オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか? 作:シフシフ
今回は千草が頻繁に登場しますぜ。これからはタケミカヅチ・ファミリアのメンバーが頻繁に出てくる事になります。
オラリオのとある高級料理店の二階に2人の神が顔に微笑みを浮かべながら同じテーブルに座っていた。否、微笑みを浮かべているのは2人だけ。
「いや〜、なかなかうまい酒やな〜。ま、
「うふふ、本当にお酒が好きねロキは」
「まーなー、・・・あの後地下を探したけど何も見つからなかったし、ほかのモンスターは妖夢たんが倒してたしな」
「こんな時間に呼び出して・・・貴女の今日の出来事なんて知らないわよ」
「よく言うわ・・・犯人の癖に」
微笑みは一瞬にして消え去り真面目な表情になるロキ、それに苦笑する様にフレイヤは悪びれもなく答える。
「ええ、だって欲しくなってしまったのですもの・・・」
素直に犯行を認めたフレイヤにロキの瞳は開かれる。
「ウチの子に手ぇ出してみぃ、タダじゃおかんぞ」
「うふふ、そんなに怒らないで?貴女の子供たちは狙ってないわ」
「10体も街に放ちおってからに」
「・・・10匹?・・・私がお願いしたのは9匹よ?」
「嘘をつくな!あの花のモンスターやで?、妖夢たんの誘導が無ければ街に少なくない被害が出ていたかもしれんのや」
とぼけるフレイヤにロキは少し笑う、もちろん威嚇の為に。
「・・・花のモンスターなんて見ていないわ?でもオッタルをもしものために護衛に付けていたのだけれど・・・」
「ほらな、言うたやろタケミカヅチ、オッタルもフレイヤの差し金やって。」
「もうっ!何なのよ・・・いいじゃない欲しくなっちゃったんだから〜・・・」
「可愛い子ぶってもダメやで?でもそれが本当だとするなら・・・何やったんやあのモンスターは・・・」
「知らないわよ・・・」
そう言ってフレイヤは窓の外を眺める、冒険者達がダンジョンへ向かっているのか凄い人ごみだ、そんな中よく目立つ白髪の少年が歩いていく。そしてそれよりも10mほど後方を銀髪の少女が。
「・・・じゃあ、話しは終わりね、さようなら」
おっ買い物♪おっ買い物〜♪あ、どうも、俺っす。妖夢っす。いやー、武器がすーぐ駄目になるねー。もう俺泣きそう、お金が貯まりませーん!くっそなんだよー、デュランダルの刀って家より高いのかよ・・・、ぐぬぬ・・・タケが許可してくれないから深くまで潜れないんだよなー、勝手に行くのもあれだし・・・そもそも深く潜るとダンジョンに泊まらないと行けないからバレるし・・・はぁ、半霊あるからサポーターも必要ないから大分長い間潜れる筈なんだけどなー「お前は直ぐに武器を壊すからまだ深く潜るなよ?」とか言いやがってさー、心配してくれるのはいいぜ?でも、もっと信用して欲しいぜ。いや、俺のせいってのもわかってる、無明三段突きは一回使うだけで武器ぶっ壊れるし、朧・焦屍剣は使い続けてると刃が加熱されて柔らかくなって曲がるし・・・
「妖夢ちゃんギルド見えてきたよ!」
ん?ギルドはずーっと見えてたぞ?バベルの塔だしね。にしても千草と2人きり・・・デート・・・だと?いやまぁ特にドキドキとかしないけどさ、何たって家族ですから!
「ギルドはずっと見えてましたよ?・・・今回は2人きりですね、デートですかね?」
おーい、言わんでいいからそこ、何こいつとか思われちゃうだろ?常識的に考えれば女の子2人で歩いてるだけなのになんでデートになるんだよ。
「ででででっデート!?はわわ////」
・・・えっ?何こいつ・・・あ、いや何でもない、そうだよね、いきなりこんな事言われたらビックリするよねそうだよね。いやー千草は純粋だなー、よしよし。
「・・・よしよし、いい子ですね」ナデナデ
「はうぅ・・・」
お、よかった、何こいつ言わなかった。にしてもさー、何でも俺ってこんなに紙装甲なんだろう、鉄は愚か革すら使ってないからね、いや、タケミカヅチ・ファミリア全員に言える事だけどさ、一番重装甲なのは桜花だったかな?肩と腰を日本の武者鎧的な物で守ってたけど・・・何で胴体守らないの?馬鹿なの?死ぬの?死んじゃうよ?気を抜いたら即終了のダンジョンを舐めてるの?と言っている俺が一番紙装甲だよ?舐めてるよ?
