悦楽な人間の幻想放浪録【凍結中】   作:Des

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こんにちは、Desです。

遅くなってしまい、申し訳ありません。
年末が近づくにつれ、忙しくなってきました。(泣き)

今回は妖怪の賢者、八雲紫との会合です。
結構ここから、作者の独自設定(解釈)幻想郷が強くなってきます。
皆様から受け入れてもらえれるか心配です(ーー;)

では、人生is東方色!



最初の一言が中々しっくりしたものが思い浮かばない・・・




第1章 第9話 妖怪の賢者との会合

〇地霊殿 客室

 

●静海 視点

 

ウチはまた、ベットのお世話になっていた。

勇儀との戦闘の怪我が原因というわけではない。いや、それも原因の1つにはなる。

骨に少しのヒビ、内臓のダメージ、皮膚の表面の少しの火傷。勇儀との戦闘の怪我はこれらが主だ。

 

なら、何が原因というと・・・・

 

パルスィ「・・・・・・」

 

目の前で、椅子に座り借りてきた猫のように大人しいパルスィが原因だ。

何か、ズーーーンという効果音があっているような落ち込みようである。

 

静海「あー、パル?」

 

パルスィ「!?」

 

声を掛けただけで、肩が大きく上に上がる。ビクッ、という感じだ。

いつまでもこれでは調子が狂う。

 

静海「パル、ウチは気にしてないから、そんなに落ち込まないでいいよ?」

 

パルスィ「で、でも。私、あたなに怪我を・・・」

 

パルが言った通りにウチは怪我をしているが、これはパルの嫉妬の暴走が原因だろう。

それに怪我と言っても、何も死に直結しているわけではない。勇儀が庇ってくれたし。

 

ただ、アニメ・マンガでよくある片足、片腕を包帯で巻いて固定しているだけである。

見た目的に酷いように見えるが、これはウチが怪我を悪化させないようにとのさとりによる処置だ。解せぬ・・・

今回も鬼の秘薬で回復できるそうだ。

何回もそういっているのに、気にしているパルなのだ。

 

勇儀「ほら、静海もそういってるんだ。いつまでも気にしちゃ悪いだろ?」

 

部屋のソファの座って酒を楽しそうに飲んでいる勇儀。君も原因の1つだからな?分かっているの?

もちろん他の皆も部屋にいる。なんで?

 

さとり「静海さんの怪我を悪化させてはいけないとの判決がでましたので、部屋でささやかな祝勝会とのことです。」

 

こいし「旧都の居酒屋でもいいけど、絶対に皆から引っ張りだこになるしね。」

 

ヤマメ「怪我にひびいたらいけないから、ここで私達だけでやることにしたのさ。」

 

お空「うにゅ!早く元気になってね!」

 

お燐「料理も出前物だけど、結構いけるよ!」

 

キスメ「・・・・」(酒を普通の大きさの盃で飲んでいます。)

 

祝勝会といって良いのかは疑問である。ハンデありの勝負だったからな。

まあ、勇儀本人が良いって言ったからいいか・・・

 

静海「ほら、いつまでも落ち込んでいたら、ウチまで落ち込むからさ?」

 

こいし「お兄さんは落ち込まないでしょ?」

 

静海「心は意外と豊かよ?」

 

さとり「想像できません。」

 

さとりの言葉に全員が頷いた。そういう君も原因の1つだからな!嫉妬玉なんて教えないでよかったじゃん!

 

静海「失敬だな君たち!ウチだって普通の人間並みに感情あるわ!」

 

さとり「ええ~・・・・」

 

こいし「普通ぅ~・・・?」

 

まったく、失礼極まりない。

 

パルスィ「・・・フフ。」

 

お?パルが少し笑った。

 

静海「・・・やっぱさ、パルは笑っていた方がいいぞ?せっかくの美少女が台無しだからね?」

 

心から思ったことをパルに伝えた。

 

パル「・・・・・バカ。」

 

そう言いながら、照れたのか困った顔をしながらパルは笑っていた。

 

さとり「そうですよ、原因の大本はそこの人間ですよ?」

 

パルスィ「・・・それもそうね。」

 

パルが納得したような顔をしている。

・・・・・いや、そうかもしれないけどさ?

