S4T~スーパーサイヤサクラちゃんがすっごくつおいだけの話~   作:ナレイアラ

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ほぼカカシが活躍するだけな上一話で終わる波の国編

突如現れた二人の忍者。

カカシのあっけない最期に反応できないでいるナルトに迫る凶刃をサスケが止めるが、そのままもう一人がサクラとタズナの方に迫ってくる。だが――

 

「何!」

 

タヅナは二人いた。これではどちらがターゲットか解らない。だが、二人とも殺せばいいと切り替えたのか、さらに迫ってくるそれに、二人いるうちの一方のタヅナが悲鳴を上げて尻もちをついた。

 

「ひい・・・・っ!」

 

あっけなく策が無に帰した様子に目を半月に歪めて迫る霧がくれの中忍。

下忍が変化したのであろうもう一人のタズナは呆然と立ち尽くしていて何もできない。

上忍は死に、まともそうな下忍は足止め中。勝利を確信し本物のタズナに苦無を届かせようとした瞬間

 

ボンッ

 

音を立てて変化が解け、本物筈のタズナが濃い桜色の髪の少女に戻った。

彼がおぼえているのはそこまで。

次の瞬間、霧がくれの中忍は油断して作業のように振っていた腕を取られ、地面に引き倒され首を刈られていた。

 

「おつかれさん、サクラ」

 

サクラが振り返ると何ごともなかったかのようにカカシが立っていて、ナルトとサスケは信じられないモノを見たかのような目でサクラを見ていた。

 

 

 

サスケとナルトのしつこい追及をかわしながらもサクラたち一行は波の国にたどり着いた。

 

「うーん。どっかに敵いないかなあ。」

 

「いたとしてもあんたじゃ見つけられないでしょ、ナルト。」

 

手裏剣片手に辺りをキョロキョロ見回すナルトにサクラが突っ込む。

 

「いやいや、どこに敵が潜んでいるか分かんねえってばよ。む!そこ――」

 

己の脳の奥。そこに電撃を感じると同時に、サクラは動き出す。そこに論理的思考は存在せずただ己が何万回と繰り返した動作を肉体に反射でなぞらせるだけの行為だ。右足のホルスターから神速の抜き打ちで取り出された手裏剣は、その抜く動作そのままに加速され、予備動作と意を完全に消した回避不能の死神の鎌となってナルトが狙っていた茂みに吸い込まれた。

 

「・・・・何をやっているサクラ」

 

「そうだってばよサクラちゃん!いま俺が」

 

「黙って二人とも。カカシ先生、」

 

「分かってる。三人でタズナさんを中心に卍の陣だ。」

 

そういうとカカシは高速で印を結び、茂みに向かって術を放った。

 

『水遁・水喇叭の術』

 

ブバッとカカシの口から勢いよく放出された水が茂みを跡形もなく消し飛ばした。

だが、カカシとサクラの目はそこではなくその上、木の中心部を見ていた。

 

「・・・っ!下がって!」

 

突然サクラが後ろの三人に下がるように言うと同時にカカシは高速で印を結び、三人が反応するころには両手を地面につけ術を発動していた。

 

『水遁・水龍弾の術』

 

『土遁・土流壁の術』

 

木の中心部からそれを食い破って現れた水の竜がカカシの作った土の壁にぶち当たって消えた。

 

「な、何だってばよ」

 

「敵だ。」

 

サスケが苦無を構えながら答える。

 

「そんなのはわかってるってばよ!でも、いきなり襲ってきてすっごい強力な術遣ってきて、訳が分かんねえってばよ!」

 

「たぶん、あいつがカカシ先生の言っていた「ガトーに雇われた忍者」なんでしょ。あの二人以外にもいるとは思ってたけど・・・・ここまで強力だとはね。」

 

そうサクラが言うと水しぶきの中から大きな刀を背負った男のシルエットが浮かび上がった。

 

