大変遅れてすみません。
今回から2話は日常と修行を短編形式で書かせてもらいます。
その後は考え付いた自分的に面白い事やってみますので、お楽しみに!
では、東方サイコー!!
━☆使い慣れた物が良い☆━━━━━
八雲 紫が訪れた後に静海の祝勝会を行った面々だったが、鬼の酒を飲んでしまいノックダウンしてしまった静海に気を遣い、静海をベットに移動させ各々帰って行った。鬼の酒は人間が作った酒よりはるかに美味であり、呑兵衛や妖怪であれば1度は飲んでみたいものだが酒の強さに最後まで気を保っていた者は中々いない。そんな酒を、外の世界では酒に少し強いくらいの静海が耐えられるわけはなかった。コップ1杯で倒れてしまった。その時にさとりとパルスィがとても混乱したのは当然だった。ちなみに、鬼の酒を飲めるのは部屋にいたメンツでは、ヤマメ、勇儀、キスメの3人だけである。
そんな事情があり、静海は只今絶賛就寝中である。しかし、ここで補足しておくが静海は日常で決めていて、起きる時間にはちゃんと目が覚める人間である。よって、二日酔いであろうが無慈悲に体は起きてしまうのであった。
静海「あー、頭痛いぃー・・・」
どうやら、鬼の酒によって頭痛がひどい様だ。目を覚ましたが、ベットから起き上がれないでいた。
静海「なんだったんだ、あの酒は・・・」
酔っていようが記憶はあったようだ。
静海「これは流石に起きられないな。しばらく寝ておくか・・・」
そう言って、再び眠りに就こうとした時だ、中々眠りに就こうとしたが出来ないようだ。
静海「しばらく暮らして慣れたと思ったけど、やっぱいつもの布団と枕が恋しいなぁ。」
ここでまた補足するが、静海は枕が変われば眠りにくい人間のようだ。元の世界で暮らしていたマンションでも、ベットはあるが眠り難いということで、実家から自分の布団と枕を持ってきたほどだ。
その枕も実は、何回も店を回って買ったお気に入りの物であった。決して高価で良質な物ではなかったが、静海は安くて自分に合った物を見つけるのが面白くて好きだったりする。そんなわけで今使っている枕では十分な休息は取れなかったりしたのである。
静海「あぁぁ、パルかさとりに頼んで地底の店を紹介して貰おうかねー。」
地底でも自分に合った物を探しに行くみたいだ。沈んでいく意識の中で静海は前使っていた枕や布団、毛布の感触を思い出していた。
静海「あぁと、枕はもう少し高くて弾力があって、布団もあと少し薄い感じで身長より大きくて・・・」
目を閉じ、自分の記憶を口に出し、虚ろの意識の中で思い出していた。あまりに気分が悪かったのだろう、自分がほんのりした光に包まれていることに気が付かずにいた。
静海「・・・あぁぁ。そうそう、こんな感じだったよう・・な・・・」
光に包まれながら静海はそう言うと、完全に眠りに就いた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ここは地霊殿の廊下である。そこには、地霊殿の主のさとり、客人のパルスィが並んで歩いていた。どうやら、中々起きてこない静海の様子を見に行っているようだ。
パルスィ「もうすぐお昼なのに、まだ起きてこないなんて。」
さとり「体は普通の人間の静海さんが鬼の酒を飲んだのです。おそらく初めてだったでしょうから、無理はさせられませんよ。」
静海の心配をしながら、2人は静海が泊まっている部屋の前に着いた。
コンコン
さとり「静海さん、起きていますか?」
さとりがドアをノックしたが返事はなかった。返事が返ってこないことを確認し、2人は部屋に入ってきた。
パルスィ「まだ、寝ているみたいね。」
さとり「そうですね。」
部屋に入り、静海が寝ているベットに近づき寝ている静海を見た。
パルスィ(こうやって眠っているだけなら、結構かわいい寝顔しているわね・・・・)
さとり「・・・・・?」
パルスィは寝ている静海の顔を覗き思いに耽っていたが、さとりが何かに気が付いたように顔を傾げた。
パルスィ「?どうしたの?」
それにパルスィは気づき、さとりに聞いてきた。
さとり「いえ、このベットここまで使い込まれた形跡はなかったはずだなっと・・・」
パルスィ「ベット?」
