オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか?   作:シフシフ

70 / 91

シィイイイイリァアアアスッッッッ!!

お久しぶりです、シフシフです(賢者モード)

やっとこさ産まれました。しかし、面白いかと言われると何とも言えない。なにせ暗い。シリアスは苦手ですね!
リメイクの方はシリアスなんて最初以外する気は無いですから、そっちでシリアル分を補給しつつ、こっちではシリアスをするのです。きたるハッピーエンドに向けて。

・・・・・辿り着けるかな?


69話「い、今まで何処に行っていたのですか!?」

「作戦はこうだ」

 

桜花が人差し指を立てて、そう話し出す。内容はイシュタル・ファミリアとの抗争。

私から春姫の事を聞いたタケを含めた3人は、一瞬にして目の色を変え、戦闘を是とした。

 

しかし、私が行ってきたゲリラ戦法は少々荒すぎる。あのまま続ければ、ファミリアの立場は更に危うくなり、下手を打てば崩壊しかねないとのこと。

 

よって何らかの方法で、公的な戦いに持ち込む。・・・・・か、ばれる前に終わらせるかの二択となる。

 

そして、自体を重く見たタケは後者・・・・・先手必勝、見殺必殺、疾風迅雷。出来るだけ速く、出来るだけ正確に、何もかもを嵐のように終わらせる事にしたようです。

要するに、ゴリ押しです。

ゴリ押しを甘く見ることなかれ。かの聖女ジャンヌ・ダルクが最も得意とした戦法なんです。

 

「装備はどうするんだ?」

「恐らくヴェルフに頼んだ者が出来ているかと。」

「なるほど・・・・・悪いな、巻き込んじまって」

 

桜花が私に申し訳なさそうに言います。私を巻き込んだと思っているようです。巻き込んだのはむしろ私なのですが。

 

「いえ。家族の頼みとあれば。・・・・・取りに行ってきますね。」

 

家族・・・・・ですか。・・・・・会話がうまく繋がりませんね。困りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んー・・・・・うーん・・・・・』

 

どーも、俺ですハルプです。フェルズから貰った種を植えて、懸命に育てております。

んが!が、だ。やることが消えたぜ!

 

─────頭がいたい。

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」

 

リドは俺の隣で寝てる。はぁはぁ言ってるけどヤらしいこと何も無いぞ?

あるのは疲労だけだな。

 

「なんで、ハルっちはピンピンしてんだよ・・・・・」

『いや〜それほどでも?』

「回答に、なって、ない・・・・・ぜ」

 

あ、死んだ。まったく不甲斐ないやつだなぁ。こんなにも俺が全力で鍛えてあげてるのに!

大体、この体は疲労も何も無いんだ、俺が頭の中で「この位動いたら疲れる」って記憶してるから疲れを覚えたりするけど、そんなの無視しちゃえば疲労なんてこれっぽっちもなかったぜ。

 

────体が痛い。

 

あれだな、アンデッドと人間の軍隊だと、アンデッドの方が強いって言われるアレだな、疲れず眠らない軍隊は怖いよね。

 

「キュイ!キュイキュイ!」

『おー?どうした、ん?ご飯?ご飯食べたいのか?おーおー、いいよいいよ?何がいい?』

「キュー!キュキュ!」

『・・・・・なんて言ってる?』

「何でもいいってさ」

『ほー、何でも・・・・・・・・・・骨は?』

「キュイ!?」

「フェルズじゃねえか!!」

 

いけなかったのか?フェルズじゃ。

あんだけ動き回る骨だぜ?骨密度半端ないな、カルシウムもたっぷりに違いない。

 

─────痒い。痛い。

 

まぁいいか、適当に作ってやろう。

 

「んめー!」

「うまーい!」

「ウム」

 

という訳でカットだ。俺が作った飯・・・・・と言うか焼肉は大変評判が良かった。

 

─────・・・・・。

 

流石に獣に近いっすねぇ。肉を食らう姿はまさにモンスター!

 

『がルルルー』

「キュイ?」

『・・・・・何でもない。・・・・・っ!?』

 

意識が・・・・・落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚める。

 

何故、目がさめた?俺は寝てなんていないはずなのに。寝る必要なんてないのに。寝落ちなんてありえない。

 

ココはどこだ?あたりを見渡せば俺の部屋だ。俺達が自力で作り上げた場所だ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・体が、痛い。どうしようもないほどに。ごまかせない位に。

 

思考だってままならない。ならば、きっと俺は倒れて寝かされたんだろう。あぁ、困ったぞ。まだ、やることは腐るほど残っているのに。

 

──────────。

 

・・・・・ッ!!