 

さとり「なら、責任でも取ったらどうですか?」

 

静海「ま、そこはウチの問題ということで・・・」

 

さとり「・・・・いいでしょう、今はですけど。」

 

心が読めるって便利だよね?ほんと。

 

勇儀「ほらほら、解決したのら飲もう!せっかくの宴だ!」

 

勇儀はウチとパルに酒を進勧めてくる。

小さいが宴会が始まるだろうな、と思っていた時だった。

 

???「あら?でしたら、私も混ぜてくださいな?」

 

突如、部屋に知らない女性の声が響いた。

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

ウチ以外の皆が声に反応したようだ。

勇儀やパルに至っては戦闘準備している。

 

さとり「・・・相変わらず、出てくるタイミングが掴めませんね。今回は何のようですか、八雲 紫?」

 

八雲?紫?謎の声の主か?

さとりが何もない部屋に話しかけると・・・

 

紫「では、言葉に甘えまして・・・」

 

いきなり空間に1本の線が現れた。両端に小さいリボンが付いている。そして、いきなり線を元に空間が裂けた。

まるで、閉じた目を開けたように見えた。裂目からは無数の瞳がこちらを見ていた。

いや、瞳だけではない。そには、

 

紫「私と私の式神も参加させて頂きますわ。」

 

紫色を強調した前垂れようなモノを白い服の上に着て、傘を片手に持っている人間とは思えない美貌の金髪の女性がいた。

その後ろには、同じような服装の女性が控えている。

 

なに、このあふれ出るラスボス感?

 

 

 

●さとり 視点

 

いつかは接触してくつとは思っていましたが、ここで来ますか。

八雲 紫、妖怪の賢者やスキマ妖怪と言われている幻想郷の創設者の1人。

 

胡散臭い、というより何を考えているか分からない。

しかし、彼女がこの幻想郷を愛しているのは、これまでの行いから確かのようだ。

幻想郷を脅かす存在は決して許さないでしょう。

 

パルスィ「一体何の用よ、妖怪の賢者?」

 

分かっているが一応念の為に訊くパルスィさん。

 

紫「ですから、私達もその祝勝会に参加させて貰いたいのです、橋姫さん。」

 

笑顔を絶やさないで返事を返してきました。

しかし、相変わらず心を読ませて貰えません。

おそらく、空間の境界を操って私が第3の眼で心を覗くのを防いでいるのでしょう。

 

私の能力も万能ではありません。相手を私自身で認識し、第3の眼を相手に向けて能力を発動しないといけません。

見えない相手に能力を使うことはできませんし、一度に大勢の心を覗けません。

空間を弄って、見えなく触れもしない壁を作っている感じでしょうか?

 

藍「覚り妖怪、心を読めなくて不安なのは分かっている。しかし、こちらには立場というものがある。簡単に心を読ませるわけにはいかない。気分を害していることを詫びる。」

 

そう言って頭を下げるのは、紫さんの式神の九尾の妖狐である八雲 藍さんだ。

どうしてあんな主に、こうも気遣いや礼儀をわきまえている人が式神となったものだと疑問になる。

 

さとり「いえ、こちらも自分自身の能力での癖とはいえ、出会い頭に失礼なことをしました。すみません。」

 

藍「そう言って貰い、こちらも助かる。」

 

ホントにしっかりした人だ。個人的にこの人は信用できる。

しかし、九尾の妖狐として分かるように実力もトップクラスであり、どういっても紫さんの式神に変わりない。

この人を連れて来たのは、おそらく兄さんの能力を警戒してのことだと分かる。

 

