オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか?   作:シフシフ

83 / 91
ベートVS妖夢&ハルプ!
突如始まった戦闘、そして閃くハルプの案とは・・・・・・!

てな感じの今回、なんと・・・・・・話が全く進みませんでしたっ・・・・・・!



83話『私以外のセイバー死ね』 「・・・・・・この時を待っていました」

よっす俺だ。ハルプだぜ!

 

今俺達はべートと戦うべく準備を進めている。当然だけど、真剣は許可されなかったぜぃ!なので長めの木刀を1本だ。妖夢は平均的な長さの木刀を2本持っている。べートの方も分厚い革のブーツと、短い木の剣を2本腰にさしているな。

 

《さぁ今まさに戦いか始まろうとしています!突如始まってしまった一騎?打ち!明日に備えた発声練習代わりに、我々が実況致します!》

《俺が、ガネーシャだ!》

 

無駄に声がでかいなぁ実況。ま、良いけどね?

 

「ハルプハルプ」

『はいはい何です?』

「どんな風に攻めますか?」

『ガンガンいこうぜ?』

「なるほど、ノープランですか。だがそれがいい的な感じです?」

『なぜバレたし?』

「そりゃあ、私達ですから(ドヤァ」

 

かわいい(自画自賛)。さて、どうしようか?とりあえず開始早々燕返しは確定として、無駄に技が多いせいで迷うぜ。修羅に羅刹は論外だ。この後も誕生会は続くしな。火炎系もダメだ。台無しになる。

あ、そうか。よぉし、妖夢にこの案を教えておこう。みょんみょんみょんみょん・・・・・・!

 

『見てください妖夢っ!あの犬人間、剣を持っていますよ!もうセイバー、セイバー確定です。どうせビームも撃てるんでしょう?!』

「いや撃てねぇよ!?」

「もぐ、あ、このアンコ美味しい」

「お前は何食ってんだ!」

『私以外のセイバー死ね』

「・・・・・・この時を待っていました」

 

よしよし、俺がXでそっちがオルタな。うんうん、え?糖分補給したい?今あげたじゃん。もっと?仕方ないなぁ。ならば我が秘蔵の和菓子をあげよー。つい最近買ったやつじゃないかですか?はいそうですよ!

 

《さぁ、もう準備は終わったようです。ガネーシャ様、この戦い、どうなると思いますか》

《俺g》

《なるほど。確かにそうですね。今【凶狼】と対峙している【剣士殺し】は未だに実力が不明な点が多いですからね。試合の行方は分からないと・・・・・・ありがとうございますガネーシャ様!》

《俺が・・・・・・ガネーシャだっっ!!》

《やけくそ!?》

 

俺は追加でもう1本木刀を貰ってきた。妖夢は2本の木刀を柄の部分を合わせ、妖術で固定した。妖術って便利っすね!

にしてもなぁ、ちょっとつまんないよね。思い出になりそうな事しようぜ?例えば?例えばかぁー、罰ゲーム?

 

「ぇ」

 

いいね罰ゲーム。あれだな、良くある「俺に勝ったら〜〜」ってやつだ!いいね、ワクワクするぞ!

 

『べー・・・セイバー』

「あん?なんだよ、怖気付いたか?」

『いえ、私が勝った暁にはセイバーたる貴方は私のお願いを叶える必要がありますよね』

「はぁ?」

 

べートは怪訝な顔をする。まぁ、そりゃそうよな。

 

『ですから、古き式たりと同様に・・・・・・勝った方が負けた方に命令する。生殺与奪の権限を与えられるというやつです』

「なるほど、別に構いやしねぇさ。だけどよ、俺が勝ったら何されるか分かったもんじゃねぇだろ?辞めとけ辞めとけ」

「そうでs」

『妖夢何を怖気付いているのです?これに勝てればオラリオの甘味は全てべートの奢り、挙句の果てにはひたすら褒めちぎって貰うことも不可能ではないのですよ?』

「・・・・・・・・・・・・」

「おい妖夢、んな馬鹿な考えはやめ・・・・・・ねぇのかそうか」

 

武器を構える俺と妖夢。

 

