遅くなりました。
新しくポケモンと東方のクロスオーバーの2作目の投稿とイラストに時間がかかり、こっちが疎かになりました。
少し我儘でしばらく投稿スピードが遅くなると思いますが、頑張って投稿するので、よろしくお願いします。
この回は前から言っていた、小説を書くときにやりたいといっていた特別回となります。
ちょくちょく、この特別回をやっていくので、お楽しみください。
では、レッツ東方!
不思議な感覚だった。
苛立ちからの不貞寝をすると、まるで精神を何かに引っ張られる感じがした。
身動きも出来ず、ただこの不思議な感覚に身を任せることしかできない。
何とも言えない感覚が終わったと思い、ふと目を覚ますことにした。すると、そこは見渡す限りの草原が広がっていた。
「・・・は?」
それしか言えなかった。
いやいや、ウチは地霊殿のベットで寝たはずだ。間違ってもこんな草原に前の世界で行ったことはないし、幻想郷に来てから行ったこともない。
少しの混乱の後に、突然の頭痛にあった。
「っ!?・・い、っった、あああ・・・・」
まるで硬い鈍器で頭を殴られた感覚だった。ウチはしばらく頭を抱えて蹲っていた。
しばらくして頭痛が収まり、かわりに頭に何かの情報が流れてきた。
「今度は何だ?・・・この場所の情報?」
前からこの場所を知っているかのように、知識に刻まれている。
「ここは、夢、の場所。・・・ウチの思い通りに設定が出来る、世界。」
頭に浮かんできた知識を口に出し、状況を整理する。
「知らない筈の場所なのに、知識に情報がある。どういうことなんだ?」
ここはウチ?の夢の世界。ここまではいいが、なぜこんな夢を見ているんだ?
いや、夢を見ているというより、仮体験をしているといった感じだ。
ぞくにいうバーチャルリアリティーか?
しかし、設定をいじれるか・・・試してみるか。
「えっと、じゃあ。・・・ここは草原じゃなくて、森林とか?」
頭に前の世界で小さい頃に遊んだ森をイメージした。
「・・・え?」
いきなり画面の場面が変わるように、景色が草原からイメージした森に一変した。
「これは・・・大したもんだ・・・」
でも、だからどうしたというのだ?
ただ遊びの為にここに来たわけではないと思うけど・・・・
「ぉ・・ぃ!・・・ぃ・!?」
人の声?ウチの夢の中に人?
まだ誰もイメージしていないんだけどな。
「・・・いつまでも進展がないってのもな。しゃーない、声が聞こえた方に行ってみるか。」
何かしらのヒントが掴めるかもしれないと思い、ウチは声が聞こえた方に行ってみた。
しばらくして、このまま森の中を歩いても木に隠れて相手を見過ごす可能性があることに気が付いた。
「仕方ない、草原のイメージに戻すか。」
草原をイメージして、周りの景色を森林から草原に変えた。
うん。こっちが相手もこっちを見つけやすいはずだ。
「おおっ!また景色が変わった!?」
どうやら遠く離れていない場所に相手はいたらしい。人影が見えた。
「おおーい!こっちだぞー!」
相手に見つかって貰うように、こっちも大声を出して近づく。
ウチの声に気が付いたのか、人影もこっちに向かって来るのが分かった。
「・・・おいおい。・・・まじなの?」
こっちに近づいてくる相手に見覚えがある。
いや、現実に会えるはずがない相手なので、こっちが一方的に知っている。
その人物は。
「よかった、人がいた。」
緑色のツンツン髪に、まだ中学生であろう少年がウチの前に現れた。
「なあ、ここドコだかしらね?」
「お、お前は!?」
「俺か?俺は・・・」
知っているはずだ、ウチはこの人物が登場する物語を知っているし、今非常にお世話になっている能力の持ち主。
「俺は
ウチが使っている能力の元ネタ『うえきの法則』というマンガの主人公、植木耕助がそこにいた。
女子文静海は今、とてつもなく混乱していた。
当然だ、夢の中とはいえ目の前にいるのは、静海が好きなマンガの主人公なのだ。普通は誰でも、頭の働きを止めるだろう。
「ん?おーい、聞いてるか?」
そんな静海をお構いなしに、植木は静海に話しかける。
「あ、ああ。もちろん、聞いてる・・・」
「よかった。あんたの名前は?」
「じょ、女子文 静海。」
「静海か、よろしく。ところでここがドコだか分かるか?」
静海は落ち着いて状況を整理していた。
(落ち着け、とりあえずここは夢に世界。でも、ウチがイメージしないでここにいた、植木耕助はおそらくウチの夢の産物じゃない。じゃ、ここは植木の夢の世界?いや、ならウチのイメージが反映されることはない。なら、ここは?)