紫「もう、藍ったら。主人をほっといて勝手に話を進めないでちょうだいな・・・」

 

どこから出したか分からない扇子を口に当てている。

 

藍「では、しっかりと謝罪してください。」

 

紫「いいのよ、それが覚り妖怪なのでしょう?なら、別に気にすることはないわ。」

 

自分の式神に謝罪を要求されているが、これをのらりくらり躱していく。

これがあるので、ますます信用できないのだ。

だが、全ての妖怪の癖などを決して否定はしないのも事実である。

 

勇儀「宴会に参加したいのも嘘ではないが、それが主な理由じゃないのだろう?」

 

紫「まあ、鬼には私の心が読めるのでしょうか?すごいですわ。」

 

まるで、「私、ホントにビックリした」ような顔をしている。嘘臭い。

 

勇儀「あんたと問答を繰り返す気はない。正直に目的を言ったらどうだ?」

 

勇儀さん、思いっ切り態度に警戒の色が出ています。

気持ちは分かりますが、ここで暴れないでくださいね。

 

紫「そうですね。宴会の参加はオマケですし、先に目的を果たすことにしましょう。」

 

紫さんは扇子を閉じ、視線を兄さんに向けた。

 

紫「初めまして、別の世界からのお客様。私(わたくし)、妖怪の賢者と皆さんから呼ばれています。名前を八雲 紫と申します。以後、よろしくお願いいたします。」

 

両手を体の前に添え、綺麗に頭を下げた。

 

超、外出モード見たいです。

 

静海「ああ、これはご丁寧に。私は女子文 静海といいます。普通の人間をやってます。こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

誰ですかこの人?別人に見えます。

ほら、私以外の皆さんが目を点にしています。いや、パルスィさんは知ってるみたいですね。

 

紫「まあ、今どきの若者にしては礼儀正しいですね。感心いたしますわ。」

 

静海「そちらこそ、妖怪の賢者と言われましたが、名に恥じない対応の仕方です。」

 

紫「いやですわ、照れてしまいます。」

 

静海「いえいえ、お世辞ではありませんよ?それにすごくお綺麗でいらっしゃる。」

 

紫「本当にお上手ですこと。」

 

静海「そんなことはありません。」

 

・・・・なんでしょうか、このやりとり。

一見は爽やかに会話を楽しんでいるように見えますが、何か冷や汗が出ています。

お互いが相手の出方、様子を窺って、自分のことを覚らせないようにとしているようです。

 

しかし、兄さんの心は。

 

静海(おお!このやりとり面白い!外の世界じゃ出来なかった経験!紫って人も、なんだかんだで返してくれて面白い人だな。)

 

この様である。こけたくなります。

あと、自覚ありますか兄さん?この話の対応次第で今後の幻想郷暮らしに影響がでるかもしれないのですよ?

もっと危機感というか、相手を疑ってください。兄さんの将来が心配です。

 

紫「あ、そうですわ。どうか、いつもの様に話してくださって結構ですわ。」

 

静海「いいの?いやぁ、助かったよ。いつまでもあのしゃべり方は疲れるからね。」(しっかし、外見は好みなのにウチの年上お姉さんセンサーに引っかからないな。)

 

超、本気、で、将来が心配です。

 

静海「なら、そっちもいつもの感じでいいじゃないの?」

 

紫「・・・あら?何のことですの?」

 

静海「だって、いつもの様にってことは、こっちのことは見てたってことでしょう?ならそっちも遠慮はなしでいいじゃん。あんたも疲れることは嫌いだろ?」

 

紫「・・・・・」

 

兄さんの要求に紫さんは黙ってしまいました。

意外と話を聞いていることに驚いているのでしょうか。その気持ちは分かります。

 

紫「なら、お言葉に甘えさせてもらうわ。結構、頭の回転はいいのね?」

 

静海「いやー。学校の成績は下の方だったぞ?」

 

本音のようですね。しかし、それは兄さんが学校の勉強で赤点を取らない程度しかやってないからですよ?