「おやおやこれは桃地再不斬君じゃないですか」

 

「そういうお前は分かりやすいな。銀髪に片目を覆う額あてそして木の葉の忍・・・コピー忍者・写輪眼のカカシ」

 

「ま、そういう事だから。逃げるなら今のうち、と言っておくよ。こっちの依頼は護衛であってお前の討伐じゃないしね」

 

「悪いがこっちも依頼でね。忍びらしく殺し合いと行こうじゃないか」

 

そう言ってスッと再不斬が二本指を立てて頭上に掲げると辺りに霧が立ち込めてきた。

 

「これは・・・!」

 

「あいつの術だね」

 

「クッソなんも見えねえ!これじゃどこから来るかすら分かんねえってばよ」

 

タズナを囲むように背中合わせの卍の陣を組んでいる三人は視界を奪われ、十メートルも離れていない筈のカカシすら視認できなくなっていた。

 

「それと、こうして喋るのは敵に位置を教えているのと一緒だからね」

 

「・・・・・!」

 

「いやもう遅いよ。大体こっちにはタズナさんがいるんだから話しても話さなくても一緒でしょ」

 

「でもさ、でもさ!」

 

「それにカカシ先生は再不斬が自分より先に私たち狙ったりしたら確実にその隙を突いて殺しにかかるよ。だからいま私たちの首と胴体は泣き別れしていないわけ」

 

サクラがそう言って話しながら常にカカシに自分たちの位置情報を送り、再不斬にカカシの足音を聞こえなくさせていると霧の中から声が聞こえてきた。

 

「ククククッ賢いなあお嬢ちゃん。だがそれではカカシのやつも俺の位置をわからないんじゃあないか?」

 

「カカシ先生は耳が良いの。アンタなんか私達の会話を盗み聞きしている間に後ろを取られて殺されちゃうんだから!」

 

当然、ブラフである。無音殺人術の達人術である再不斬は音もなく忍び寄ることにかけては右に出るものは居ない。当然、カカシの耳がいくら良くても同じ土俵では勝てない。だから彼はサクラの言葉を子供の戯れ言と断じた。

 

(無音殺人術において俺に勝るものは居ない。ガキに俺の耳をふさがせて焦れて直接あいつらを殺しに言った所を狙う腹なんだろうが・・・そうはいかん。お前が俺の聴覚が妨害されていると思って動くその時を狙う!)

 

『水遁・水分身の術』

 

水分身は本体の十分の一程度の実力しか持たないが、使用チャクラも少なく撹乱には最適の術であった。造られた水分身はナルト達のいる所に向かって走りだす。ガキとカカシのお望み通り少し音を立てながら。

 

後三十メートル

 

(クククッカカシィ・・・お前が俺を『罠に嵌めた』と確信して俺を攻撃した時、お前は俺の罠にはまっていたと気付く。首だけになりながらな・・)

 

後二十メートル

 

(さあ、そろそろ現れないとガキもジジイも死ぬぞ。どこだ?どこから現れる?)

 

無音殺人術のスペシャリストとしての聴覚を駆使して僅かな衣擦れの音さえも見逃さないように集中する。カカシが殺したはずの自分が水分身だと気付き硬直するその一瞬を逃さぬために。

 

後十メートル

 

(何故出てこない?あの距離ならガキどもも気付くはずだ。当然カカシも気づいていなければ・・・・)

 

(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!)