・・・おれも、鎧とか来た方がいいのかなー、フルプレートメイルの魂魄妖夢とか誰だよって言いたくなるよね、うーん、やっぱり今まで通り「当たらなければどうということはない」戦法で行くしかないのか・・・いや待てよ、もしかしたら布装備だけどめちゃくちゃ防御力が高いものだってあるかもしれないじょのいこ、最悪無くてもオーダーメイドで作ってもらうかー。
ギルドホームに到着した俺達はそのままエレベーターにむかい、7階を目指す、そこには大手メーカーヘファイストス・ファミリアの新人達が作り出した鎧や武器が眠っているのだ、いくら新人だと言っても優秀な人は優秀なので凄い掘り出し物も見つかる。
無論、今回はその掘り出し物を見つけようとこうしてやってきた訳だ、資金は20万!20万だ!凄くね!?頑張って貯めてきたんだぜ?癖で魔石を斬ってしまうからなかなか貯まらなかった・・・すぐに武器が壊れるからなかなか貯まらなかった!そんな訳で壊れにくい刀を探そうと俺は辺りの商品を物色する、残念な事に俺に武器を見る目はあまり無い、直感的にこれいいんじゃね?ぐらいしか分からない。それに比べて千草は細かく色々な所をチェックして、俺に合った武器を選んでくれるのだ、素晴らしいと思わんかね?
「うーん・・・これはどうでしょうか」
なので武器は千草に任せた!だいぶ前だが初めて二人で来た時、「武器選びは千草に任せます」って言ったらめちゃくちゃ慌てて「妖夢ちゃんは鎧とか着ないんだから武器が全てなんだよ?じ、自分で決めないと!」って正論を言われたのだが、選ぶ目の無い俺ではむしろ危ないから「千草が選んでくれた物ならきっと大丈夫ですよ」って笑い返した訳だ、その日から俺の武器は千草が選んでいる、唯一違う物があるとすればオーダーメイドの長刀位だろうか。
さて、武器は任せるとして俺は鎧とか着てみようと思う、手短にそこらにあった革鎧を手に取り近くの着替え室で着替えてみる。・・・が。
「・・・ぶかぶか・・・まぁ当たり前ですよね」
そうなのだ、なかなか自分に合った鎧がない!パルゥムのコーナーにしか無いと言う現実、いいさいいさ!と見切りをつけてさっさとパルゥムコーナーに突撃、ハーフプレートを持ち上げ着替え室に。
「・・・・・・ピッタリ・・・」
少し歩いてみる・・・うわ、歩きづらいな、てか重い、ただ着てるだけで力と耐久のステイタスが上がりそうだ、どうせ鎧を着るなら命達と同じような武者鎧がいいと思うのだが、残念ながら武者鎧を扱う店は少ない、ヘファイストス・ファミリアならまぁ売っているだろう、・・・この階じゃ無くてもっと高い(値段が)所にあるんだろうけど・・・、つまりはオーダーメイドで作らないとダメかな。鎧を脱いで元の場所に戻し、千草の所に戻る。
「こっちは・・・だから・・・これは・・・だよね・・・ブツブツ」
あー、これは話しかけない方がいいかな?凄い真剣に考えてくれてるみたいだ・・・嬉しいねー。なんか良いの無いかなー、ん?こ、これは・・・兎鎧!?・・・雑に箱に詰められているということは・・・ベル君はもうすぐここに来るということか?
「あ、あれ?・・・僕でも手が届きそう・・・」
こ、この声は!?やばいどうしよう!どっかに隠れなきゃ・・・って何してんだろ、隠れる必要ないだろ、少し声をかけてみるか。
「おはようございます」
「ひぃ!?」
俺が挨拶するとベルはこっちがビックリするほど驚いて飛び跳ねる。その姿紛うことなき兎。じゃなくて何しに来たのか聞くか、知ってるけど。あ、もしかしてデートっすか〜?(*´σー`)
「何しに・・・あ、デートですよね、失礼しました」
「ちちちちち違うんです!?妖夢さん!?」
えー?ちがうのー?・・・ごめんお兄さんが悪かった。どうやらベル君は原作通りギルド職員のエイナ・チュールとデート、じゃなくて装備を選びに来たようだ、邪魔になってしまうのはどの道変わらないのでここは退散するとしよう。
「さようならー」
しかし!回り込まれてしまった!・・・おいこら何やってんだ兎、お前これから兎って呼ぶぞ?いいのか?君は優しそうなおねーさんがついてるだろうに・・・ハッ!まさか千草を狙って・・・?いや、有り得ないか流石に千草にまでフラグを建てていやがったら白楼剣でフラグを断ち切るしかない。
「よ、妖夢さんは何しに来たんですか?」
・・・・・・はぁ、冒険者が武具屋に来ていて何してるか何て一つしかないだろ?買うんだよ、武器と防具を。こっちは兎さんみたいに、むやみやたらに恋愛フラグなんて建ててないんですー。
「・・・はぁ、冒険者がここにいてする事は?・・・そう、武器や防具を買うことです。」
「あ、そ、そうですよね!すみませんアハハ」
笑って誤魔化そうとするベル君に俺はジト目で追い討ちをかける。恐らく俺に話しかけてきたのは自分よりも俺の方が武器とか選ぶのが上手いかも、って思ったのかも知れない。自分より詳しい人がいるなら教わった方が早いってのはわかるが・・・。俺無理よ?