でも、面白そうな授業は真剣にやってたみたいですね。

 

紫「なら、静海さんと呼ばせてもらいます。」

 

静海「そいならウチは紫って呼ばせてもらうよ。あと、後ろの人は?」

 

紫「あら、そういえば紹介してなかったわね、藍。」

 

藍「はい。紹介が遅れてすまない。私は八雲 藍。紫様の式神としてお傍にいる。よろしくお願いする。」

 

静海「ほい、こっちこそよろしくねん。」(めっちゃ、ドストライクやん。思わず、天女かと思った。)

 

今のところ問題は無いようです。・・・心なしか藍さんの尻尾が揺れたような気がしました。

あと兄さん自重してください、お願いします。

 

しかし、和んでいた空気が次の紫さんの一言で変わった。

 

紫「では、管理者として静海さんには謝罪をいたします。」

 

妖怪の賢者がいきなり静海さんに謝罪?

理由が見つからない。幻想郷に来たばかりの人間に妖怪の賢者が謝罪などないはずだ。

彼女は立場的に簡単に頭を下げはしない。

 

紫「幻想郷に来て早々、異変に繋がるかも知れないことにあなたを巻き込んでごめんなさい。そして、解決してくださったことに感謝します。」

 

静海「異変?」

 

紫「妖怪の狒々と戦ってくれたのでしょう?」

 

静海「ああ、あれか。」

 

確かに地上との関係に小さなヒビが入ったかもしれないが、今考えれば地上の妖怪や能力者の方々にとっては取るに足らないことだったといえる。

これは彼女も分かっているはずだ。しかも彼女からわざわざ謝罪などしないはずだ。

 

静海「あれはウチにも責任があるし、気にしないでいいじゃないの?」

 

兄さんの言うお通りです。

しかし、紫さんの言葉は止まらない。

 

紫「いえ。幻想郷の管理者として無視はできなかったです。本当は幻想郷の問題は幻想郷の者に解決させるのですが、まさか外来人のあなたが解決するとは思いませんでした。」

 

静海「結果的だろ?」

 

紫「それでもです。よって、謝罪と感謝、お礼を差し上げにまいりました。」

静海「お礼?」

 

紫「ええ。幻想郷の住人でもないあなたが異変を解決したことは大々的に広めるわけにはいけません。今は妖怪と人間の距離が絶妙な関係の時期です。そのお詫びといっては何ですが、何か願いがあれば1つ叶えて差し上げます。さっきも言いましたが、妖怪の賢者と呼ばれているのは伊達じゃありませんので、大抵のことは叶えて差し上げられます。」

 

何となく目的が分かりました。

地底での事件を利用して兄さんとの接触を計り、実際に会話をして人となりを感じる。

しかも、兄さんの事をしばらく伏せておくっと遠まわしに言っています。

兄さんのことが幻想郷中に知られれば、強者であれ弱者であれ関係を持ちに来るでしょう。

場合によっては戦闘になりかねません。外来人なので弾幕ごっこも基本的に適応されません。

力や幻想郷の知識を身に付ける期間は必要です。私に貸し1つと言ってるものです。

 

そして、お礼と称して兄さんの心の闇を引きずり出す。普通の人間ならどんな願いが叶うと言われたら、心が揺らぐものです。

どんな人間にも欲望は存在します。それは醜いモノです。私も実際に体験したので、分かります。

でも、兄さんは・・・

 

静海「別にない。」

 

こんな感じである。相変わらずで安心しました。

 

紫「べ、別にない?」

 

藍「・・・・・」

 

ほら、紫さんだけでなく藍さんでさえ、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしてます。

 

紫「で、でも。何か1つくらい欲しい物はないの?お金や地位とか?女でもいいのよ?」

 

紫さん、言葉使いが素になってます。

あと、パルスィさん達がそんなあなた達の反応に笑っていますよ?