 

呼んでいる。誰かが、俺を。

いや、違う呼ばれてなんていない。俺が・・・・・聞いただけだ。誰の声かなんて分かりきっている。命だ、ミコトの声だ。

 

───────。

 

戦っている。それだけは分かった。けれど何故?ダンジョンは封鎖されている。だから命は戦う相手なんか居ないはずじゃ・・・・・人?人が相手なのか?なんで?・・・・・あ、あああ・・・・・そうだ、そうだった。約束だ、約束があった。

救うと誓った約束だ。

 

『・・・・・ァ』

 

忘れるなんて、俺は酷いやつだ。でも、まだ取り戻せる。

立ち上がろうともがく。・・・・・ぽろりと体から欠片の様なものがこぼれ落ちる。それは・・・・・皮膚のようなものだった。しかし霊力となって消えていく。

 

なるほど・・・・・もう・・・・・時間が・・・・・無いのか。

 

りかいできるのはそれだけ。鈍る思考力のなかで、剥がれ落ちたその場を見る。黒く、何処までも深そうな暗闇が・・・・・皮膚の剥がれた腕から覗けた。

 

これが・・・・・俺か。これこそが俺の正体か。

 

 

 

 

 

 

ふと、体から光が伸びているのに気がついた。

伸びる光の糸を見つめる。今までもあったが、無視をしていたものだ。多分・・・・・妖夢との繋がりだろうか。なら・・・・・これを斬れば・・・・・。

 

[ああいや違う、そうではない。私がやるべき事は別の事であるはずだろう。異端児の皆を救い、人を追いやり地上に楽園を築くのだ。]

 

〈いやいや、何を言ってるんだ僕は、やるべきなのは人を助ける事だ。命達が困っている。異端児なんて所詮モンスターだ、今すぐ斬り殺して助けに行こう。〉

 

違う・・・・・違う違う!!全部違う!

 

【我々は全ての調和こそ使命。全てを無に返せば誰も死ぬことはない。そしてそれを出来るだけの力はあるはずだ。】

 

《儂は嬉しいぞ、このまま行けば開放される。》

 

ああああああ!うるさい!うるさいうるさい!!!

能力を使って技能を得る度に、知らない俺に出会ってしまう。知らないうちに俺が増えている。

 

怖い。恐ろしい。

 

でも・・・・・それで、も、やる事だ、けは分かっ、ている。

 

全部、助けるんだ。

 

[愚かな。]《愚か者め。》【愚者め。】

 

それを出来る力があるんだから、やれる所までやらないと。

 

〈力がなんのためにあるか分からないのかい?僕らが生きるためにあるんだ、自分から死を選ぶつもりかい?〉

 

やだ、死な、ない。全部救って、生き残、る。

 

《無理だ》【不可能だ】[出来るわけがない]〈せめて実現可能な事にしてくれ。〉

 

無視をしよ、う。頭の隅に追いやるしかない。どうにしても、助けることに変、わりはないんだか・・・・・ら。

 

─────能力を使用する。

 

もしも・・・・・・・・・・俺が・・・・・・の・・・・隣にいたら・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦火が上がる───。

 

火の手だ。

 

風に撫でられ煽られて、街を燃やし人を焼き・・・・・肺を焦がす。

 

スゥ・・・・・。

 

お面を着けた妖夢が息を吸い込んだ。鼻腔をくすぐる焦げ臭い匂いに、自分達が起こした惨状を理解させられる。

 

戦いが始まってから既に10分ほどが経過しただろうか。

ふと、後ろに気配を感じ振り返る。

 

「・・・・・!ハルプ・・・・・?」

『・・・・・』

 

振り向いた先に居たのは・・・・・怪物だった。

全身に黒い罅割れが走る、銀の怪物。

 

腰まで伸びた長い髪は、まるで蛇のように蠢いていた。髪の隙間から覗く眼は赤く、しかし光をともしていない。服装は完全に裸だ。

 

『たす・・・・・けなきゃ・・・・・』

「い、いままでどこに行っていたんですか!?」

『・・・・・けなきゃ・・・・・』

「・・・・・ハルプ?」

 