『さぁ、年貢の・・・いいえ、甘味の納め時ですよ銀セイバー・・・・・・犬セイバー?』

「許して欲しくければ、高級老舗店の和菓子を用意することです。たんまり、それはもう、沢山!」

「・・・・・・あー、テメェらに命令だァ?得にな・・・・・・よし決めた。いつも思ってたが決めたぞ。あと、俺は高級老舗店なんざ知らねぇ!」

 

べートが不意打ち気味に一気に駆けた。それも全力だ。けど───────修羅使ったあとの妖夢の方が速い。

それに俺の能力があらかじめその行動を予期していた。そしてその情報はリアルタイムで妖夢に送られている。つまり。

 

「────チィッ!」

「甘い、です」

『セイバーッ!』

 

斜めからの侵入、鋭角から放たれた蹴りは当たればタダでは済まされない破壊力をひめている。だけどまぁ見えているし知っているなら俺達はどうにでも出来る。

妖夢が両刃剣となった木刀で受け流す。受け流しながら回転した両刃剣がべートに迫る。

さらに、縮地で即座に裏に回り込んだ俺が掛け声と共に攻撃する。Xを描くような乱暴な左右の袈裟斬りだ。

 

擬似的な燕返しとなった三方向からの斬撃。べートも囲まれた事を即座に悟って行動に出ていた。

両刃剣では咄嗟に破壊力が出ないと踏んだのか、べートは体をよじり両手の短剣で俺の二撃を防ぎ、ブーツで妖夢の一撃を防ぐ。

 

とはいえ、予想通りだ。

 

短剣に弾かれるようにして俺は後ろに跳ねる。そして空中三回転ひねりを加え着地、と同時に縮地。べートの正面に現れ、即座に縮地で後方に飛ぶ。べートは超高速で反応したが、俺が縮地した事で避けられる。

 

「っ・・・・・・!」

 

攻撃が外れた事でスキだらけになったべート。そこを逃がす妖夢ではない。

両刃剣から霊力を放出。さらに縮地を合わせ凄まじい速度でべートへの距離を0にし、すれ違いざまに斬り裂く。硬いものどうしがぶつかり合い、何かが壊れたような音がした。むむむ。

 

「っぶねぇ!流石にやるな」

『そちらこそ』

「今のは決めたかったです」

ギリギリで短剣を体の間に割り込ませることに成功させたべート、しかし、防ぐために使った短剣は片方が使い物にならなくなっている。

止まっていては攻撃される可能性がある。だから、疲労を感じない俺は無駄に大げさに駆け回ったり縮地を使ったりしてべートに嫌がらせをする。

感が鋭かったり警戒心が強い人ほどこれは嫌がると思う。

 

「チィ、目で追うのがやっとか・・・・・・!どこから」

「私を忘れてはいけません」

「っ、分かって『忘れんなよ?』ッ?!」

 

隙を見せれば一瞬にして挟み撃ち。俺と妖夢のコンビネーションが光るぜぃ。これならやれるかな。

 

「なっ!?ま、だっ!」

 

しかし、べートは刹那の時間で対応して見せた。短剣で妖夢の両刃剣を逸らしその中央、柄に当たる場所を妖夢の手ごと鷲掴みにする。そして自身の方へと思いっきり引っ張る。そしてそれと同時に後ろに倒れながら妖夢の腹を蹴りあげる。すると、妖夢はべートの後方・・・・・・つまり俺の方へ飛んでくる。

 

うまい。と俺は思った。

これなら俺は避けるか抱きとめるかの二択を迫られる。どちらにせよ、ギリギリ立ち上がるだけの時間は稼げるだろう。

 

─────俺が人間ならなっ!

 

俺は人型状態から半霊状態へと移行っ!そして即座に人型状態にシフト!こうすることで妖夢が俺をすり抜けるぜ、ちなみに、妖夢とはリアルタイムでやりとりしているのでこちらの策はすべて理解しているのです。

 

『おらよッ!』

「チィ!!」

 

最短最速、俺の選択は突き。木刀でも突きなら人を殺せてしまうが、そこは手加減するのでセーフ。とはいえ相手はべート、当てるためにはこれでも足りないだろう。

コン・・・・・・!と木刀と木の剣の子気味のいい音が鳴る。

防ぎますよねぇ・・・・・・ならっ!