静海は確認を取るために植木に話しかけた。
「変なことを聞くけど、植木って本物?」
「ん?変なこと聞くな、俺に偽者もなにもないけど?」
状況をまるで分かっていないけど、妙に植木は落ち着いていた。
それも当然だ、彼は人知が及ばないバトルを繰り広げてきた猛者である。そんな彼が、この程度で同様することはない。
このことは、静海にも分かっている。
「なら、ここに来る前は何してた?」
「ここに来る前か、う~ん・・・・寝た?」
(なぜ、疑問形・・・しかし、植木の話が本当ならここは『夢で繋がった世界』ということか?でも、基本的に世界のイメージはウチよりか。・・・ん?なら・・・)
植木の話から、あらたかこの世界を理解した静海はあることを思いついたようだ。
(・・・せっかくの夢だもんな。なら、一度でもいいからやって見たかった事をしてみるチャンスだな。)
ここに来る前のことを必死に思い出している植木を前に、静海は彼を知る者なら誰でも分かるような、悪巧みの顔をしていた。
「・・・植木耕助、ちょっといいかな?」
「ん?ここがドコか分かったのか?」
植木は静海に顔を向け、この世界の情報が聞けると期待していた。
しかし、それは静海が次にいう言葉で叶わなかった。
「悪いけど、ウチと戦ってもらうよ。」
「・・・?何言っているんだ、お前?」
真剣な顔の静海を前に、植木はキョトンとした顔で聞き返してきた。
「だから、ここで、ウチと戦うんだよ。」
「・・・理由がねえ。俺はあんたと戦わない。」
「・・・・・」
「ここがドコだか知らないんなら、いいよ。オレは別に何か手がかりを探すから。」
植木は踵を返し、静海から離れようとした。
しかし、それを見越していたか静海はある手段を取った。
「お仲間がどうなってもいいのかな?」
ピタリ。植木の歩みが止まった。
「・・・なんだって?」
植木が振りかって、静海に言葉の意味を聞いてきた。その顔には先ほどまでの、のほほんとした気配はなく、真剣な顔つきだった。
「だーかーらー、お仲間の命がどうなってもいいのかなってことだよ。」
静海悪人顔MAXである。植木を挑発するような喋り方だ。
「お前、俺の仲間になにかしたのか?」
「今は何も。でも、これを見てもらおうかな。」
静海は右手を何もない空中にかざす。
すると、何もなかった空中に光が集まり、丸い球体となっていった。
「・・・!?」
光が止み、その正体がハッキリ見えてきた。
植木はその正体に酷く驚いた顔をしていた。
「森っ!?」
透明の球体の中には、植木の仲間である少女の森あいが気を失っていた。
「おい、森!しっかりしろ!」
「無駄無駄~、この球体に入っている限り眠りは解けないよ。でーも、力づくで起こそうとすれば、ウチがこの球体もろとも破壊しちゃうからね?」
「お前!?」
植木の表情は、かつての神様候補を決める戦いで見たことないような、怒りに満ちた顔をしていた。
神候補バトルでも仲間をここまで人質にした行為は、ロベルト以外は誰も使ってこなかった。
そこをついて静海は植木が自分と戦うように仕向けたのだ。
効果は絶大のようで、両者いつでも戦いが始められるように体を向けあった。
(イメージで森あいを作れたのは賭けだったけど、上手くいった。これで、本気の植木と勝負できる。)
そう先ほどの森あいの姿は、この世界を利用して静海が作った幻だった。
すべては、物語の主人公である植木耕助と戦う為である。
(悪いけど、主人公と戦えるなんて、たとえ夢だとしても滅多にないことだからね。これで、ウチも
「言っておくけど、この世界では君は神様候補を決める時に使えた能力と神器を使うことが出来るから、本気でくるといいよ。」
「!?お前、神候補バトルをしっているのか!?天界人か!?」
植木は大変驚いた様子だった。それもそのはず、あのバトルは自分と同じ中学生同志のバトルで目の前にいる大人が参加できたわけでもない。
「いや、いたって普通の人間だ。ちょっと変わった能力を持ったね。」
「・・・・」
「ああ、大丈夫。人質には手を出さない。約束しよう。」
「ほんとか?」
「本当だ。君はただ全力で、ウチと戦ってくれるだけでいい。」
その言葉を最後に、植木と静海の間に緊張が走る。
いま、次元を超え、1つの戦いが始まろうとしている。
「いくぞ!」
「きなよ!」
お互いが足元の石を手に持つ。
「「ゴミを木に変える力!!」」
両者が同じ能力を繰り出した。
植木とウチの能力で出現した木が互いにぶつかった。
「俺と同じ能力!?」
植木がウチの能力を見て、驚いたようだ。当然だ、この能力は1人1人違っていたのだ。植木の驚きは理解できる。
だからといって、止まってやるほどウチは優しくない。
「驚いているね!でも、まだだよ!」
まだまだこんなものじゃないぞ!