妖夢の呼びかけに、ハルプは答えない。ただ、ゆっくりと前に進んでいく。妖夢の横を通り過ぎ、そのますすんでいくのだ。

妖夢が慌てて追いかけ、その肩を掴もうと手を伸ばす。が・・・・・。

 

「!?・・・・・手がすり抜けて・・・・・?まさか、いや、そんな・・・・・!」

 

答えないのではなく、聞こえていないのだ。ハルプに今、言葉は届かない。激痛に思考は歪み、溢れ出すかのように増えた意識は歪んだ思考を砕いていった。

 

「私との縁が崩れている?い、いえ、まだ繋がりは認識できています・・・・・。ならば、崩れ始めている・・・・・」

『声が・・・・・聞こえる・・・・・・・・・・こっちか・・・・・命・・・・・今、助け・・・・・・・・・・る・・・・・』

「命?命がそっちにいるんですか!?」

 

ハルプがゆっくりとした動作で、首を動かしとある方向を見る。その方角には大きな建物・・・・・現状最も守備が固い相手の本拠点。

ハルプはその方角から命の戦いを感じ取ったのだ、そして・・・・・世界は歪み出す。

 

「!?」

 

ピキリ、と音が鳴る。

 

空間にヒビが走る。

 

ハルプと言う存在にノイズが走り──────。

 

「ハルプ!!!」

 

妖夢が叫び手を伸ばす、今、見逃せばきっと・・・・・次に会う時には後悔をすると分かったから。

 

『助ける。俺は、皆を・・・・・助ける』

 

そんな言葉と共に、大気が揺れ始める。

 

──────────!

 

ガラスが割るかのような破砕音と共に、ハルプが消え失せる。

 

まるで、初めからそこには何も無かったかのように。

 

「そんな・・・・・・いえ、まだ決まった訳ではありません。命の所にいるなら・・・・・」

 

妖夢が焦りを顔に浮かべながら、崩れた屋根を走って言った。

 

辺りは静まり返り、倒れ伏したイシュタル・ファミリアの団員と、瓦礫しか残っていない。

そんなところへ、一つの足音。

 

「ふむ、どうしたものか・・・・・」

 

筋骨隆々な男、最強の名を欲しいがままにする戦士。そして魂魄妖夢の守護者。

 

真名をオッタル。

 

「取り返しがつかなくなる前に止めねばなるまい」

 

既に人は捌けさせた。妖夢達がしでかした事と広まれば、それこそ守る守らないの範囲では無くなってしまうからだ。

 

「・・・・・行くか」

 

彼もまた、建物に向かって走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ・・・・・頭痛がする。

能力を使って戦場に飛び込めば、大剣が俺に振り下ろされる。

 

でも、当たらない。

とても邪魔だ、凄い邪魔だ。オレには行きたい場所がある。

 

そう、それは家族の場所。

腕を振り払う。人間が弾けた。

 

家族・・・・・?人間の、家族だ。そう、家族だ・・・・・?

 

まて、何だ。それは。家族?家族・・・・・本当に?本当にそうだったか?人間だったか?本当に?

 

あぁ・・・・・頭が痛い。

矢が雨となって俺に降り注ぐ。見れば沢山の人間が居た。何か喚いているが・・・・・聴き取れない。耳はもう・・・・・使えないようだ。

 

だが、腕は動く。足は動く。目もまだ・・・・・なんとか見えている。痛いが、それは関係がない。

進もう。・・・・・でも何処に?何をしに俺はここへ?

 

目の前で黒が踊った。白い仮面を付けて、武者鎧を着ている。

 

あぁ、そうだった。この人間だ。この人間を助けようとしていたんだ。名前は・・・・・名前は・・・・・。・・・・・記憶が混乱している。名前はもう思い出せないだろう。

 

黒髪の人間に矢が飛来する。

 

俺は腕を伸ばしそれを受け止めた。

・・・・・痛みは、無い。どうやら痛覚も亡くなったようだ。

 

はて、痛覚など俺にあっただろうか?魂の体にそれは必要だっただろうか?

 

あれ?まだ痛い。腕は痛くないのに、頭が・・・・・痛い。

 

黒髪の少女が口を動かしている。「ありがとうございます」だろうか?

