オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか? 作:シフシフ
次回以降は絶対にベル君を活躍させてやるんだ!頑張れハーレム主人公!
うーむ、後は何を書こうか・・・・・あ、全く関係ないですがFGOでカルナ来ました。結構前ですけどね。友人と一緒にガチャを回していて
シフシフ「おっ、金色のランサーだ」
サムライ「えっマジで!?」
シフシフ「分かったぞ・・・・・これはフィン君だ!!フィンの宝具レベルが3になる時が遂に!」
シフシフ&サムライ「うぉおおおおおおおお!?」
パァーーーーンキラキラ
シフシフ「カルナか・・・・・(しょんぼり)」
サムライ「えっカルナァ!?!?」
シフシフ「カルナかぁ・・・・・フィンとエリーと李書文とその他ランサーで素材全滅してるわー、育てなくていいか。」
サムライ「!?」
そんな感じのことがあって何ヶ月かたった今もカルナはレベル1ですw友人には1年後にはレベル2にするから。と言っておいたのでセーフのはず。
宝具レベルだよな?宝具レベルだよな!?とか言われた気がしなくもないけど僕はミキシンボイスを聞いていたのでわからなかったよ。そう、全てはフィン君が美し過ぎるせい・・・・・。
そして、明日からは旅行なので更新は遅くなるでしょう、多分。さらに!夏休みの宿題もやっていないので遅くなるでしょう、多分。さらに!特にないです。
あ、それと沢山死ぬので苦手な人は注意してくださいね。
殺気。それは人を殺そうとする気配。激しい憎悪。害そうとする気持ち。
しかし、果たしてそれはここまで・・・・・空間を埋め尽くすほどの物だっただろうか。
「■■■■■■■■!??!」
「□□□□□□□□!???!」
白と黒のゴライアスから枝葉が伸びる、そして、そのひとつひとつから途方も無い殺意を感じるのだ。
「ぉ・・・・・ぉぃ・・・・・ありゃあ・・・なんだ、よ。」
ベートは後ずさった。そしてその自分の行動に驚愕し、枝葉を凝視する。
「うそ・・・・・でしょ?戦争遊戯の時は何ともなかったのに・・・・・?」
「あれは・・・・・不味い・・・・・!」
ベキベキと音を立てゴライアスの体内でナニカが蠢いている。そして何処か1点が盛り上がるとブチブチと肉を引き裂きながら顔を覗かせるのだ。また、1つ枝が生えた。
ゴライアス達はその余りの殺気と激痛に最早動こうという決意すら失ったのだろうか、その動きは鈍く、叫び声を上げるのみだ。だが、その叫び声には意味があったのだろう、モンスター達がその進路を変更し、ゴライアス達に向かって走り出した。
「ぎゃあぎゃあ」「グォォオオオオガァァア」
しかし、ゴライアス達に近づいた地点・・・・・妖夢から見える地点に入った途端、走っていたモンスター達はその動作に異常をきたし飛び跳ねるようにして転がり回る。その身体からは枝葉が伸びている。
「か、数に制限は無い・・・・・のですか?」
アスフィが何とか言葉を絞り出す。リューも驚きに目を見開いており、その足は僅かに震えている。こうして話している間にもモンスター達は苗床となり、地面をのたうち回る。
木々は恐ろしいほどの速度で伸びていく。まるで、破壊し尽くされたこの階層の森が再び蘇ろうとしているかのように、モンスターの肉体と妖夢の魔力霊力を栄養に空を目指す。
やがて、ゴライアスの体から生えた木々に変化が訪れる。伸びていく木々が少しづつ進路を変えて体を縛り始めたのだ。
そう、まるで「逃がさない」と言っているかのように。抱きしめるように、死の抱擁が行われる。
ギリギリ、ギチギチ、ブチブチ。
締め付け、締め付け、引きちぎれる。肉に枝葉が食いこみ、再生する事で腕の中に枝が埋まり込む。まるでゴライアスの肉体が膨張するかのように膨らみ・・・・・再び芽生えた枝が体を縛る。