「
Materialize・The・Kowledge(マテリアル・ザ・ノーレッジ)、ウチが考えた自分自身の能力名だ。(以下MTKに略します)
技名を叫び、ウチが出現させている木を知識にある設計図からビーズに変換。
「!何だ!?」
植木はぶつかり合っていた木が突如光だし、細かい何かとなって弾けたことに驚いている。
植木も自分で出現させていた木をひっこめ、足元に転がってきたビーズたちを見た。
「・・ん、何だこれ?・・・丸くて小さい玉?いや、穴が空いている・・・・・・この形、まさか!?」
さすがの観察力だよ、植木。その観察眼でいくつもの戦いを切り抜けてきた。
「ご明察!じゃ、いくぞ、ビーズを爆弾に変える力!」
ウチの足元に転がっていたビーズを手にいっぱい掴み、植木めがけて投げつけた。
「っ!二ツ星神器 威風堂堂(フード)!」
ドガンッ!
植木が出現させた物体に投げたビーズたちが当たり、大きな爆発を起こした。
それは、巨大な腕に防御用のガンドレットを付けている盾だ。
「やっるいう~♪・・・それが威風堂堂か、やっぱ実際にみたら迫力が違うな。」
植木が出現させたのは、天界人専用の武器で最大数が10個ある神器というものだ。
威風堂堂はその中で2つ目の神器で、唯一の防御神器でもある。
天界人は使える神器の数にちなんで星、自分達にランクづけにしている。
十ツ星神器なんか、数えるくらいしか使える者がいない、超レア神器である。
「・・・どうやら、神器の事も知ってるみたいだな。」
「もちろん、知っているさ!さあ、ここから楽しく・・・」
「・・・ん?何だ、どうした?」
「いや・・・何でもないさ。続きといこうか。」
「・・・・・」
あぶない、あぶない。悪い癖で戦いを楽しむところだった。
この戦いはウチが
いつもの癖で、そのチャンスを台無しにするところだった。
「ぼさっとしてないで、次いくぞ!」
ウチは再びビーズを拾い、植木の手前に投げつけた。
「!?目くらましか?」
植木に数歩出前で爆発したビーズは爆炎と土煙を上げた。
「ご明察!」
ウチは視界が確保できない植木に向かって走り出した。
おそらく植木は神器を準備している、なら。
「MTK、変換、似顔絵!」
「MTK!」
「五ツ星神器 百鬼夜行(ピック)!」
植木の繰り出した、巨大なブロックが伸びる突きの神器である百鬼夜行をダミーの似顔絵の方に向かって、放ったのを見て反対方向から攻める。
「MTK、変換、設計図!」
ヤマメに描いてもらって知識としていた、木製の槍を具現化し植木に向かって攻撃した。
(もらった!)