 

静海「ん~。あ、なら1ついい?」

 

紫「いいのよ、ドンっと言ってみて。」

 

どうしてでしょうか?何か嫌な予感が止まりません。

パルスィさんは何かデジャブを感じるそうです。

 

静海「・・・・・」

 

藍「わ、私に何か?」

 

静海さんが藍さんの方を向きました。

藍さんもいつもの対応からは思えないほど、声が裏返っています。

周りも緊張して黙っています。(パルスィさんはジト目)

 

皆さんが見守っている中、兄さんは・・・

 

静海「藍さんが着ている服、貰っていいですか?」(マジ顔)

 

何てこと言ってきやがったです。

どうするのですか?周りの沈黙が別のものに変わりましたよ。

 

何も思わず、私とパルスィさん、こいしが兄さんの頭を叩いたのは悪くないはずです。

 

 

 

●紫 視点

 

私は幻想郷を愛している。

妖怪の最後の楽園でもあり、妖怪と人間の共存を目指す私の夢の場所でもある。

ここは何者も拒むことはない、素敵な楽園。

そうあって欲しい私の願望。

 

しかし、現状は上手くいかなかった。

妖怪とは人間が生み出した自然の恐ろしさの象徴でもあり、具現化でもある。

神も同じである。

自分の存在を人から認識されないと消えていく儚い存在。

実在のモデルが存在していたのなら消えはしないが、完全に人間たちから生まれた存在は忘れ去れると消えてしまう。

 

だから、妖怪は人を襲う。

自分の存在を確かのものとする為に。

人からの恐怖で自分の存在を高める。

 

神は人を救う。

自分の存在を広めてもらう為に。

人からの感謝や信仰で力を付け、人間に奇跡を与える。

 

そんな彼らだが、人間が知識を、技術を持つにつれ存在を忘れていった。

音の性質、光の特性、風が起こるメカニズム。

それらを解き明かしていき、恐れや信仰を消していった。

 

根強く残っている妖怪や宗教、神もあるが時間の問題だ。

 

そして、人は幻想になった彼らを受け入れてはくれない。

誰が自分達を脅かす存在を許すだろうか。

否定し、恐怖のあまりに手を払うだろう。

それはどんなに悲しいことなんだろう。

 

ただ、共にいたかった者もいるはずだ。

 

妖怪もそんな人間に興味を無くした。

ただ、自分の為のエサとしか思わなくなった者もいる。

そんな彼らの最後の楽園として私は幻想郷を作る決心をした。

 

長かった、世界の歴史を勉強した。

自分の存在の境界を操った。過去と現在の境界を操った。

そこから少しずつ人に追いやられた妖怪の受け入れから始まった。

 

まずは隠れ里としての勢力を固めないといけなかった。

そうしないと、人間や強い妖怪からの攻撃でなくなってしまう。

 

そこから色々なことがあった。

友人との出会い、自分の式となる者との出会い、月の隠れた存在の確認、人間の妖怪との戦争もあった。

長い年月が経った。

 

そして、私の知識が間違っていないなら大きな戦争が起こる時期に近づいた。

私は長年の準備にて、幻想郷を結界で囲み外の世界と分けた。

 

外のまだ見ぬ秘境がないという幻想を利用して、幻想郷の地を広げた。

何も幻想郷が外と完全に切り離したわけではない。

ある地点を境にして、陸続きだ。

ただ、その地点から次元をずらしたようなモノだ。

 

本格的に人間と妖怪の共存が始まった。

しかし、幻想郷にやってきた妖怪は皆、人間を恨んでいた。

外の世界と別れたことを切っ掛けに、人間を自らの下に置こうとした。

その時は私と当時の博麗の巫女を中心をした者達で、その騒動を治めた。

 

でも、力での支配など私は望んでいなかった。

人間は妖怪との距離を取った。

妖怪は人間から離れつつあった。

幻想郷を作った私が異変を解決しては駄目だ。

もっと、中立な存在が必要だった。

 