枝が増え、苗床が増える程に殺意が強くなっていく。大凡人が持ち得る殺意ではなく、正に人外のソレだ。殺す為に在り、殺す為に生きる。殺す事で活き、殺さなければ死ぬ。それがコレなのだろう。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!」
「□□□□□□□□□□□□□□□□□□!???!」
黒いゴライアスが漸く動き出した。死んでなるものか、我が宿敵を殺すその時まで決して死んでなるものか。その目には死への執着が見て取れる。絶対的な死を前に、自らの目的を思い出したのだろう。体内から発せられるその圧倒的な憎悪に魅入られたのだろう。
暴れだす。
木々を引きちぎり、自分の体を引きちぎり、増幅された殺意と憎悪の限りに暴れだす。目的は殺す事、自分を殺してでも殺さなくてはならぬと奮起する。
しかしゴライアスの目は曇っていた。最早殺すべき物など見えてはいなかった。ただ目の前に動く全てを殺す事しかわからなかった、解ろうとする事が出来なかった。殺意に、憎悪に後押しされたその意思は、意志は「ダンジョンの真意」では無いだろう。
モンスターはダンジョンの意思を継ぎ、生まれ落ちる。それは神殺しの意志。生まれて初めて持つ感情が殺意であるならば、それは本能であり、神殺しこそが本懐、喜びなのだろう。
だが、それすらも塗りつぶす。
「本能すら塗りつぶし」殺すことしか考えられなくする。そこには「自分」すら入っているのだろう。その命尽きるまで殺し続けるだろう・・・・・自分を殺してでも。
殺意の波動はリヴィラにも届いていた
誰もが打ち震えた。
目を見開き口を開けガタガタと震えた。
泡を吹き倒れる者も居た。
余りの殺意に殺されたと勘違いし、生命を失う者もいた。
失禁する者もいた。
武器を抜き構えるも目を血走らせる者もいた。
訳の分からない支離滅裂な言葉を吐き散らし暴れる者もいた。
「皆!自我を確りと持て!惑わされるな!」
しかし、そうはならない者もいた。
「神谷殿!勝殿!気をしっかりもって!」
「なんと悍ましき気か・・・・・気の病に効く薬は持ち合わせて無いでごザルよ・・・・・」
「あわわわ、あわわわわわわ!み、みなさん!頑張って!」
意思の強いもの、レベルが高い者。そういった者達は耐え抜ぬき、他者を介護する。足の震えが止まらずまっすぐ歩けなくても、腕や指が恐ろしさにまともに動かなくても、それでも誰かのためにと行動した。
何故、彼等は動けたのだろうか。
それは勇者だからでも無いし、はたまた特別強かった訳でもない。・・・・・そう
「家族の魔法でくたばるなんてごめん被るぜ・・・・・!」
「私が死んじゃったら妖夢ちゃんが悲しむから!」
「この程度・・・・・耐えられなければ妖夢殿の家族とは言えないです!」
「ごザル!」
そんな、他愛の無い理由・・・・・――それも家族愛が起こした奇跡なのだろう。
「お前達、よく言った!・・・・・・・・・・行くぞ!タケミカヅチファミリア最強の俺達が!」
タケミカヅチが堂々とそう宣言した。死よりも深き死を前に生きるという意思を勝ち取った家族達の頭を撫で、先頭に立って走り出す。
「「「はいっ!」」」
3人もまた、走り始めた。その顔には確かな決意の証が見て取れる。すると後ろから誰かが付いてくるのがわかった。
「待てよ、俺も行く。」「団長、タケミカヅチ様、お供します。」「僕も、行くよ。」
自分の体を槍で切り裂き、激痛によって理性を保ったダリル、呪術によって理性を失わなかったアリッサ、結界でも張ったのか比較的症状の軽い3人も付いてくるようだ。
「・・・・・ふっ、良いだろう!行くぞ!!」
タケミカヅチがニッと笑いそのまま恐らくは妖夢が居るであろう地点へと向かっていく。そこに団員達も続いた。
ぐっ・・・・・魔法が、制御・・・・・出来てない・・・・・のか??