なら、お礼は返さなければならない。礼儀だ。

・・・・・礼儀?

 

『・・・・・ぁぁ。気にすんな・・・・・』

 

情けないが、声もいずれ出なくなるだろう。

でも、仕方の無いことだ。

俺の業が招いた事なのだから。

 

────能力を使用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助ける、それが俺の目的だったはず。しかし・・・・・何を助けるのだったか。

 

『・・・・・ぉぁぁ!!!』

 

なら、行動しなくては。腕を動かし、近くの敵を捕まえる。

 

そして地面に叩きつけた。

熟れたトマトのように、人間は破裂する。

ぁ・・・・・れ?確か・・・・・人は殺しては行けないって・・・・・誰かが・・・・・お父さんが言っていた?お父さんって?

 

・・・・・うるさい、人間たちが騒いでいる。口の動きは・・・・・なんで、こんな所に、モンスターが・・・・・だろうか。

 

そう・・・・・か。俺は怪物になったのか。なら、きっと、人間をころすのは当たり前のことで・・・・・いや、違う。

 

人は、殺しては行けない。モンスターであるならば、尚更のはず。みんなが言っていた。みんなが示してきた。人と生きるために。太陽を、見るために。

 

そうだ、だから・・・・・えっと・・・・・?

殺さずに倒せばいいのか。

 

長くなった腕で、薙ぎ払う。人間達が飛んでいき、気絶したように見える。

頭から血を流しているものもいるように見えた。

 

視界が赤く染まる。目が使えなくなるのも時間の問題だろう。

 

─────能力を使用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転移した先で、あらかた倒しただろうか。いや、1人残っている。黒髪で白い仮面を付けた人間だ。あれを倒せば全部か。

 

・・・・・何故だろう、黒髪は俺を攻撃してこない。でも倒さないと進めないから倒すために攻撃をする。

 

・・・・・あれ?俺は何をしに来たんだっけ?

確か・・・・・誰かを助けに・・・・・。

 

そう、確か・・・・・金髪の獣人だったはずだ。なら、この黒髪は障害だな。

 

黒髪は既に満身創痍だ。

俺の攻撃を何度か受けているのだから仕方がない。・・・・・いや、どうして動けるのだろうか。俺の攻撃を受けた人間は今のところ全員倒れているのに。

 

手応えが軽いのが分かる。

 

そうか、うまく当たっていないのか。

 

────能力を使用する。

─────命中率95%

 

うん、これでよく当たるはず。

思い切り振り上げた腕を、一気に振り下ろす。・・・・・これでは死んでしまうのではないだろうか?いや、軽いし平気だろう。

 

けど、攻撃が当たる瞬間に、残念な事に何かに邪魔をされてしまった。

 

何も分からないうちに全身が切り刻まれる。

 

・・・・・?軽くなった?

体が軽くなった、頭痛が少しだけ引いた。

・・・・・なんで?

 

頭に響く声も・・・・・減った?

 

「ハ・・・・・プ・・・・・!」

 

・・・・・声が聞こえる。耳が聞こえる?

 

もっと、斬ってもらわないと。

 

・・・・・?大人しくしていると、斬られない?

なら、暴れよう。

 

『──────────ォオ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

いっぱい暴れた。めいいっぱい。

 

いっぱい斬られた。体が軽くなっていった。

 

「はぁ────はぁ・・・・・まだ、動きますか。繋がりが薄れる速度が尋常ではありませんね・・・・・!っ!あの子以外を斬り捨てるのは骨が折れますっ」

 

聞こえる。しっかりと聞こえる。

もう体は自由に動く、頭痛も・・・・・大分良くなった。

 

『・・・・・・・・・・あぁ・・・・・助けなきゃ』

 

そう、俺のやることは命を助けること。

そのためには目の前の銀髪と黒髪を倒さないといけない。

特に銀髪は危険だ、あの刀は魂を切り刻む。

・・・・・?

 

確か・・・・・その刀を持っていたのは・・・・・なら、アレが妖夢なのか?

まぁいい。どうでもいい。

 

「ハルプ!!!聞こえているでしょう!?私達は敵ではありません!!」

『────がァ!!』

「ぐっ!!妖夢殿!本当にこの方はハルプ殿なのですか!?」

「はい!!断言します!」

 

・・・・・?ハル・・・・・プ?