 

『んっ!!』

「んぉ!?」

 

木刀を滑らせてべートの懐に、入ろうとしたら邪魔するために剣を下に押し込んでくるべート。でも残念。

 

「チィ、またか!」

 

ポンと半霊!シュンと人型!この切り替えながらの戦いは霊力をそこそこ持っていくけど、それに見合うだけの強さがあるのです。

そして〜?俺が消えたということはだ、妖夢が来るのです!

 

「────妖夢リアクター臨界点突破」

「っ!?」

『ブフッ・・!!』

 

妖夢リアクター!?もう少しなんか無かったの!?無かった!?分かった分かった!面白いから見てますね!

べートが妖夢から逃れるために後方へ跳ぶが、妖夢は両刃剣から霊力を爆発させるかのようにたっぷり使って加速。

 

「素粒子に帰れ────!!」

「ぐっ!なっ!?」

 

う、うわぁ、凄まじい連撃だァ。両刃剣の唯一の利点、手数が多いと言う長所を活かしたんだな。『頑張れー頑張れー!』と応援しつつ、恐らく吹き飛んでくるだろうべートをボコるために木刀を構えておく。

 

偽・黒竜双剋勝利剣(クロス・カリバー)!!」

「ぐぉおおおお!?」

 

べートの短剣が完全に砕かれる。既にブーツも壊れてるな。そして、そんなべートが俺の元に。むふふ。いいぜ、見せてやる。

 

『───犬とが犬とか犬とか消し去るべしッ!』

「くっそぉ!?」

 

べートは空中では動けない。なら、もうあとは調理するだけでさぁ!

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!

 

『だけど実は犬派です!偽・無銘勝利剣(ヒミツカリバー)!!』

「ぐああああぁぁぁ────────ごフッ!」

 

空高く吹き飛んだべートが地面に落ちる。

 

『この戦い─────』

「我々の勝利だ、です」

 

周囲から拍手喝采が起る。いやぁ〜ありがとう。と2人で声援に答える。そして集中力の全てをべートに注いでいたから、今更ながら実況が聞こえてきた。

 

《決まったァああああああ!!思わず目を背けたくなるほどの連撃だぁぁああ!!どうでしたかガネーシャ様!》

《うむ!思わず見とれてしまうほどに見事だっ!》

《凄い!素晴らしい!ガネーシャ様、ここは賞賛としてあの言葉をっ!!》

《うむ。素晴らしい戦いだった》

《いやちげぇよ!!!俺がガネーシャだっ!でしょう!?》

《俺が・・・・・・いや、俺達がっ!!》

《え、なにこれ、俺もやらないと行けないやつなのこれ・・・・・・あぁ分かりました分かりましたよ!そんな捨てられた象みたいな顔しないでください!せーの!》

《ガネーシャだぁ!!》

 

うわー、みんな拍手してる。みんなガネーシャ好きなんだなぁ。実況は大いに盛り上がったみたいだな。

ふっふっふっ、俺も楽しかったので嬉しいな!

 

「あ"あぁ〜〜、糞が、ハルプの野郎・・・・・・攻撃は物理的に当たらねぇ、どんな威力だろうが殺せねぇ・・・・・・くっそ、どうすりゃ勝てんだこのルール(模擬戦)で」

『はーはっはっ!!ハルプさんの大勝利〜!!』

「妖夢さんの大勝利〜!!」

「あーはいはい!テメェらの勝ちだよちくしょうが!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふぅ、何とか波は越えたか。ヘスティアには感謝しないとな)

 

とタケミカヅチは安堵のため息をこぼす。押し寄せる神々の対応をヘスティアに助けられながらもどうにか終え、ようやくの自由だ。

 

(後は妖夢達の誕生会を見守りつつ、俺も品をいつでも渡せるようにしておかなくては)

 