さとりの話を聞いて、パルスィは視線をベットに移す。
パルスィ「・・・確かに、私が泊まっている部屋のに比べたら、あちこちに使い込まれた汚れみたいなモノがあるわね。色も若干落ちている様にも見えるわ。でも、このベットが元々こんな感じだったってことはないの?」
パルスィが言った通りに静海が眠っているベットは、少なくとも2、3年以上は使われた様な汚れや形の変形が見られる。しかし、それらは元からあったモノではないかと、さとりに聞くが、
さとり「いえ、それはありえません。客室のベットはペットたちが掃除、洗濯をしています。それに、この部屋は長年使われてませんでした。ここまでの形跡はなかったはずです。」
それを全否定である。
パルスィ「じゃ、誰かがベットを換えたとか?」
さとり「紫さんならやりかねないですが、理由もありませんし、まだ10日経っていません。」
パルスィ「それじゃ・・・」
2人があれこれと憶測を言い合っていた時だった。
静海「・・・んあぁ?・・・・寝過ぎたか?・・・」
静海が静に目を開き、上半身を起こしてきた。まだ眠たそうに片目を擦っている。
パルスィ「あ、ごめんなさい。五月蠅かったかしら?」
心配いしたパルスィが静海に聞いたが、静海はそれほど気にしてないと首を横に振りながら返事を返した。
静海「しっかし、よく休めたな。体が軽いし、頭痛も酷くない。まるで、前のウチの部屋で寝起きしたみたいだー。」
さとり「・・・なるほど。」
背伸びしながら呟いた静海の言葉にさとりが何か気づいたようだ。納得した顔をしていた。
パルスィ「何か分かったの?」
さとり「ええ、どうやら静海さんの能力のせいでしょう。」
静海「?ウチの?何が?」
静海はいまいち分かっていない顔をしていた。
パルスィ「静海さんが使っているベットよ。」
静海「ベット?」
パルスィの指摘で静海は自分が眠っていたベットを見た。
静海「ん?何か妙に体にジャストヒットしているな?」
ベットが自分の体に馴染んでいることに気付いたようだ。ベットのあちこちを触って感触を感じている。
さとり「静海さん聞いていいですか?」
静海「ん?別にいいけど?」
ベットを触っている静海にさとりが気づいたことを訊いてきた。
さとり「静海さん、自分がいた世界の自分の部屋のベットについて考えませんでしたか?」
静海「・・・あー、確かに考えたね。眠ろうとした時にだ。ウチが使っていた布団や枕について考えたな。」
さとり「それが原因です。」
パルスィ「・・・なるほど。何となく分かってきたわ。」
静海の回答にさとりが確信した顔をし、パルスィは納得した顔をした。
静海「どういうこと?」
さとり「つまり、静海さんが使っていた寝具の感覚を能力でそのベットに具現化させたというところでしょう。」
静海「なんですと?」
さとりの言葉に自分が知らずに能力を使っていた事に驚いていた。それを確認するように、ベットの匂いを嗅いだ。
静海「スンスン・・・・確かに匂いも感触も前に使っていた布団にちかい、っていうか匂いならそのままだ。」
パルスィ「だから、リラックスできたのね。」
さとり「そうでしょう。物が再現できる限界まで自動的に能力が発動したのでしょう。」
静海「なるほど、前は壊れた双眼鏡を直しただけだったけど、こんな使い方もありなのか・・・」
さとりの推測に静海も納得したようだ。自分の能力の新たな可能性にワクワクした顔をしていた。眠気は一気に覚めたようだ。
パルスィ「・・・・」
さとり「・・・・」
パルスィがジッと静海が眠っていたベットを見つめていた。心ここに有らずといった感じだ。さとりはそんなパルスィに向けて第3の眼を向けていた。
パルスィ「・・・・・」
さとり「・・なんなら匂いを嗅いでみるついでに、ベットの中に入ってみますか?」 ボソボソ
パルスィ「!?な、な、な!」
パルスィの心を覗いたさとりが静海に聞こえないようにパルスィに耳打ちをした。するとパルスィは見る見るうちに顔が真赤になった。
パルスィ「そんなこと、出来るわけないじゃにゃいっ!!」
さとり「・・・噛んでますよ。」
パルスィ「!?」
パルスィは恥ずかしさのあまりに、黙って俯いてしまった。
静海「おーい、パルどうした?」