「ジーーーー」
「アハ、ハ、ハハ・・・す、すみません武器の見方とかその、わからなくて・・・」
モジモジしながら言うなよ・・・なんて言うか・・・生まれてくる性別間違えてないか?変える?ねぇ変える?
とりあえず俺にもわからん、大まかな脅威度とかなら斬り合えばわかるけど・・・流石に店の商品でやったらダメだろJK(常識的に考えて。)
アドバイスか・・・まぁあれだ、要するに心だな心。自分が使いたいっ!って思ったものを使えばいいんだよっ!(。 ・`ω・´) キラン☆
「・・・心です」キリッ
「心?」
「そう、心。自分が使いたい、自分が振るいたい。そう思える武器を、防具を探せばいいんです。貴方なら簡単だと思いますよ兎さん」
うー、最後の・・・本気でやるのね兎さんて・・・まぁいいか、なんか目の前の白兔が赤兎になってるが知らん。ウィンクしたのが悪かったか?
「自分の・・・心・・・。あれ、妖夢さんは自分で選ばないんですか?」
ベルが目敏く千草を見つけたのか俺にそう問いかける、お前なぁ・・・千草だぞ?あんなにちっこくて(身長は負けてる)か弱い(外見的には同じ位か弱い)女の子(自分も)が選んでくれた物ならどんな物でも使ってやる!それが家族ってもんだろ!
「当たり前です、私は家族が選んでくれた武器を使いたい・・・そう心の底から思っています、だから千草に選んでもらってるんですよ。それに千草は目利きですから」
感動的だな・・・、いい翻訳だ、グーグル先生にも見習ってもらいたいぜ、そして猛烈に恥ずかしいなこれ、うんさっさと逃げよう。ちーぐーさー
「では。千草ー、見つかりましたかー?」
夕暮れ時、千草と妖夢は新たな刀を手に入れ、妖夢のステイタス更新の為にホームに向かっていた。
「〜〜♪」
「ご機嫌だね!」
手を繋ぎ鼻歌を歌いながらスキップする様に変える2人。
「はい!千草のお陰でいい武器が手に入りましたし!」
(妖夢ちゃんって毎回同じ事言ってるなー、そ、それにしても)
笑顔で頷く妖夢を余所に、千草はギルド7階での出来事を思い返す。
(「当たり前です、私は家族が選んでくれた武器を使いたい・・・そう心のそこから思っています、だから千草に選んでもらってるんですよ。それに千草は目利きですから」だって///!そんなふうに思ってくれるなんて・・・て、照れちゃうよ・・・)
「そうだ、寄り道をしましょう千草!」
千草は妖夢の提案に驚く、ステイタスの更新を楽しみにしている妖夢が寄り道をしようなどと言うとは全く思っていなかったのだ、思わず声が出てしまう。
「え?ど、どこに?」
(ま、まさか・・・ついさっきまで切れ味の確認ってダンジョンに行ってたのに・・・逆戻り?そ、それはちょっと)
妖夢は千草の考えに気づくこと無く歩き始める、しかしその方角はダンジョンのある方向ではない。その事にすこしホッとしながら千草は小走りで妖夢の後を追いかけ隣に並んで歩き始める。
「どこに行くの?」
「うーん、お、まだ残ってる。あ、千草はここで待っていてください!」
そう言って妖夢が入って行ったのは1件のアクセサリーショップ、その事に千草は驚愕する、いや最早ダメージを受けるほどのショックを受けた。
(あ、あれは〜〜!?『
しばらく千草が百面相しながら慌てふためいていると妖夢が笑顔で帰ってくる。
「ちーぐさ!少し目を瞑って下さい!」
「ふぇ?!ちょ、ちょっと妖夢ちゃん!?」
口では何だかんだ言っているがしっかりと目を閉じている千草、妖夢は千草の頭を若干乱暴に弄り回し・・・。
「出来ました!おぉ・・・やっぱり千草は前髪を上げたほうが良いですよ?それは私からのプレゼントです」
そう言って千草から離れる妖夢、千草はおどおどしながら自分の頭に触れる、そこには大きめの赤いリボンが結び付けられていた。
「こ、これってっ!」
「はい、身に着けていれば幸運が訪れるそうですよ?」
「でっでも高いんじゃ・・・」
「?千草の命には変えられませんよ、ダンジョンではいつ死んでしまうかわからないですから」