タケミカヅチが思い馳せながら耳を傾ける。妖夢達とべートの戦いのラスト、実況の声は届いていた故に結果は知っていた。

と言うか、このオラリオであの2人を倒せる人物など恐らくは居ないと踏んでいるタケミカヅチからすれば気にすることでもない。怪我をしたら困るというのは親心。勝てるから心配など不要と思うのは師だからだろう。

 

「いや〜、ほんま、妖夢たん達はおっかないわ〜」

 

美しいドレスで着飾ったロキが、グラスを片手にタケミカヅチの隣に立つ。その顔はべートが負けて悔しい、と言うよりも「これは勝てなくても仕方がない」と諦めたような顔をしていた。

仕方のないことだ、とタケミカヅチは満足げに笑う。ハルプを倒すには「魂」を殺す、もしくはそれに近いことをしなくてはならない。

 

そしてそこに加わるのが「異能」だ。可能性と言う確かに存在するが目視できない、いや、完全な知覚は不可能な筈の領域──他世界、多次元にまで及ぶ──を知覚し、操ると言う規格外な存在だ。

仮に、それらを扱うのが本当の意味でひ弱な少女だったとすればまだ良かったのだ。

 

しかし、現実とは()()なもの。

 

そんな能力を持った少女らが、オラリオにおいて恐らく最も高い技量、最も多岐にわたる手札を持っている。

レベル6が一方的にしてやられるように、これではきっとかの最強、オッタルでも勝てないだろうとロキは睨んでいた。

実際ロキは気がついていた。ハルプは未だに手を抜いていること、いや、それでは少し語弊がある。

 

ハルプは()()は出している。

 

しかし、()()は出していない。

 

果たして全力を出したならどれほどの事が出来て、それを使った場合あの戦いはどんな展開を迎えていたのか。ロキは、いや、全ての神々は興味をそそられていた。

 

「剣の技量でアイズたんを越え、本気を出せば誰も目で追えんって、ほんま何なんやろうなぁ」

 

疑りの声と目線、けれどそこに疑問は無い。あるのは悪意のみ。追求されてタケミカヅチが困るのを見て自己満足するためだけの言葉だ。

それが分かってか分かっていないのか、タケミカヅチは胸を張って答える。

 

「俺の子だ」

「はぁ、タケミカヅチならそう言うと思っとったわ」

 

呆れ果てるロキを尻目に、何かに気が付いたのか「ふふふ」とタケミカヅチが堪えるように笑う。彼らしくないとロキがタケミカヅチを見れば、タケミカヅチが見ていたのは妖夢達だ。

妖夢達はべートの腕や尻尾を引っ張ったり、ガレスのヒゲを触らせてもらったりしている。

その顔にあるのは笑顔だ。

ただ、本当にそれだけの事がタケミカヅチにとって嬉しかった。

 

妖夢達の顔はいままでなんど曇っただろう、タケミカヅチといえどその全てを記憶している訳では無いが少なくとも、これ以降妖夢達の顔は曇らない。きっと笑顔だ。

確かな確信と共にストンと胸の中に落ちたその考えにタケミカヅチは笑ったのだ。

 

「なー、そろそろあの子達・・・・・・いや、ハルプたんについて話してくれへんか。何がどうなってるん?」

 

ロキがそう言って目を細める。疑っているというよりは、いつまで隠しておくつもりなのか、と問うような眼差し。恐らくタケミカヅチを除き最も詳しいであろう自分でさえ、知らないことは多すぎる。今の今までは他のファミリアだから仕方ないと過度な詮索は避けてきたが、ベートが完全に負けたのを見てそれも限界を迎えたのだ。

 

「あー!俺も聞かせてくれよタケミカヅチ!」

「げっ、ヘルメス・・・・・・」

「ボクも!ボクも知り合いぞタケ!」

「ヘスティアまでか・・・・・・」

 

それに便乗するように近くを通りかかったヘスティアとヘルメスが近寄ってくる。それに続くようにしてヘファイストスやミアハもやって来た。

 