パルスィ「なんでもないのよ!ええ、なんでもないの!」
静海「お、おう・・・」
突如大声を出したパルスィを心配し、静海が声を掛けたがそれも大声で返されてしまい、静海は面食らった顔をした。そんな2人を見ていたさとりは、
さとり「この2人の関係は進展するのでしょうか・・・」
分かりもしない未来について心配する言葉を呟いたのだった。
━☆初めての旧都へお出かけ☆━━━━━━
足と腕の包帯が取れた静海は、いい機会だということで旧都を見て回りたいとパルスィたちに話したところ、1人だけでは駄目ということでパルスィが同行することになった。同行する際、さとりにからかわれたのは言うまでもない。
時間からして、お昼を過ぎた頃だと推測される。まだ、太陽が旧都を照らしていた。お空の能力と河童の技術で作られた人工太陽なのだろう。でも、それほど眩しいわけでも、熱いわけでもない。そう思いながら、上を見上げながら静海は歩いていた。隣りにはパルスィが並んでいた。顔はにやけ顔を表に出さないようにしているが、口元が吊り上っていた。
「おう、人間!姐さんとの勝負見てたぜ!」
「ああ、いい見世物だった!」
「今度、集まって飲もうぜ!」
「俺とも勝負しようや!」
そんな2人に、旧都の妖怪たちが話しかけてくる。内容は様々だった。だが、静海を罵倒する内容な一切なかった。あんなに堂々と鬼と戦った度胸ある人間を罵倒する気は彼らにはないようだ。
静海「ありがとう!機会があったら集まるのもいいね!勝負はとりあえず、さとりとパルの許可を取って頂戴。」
そんな彼らの言葉に、静海は元気よく返事をしていく。パルスィはそんな静海を笑顔で見守っていた。ちなみに、その時のパルスィの笑顔を見て何人かの妖怪たちが悶えたそうな。
・・約40分後・・・・・・・・・・・
パルスィ「どう、ざっとお店を紹介して見せたけど?」
旧都の生活に必要な物が一通り揃えられる店をパルスィが案内し、静海に感想を訊いてきた。
静海「いやぁ、正直言って見直した。明治の水準がどれほどかは知らないけど、下着は普通にあったし、店は少なかったけど、現在にちかいデザインの服を取り扱ったのもあった。店の種類やデザインも少し昔風だけで、電化製品がない感じだし。生活するだけなら、あまり困らないね。」
静海は正直に感想を言った。明治から技術が進んでいない事から、買い物などは不便しそうだと思っていた様だ。パルスィから店を紹介される度に驚いていた。
パルスィ「よかったわ。電化製品って、電気で動く絡繰りよね?それなら河童が開く店しか取り扱ってないわ。店の種類も地上とのやり取りで、新しく取り入れ始めたのよ。」
静海「地上との?」
パルスィ「ええ、外から来た神と人間がいて、彼女たちが先頭だって人里であまり幻想郷に影響を出さないような店を紹介して、実際に店を出させているの。ちょっとお洒落な露店や河童との合同で開発した太陽の光を利用した夜に光る街灯なんかも提案したの。下着も外のデザインは幻想郷の女性に人気が高いのよ。あっという間に、幻想郷中に広まったわ。人里の皆からは感謝されているみたいよ。」
静海「外からか・・・これは実際に人里に行ってみないとなー。面白そうな光景が見られそうだし。」
パルスィ「・・・・・」
静海が地上に行きたがっている顔を見て、パルスィは複雑そうな顔をした。地上に行ってしまえば、ここへはあまり帰ってこないのではないかと不安がっているようだ。
パルスィ(大丈夫よ、静海さんはそんな薄情な人間じゃないわ・・・でも、静海さんの決まった活動拠点がないのもたしか。静海さんには地底だけで人生を終わって欲しくない。この人にはもっとのびのびと人生を楽しんでほしい。私の事はその人生の中で、忘れられない友人として残ってくれるなら、そんなに嬉しいことはないわ。)
なんとも健気な感情を胸に秘めていた。
静海「そういえばパルの家に遊びに行く約束どうする?」
感傷に浸っていたパルスィに静海は思い出したように訊いてきた。
パルスィ「・・・え?」
静海の質問にパルスィは数秒遅れて反応した。
静海「いや、前に言ったパルの家だよ。妖怪が住んでいる家って、地霊殿以外じゃ初めてになるから楽しみなんだぞ?」