そんな時に1人の人間の赤子を拾った。

まだ、言葉もしゃべれないのに才能が溢れていた。

この子ならと期待をした。

 

その子が十分に成長をしたのを確認した後に、新たな博麗の巫女とした。

そして、巫女の提案により妖怪と人間の実力の差を大幅に削減する決闘方法が誕生した。

それが[弾幕ごっこ]だ。

外の世界でいう球当てスポーツのようなものである。

巫女が最初の幻想郷中に知られる異変を弾幕ごっこで解決したことを切っ掛けに、妖怪と人間の距離が縮まった。

異変を起こしたのが、例え人間であれ巫女は容赦しなかった。

 

だが、これも時間稼ぎの様なものだ。

いつかは幻想郷の人間も外と同じように知識や技術を身に付けるだろう。

これは決して避けては通れない。

外から来た神たちを利用して、技術革命を狙ってみたが神が起こす事といって幻想郷の人間は自分達とは別次元の話となっている。

一応、その神が起こした異変などで幾分解決したかのように見える。

 

弾幕ごっこも幻想郷に定着し、妖怪と人間の距離も絶妙になった。今の博麗の巫女に賭けて正解だった。

しかし、博麗の巫女が特別な存在となりつつあることが不安である。

中立な存在が人間と妖怪の間にいることが大切なのだが、どちらからも博麗の巫女なら仕方ないといった感じになっている。

これでは近づいた妖怪と人間の関係ももとに戻ってしまいかねない。

博麗の巫女としての教育が普通の人間としての感性を薄くしたようだ。自分から他人に関わろうとしない。

友人もいるが、これにも期待できない。

 

外の人間を攫ってきてはいるが、表立って騒ぎになって幻想郷の存在に気が付いたら大変なことになる。

よって、外に絶望し自殺している人間や、遭難した人間を連れてきている。

小さい希望だが、捨てるわけにはいかない希望だ。

しかし、連れてくる人間は幻想郷を否定する。そんな彼らは野垂れ死になり妖怪のエサになっている。

そんな妖怪を幻想郷の人間は恐れる。サイクルである。

 

まだ大丈夫だが、100年先はどうだかわからない。

もしかしたら人間と妖怪の戦争もあり得るのだ。

 

初めは、私の個人的な目的の為に作った幻想郷だが、今は大切な存在となっている。

様々は存在が暮らしている幻想郷を私の目的の為に終わらせる気はない。

出来ることなら長い時間、最後の楽園とされていきたい。

 

その為には、人間も妖怪も変わっていく必要がある。

人間は徐々にだが変化の兆しが見えている。

弾幕ごっこによる人間が妖怪に勝つことや、人里での妖怪とのやり取り、宗教戦争、変化に十分の出来事があった。

 

しかし、妖怪は違う。

古くから幻想郷にいた妖怪は人間を下に見る。

人間に追いやられた妖怪は人間を恨む。

これらの心を変えるには並大抵のことでは駄目だ。

幻想郷を外と分けたことにより、人間を喰らう必要は無くなった。

でも、種族的な問題は無視できない。

されを特例として許してしまえば、そこから亀裂が生まれる。

難しいものだ。

 

少しでも彼らの人間に対する認識を変えればいいのだ。

そこから新たな変化が幻想郷に生まれるだろう。

 

そんな変化をもたらしてくれる存在を私は探していた。

そして、そんな存在になるかもしれない人間が今目の前にいる。

 

幻想郷の、しかも旧都に来てなお絶望も狂いもしない。

しかも、妖怪と戦い勝利を得た。

今度は鬼との勝負もハンデありとはいえ勝利をした。

これによって、地底の妖怪の人間に対する認識に変化が生じるはずだ。

あとは、うまく人間が彼らと上手く関係を築ければ希望が見える。

私とも臆せずに話せていることも評価できる。

 