「はぁいや、まぁ信用できるなら話していいとは言われてるんだ」

「えっ!?タケミカヅチ、お前俺のこと信用してたのか!?」

「お前が驚くんだなァ・・・・・・!お前に関してはハルプから許可を貰ってる。貰ってなければ言わん」

「まったまた〜そんなわけないだろう?え、本当なのかい?」

 

心底嫌そうにタケミカヅチはヘルメスを見るが、どうやらヘルメスはハルプに信用されているらしい。なんでこんなやつ、と思わないでもないタケミカヅチだったが、娘の頼みだ。と割りきることにした。

時折神の鏡に映し出される妖夢達を見ながら、小さな神会が開かれる。

 

「と言うか、このメンバーやと誰が1番あの娘らと仲ええの?あ、タケミカヅチ以外やでっ」

 

神会最初の一言はロキが切り出した。

 

「うーん、どうだろう。ボクはあんまり話す機会は無いけど、よく懐いてくれてるとは思うね!」

「あー、俺はどうなんだ・・・・・・?刀向けられた事はあるけど・・・・・・なんで信用されてるんだ?」

「ねぇ、私に関しては殆ど話していないんだけど。本当にいいの?ここにいて」

「ふむ・・・・・・共に薬の素材を取りに行ったりはしたか。だが、基本的にあの子達は人に懐きやすいと思うのだが」

 

そりゃあロキだよ!と言ってもらいたかったロキは「うーむ」と唸る。確実にこの場のメンバーでタケミカヅチの次に接触する機会が多いというのに。ここは断言して欲しかったロキであった。

 

「えっと、話していいんだな?」

 

タケミカヅチがやや疲れたように言うと、神々は頷く。

「はぁ」とため息を付いて、映し出されたハルプ達をチラリと見る。

するともう既にメインの料理が出来たのか、各々がテーブルに付いていた。妖夢がキョロキョロと誰かを探している。探されているのは十中八九自分だろう、とタケミカヅチは理解する。

とは言え、と視線を神々に戻せば、その眼差しは好奇心に輝き決して逃がさないという鋼の意思を感じる。主にロキから。

 

「では話すぞ。そうだな例えば────?」

「───待って!!!」

 

突如バァン!と襖が開き大きな声が。そこから姿を現すのは荒い息をした銀髪。ローブを纏い、顔全体を覆うだろう仮面を付けている。その溢れ出す神威からもそれが誰であるか理解できないものは居ない。

 

「はぁ、はぁ、私もっ!私も混ぜて!!」

 

荒い息を整えようと頑張りながら、女神は仮面を外す。現れたるはそう─────フレイヤである。

 

「お願いっ!お願いよタケミカヅチ!私も!私も混ぜてッッ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぇぇ」

 

両手を組んで全力で懇願するフレイヤに、タケミカヅチは恐らく神生(じんせい)で最もドン引きした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う~ん、タケはどこに行ったのでしょう。会場には居ないのでしょうか?いないとすれば室内ですが・・・・・・みょん?神威らしき気配が多数・・・・・・なるほど、会議ですかね?ならそっとしておきましょう。私たちが割り込んでも意味無いでしょうし。

 

え?どうせなら乗り込もうぜ!ですか?ダメですよハルプ、話の邪魔をされたら嫌でしょう?

ふふ、そうですよね。なら辞めておきましょう。

 

所で、ですがハルプさん。今回の料理、クルメさんの全力らしいですねっ!もう私実はヨダレが垂れそうで・・・・・・あ、すみません。ハルプは食べないんでしたか。

・・・・・・食べなかったら悲しむか、ですか?それは、まぁ、私なら悲しいですね。私と、そしてハルプの為を思って作ってくれた料理です。私とハルプが食べないのなら何のために作ったか分からないでしょう?

 

あー、でも無理をするのはダメですかねー、ハルプの分まで私が食べちゃうのもいいかもしれないですねー。え、な、何ですか?いえ?別に?そんな事ありませんよ!?わ、わわ私はそんな大食いではありません!!その、ちょっと、育ち盛りと言いますか・・・・・・そ、そりゃああと数10年育ち盛りですけどっ!

 

う、うー!いいじゃないですか食いしん坊でっ!!と、と言うか、多分そこまで食べれませんから!お腹いっぱいになるまでですから!!ぶ、ブラックホールじゃないこと祈る!?もぅ!私は幽々子様ではありません!!