パルスィ「そ、そんなに面白いモノはないわよ。私、元は人間なのよ。」
静海「んなこと言ってもさ、そこらへんあまり実感ないから普通に友達感覚でいたんだけどな。」
パルスィ「あ、ありがとう。そう言って貰えて嬉しいわ。」
パルスィは静海の友達宣告に嬉したような、ガッカリしたような感情を覚えた。でも、長く、久しく、友を家に自分から招いたことがないパルスィにとっては、とても嬉しい言葉でもあった。
パルスィ「い、家のことだけど。その、と、友達を招くのはすごく久しぶりだから、心の準備が出来るまでちょっと待ってて貰える?」
恥かしいのか、ほんのり頬を紅くしてパルスィは静海に返答した。
静海「ま、女の子なら、急に行っても失礼だろうからね。いいよ、パルが呼ぶまで待ってるよ。」
静海もまだ家に気軽に行く仲になっていないのに、無理矢理行っては失礼だと思い、これを承諾。
パルスィ「・・・ごめんなさい。でも、きっと呼ぶから。」
パルスィは静海の承諾に心を少し痛めたが、それ以上に女の子扱いされたことに内心喜んでいた。それから、2人はしばらく旧都を歩き地霊殿に帰って行った。
ちなみに、いつまでも経っても心の準備が出来なく、家に招くことが出来ないパルスィにさとりがキレ、静海と一緒に突然の訪問を行ったそうだ。その時のパルスィの混乱は酷かったのは、また別の話である。
━☆鬼の贈り物☆━━━━━━━━━
勇儀「静海ー!いるかーー!」
静海の部屋で覚り姉妹とパルスィから幻想郷の事を聞いていた時だった。屋敷の外からでも聞こえる大声で勇儀が静海を呼んでいた。
こいし「お?勇義だ。何の用かな?」
さとり「分かりません。誰か勇儀さんと用事の約束でもありましたか?」
さとりの疑問に皆は首を横に振った。どうやら、突然の訪問のようだ。
パルスィ「もう、まだ勉強始まってすぐじゃない。」
こいし「でも、早く行かなくっちゃ勇儀がここまで来ちゃうよ?」
さとり「そうですね。以前のように壁や扉を壊されたら、たまりませんので一旦ここで区切りましょう。」
静海「じゃ、後で再開ということで、勇儀のとこに行こうか。」
静海の言葉を聞いて、皆は頷き玄関に向かいだした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
勇儀「お?来たね。」
勇儀は地霊殿の玄関前まで何やら荷車を引いて来たようだ。木製の荷車に腰かけ、酒を飲みながら静海達を待っていた。そして、扉が開く音を聞いて酒を飲むのを止め、静海達を出迎えた。
静海「よっ!勇儀、どうしたの?いきなり来て。」
静海は片手を挙げ、挨拶をしながら勇儀に近寄って行った。さとり達も後に続いていた。
勇儀「いやね、選ぶのに時間かかって遅くなったけど、贈り物さ!」
静海「贈り物?」
贈り物と言われ、静海たちは勇儀の後ろにあった荷車に注目した。
パルスィ「贈り物って、まさか勇儀の?」
何か心当たりがあるようで、パルスィが勇儀に訊いてきた。
勇儀「そうさ!人間が鬼との勝負に勝ったのさ!だったら、しきたりとしてこれは忘れちゃいけないだろう?」
静海「しきたり?」
静海はいまいち、ついてこれなくでいた。
勇儀「鬼退治に財宝は付き物ってことさ!」
静海「財宝?」
パルスィ「よくある話よ。鬼退治のおとぎ話で英雄が宝を手に入れる。そんなところよ。」
状況を理解していない静海にパルスィがフォローした。
静海「退治、ね・・・・・」
静海はパルスィの補足に納得していないようだ。そんな静海を見て勇義は苦笑したが、すぐに真面目な顔で語りだした。
勇儀「静海、お前が何を考えているかは分かる。ハンデありの勝負に勝っての褒美に納得しないのは、戦った私が一番分かっている。でも、勝負に勝ったことは事実であり、鬼である私はそれを否定しない。それを誇りに思っている。私と戦える可能性がある人間に出会えたことがとても嬉しいんだ。なら、私の気持ちを汲んで受け取ってくれ。財宝を受け取って貰えないのら、私は恥さらしとなる。そんなカッコ悪いのは、あんたも嫌だろ?」
静海は勇儀の顔と言葉を聞いて、勇儀の覚悟を受け止めることに決めた。
静海「・・・分かった。でも、財宝は1つでいい。それ以上はハンデなしの勝負に勝って貰うとする。これ以上は譲れない。」