肩から生えた枝が少しづつだが伸びている。周りを見てみると自分の足元からも小さく木が伸びているのがわかった、つまり・・・・・やばいってことだ。
「ぅぐっ・・・・・・・・・・いっ・・・・・痛い・・・・・けど頑張らないと・・・・・!」
詠唱を続けるんだ・・・・・そうしないと全て無駄になる。全てまた失う。それだけは嫌だ、嫌なんだ。・・・・・詠唱を続けよう。
「【花弁はかくして奪われ、萎れて枯れた凡木となる。】・・・・・ぐぎっ・・・・・アァ!・・・・・痛、い・・・・・」
ミシミシと骨が軋む。肩の中で、木が成長して骨を捻っているらしい・・・・・痛すぎて声を抑えられない・・・・・。でも、後少し、あと1文で魔法は撃てるんだ、・・・・痛みに下げた顔を上げ、ゴライアスを睨む。
「「□■■□■□■□■□■□■■□■!!!?」」
拗られ潰れ再生し捻られる。突き破り再生しお覆い隠し引きちぎる。締め付けられ腕がへし折れて固定され再生して変形する。
折られて変な形で固定された腕が天を崇めるように掲げられている、再生能力の高さが自らの肉体から自由を奪っていく。見ていられないほどに悲惨で、自分もこうなるのかと思うと吐き気すらする。でもそれで・・・・・・・・・・自分が死ぬ事で家族を救えるのなら、喜んで死んでやるさ。
「【奪われ萎びた死の桜、再びここに花咲かせよう。
現に咲け─────────】」
──────────ノイズが、走る。額が罅割れる様な感覚が俺を襲った。
「また・・・・・ですかっ・・・・・!」
視界が暗転し、光景は一変する。
和式の広大と言って差し支えない大きな屋敷に、俺は立っていた。・・・・・立っていた。そして、目の前には俺・・・・・なのかな、まぁとにかく妖夢とお爺さんがいる。恐らくは妖忌だろう。
「妖夢よ、こちらに来なさい。」
「はい、おじいちゃん。」
「・・・・・お爺様、と呼ぶ様に言ったはずだろう?」
「あ、・・・・・おじいさま。」
「ふむ、まぁ良いか。幽々子様がお呼びだ、失礼の無いようにな。いいか?ゆ ゆ こ さ ま・・・・・だぞ?前のように「ゆゆこ!」などと言ってはならんぞ?」
「は、はい・・・・・ごめんなさい」
どうやら本体は幽々子のの事を呼び捨てにしたことを叱られているようだ。・・・・・しかし、何故今更こんなものを見るんだ?・・・・・って!?こんなことしてる場合じゃ無いだろ!速く戻らないと!!くっそ!どうやってもどんだよ!
「およ?」
「どうした、妖夢」
「いえ、いまだれかいたような・・・・・?」
「儂が感じられなんだ、恐らくは妄想だろう」
「そんなことないよぉ!ぜったいにいたってっ!」
「これっ、口調を直さんか!」
「ごごごめんなさい!」
あ、危ない・・・・・隠れなかったらバレて・・・・・いや、俺幽霊だしバレないんじゃ・・・・・あ、でもあの世界だと簡単にわかるか、見えるもんね。
じゃなくてだな、はよ戻らないと・・・・・!
「幽々子様、失礼します」
「あらあら〜妖夢も来たかしら?」
「どうやらそのようね、・・・・・ねぇ幽々子、ちゃんと話しは通してあるの?」
「もちろんじゃなーい!妖夢の為を思ってるんですもの!」
「・・・・・・・・・・伝えてないわね?」
「えーっと、どうだったかしら妖忌」
「私は何も伺っておりませんが?」
大人3人の会話に付いていけずにキョロキョロする本体。俺もキョロキョロしてるけどな、出口探して。・・・・・と言うか、出口探してるけど・・・・・出口なんてあるのか?