 

影が、自分の影にもう一つの影が薄く重なっていた。

恐らく、自分の後方五メートル。

 

再不斬は死を直感していた。

通常、忍びとはいついかなる時も任務達成、生存の方法を考え続け、実行する。それがこの職業のセオリーである。だが、この状況。完全に意表を突かれ後ろに立たれたこの状況で彼が選べる選択肢は悲しいほどに少なかった。

 

「何故、音もなく忍び寄れた。俺は・・・」

 

「流石に俺もサイレントキリングの達人に同じ状況下で後ろを取れるほど強くはないよ。ただ、お前がバカにしたあの子たちが俺を助けたんだ。あの子たちが話すのをやめた後、俺は一歩もここを動いていない。俺がしたのはお前が来るであろう未来位置でただ動かず、自分の周囲に不自然でない程度に霧隠れの術を重ねがけすることだけだった。」

 

「バカな・・っ!だとしたらお前はガキどもが騒いでいる時に俺の位置を察知して未来位置を特定したことになる。俺の無音移動術の音をだ!」

 

「なにも耳で特定したとは言ってないでしょ。ハナも犬並みに利くんだよ。俺はね。」

 

「そうか・・・そういうことか。下忍に一杯食わされるとはな。だが・・」

 

振り向く再不斬にカカシは後半歩まで一瞬と言ってもいい時間で迫る。だが戦闘スピードで迫るカカシは最早音を殺しておらず、正確に再不斬に位置を教えていた。

 

『水遁・水牢の術』

 

捨て身。そう言うほか無かった。再不斬の首まで迫ったカカシのクナイは、自分ごとカカシを閉じ込める水牢の術でもって強制的に止められた。

 

そして当然元とはいえ霧隠れの忍びが肺活量において木の葉の者に負けるはずもない。五分ほどしてぐったりと水に浮いたカカシを確認した再不斬は水牢の術を解いた。

 

「ハアっハアっ・・・・・カカシ、お前は水影を除けば俺の人生最強の忍だったぞ」

 

そう言って首斬り包丁を振り上げる再不斬の土手っ腹に水の槍が突き刺さていた。

 

「な・・・あ?」

 

「ブハあっハアっハアっ!・・・お前が俺の反撃を警戒して溺死を狙うのは分かってたからな。少しの間仮死状態に近い状態になって酸素の消費をおさえていた。再不斬、お前の未来は死だ」

 

そう言ってカカシがとどめを刺す直前、再不斬の首に突如飛来した千本が何本も突き刺さり彼の息の根を止めた。

 

「フフ・・・本当だ、死んじゃった」

 

「お前は・・・!」

 

「はじめまして写輪眼のカカシさん」

 

そう言って木の上から仮面をかぶった少年が降りてきた。

 

「カカシ先生!」

 

再不斬が死んで霧隠れの術が解けたのだろう。霧が晴れてこちらの様子がわかったらしいナルト達がやってくる。

 

「おっと、それでは僕は御暇させていただきます。それとこの死体は頂いていきますので。」

 

「その面・・・霧隠れの追い忍か。」

 

「ええ、そういうことです。では」

 

そう言うと少年は再不斬の死体を持って消えた。

 

「カカシ先生!何がどうなってるんだってばよ!?アイツは倒したのか?」

 

「いや、結局トドメを差したのはあの霧隠れの追い忍の子だよ。」

 

「追い忍?なんだってばそれ・・・」

 

「ま!歩きながら教えてやるよ。それより今は先を急がなきゃな。怪我もないようだし」

 

そう言うとカカシはリュックを拾って歩き始めてしまった。

 

「ま、待ってくれってばよーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

その後、カカシたちはタズナを届けた後も再不斬の襲撃を警戒しつつ修行していたが結局二週間何も起こらなかった。その間サクラが暇つぶしにサスケとナルトを相手に瞬身の術の修行をしていたらサスケの写輪眼が開眼していた。それでも目も脚もサクラにはついていけなかったが。ナルトはサクラに教えを請いに来たが、チャクラコントロールが下手くそだと意味が無いので断った。サスケに自分の瞬身の術と手裏剣の師の話をすると驚くと同時に納得していた。

そして15日目。ガトー死亡の報が届いた。どうやら傭兵にボウガンで胸を打たれて死亡したらしい。その時に金庫の金をまるごと盗まれたのだとか。

こうして波乱のあったCランク改めBランク改めAランク任務は呆気無く幕を閉じたのであった。

 

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