勇儀「・・・ああ。それでいい。ありがとうな、鬼である私の我儘に付き合ってくれて。」
静海の返事に満足いった顔をした勇儀は荷車に静海を案内した。案内された荷車には、着物、刀、鎧、大判小判、様々な財宝が積まれていた。
静海「!?・・・」
静海が積まれてある宝の1つ、刀を見た瞬間、悲しみや後悔が混じった表情をした。
さとり「・・・・・」
勇儀「・・・・・」
それに気が付いたのは、静海と対面していた勇儀と後から静海を見て心を読んださとりだけだった。
さとり「・・・これはどれも最上級と言ってもいい物ばかりです。1つでも外の世界で売ればかなりの額になるでしょう。勇儀さん、奮発しましたね。」
さとりが積まれた財宝を見て、自分の知識にある価値で財宝の鑑定を頭の中でおこない結果を静海に話した。
静海「・・・・正直、分からん。」
だが、静海には財宝の価値など分かっていなかった。さとりの言葉もなんとなく理解したみたいだ。
勇儀「どれでもいいんだよ。自分がこれと思った物を持っていきな。」
静海「うーん。正直、今はお宝より欲しい物があるんだけどな・・・」
勇儀「ん?なんだ、欲しい物あるのか?あるなら、お姉さんに言ってみな、ほら。」
どうやら静海は目の前にある財宝に興味なく、別に欲しい物があったようだ。静海の言葉に勇義は即座に反応し、欲しい物を訊いた。
静海「重り。」
パルスィ「重り?」
静海「そう、能力で具現化できる技を増やすためにも日常から筋力を鍛える必要があるからね。金銀財宝より、そっちのほうが今は価値がある。」
どうやら、本格的に修行を開始するようだ。そのために自分の素の筋力を上げる為に重りが必要みたいだ。
こいし「やっぱりお兄さん普通じゃないよね?目の前にお宝があるのに、いるのが重りって・・・」
さとり「そこが静海さんの良いところです。ね?パルスィさん。」
パルスィ「・・・なんで私に聞くのよ?」
さとり「深い意味はありません。」
勇儀「重りか・・・・」
静海のことについてパルスィたちが話しているうちに、勇義は何かを考えているようだ。
静海「何か当てでもあるの?」
勇儀「ああ、昔の同僚が修行にうってつけの重りを使っていたはずだから、借りてくる。それでいいか?」
静海「助かる。同僚っていうとその人も鬼か?」
勇儀「そうさ。説教くさくて鬼とは思えないほどの真面目な奴だ。いつも修行、修行ってさ。」
静海「いいのか?それなら、その人に必要な物じゃないのか?」
勇儀「大丈夫だ。事情を話せば貸してくれるさ。」
静海「・・・なら、ありがたく頂戴するよ。」
勇儀「もちろんいいさ。まだ若い者が遠慮すんな。」
どうやら、重りは勇儀に心当たりがあるようなので、静海はそれを頼った。勇義からの勝利への贈り物は重りと決まった。だが、勇儀は心の中では納得できなかった。
勇儀(正直、重りだけってのも考え物だ。幻想郷にいる間は金に困らないようにするつもりだったんだがな。)
本当は荷車にある財宝すべてを静海に渡す予定だったみたいだ。その財宝だけで静海どころか、何代の後の子孫たちまで金に不自由なく暮らせる金額があったのは秘密だ。
勇義(でもなー、財宝は1つって約束しちまったしな。どうにかして受け取って貰えないか・・・)
さとり「・・・・・」
悩んでいる勇義をさとりはじっと見ていた。
━☆密談①☆━━━━━━━━━
ここは地霊殿のとある部屋。まだ、静海にも案内していないこの部屋には4人の人影があった。
さとり「では、第1回 静海さんの今後について考えよう会を始めたいと思います。」
こいし「わぁーい!ドンドン、パフパフ!」 パチパチ
4人の内2人は地霊殿の主でもある古明地シスターズ。さとりは丸い机に両肘を置き、両手を顔の前で組んでいた。言えば、〇ヴぁの司令官ポーズである。こいしは、そんな姉の発言に拍手しながら効果音を口でだしていた。
勇儀「こんな部屋があったのか、知らなかったな。」
パルスィ「どうやら、さとりの秘密部屋みたいよ。話に聞いていただけで、私も初めて来たもの。」
初めて訪れた部屋に興味を抱く、勇儀とパルスィ。この4人が普通より狭い正方形の部屋の中心にある丸い机と椅子に腰かけていた。ちなみに明かりは豆電球である。