「妖夢。こっちに来なさい?」
「は!はい!ゆゆこさま!」
「ねぇ、こんな言葉知ってるかしら?『可愛い子には旅させろ』って」
「し、しってますです!このあいだゆゆこさまからききました!」
「ほら〜!ね?私伝えていたでしょ?」
「それは伝えたとは言わないわよ・・・・・」
「だからね・・・・・」
ザ、ザザと急に映像が砂嵐のように不鮮明になっていく。
「あ■たを───────」
ノイズが、走る。意識は濁り、渦巻きのようにうねった。そして気がつけばまた、森にいた。
「───ぁ・・・・・ちか、らが・・・・・」
そうしてまた気が付いた。身体に力が入らない、魔力も霊力も底をついた。
魔法はあと1文残っているのに、ここで、終わる?そんなの、嫌に決まってるだろ・・・・・!まだ、終われないんだ、動けよ、俺の口。動かせよ・・・・・動けよ!!!
───否定する。魂は奮起する。負けてなるものか、終わってなるものかと。
「ぁぁぁ・・・・・ァァァォ・・・・・!!!」
精神疲弊がなんだっ!魔力がないから何だってんだ!
────否定する、己の敗北の『可能性』を。家族の終わりの『可能性』を。負けという『結末』を。
こんな所でおわれるか!動かしてやる!抗ってやる!
「こん・・・な・・・・・・ろで・・・・・!お、わ、ないっ!!」
─────ぐらり。身体を強引に動かした。口が何かを紡ごうとぎこちなく開く。それは言えるはずの無いもので、他の誰が聞いても異音に違いない。されど、強く謳うのだ。
「・・・・・・・・・・ぁぁ!」
必要なら持っていけ!魂だってくれてやる!記憶だって力だってくれてやる!だから、だから!今は動いてくれ!俺は、俺はただ・・・・・
────肯定せよ、自身の勝利を。確定せよ、勝利の『可能性』よ。
「──────」
俺は・・・・・家族を助けたいんだ!!!
────肯定せよ、『家族の生存を』。確定せよ、生存の『可能性』よ。
「【────────冥桜開花。西行妖。】」
それは、余りに唐突な変化であった。気が付けば天井を覆い尽くさんばかりに枝葉を生やした巨大な大木がゴライアスが居た場所から伸びていた。
不思議な事に先程までの殺気はなく、辺りを静寂が包んでいる。
カチカチと金属の音がした。そして力無く地面に倒れる誰か。
「終わったんだ・・・・・やっ、やっと・・・・・は、ははは、ハハハハハハハハハハ!やったんだ!勝ったんだよ俺達は!!!あの化物に!」
武器を取りこぼし、地面に横たわり笑う。自分が生き残った奇跡に、何よりも深い感謝をして、木々に覆われた天を拝む。
「そうだ、そうだ!俺達は生き残ったんだぁ!!!」
「いやっふぅぅぅぅぅうううう!!!」
「祝杯だぁぁぁあ!祝杯を上げろぉおおおお!」
それに習うように人々は喝采を上げた。手放しに喜んだ。
だが。
彼らが、
手放した、
武器には、
血が、
赤い血が、
滴っていた。
「─────────ぇ?」
重い音を立てて誰かが倒れた。理由は一目瞭然だろう、誰でも分かることだ。今倒れた彼は
─────自害したのだ。
「ゴブッ・・・・・ガッ・・・・・な、なん・・・・・・・・・・で・・・・・」
誰もが疑問を口に倒れていく。目を見開き、自分で突き刺した心臓や首を抑えながら地に沈んで海を作った。
なにも人間だけが死んでいる訳では無い。モンスターもまた、自らの魔石を砕き、灰となって消えていく。