 

「妖夢さん?えっと、もしかしてお気に召しませんでしたか?」

「え?あ、あぁすみません。ハルプとお話してて・・・・・・もう、ハルプってば酷いんです。私が食いしん坊なんじゃって疑うんですよ!そりゃあ美味しい料理があったら食べたくなるじゃないですか!」

 

私がハルプと、テレパシーで話し合っているとクルメさんが不安そうにこちらを覗きこんでいました。咄嗟に対応し、ハルプへの不満をついでにぶつける。ごめんなさいクルメさん。

 

「あはは・・・・・・あの、ハルプさんは食べてくれますかね?」

 

やはり料理の事らしい。ハルプは、食べなくていいので食べない、と言ってはいるのですが何だかんだ食べ物には興味を引かれるらしく、今もチラチラと見てはいます。でも手を出してないので迷っているのでしょう。

 

「食べるようにお願いしてみては?きっと喜んで飛びつきますよ。口実を探しているだけだと思うので」

「わ、わかりましたっ!」

 

思ったことを口に出し、クルメさんを送り出す。

ふむふむ、どんな反応をするんでしょうか。こっそり見ましょう。

 

「あ、あのっ!ハルプさん!」

『ん?どしたのクルメ』

「こ、ここ、これ食べてくださいっ!!」

 

なんか初恋っポイ雰囲気!?クルメさんどうしてそんなに緊張を・・・・・・?

 

『ぇ、で、でもさ、ほら俺はご飯食べなくてもいい体だから皆が食べた方が・・・・・・いや、でもあれか、妖夢も言ってたもんなぁ。・・・・・・なぁ、食べてほしいのか?俺に?どうしても?』

「はいっ!!」

『ようし、分かった!』

 

うーん、割と普通ですね。ちゃんと対応しましたし。ちなみにメインは鳥料理のようです、丸焼きに見えますね。・・・・・・な、なんの鳥なのかは聞かないでおきましょう。はい。

 

『パクッ。・・・・・・・・・・・・』

「ど、どうです?」

『うーーーまーーーーいーーーぞーーーー!!』

 

唐突な咆吼!?美味しさの表現のために叫んだ!?うわっ、皆さんこっち向いた!?・・・・・・あ、全員お肉に手を・・・・・・

 

「「「「うーまーいーぞーー!!!」」」」

 

感染!?

え、ど、どうしましょうか。なんか皆さん狂ったように食べ始めたんですけど・・・・・・変な成分入ってませんよね?

 

「よ、妖夢さんも食べて見てくださいっ!」

「あ、はいっ!パクッ・・・・・・!」

し、しまった!?食べてしまいま・・・・・・こ、これは・・・・・・!しっかりとした歯ごたえの中に柔らかさが内包されていて、噛むとジュワッと肉汁が・・・・・・!そ、それに何ですかこのタレ!甘辛いタレが中まで染み込んでいて・・・・・・も、もうお肉が何であろうとこの際どうでも良いのです!と言うか叫びたい!食レポなんて私の柄では無いのですぅ!

 

「みょーーーーーーーーーん!!!!!」

 

なんで私だけ違うの!?

 

 

 









ふっ、何故戦闘を入れたのかって?

ハルプの喜ぶ事ってなんだろう→家族と団欒するのが1番好き、戦闘大好き→戦闘でいいんじゃね(おぃい!?)→戦闘にしよう!

こんな、何も考えていないことがバレてしまうような脳みそですまない。
ちなみに、べートがどれだけ頑張っても、フル装備でも負ける模様。
fate世界とかに突っ込んでも多分ギル様とかしか対処出来なそう。いや、探せばいるのだろうけども?・・・・・・カルデアにでも突入させてみるかっ!番外編として考えておこう(書くとは言っていない)

そして久しぶりに描いたフルカラーの妖夢&半霊をドゾ。

【挿絵表示】


遠目に見ると良い感じ。近くで見ると「(´<_` )フッ」。

誤字脱字、コメント待ってますー!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。