千草の心配を余所に妖夢は首をかしげながら平然と言い放つ、千草は言葉に顔を赤くしながら消え入りそうな声でありがとうと礼を言った。
幸運のリボンは早くも効果を表したのか、夕暮れ時だった為赤くなった顔を不思議に思われる事も無かった。プレゼントは命や桜花、タケミカヅチにも渡されていた、どうやら全員違う物を渡された様だ、千草は桜花が自分とお揃いの物を付けたらどうなるのかな、と想像し吹き出すのだった。
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【魂魄妖夢】
所属:【タケミカヅチ・ファミリア】
種族:半人半霊
【ステイタス】
Lv.2
「力」:F352 →D523+171
「耐久」:G230→E430 +200
「器用」:D503→ A836+333
「敏捷」:E495→A812 +317
「魔力」:F326→ E403+77
「霊力」:E452 →D552+100
アビリティ:集中 G+
スキル
【半霊 (ハルプゼーレ)】
・アイテムを収納できる。収納できる物の大きさ、重さは妖夢のレベルにより変化する。
・半霊自体の大きさもレベルにより変化する。
・攻撃やその他支援を行える。
・半霊に意識を移し行動する事ができる。
・ステイタスに「霊力」の項目を追加。
・魔法を使う際「魔力、霊力」で発動できる。
【刀意即妙(シュヴェーアト・グリプス)】
・一合打ち合う度、相手の癖や特徴を知覚できる。打ち合う度に効果は上昇する。(これは剣術に限られた事ではない)
・同じ攻撃は未来予知に近い速度で対処できる。
・1度斬ればその生物の弱点を知る事が出来る。
・器用と俊敏に成長補正。
【剣技掌握(マハトエアグライフング)】
・剣術を記憶する。
・自らが知る剣術を相手が使う場合にのみ、相手を1歩上回る方法が脳裏に浮かぶ。
・霊力を消費する事で自身が扱う剣術の完成度を一時的に上昇させる。
【二律背反(アンチノミー)】
・前の自分が奮起すればする程、魂が強化される。強化に上限はなく、魂の強さによって変化する。
・使用する際、霊力が消費される。
魔法
「楼観剣/白楼剣」
詠唱①【幽姫より賜りし、汝は妖刀、我は担い手。霊魂届く汝は長く、並の人間担うに能わず。――この楼観剣に斬れ無いものなど、あんまりない!】
詠唱②【我が血族に伝わりし、断迷の霊剣。傾き難い天秤を、片方落として見せましょう。迷え、さすれば与えられん。】
詠唱「西行妖」
【亡骸溢れる黄泉の国。
咲いて誇るる死の桜。
数多の御霊を喰い荒し、数多の屍築き上げ、世に憚りて花開く。
嘆き嘆いた冥の姫。
汝の命奪い賜いて、かの桜は枯れ果てましょう。
花弁はかくして奪われ、萎れて枯れた凡木となる。
奪われ萎びた死の桜、再びここに花咲かせよう。
現に咲け───冥桜開花。西行妖。】
【ーーーーーーーー】
【】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「・・・と、トータル1000オーバー・・・だと・・・妖夢お前はどれだけ無茶したんだ・・・」
皆まで言うな、一番驚いてるのは俺だ。一体どこの主人公だこれぇ!?補正ってこんなに凄い物なんだね、今はっきりと認識したわ!そして耐久!お前毎回上がり過ぎだろ!?補正無いんだぞお前!?
「・・・・・・・・・」
ほら!驚き過ぎて声出てねぇもん!黙りこくってんもん!そりゃそうだよね、こんないきなり上がったらビビるよね。
ん?・・・何だこれ・・・G+?どういう事だろう、タケに聞いてみよう。
「・・・・・・」
おーい、聞いて?聞いてみよう?聞かなきゃ解らないから、そんなに目を見開いたままタケを凝視しても伝わらないから。
「いや、俺にもわからん。何故G+なんだろうな、上がっているならFと表示される筈なんだが」
伝わったー、すげぇなタケ、実は天然ジゴロじゃないんじゃないか?わざとなんじゃね?ハッ!まさか以心伝心、って奴か!?にしても何だったか・・・何かの作品でアルファベットに+がつく奴が・・・・・・・・・Fate?