「どうなってやがる!?おい!誰か!俺の腕を止めてくれぇ!!!??」
「やめろ!!??死にたくない!死にたくないんだぁぁぁああアア!!!」
「糞!糞が!クソッタレめェ!!あのガキ!あの銀髪のガキがぁぉあああ!あいつが!アイツが俺らをゴバッ!・・・・・ごろず・・・・・ぜっだいに・・・・・・・・・・」
誰もが死んでいく。原因を理解したものは深い恨みとともに。理解出来なかったものは恐怖と疑問と共に。
高レベルの冒険者も決して例外では無い。
「くそっどうなってんだ!アイズ!やめろっ!!」
「やめっ、たい!けど!勝手に・・・・・!」
「ティオナ!テメェもか!!」
「ア、イズを、助けて、上げて・・・・・!」
「自分で自分の首絞めながら何言ってんだ!!オッタル!手伝え!」
「わかって・・・・・いる・・・・・!!」
「・・・・・!!・・・・・お前もかよ・・・・・!糞が!あのガキぃ!納得いく説明出来なかったら殺す!!」
剣で胸を刺そうとするアイズ、自分で自分の首を絞めるティオナ、自分の首に飛びついてくる自分の手を強引に足でへし折り耐え抜いたオッタル。
「ぐっ・・・・・体が・・・・・!?」
「ま、まちなさい!そのアイテムは自爆用・・・・・!」
「ぬぅん!!」
「「ぐほっ」」
何やら危険な物質を取り出したアスフィとリューをオッタルは蹴り飛ばして気絶させた。すると腕の動きは自然に戻り、動かなくなる。
「・・・・・みたか、ベート・ローガ・・・・・」
「ああ、気絶させりゃイイんだろ?・・・・・悪ぃな、アイズ。」
「・・・・・うん。」
「わ、たし、には、ないの?」
「るせぇ、バガゾネスが。」
「ごふっ」
アイズとティオナを蹴って気絶させたベートはオッタルに向き直る。
「てめぇも、腕治ったらまた襲ってくんだろ。そのままにしとけ」
「あぁ」
「・・・・・・・・・・なんで俺だけ効いてねーんだ・・・・・?」
そう疑問に思いつつ、「家族を守る」という妖夢との約束を守るべく、ベートは走り出す。
「ひでぇな・・・・・こりゃあ」
右、左、どこを見ても、何かが死んでいる。木も、土も、モンスターも、人も。
死が平等であるならば、ベートが生きているのは可笑しいだろう。では、何故ベートは生きているのか。それは「魂魄妖夢と約束したから」に過ぎない。家族を守るには人手が必要なのだ・・・・・故に生かされた。ただ、それだけのこと。
無意識にベートだけを対象から外した魔法は未だに未完成だ。よく良く見れば、滴った血や、砕け散った魔石の魔素などが巨木に吸い寄せられている。
そして、木々の半ば、うごめく4本の腕と少しだけ突き出ている顔がゴライアス2匹の生存を伝えていた。
タケミカヅチは言った、「剣聖の斬撃も、英雄の光線も効かんとなればいよいよもって神の番かと思ったが・・・・・早とちりか。」と。神で殺せないのならば残ったものは怪物のみ。目には目を怪物には怪物を。
圧倒的な生命力と圧倒的な殺傷力がぶつかり合う。その余波だけで人は死んでいく。自らの命を絶ってゆく。
ここは、地獄だ。
─────ノイズが、走る。
また、か、今度はどんな映像だ・・・・・?
「チョリーッス」
・・・・・・・・・・ん?
「んん?」
・・・・・いや、違うだろ、流石に。今はお前が出てくる番じゃないだろう?