さとり「ここは普段私が趣味で書いている小説を集中して書くとき以外は使いません。今日は同志となる皆様に相談があって集まってもらいました。」
こいし「相談?」
さとりの言葉にこいしだけでなく、他の2人も首を傾げていた。
さとり「そうです。ここにいる人が皆静海さんの事をとても気に入っているのは、皆さんは分かっているはずです。そこで、将来が心配な静海さんのかわりに大まかな今後の予定をたてていき、蔭ながら支えていこう、ていうのがこの会の目的となります。」
パルスィ「なるほど、そういうことなら協力するわ。静海さんが危なっかしいのは事実だもの。」
こいし「私もー!お兄さんは人間だからね。私たちがフォローしないと!」
勇儀「確かに。力を付けたとしてもどんな騒動に巻き込まれるか分かったモノじゃないしな。」
さとりのこの集まりの解説を行い、皆がそれに同意し、頷きあっている。
さとり「勇儀さんは自分の胸に手を当てて、反省してください。では、今回の議題はこちらとなります。2人とも持ってきて頂戴!」
ペット2人「はい!さとり様!」
さとり部屋の外でスタンバイしていた、お空とお燐に合図を送り、2人がホワイトボードを引きながら持ってきた。
勇儀「なんだこの白い板?」
こいし「よく河童が使っている黒板の白い版みたいだよ。」
パルスィ「この為だけに借りてきたの?」
さとり「シャッラップ!今はこの議題に集中してください。」 バンっ!
さとりがホワイトボードを片手で叩いて、書かれていた議題に皆の意識を向けさせた。そこの書かれていたのは、
パルスィ「え~と、『静海さんの幻想郷における活動拠点と仕事について』・・・活動拠点は分かるけど、仕事?」
パルスィの疑問はここにいる皆の疑問でもあった。
さとり「静海さんの所持金は1万と少しなのは、皆さん知っています。しかし、勇儀さんからの財宝も自分では使う気はないので、幻想郷で暮らしていくためにも地上での仕事を探すべきです。」
さとりの言葉に皆はなるほど、といった顔をした。しかし、その言葉の中に矛盾を感じたのか、勇儀が抗議した。
勇儀「ん?ちょっと待てさとり。確かに私は静海に財宝を褒美として渡したが、それは華扇の奴から貰ってくる重りでいいからって断られたぞ?」
さとり「はい、そうですが、静海さんは言いました、
パルスィ「だから、それは重りで話がついているでしょ?」
さとり「いえ、皆さん考えください。財宝とは多くの財の集まりであると。そして、勇儀さんは静海さんにあの財宝1つを用意したのです。最後に静海さんは『財宝は1つ』と断言しました。つまり・・・」
さとりの言葉に部屋にいた皆が何かに気が付いたように顔を上げた。
さとり「気が付いたようですね。そう、それは静海さんの為に用意した勇儀さんにとっての財宝1つを静海さんは受け取ったことになるのです!」
ババーーン!っという効果音が似合うように、さとりは慎ましやかな胸を張り、ドヤ顔を決めた。さとりの断言した言葉に皆が立ち上がり反応した。
皆「な、なんだってーー!!」
部屋に大声が響いた。
パルスィ「た、確かにそういう感じに解釈できないことはないけど、無理矢理すぎじゃない?」
さとり「大丈夫です。全部ウソではありません。」
勇儀「じゃ、用意した財宝は静海の物として私たちは扱えるということか?」
さとり「イッツ、ザクトリー。」
勇儀「どういう意味だ?」 さとり「・・・その通りです。」(少し赤面しています。)
こいし&ペットズ「さすが、お姉ちゃん(さとり様)、そんなところに痺れる憧れる~!」
※さとりにカンペを渡されています。
さとり「当然です。」
さとりの財宝に関する話で皆は納得の顔をした。どうやら、財宝は静海が知らない所で自分たちが管理することになったようだ。使い方も自分たちで静海の為にとのことだ。
さとり「しかし、その財を表だって使うことはないでしょう。よって、静海さんが自分で稼ぐことを考えないといけません。そこで、各々が静海さんでも出来る仕事を後日に考えて来てください。またこの場所で話し合いましょう。」
さとりの静海の仕事に関する考えに皆は同意したようだ。皆であーだ、こーだと言い合っている。