まじかよ、もしそうだとしたら特定条件下でアルファベットの2倍になるんだよな?・・・ってGの2倍ってなんだよ、発展アビリティの数値とか知らねぇよー!あれか?SABCDEFGHIの十段階だとして、あれSってあったけ?まぁいい、十段階だとしたらGの位置は下から3番目、+が付いて2倍だとしたら下から6番目のD位の効果になるのか?・・・・・・え?やばくね?
ま、まぁ仮に2倍になるとしてもどうせ死にそうな時とかそんぐらいだろう。
時間が経ってちゃんと話せる様になったのでその事をタケに伝えておく、勿論仮説でしか無いが。
俺、魂魄妖夢の朝は早い、まだ日が登っていないうちに寝床から起き上がり水場で顔を洗う。そして刀を・・・あぁ、ちなみにこの刀の名前は
天切を持って庭に出る、服は寝巻きのままだ、だってどうせ汗かくし後で着替えるからね。そして素振りを始める、初めは垂直に振り下ろすのを繰り返すだけだが、そこから動きを加えていき演武の様に動き始める。命から「舞を踊っているかのようです」とお墨付きを貰っているから、もっと洗練させようと頑張っている。
ある程度体が暖まったら並行詠唱をしながら動かす。空想上の相手は取り敢えず人形だ。
「【我が血族に伝わりし―――】」横に切り払うと同時に飛び跳ね相手の横をとる。
最近になって挑戦している事が並行詠唱をしながら剣技を発動させる事だ、剣技の発動には結構な集中力が必要だ、発展アビリティのお陰である程度緩和されているが、並行詠唱と同時に行う成功率はまだ30%位だろう。これに関してはひたすら鍛錬あるのみ、と頑張っている。
「【―断迷の霊剣―】」袈裟斬りを放ち、首を狙う牽制の横振りを加え、一歩下がる。
どのタイミングで技を使うか、それも結構重要だ、変な所で使うと成功率は著しく下がる。
「【ーー傾き難い天秤を、片方落として見せましょう。】」垂直に振り下ろし即座に切り上げ、そのまま肩まで刀を持ち上げる。切っ先は敵に、刃を上に向け水平に構える。
最もベストなのは詠唱が終わる直前だろうか、ベスト、と言うよりは成功率が高い場所だな、でも、やっぱり詠唱中に、相手との距離を離す牽制として使えた方がいいだろう。
「【―迷え、さすれば】ッ!あ、危なかった」
っぶねー、燕返しやろうとしたら魔力暴走しそうになったわー。ちなみに霊力は暴走しにくいみたいだ、霊力で唱える分には成功率は倍位だと思う。ただ、それに甘えているせいで魔力の項目がなかなか上がらない。今日は千草に選んでもらった天切を少しでも手に馴染ませようと使っていたが、いつもなら鍛錬の初めに楼観剣を召喚したりして魔力を消費させている。
てかさー、武器を召喚させる魔法なのに詠唱が地味に長いんだよね、もーいいじゃん【来い!】だけでいいじゃん、そう思わないか?アイズだって【目覚めよ】ってだけであんな強力な魔法使えるのに・・・。そうそう、買い物の後エイナに捕まって「もし良かったらベル君とダンジョンに潜ってくれないかな?無理だったらいいんだけど・・・レベル2の妖夢ちゃんが居れば安心できるから・・・」とかお願いされてしまった・・・なんで今頃思い出したんだろうか。
その後も何だかんだタケが起きて来るまで鍛錬は続いた。
【楼観剣】
魔法で作り出された剣。魔力か霊力もしくは両方を消費。詠唱にある通り斬れない物はあんまり無い、楼観剣で斬れない物は白楼剣で斬る。
非常に長く、背の低い妖夢からするとアンバランスだが、そこは技量でカバーしている。常時発動型の魔法、アイズのエアリエルと似た感じ。相手の攻撃で破損したとしてもすぐに修復される。
【幸運を呼ぶ赤いリボン】
妖夢が求めている様な効果は少ししかなく、ドロップ率アップの効果。
【恋の装飾】
色々なアクセサリーが揃うオリジナルのお店。非常に人気が高く、値段も高い。しかし鍛治スキルや神秘スキル持ちの職人が作り出したアクセサリーは様々な効果を現す。タケミカヅチと桜花、命には身体能力の向上、左から腕輪、ネックレス、髪飾りを渡した。
次回!特に言うことは無い!