煙越しに植木の影を捉えた。
「そう来ると思っていた。」
「なに!?」
至近距離で見えたのは、百鬼夜行を放っている手と逆の手を後ろ、ウチの方を向けていた。
「一ツ星神器 鉄(くろがね)!」
植木の片手から巨大な砲台が出現し、こちらに射線を向けている。
「変換、10秒!」
1秒を10秒に変え、急いで植木から離れた。
「・・・!?」
10秒経ち、ウチがいた所を巨大な木製の砲弾が通り過ぎた。
「あっぶな。」
あと2秒遅れていたら、直撃していた。人間大の砲弾なんて当たったら、洒落にならない。
そういえば、植木は他の天界人と違って複数神器の展開が可能だったな。
「今度はマリリンの能力か。」
植木は或る程度予想していたようで、冷静に能力の分析をしていた。
「当たり。よくわかったな。」
「お前が鈴子の能力を使ってきたから、他の仲間の能力も使ってくると思っていた。でも、まさか俺の仲間以外の能力も使えるとは思っていなかった。」
やっぱり、植木の世界の能力だけではパターンが読まれてしまうか。
仕方ない、まだ修行中だが、使わないと勝て無さそうだ。
「スー・・・ハー・・・」
息を整い、しっかりと修行中の感覚を思い出す。
「いくぞ!百鬼夜行!」
植木は隙が出来たと思って、百鬼夜行をウチに放ってきた。
「纏!剃!」
「!?」
植木はウチが突如消え、百鬼夜行を躱したのを見て驚いていた。
「どうした、ウチはこっちだぞ。」
「後ろ!?」
植木が後ろを振り向くと、そこにはウチが立っていた。
「神器、じゃないな。」
「正解。これはね、高速移動だよ。誰も使えるのが君が知っている能力だけとはいってないよ?」
そう、これがウチが修行していた内容だ。
六式が出来ないなら、それを使えるように体を適応させればいい。
H×Hというマンガで出てくる、念能力といった力で体を強化し、六式をMTKで発動。
これは、ワンピーズのルフィが、ギア2を使って剃を使った戦法を真似たものだ。
これで、六式の使用後にくる体への負担を軽減できる。
(まだ自力で念の発動は連続で使用できない上に、使用時間も短いから、実戦向きではないね、まだ。)
「さあ、いくぞ!剃!」
剃を発動させ、 植木に近づきパ槍を繰り出す。
「六ツ星神器 電光石火(ライカ)!」
植木もその場から突如消え、槍を躱した。
「高速移動が出来るのはお前だけじゃないぞ。」
「・・・やっぱ、そう簡単にはいかないか。」
さすが、主人公。付け焼刃の技で倒せるほど甘くないか。
植木はウチから数m離れた場所にいた。
(でも、勝ってみせる!パルたちの協力を無下にしないために!)
そう
もう一度、隙を作って剃で近づき攻撃を当てる。
「MTK、変換、爆弾!」
拾って持っていたビーズを取りだし、先ほどとった行動を再現する。
再び植木の周りに土煙が漂う。
「(一気に近づく)似顔絵!そして、剃!」
似顔絵を発動させ、自力で念能力の纏を発動し、MTKで剃を発動させた。」
「八ツ星神器 波花(なみはな)!」
「なに!?」
植木が発動させた神器は波花、ムチのような神器だ。
その波花を自身を軸にして周りながら、横に振ってきた。
「まずい!」
この攻撃は予想できないし、下手に防御すれば自滅になりかねない。
ここは、急いで剃を中止し、しゃがんで神器が通り過ぎるのを待った。
しかし、ここで止まったことが命取りとなった。
「七ツ星神器 旅人(ガリバー)!」
「しまった!」
地面が長方形のいくつものマス目に光だし、そこから板マス目に沿ってがウチの周りに出現された。
「くっ!」
再び剃を発動させようとするが、それより早く捕獲の神器、旅人がウチを長方形の箱に閉じ込めた。
旅人が対象を捕獲するのに掛かる時間は0.5秒。今のウチの速度では躱すことは出来ない。
しかも、この神器は他と違い発動中でも別の神器を使える。
「防御を!纏!鉄塊!」
今できる最大の防御をおこない、すぐくる衝撃に備えた。
「百鬼夜行!」
「!・・ごふっっ!!」
植木が神器を発動させた百鬼夜行が旅人ごとウチを突き出した。
鉄より攻撃が高い百鬼夜行の衝撃は、手加減で殴ってきた勇義の拳を超えていた。
