、両親に修行に行くのを止められた。もういってはならないと。
泣いてでも行こうとする私を両親は押しとどめ、それまで存在すら知らなかった地下室に閉じ込めた。
そこで私は教えられた。春野一族の事、代々伝わる忍術の事、そして---
数年後、春野さくら下忍初Cランク任務の日。物語は動き出す。
「ねえねえさくらちゃ~ん。オレってばさオレってばさ!さくらちゃんの荷物持ってあげるってばよ!」
「うるさいわよナルト。大体これでも一応護衛任務なんだから、浮かれて気を抜くんじゃないわよ」
「さくらの言うとおりだぞナルト。忍者たる者任務中は常に己の周囲を警戒すべし、だ。」
「フン。ウスラトンカチが。」
「・・こんな奴らで大丈夫なんじゃろうか。」
「まあまあタヅナさん。私は一応上忍なんで、Cランク任務なら私一人でもおつりが来ますから。」
一行は護衛任務で波の国を目指していた。ナルトが『任務が忍者っぽくない』と文句をつけてわがままを言ったためだ。
そこでサクラは道の先にあるものを見つけて目を細めた。
「カカシ先生、あれ」
「へえよく気付いたな。じゃあサクラ、向こうの反応を見たいからお前は万が一のことを考えてタヅナさんについていてくれ。」
ナルトとサスケが騒いでいるのを尻目に、二人の間ではこんな会話が為されていた。
そして一行が水たまりにさしかかった瞬間。
「カカシ先生!!!」
突如現れた二人の忍者にカカシの胴体が三つに分断された。