さとり「仕事に関してはここまでにします。次は活動拠点についてです。」
その議題に真っ先に答えたのはパルスィだった。
パルスィ「それは静海さんが使っている部屋でいいんじゃないの?」
それは当然の答えだった。静海が幻想郷に来てすでに2週間目に入っていたのだ。それまでは、今までどおりに地霊殿で使われている部屋が静海の拠点になっていた。
さとり「今はいいかもしれませんが、将来的にそれでいいのですか、パルスィさん?」
パルスィ「?何で私に聞くのよ?」
こいし「分かっていないな~パルスィは。いい?今どきマイホームを持っていない男ってどうなの?」
さとり「こいしの言うとおりです。将来的の家庭を考えると今までは不自由となるでしょう。」
パルスィ「か、家庭・・・・」
家庭という言葉にパルスィが反応した。具体的に言えば何か(人生ゴールイン)を考えています。子供は何人?家の大きさは?ペットは?そこにはもちろん、
こいし「そう、それは直球に言えば夫婦の夜のにゃn、むぐっ!」
さとり「そこまでです、こいし。パルスィさんにはそれはまだ早すぎます。」
こいしの口をさとりが後ろから塞ぎ、さとりはパルスィを見た。そこには、
パルスィ「よ、よよよよ、夜の、に、に、ににににn・・・」
お空「えーと、それってつまりたまg・・うにゅっ!!」
お燐「だまらっしゃい!空気をよんでおくれ!」←お空の口を両手で塞いでいます。
顔を真赤にして、壊れたラジオのように言葉を連呼するパルスィがいた。今のパルスィに話しても耳に届かないのが分かったさとりは、パルスィが再起動するまで待たずに話を続けた。
さとり「そこで、先ほどの静海さんの財の話になるのです、勇儀さん。」
勇儀「ああ、そこまで言えば分かる。つまり、静海の家を建てるのにその財を使いたいっと、だろ?」
さとり「はい。静海さんの能力を頼らずに、幻想郷の皆で建てることに意味があります。家具にもこだわりましょう。」
勇儀「そうりゃいい!こっちは財宝を受け取って貰えないことに頭抱えていたんだ。鬼として全力で建築に取り掛かろうか!」
お空「私も手伝います、さとり様!」
お燐「私も!」
勇儀の返事に部屋にいる皆もやる気になっているようだ。
こいし「でも、お兄さんがどんな家がいいかなんて知らないけど大丈夫?」
さとり「そこは、私が話を持ちかけ能力で見ますでの大丈夫です。」
こいし「なら、問題解決!」
さとり「では、さっそく明日から静海さんに覚られずに実行しましょう。実はヤマメさんとキスメには既に動いてもらっています。」
勇儀「おおっと、出遅れたのか。これは益々張り切らないといけないな!酒がすすむぞ!!」
勇儀の言葉を最後に、集まりを解散し各々帰って行った。残ったのはさとりと固まっているパルスィだけである。
さとり「まずは、パルスィさんを起こして静海さんにこちらの動きを読まれないように、付っきりになってもらいましょう。それで静海さんに対する耐性を付けさせましょう。」
固まっているパルスィに足を進めながら、さとりは今後のスケジュールを考えていた。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
まずは、更新が自分でも遅いと思うほど遅れました。それについて謝罪します。申し訳ありませんでした。
言い訳ではありませんが、もう年末でリアルが忙しく、投稿するひまがありません。
もしかしたら、来年に次回を投稿するかもしれません。ご了承ください。
今回の話はどうでしたか?地底編が終わればしばらく地底組に出番がないので、皆をどんどん活躍?させていく予定です。
名前だけなら、華扇は登場しましたw。にとりや優曇華は登場するかもしれません。
静海の家をどんなデザインにするか悩んでいます。
そして、この小説での超キャラ崩壊の餌食になるのは紅魔館になりそうですw。主にギャグメインになるかもしれません。(思いついちゃったんだもん。)
では、次回は修行編となりその次は考えていたことを試してみます。今から楽しみになります。
もちろん、ご意見・ご感想・誤字・脱字は受付ています。
ではでは、また次回に会いましょう!
バイバ~イ! ノシ