「がっ・・・ぐ・・・・うぅぅ!」
百鬼夜行をくらい、体が地面へ放り出された。何回か、バウントしウチはうつ伏せに倒れた。
「は、はは。やっぱ、強いな・・・・」
これでは、パルたちに顔向けできない。
「・・・・・」
植木はそんなウチを黙って見ていた。
「・・・・・」
「・・・どうした、植木?・・何を黙っているんだ?」
こちらを見ている植木の目には怒りはなかった。
「とどめを刺さないのか?そうしないと、お仲間の命が・・・」
「もういいから。」
「・・・なに?」
何を、いってるんだ。
「もういいって言ったんだよ。どうせ人質なんてとってないんだろ?」
「・・・・・」
ばれた?いつ、そう思わせない言葉なんて話していないぞ。
「お前が本当に人質をとってきて、俺を脅すのならもっと早い段階でやれたはずだ。でも、お前は戦いの中でそれはしてこなかった。本当にただ戦いたかっただけなんだろ。」
「・・・・・・」
言葉がでなかった。たった、たったそれだけで分かったというのか。
「それに、お前と戦ってこれまで感じたtことがある嫌な思いがしなかった。あったのは、必至に何かを掴もうとしていたことくらいだ。俺がレベル2になろうとしていた時に似ている。」
「・・・・・」
「お前、何に必至になってるんだ。力になれるなら、協力するぞ?」
もう、だめだ。ウチは自分を抑え込むことができない。
「は、はは・・・」
「?」
「ははははははははは!!」
「お、おい、どうした?」
「さすが!さすがだよ植木耕助!さすが主役!さすがウチが憧れた存在!!楽しくて仕方ない!!」
「・・・・・」
「ああ!駄目だウチは他人の為に戦えない!君のようにできない!!」
半ば、悲鳴のように叫んでいた。
悔しい。ただ自分に悔しかった。
「俺の様に?」
「そうだよ、君のようにさ!君の様に、他人の為に自分の力を使えなかった自分が嫌になる!」
「・・・・・」
「・・・・・はあ。・・・・・ちょっとごめん、叫んだら少し落ち着いた。」
マジで。
「・・・ちょっと、聞いて聞いてくれる?ちょっとおかしな人の話を・・・」
「・・・おう。」
「ありがとう。そうだね、簡単に話すと・・・」
ウチはちょっと昔話をすることにした。
ある町に普通の少年がいました。
その少年は友達と遊ぶのが好きで、よく年下の子に懐かれました。
そんな少年ですが、ある日、友達から剣道をしてみないかと誘われました。
少年は面白うだと思って、それを承諾し友達と一緒に道場に通い始めました。
最初は辛い稽古ばっかりで、友達は早い段階で止めていましたが、少年は仲良くしてくれる先輩や同い年の人たちに励まされ、剣道を続けました。
少年はメキメキに腕を上げていき、剣道が楽しくなりました。
自分が編み出した戦法で試合をし、相手と全力でぶつかることに1つの快感を得ていきます。
その快感が年を重ねていく内に大きくなっていくことを感じていましたが、少年はその時それが人と違うことに気が付きませんでした。
少年が中学生になり、その時に入った部活はもちろん剣道部。しかし、同じ学年は自分とあと1人しかおらず、その2人は中学にいる間に親友にまでなりました。
少年が親友と同じ高校に行き、中学にお世話になった先輩の勧めもあってまた剣道に親友と一緒にはいりました。
さて、他人と話すことと、剣道の試合でぶつかり合うことが何事にも快感になっていた少年はある試合中に酷い怪我を負ってしまいました。
しかし、少年は血が出ようとも試合を棄権せずにそのまま快感に身を任せ、勝ってしまいます。
少年は仲間の為に勝利したと喜びました、腕から血がでていながら笑っていました。
そこから少年の周りの人たちが、いつもの違う態度を取り始めました。
練習試合の時は部活の仲間達から避けられ、試合相手もワザと負けるようになっていきました。
それは先輩も親友もほかの仲間と同じ行動をしていきます。
そして、とうとう顧問の先生から退部をお願いされました。
なぜ?自分は仲間の為に戦っただけなのに、皆がやっているように自分の練習の成果を出しきったのに、なぜ自分が辞めないといけないの?