あ、あぁ・・・・・聞いたことがある。その名前は・・・・・知っている。

俺だ、俺の名前だ。俺は・・・・・なにをしている?

 

まて・・・・・妖夢だと?あの妖夢か?・・・・・・・・・・俺から全てを奪った奴か?

なら・・・・・倒さないと。

 

「なっ・・・・・!」

「妖夢殿!」

 

避けられる?なら・・・・・当てる!

長く伸びた腕が、有り得ない角度で曲がる。

まるで関節がいくつもあるみたいだ

 

「うぐっ・・・・・カハッ!」

 

妖夢の首を掴んだ。そのまま高々と持ち上げる。

俺の勝ちだ。取り戻せる。何もかも・・・・・!

 

「お辞め下さいハルプ殿!」

 

命?何をしている?なぜ、俺に刀を向ける?

俺は、前のようになろうとしているんだ。前のように・・・・・家族になろう。

 

「ぅ・・・・・が・・・・・ぁ!」

 

妖夢がジタバタとあばれている。

うん、もう少しだ。もう少しで・・・・・っ!!

 

「ぉおおおおお!!!」

 

稲妻が走った。

なんだ?・・・・・槍だ。

槍が俺のお腹を貫いていた。

 

槍を引き抜いて放り捨てると、それを稲妻がキャッチした。

 

稲妻が変化したと思えば、槍を持った男が現れた。黒髪だ。・・・・・命?違う。命は女のはず。

 

「桜花殿!」

「助けに来たが・・・・・なんだアレは」

「ハルプ殿です、ですが・・・・・自我を失っているようで・・・・・」

「・・・・・マジかよ。とにかく妖夢を助けるぞ」

「千草殿は?」

「こちらを俯瞰出来るところに待機している」

 

桜花?千草?・・・・・桜花、千草、命・・・・・そうだ、そうだった。3人揃って家族だった。

 

助けるのは・・・・・誰だっけ?金髪の・・・・・人?獣?モンスター?

頭が・・・・・痛い。もっと、斬られないと。

斬られると楽になるんだ、少しだけ、楽に。

 

 

 

 

 

「俺も手伝おう」

 

 

 

 

・・・・・!?

 

声がして振り返ると、妖夢を持っていた腕が斬り飛ばされていた。

 

『ぁ・・・・・ああ』

 

妖夢が・・・・・離れていく。苦しかったのだろうか、咳き込みながらヨロヨロと。

惜しい。でも、嬉しい・・・・・?

 

「オッタル。お前達の守護者だ」

 

オッタル・・・・・誰?

知らないから、要らない。

腕を叩きつける。・・・・・あれ?腕が受け止められた?

 

「─────故にこそ」

 

体が宙に浮く。持ち上げられた?いや・・・・・投げられる。

 

「お前を倒そう。そうしなければ・・・・・お前を守れそうにない」

 

背中から地面に打ち付けられる。

 

あぁ・・・・・こいつは強いな。それは分かる。でも・・・・後方から・・・・・もっと強いのが来てる気がする。

・・・・・タケ?かな。

 

『──────────アァ!!』

 

タケが来る前に。倒してしまおう。そして、褒めてもらうんだ。

あれ?褒めてもらえるのか?

 

・・・・・分からない。でも・・・・・褒められたいなぁ。

 

・・・・・ゾロゾロと・・・・・人間が集まってきた。

 

 





【オッタル】

( ・´ー・`)「む?なんだ・・・・・魂魄妖夢に動きが?」

|・ω・`)フムフム「・・・・・なぜ歓楽街に?」

( ゚д゚)「まさか・・・・・」

(°д°)「いや、そんな事は・・・・だがもしもそんな事があればフレイヤ様がじっとしているかどうか・・・・・」

o(・`д・´。)「い、急ごう。取り返しがつかなくなる前に」




( ゜Д゜)「・・・・・散々イシュタル・ファミリア虐めた後、家に帰った・・・・・だと?」

(o´Д`)「何がしたいんだ・・・・・魂魄妖夢は」


数日後


( ・´ー・`)「む?動いたか。またイシュタルファミリアを斬るのか。フレイヤ様の敵だし問題ないがな」

ハルプ登場。本編。

:(´◦ω◦`):「・・・・・なんか、変わったな。とりあえず助けよう」


( ー`дー´)キリッ「故に、お前を倒そう(ry」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。