「え?マジで!?」
見慣れた顔、聞き慣れた声。時折話すだけなのに、どうしてか近くに感じられるそんな奴。神様だってことしかわからない謎の変人・・・・・変神。
「まぁまぁ、そう褒めなくても何も出ないぞっ!アハハハハハハ!今日は伝えたいことがあったんだよぉ!気になるだろう?本当にいいことさ!何たって君の能力とかそこらへんのはなしだからねぇー、聞きたい?聞きたいだろう?教えてあげよう!もちろんこの僕がね!ではでは?何から聞きたい。ふむふむ、そうかそうか、まずは君の家族の安否が知りたいんだねぇ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もちろん!生きているともー!君が行った魔法は君の感情に従いギリギリ家族は殺さないように動いたようだよ!ハハハハハハ!良かったねぇ!他に知りたいことは無いかい!うんうん!そうかそうか、どうして僕がここに居るのか、だろう?そんなこと聞かないでくれよ照れちゃうぜ・・・・・!簡単な話しだろう?君に教えてあげたいことがあったのさ!そう、きみのまほうのことだよ!え?能力の事?今じゃなくても別に平気だろ?そうそう、今知るべきものを知るのが先決さぁ。じつはねぇ?君のあの魔法ね、続きがあるんだよ!www何その顔ー、まるでもう魔力も霊力もないから魔法使えねーじゃん!って考えてそうだねー!!ぷゲラ。・・・・・君は言っただろう?魂だろうがくれてやるってね。まぁ僕は是非とも欲しいところどけど、それはまた今度にしとくよ。あ、魂の話しはまだ続くんだけど、魂を削って霊力にする事は可能だとも!そうすればきっと隠し詠唱も謡えるねぇ!」
い、今の量を一息で・・・・・?流石は神様・・・・・。
「そう褒めるなよ!照れないぞ!かぁ!しかも僕が別に神様って理由でもないし?全然違うし?べっ、別に神様何かじゃないんだからねっ!勘違いしないでよねっ!・・・・・さて、隠し詠唱なんだけど、君は・・・・・・・・・・知っているだろう?いや、知ってない可能性はあるけど、知っている可能性の方が高いね、今は気が付かないだけでもしかしたらきがつけるかもしれないね。」
・・・・・引いたわー。てか、起こしてよ!このまま寝てても分からないだろ?
「えー、起こしてしまうのー?僕、寂しいよぉ?」
うるせぇ、永久に一人になってろ。
「んだとぉ!ボッチの僕への当てつけかぁ!?」
あー、はいはい。
────ノイズが、走る。
目が覚めて、見たものはタケ達の心配そうな顔だった。
「妖夢・・・・・大丈夫か?」
「妖夢殿?」「妖夢ちゃん!」「妖夢・・・・・」
上半身を起こそうとして失敗する。力が入らない。・・・・・一刀修羅の弊害だろう。指先一つ動かないんだから困るなこれは。でも、みんな生きてた。生きてくれていた。
「み、んな・・・・・良かった・・・・・」
涙が勝手に零れ落ちる。その涙の流れに惹かれるように横を向き、目を見開く。
リーナとアリッサとダリルが倒れていた。
「あー、それは俺達で意識を刈り取ったんだ。何故か俺達は喰らわなかったからな」
タケが頭を掻きながらそう言う。
「そう、ですか、・・・・・なら、あと、一仕事ですね・・・・・」
「お、おい!もう安静にしておけ!」
タケの静止を聞かず、強引に立ち上がろうとする。どうやら肩に生えた桜の枝は肩を伝って腕まで侵食したらしい、右腕は不自然に膨れ上がり腫れ上がり青くなっている。デコボコだ。
それでも、動くんだ。激痛が走った。まだ神経が通ってんのか、なんて少し意外に思いつつ、慌てて手を貸してくれた命に支えられながら立った。
詠唱は知っていた。だから手伝ってもらうんだ。
「ありがとうございます命」
「よ、妖夢殿、安静になさった方が・・・・・」
いつから知っていたのかわからない。けれど、知っている。
「大丈夫です、私はまだ動けます」
使うにはまだ、足りない。だから、集めないと。
「まだ・・・・・・・・・・動けるんです」
咲かせるんだ、西行妖を。
まだ花は・・・・・100個も咲いてない。あれを満開にしないと、最後の詠唱は出来ない・・・・・。
「あの木を、咲かせます。そうすれば・・・・・終わらせられる・・・・・!」
次回予告!!ベート激おこぷんぷん丸!!妖夢の\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!で更に追い討ちのゴライアスのポカヌポゥ。死ぬな妖夢!半分死んでっけど!
さらに遂にあの場所へ!ははは、滅茶苦茶だぜ。
・・・・・もう少し真面目にやるか・・・・・ネタバレにならない程度に・・・・・( ・´ω・`)
──自らの手で命を絶つ冒険者達。「助けてくれ」そう言って目の前で死ぬ「弱い」者達に、「強い」ベートは憤慨する。
冒険者は怪物と戦う、たが、彼の前で死んだものは何に殺された?・・・・・自分だ。怪物ではない、自分自身に殺せれた。理不尽にどうすることも出来ず死に絶えた。それがベートには許せない。
怒れる銀狼は少女へと吠える─────。