少年は分かりせんでした。必死に先生に抗議しましたが、これは部員全員の申し出と言われ何も言えなくなりました。
少年が防具を片付けて道場から出て聞くのを、部員の奴等は見ていました。それはとても安心した表情でした。
その中の先輩と親友の2人は同情でもするかのような顔をしていました。
少年にはその顔が忘れられませんでした。
少年はとても強い悔しさを得ました。
それは、これまで応援してくれた人たちへの裏切りと思ったからです。
特に家族は高い防具と胴着などを買ってくれ、これまで送り迎えまでしてくれたのです。
なんと言えばいいのか分かりませんでした。
少年は家に帰ると、家族に部員と同じ反応をされるのが怖いのを我慢して事情を話しました。
しかし、家族は全員「お疲れ様」とって、少年を責めなかったのです。
少年は思わず泣き出しました。恥ずかしいくらい。
それから少年は周りの反応を伺い、生活するようになりました。もう2度と、お世話になった人たちに迷惑を掛けないように。
しかし、自分を嫌いにはなれませんでした。
これまでの自分を否定しては、これまで確かにあった温かい思い出も否定することになると家族を見て思いました。
だから、少年は他人の為に行動できる人に憧れ、真似をしたりして平和に過ごしてきました。
でも、最近知り合った人たちは、嫌だった自分勝手に進む自分を受け入れてくれそうな人たちでした。
自分のすべてをさらけ出すのもいいと思っていましたが、つい先日かつての仲間たちのことを思い出す出来事が起こりました。
やけになり、今の仲間にやつあたりもしてしまい、カッコ悪い自分に嫌になってきました。
そんな時に青年となった少年の目の前に、他人の為に戦うことができる憧れの人物が登場します。
その時、青年は自分もいまの仲間の為に戦えないかと、自分の快感の感情を抑え、その人物と戦って見ました。
結果は見事までの惨敗。
青年は、はやり自分では他人の為に戦うことは出来ないとあきらめました。
静海の長々とした話を植木は静かに聞いていた。
話が終わり、冷たい空気が2人の間に流れた。
「で、どうだった?笑い話だろう?」
静海が仰向けに倒れたまま、植木の話の感想に聞いてきた。
「そいつは他人と為に戦いことが出来ない、自分だけの為に戦う弱くて心が小さい奴さ。」
「・・・・・」
植木は黙っていた。
「やっぱり、あの時みたいに迷惑をかけるのなら、いっそのこと出て行って・・・」
「・・・無理矢理変わる必要ってあるか?」
「・・・え?」
植木の言葉に静海は話を止めた。
「いや、無理矢理自分の信念っていうのか、性分を抑え込んで意味はないと思うぞ?」
「でも、そいしないと、迷惑を・・・」
「それに俺は、あまり考えて他人を助けたりしていなかったぞ?」
「え?」
自分が憧れている人物から意外な答えが返ってきた。
「何て言うかさ、うまく言えないけど、体が勝手に動いたんだ。」
「体が、勝手に・・・」
「そう、勝手に。頭で考える前にさ。」
「・・・・・」
言葉がなかった。当然だ、憧れの人物から聞いた、他人を助けることが体が勝手に動いたといったものだったからだ。
「なんかさ、自分の気持ちに嘘ついて他人や仲間を助けるって、何か違うかんじなんだよな~。」
植木は上手い言葉が見つからないのか、頭を捻りながら自分が思っていることを話していた。
静海はそれを黙って聞いていた。
「それにさ、自分の為に戦うのが間違いだと俺は思わない。」
「・・・何?」
「お前、俺の戦いを見ていたんなら知っているだろ。自分の為に戦っていた奴等、例えばロベルトや
「・・・・・」
「結果的に自分の夢や目標が他人を助けることになっただけだと思うぞ?」
「・・・自分の為に・・」
「さっきの話の奴の先輩や親友だけど、同情というより自分達が止められなかったことへの悔しさや悲しみを感じれたと思う。俺だったら、長年の親友じゃなくて俺自身を許せない。」
「何を言って・・・
「それ、本人から聞いたのか?自分で決めつけてないか?」
「!?」
植木の言葉に静海は衝撃を受けた。