だが、所詮は人間。例え別の世界といっても、外の世界からの外来人である。

外の世界は、化学が進歩しているが、同じく人間の心の闇も深くなっている。

肉親を理由もなく殺し、他人を罵り、陥れる。これたが頻繁に起こっているのだ。

その欲望も果てしない。

だから、私は狒々が起こした異変とは言えない事件を利用して、人間の闇を知ろうとした。

 

どんな人間も醜い欲望はあるはずだ。

それを見極めなければばらない。

幻想郷に悪影響を与えかねないのならば、処置も検討していた。

そのはずだったのだが、その人間は現在・・・・・

 

パルスィ「あ・な・た・は!何私と同じようなことを他の女の人に聞いているのよ!?」

 

さとり「まったくです。いくら自分の好みの女性からと言って初対面ですよ?もっと、しっかりしてください。」

 

こいし「ねぇ、お兄さん。やっぱり色々大きい方がお兄さんはいいのかな?カナ?」

 

3人の地底の妖怪に頭を叩かれ、説教を受けている。

突然の状況に思考が止まっていた。

藍も同じように固まっている。

 

勇義「やっぱ静海は面白いな!」

 

ヤマメ「いい酒のツマミになるね!」

 

お空「にゅ?静海は服が欲しいの?なら私のあげれば喜ぶかな?」

 

お燐「お止め!そんな、はしたないことはしちゃいけません!」

 

キスメ「・・・・」(ヤレヤレ)

 

部屋にいた他の妖怪達は慣れた光景のような反応をしていた。

 

静海「ちょっ、待てって!別に邪な気持ちは無くてだな、ウチの能力に相性が良さそうで。」

 

さとり「でも、藍さんのことは好み真ん中ですよね?」

 

パルスィ「・・・・・」

 

静海「さとりはウチのこと嫌いなん!?あとパル、何でまた落ち込んでんの!?」

 

こいし「大丈夫だよ、パルスィもお兄さんの好みに入っているから・・・(ボソ)」

 

パルスィ「!?」

 

静海「今度は顔が真赤になった!?」

 

博麗の巫女でもある、博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)のところにも妖怪や人間がやってくるが、こんなに賑やかな光景はない。

霊夢がお茶を啜り、魔法使いが妖怪達と騒いでいるのを見ているくらいだ。

自分から輪に入って行こうとはしない。

でも、人間と妖怪が1つの場所にいるのだ。それなのに、そこには和んだ空気がある。

私は、そんなところを見てるのが好きなのだ。

 

今、目の前で起こっているのはそんな和んだ空気とは少し違う感じがした。

表現がうまく出来ないが、この空気も悪くない。そう感じていた。

藍も同じなようで、顔が笑みを浮かべている。

 

この人間はこの幻想郷にどんな変化をもたらしてくれるか、期待している私がいた。

これからこの人間にどこに行って貰うか、計画を練る必要がある。

しかし、まずは・・・

 

紫「自分の式に魅力を感じてくれて嬉しいけど、まずはお友達からでないと交友関係は持たせません!」

 

藍「紫様!?」

 

静海「なら、まずはお友達から始めましょう!」

 

藍「え!?ええと、その・・・」

 

さとり「静海さんも紫さんの悪乗りに乗らないでください。収拾できなくなります。」

 

人間に向かい悪乗りをして、人間がそれに即座に返してきて、藍が困った顔をして、覚り妖怪がそれを止める。

 

この面白い空気を楽しみましょう!!

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

ゆかりんの幻想郷に対する思いを書いてみました。
どうだったでしょうか?

ゆかりんを、少しでも魅力的に感じてもらえるように頑張っていきたいです。
今後、書くのが難しいキャラの1人になりそうです。(-_-;)

次回は静海の今後の幻想郷での生活について皆に相談する回となりそうです。
可愛い藍様と姉勇儀を書ければいいなぁ・・・・(゜o゜)

では、また次回!ノシ



速めに投稿できるようにかんばりまぁすぅ・・・・・


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