確かに、他人と話す事が、自分の意思をぶつけ合う事が好きな自分だが、あの時の自分は人とちゃんと話していたのかと疑問を抱いた。
(ウチが意識して、他人の声に耳を傾けて話し出したのは、確か家族から励まされたかだ。その前はあまり覚えがない・・・)
「それにさ、親友とまで言える仲の奴がさ、そう簡単に嫌いになったりするのか・・・?」
「・・・あっ。」
静海は思い出していた、あいつは最初はビクビクして頼りなかったけど、1度たりともウチをバカにしなかった。寧ろ、中学の時に静海が副部長だったことを顧問に駆け寄ったくらいだ。
元気もあって、年下から慕われていた静海の方が部長として適任だと。
静海は今にして思い出す、あいつとあの人は他の奴等と違って自分から静海を避けたりしていなかった。他の部員から避けされたふうだった。
「今の仲間は、そんな奴らに負けないくらい少年を受け入れているんだろ?なら、今度は間違えないように、ちゃんと話してみたらどうだ?」
「・・・・ほんとに、いまさら、思い出しても遅い。・・・・でも、これからは、まだ、やり直せる・・・」
静海は静かに力強く、答えた。
「・・・今度は大丈夫みたいだな。」
静海の表情を見て、植木は笑みを作った。
「ならさ、ここから帰してくれないか?明日、仲間と会う約束してるんだけど。」
「・・・いや。まだ、帰させないよ、植木耕助。」
静海は、ダメージを負った体を起こして植木と向き合った。
「おいおい、結構いい感じに決まったから無理すんな。」
「いや、嫌でも付き合ってもらうぞ。清々しい気分なんだ、今度は
そう言いながら、静海は能力で木の槍を木刀に変化させ、構えた。
静海の顔を見て、何か諦めたかのように植木も構える。
「そんな顔した奴は、こっちの話きかないからな。」
「ああ、楽しくなってきた!1撃くらい当ててやる!」
静海は今度こそ正真正銘、自分を出し切った戦いを始めた。
「はあ、はあ、はあ、は・・、ああ・・・」
「お~い、大丈夫か?生きてるか~?」
「な、ら・・・魔、王とか・・・つ、使う・・・な・・・・・」
今ウチは大きなクレーターの真ん中で倒れている。
ウチの話の後に、改めて植木と戦ったが結局、1回だけ頭に攻撃を叩きつけるだけで終わってしまった。
「仕方ないだろ、お前こそ魔王以外の攻撃神器を躱したり、防いだりしてこっちも本気をだしたんだぞ。木刀を出してからのお前は強かった。」
植木は頭か血を流しながら、少し息を切らしていた。
ウチはさっき言っていた、神器の中でも最高の攻撃力を誇る、十ツ星神器 魔王をその身に受けたのだ。
「な、ら・・・杭は・な・・い・。」
心から思えることだ、本当の意味での意思同志のぶつかり合いを経験できて、ウチは満足していた。
今なら、自分がしている笑顔を自慢できるに違いない。
「ん?なんだ景色が・・・」
植木の言葉を聞いて、周りを見渡すと少しずつ景色が歪み、白くなっていった。
「・・・知識に、ある。・・・目が、覚め・・・るん・だ・・・」
知識にある情報から、これが夢の世界から目覚めることを説明した。
「そっか。・・・・今度は戦いなんてしないでさ、話してみたいな。」
植木はまた会うことを前提として話してきた。
「無理、だろ・・・ここは、夢の世界・・・会ったことさえ、奇跡に、ちか、い・・・だ・ろう。」
そうこれはあくまで、夢の世界だから起きた奇跡だ。現実でこんなことは起こりえない。
「いや、そうとも限らないぞ?知らないのか、俺が手にした
「・・・あ。」
そうだ、そうだった。植木が神候補バトルで勝ち抜き、どんな才能も手に入れられる空白の才に書いた才能は・・・
『再会の才』
「な?また会えるかもしれないだろ?」
本当にいろんな意味で叶いそうにない。
「やっぱり・・・主人公、体質・・な奴、には・勝て・・ない、か・・・」
「なんだって?」
「いや・・何で・・も・・・」
本格的に夢が覚めるようだ。感覚的に分かってきた。
「じゃ、またな。今度は仲間を紹介するぞ。」
「ああ・・・また。会え、たらな・・・」
そこで2人の意識は途絶えた。
植木耕助が目を覚ましたのは朝の7時だった。
仲間達と会う約束をしたのは午前10時だ。今から身支度しても十分間に合う。
そう思い、ベットから起き上がり、部屋を出た。
「あら、こうちゃん。もう起きてきたの?」
「ああ、なんか目が覚めてさ。」
キッチンで家族の朝食を準備していた植木耕助の義姉、植木翔子が後ろを向きながら話しかけて来た。
「ちょっと待ってて、もう少しで朝食・・を・・・・」
突如、翔子が弟の顔を見るなり絶句していた。
「どうした、ねえちゃん?」
「こ、こ、こ・・・」
「こ?」
「こうちゃん!頭、どうしたの!?」
「頭?」
植木が義姉の言葉を聞いて頭をさわると。
「・・・血?」
血が流れていた。
「ああ、どうしましょう!どうしましょう!とりあえず、血を止めなきゃ!」
「落ち着け、ねえちゃん。そこまで深い傷でもないし。」
植木は慌てふためく義姉を落ち着かせ、手当を受けていた。
慌てていたが、そこはさすが看護学校に通っているだけあり適切な処置が
「痛いの、痛いの飛んでいけ~!」
・・・なかったようだ。
「ねえちゃん、包帯を巻いた後に言うセリフじゃないぞ。」
この姉と弟、義理だが天然なのは似ているのだ。
「でも、どうしたの頭から血なんて出して?」
「・・・別に。ただ新しく出来た友達と殴り合っていただけ。」
そう答えた植木の顔は、どこか嬉しそうだった。
「・・・そう、よかったわね。その友達とも仲良くなったんでしょ?」
「おう。また会う約束もしてきた。」
その時がいつになるか、それは神でも分からない。
静海の方も夢で受けた傷が現実で実態化され、パルスィたちを大混乱にしていた。
心を読めるさとりでさえ、かなりの慌てようだった。
しかし、そこはさすがの永琳だった。
能力をフルに発揮して、完治まで3日といった薬を作ったのだ。ただ、副作用として3日間絶対に安静であるために、動けない静海を交代で面倒をみていた。
それはトイレも含まれており、静海は恥ずかしい思いをしたのは黒歴史となっていた。
「ああ~、軽く精神的に死んだぞ・・・先生め、生理現象を抑える薬があるなら、最初から使えよ・・・」
静海は永琳の身内に迷惑をかけた罰として、わざとその薬を隠していた。
しかし、さすがに2日目の夜になって静海の様子から、かわいそうとなり使うことになった。
「・・・・・皆には何が起こったのか、正直に話そう。」
迷惑をかけたことからの罪悪感から静海はそう誓った。
もう、今の仲間に何も隠し事をしないと。
「・・・今からちょっと、弱音タイム。」
「ごめんなさい、皆。
「ちゃんと謝ったりできなかったし、これから会えも出来ないから、いま、とても悔しい。聴こえもしないけど、ごめん。ごめんなさい。
「だから、今度は、あんたらみたいにならないように、気を付けてる。」
「手始めに、ボクの昔話を、皆に、聞かせる、から。」
「ちゃんと、皆のこと、を知る、ために話し、合うから・・・」
「だから、いまだけ、いまだけ、なさけない、ボクで、いたせて・・・・」
静海は誰もいない部屋で静かに泣き始めた。
その涙にはいろんな感情が含まれているだろう。
「・・・・・」
「・・・・・」
そんな静海の部屋の前には、2人の少女が静かに立っていた。
そして、しばらくしてその場を後にした。
お疲れまでした。
どうでしたか、これが自分がやってみたかった、
自分で考えたキャラと原作キャラとのガチンコバトルでした。
結構、このキャラがあのキャラと戦ったらどうなるか考えていたので、この回は楽しかったです。
これから、これをちょくちょくはさんでいきます。
あと、前書きで言いましたが、もう1つ投稿している東方とポケモンのクロスオーバーもので描いたイラストが自分では納得いかなったので、ちょっと修行してきます。
よって、今以上に投稿が不定期になりますが、よろしくお願いします。
もし上達したら、ここの主人公や東方キャラの挿絵を飾るかもしれません。
いつになるかな・・・・(白目)
次回は日常回となります。
では、また次回!