魔法使いになった猫   作:雪兎 銀杏

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重要な話かもしれない(⌒▽⌒)


7.組み分け帽子の声は高らかに

 

 ここまで来て、リズは緊張して全身の毛という毛が逆立つような気分になった。

 

 ハリーもロンも顔が青白い。色白なリズはもっと青く見えたに違いなかった。

 三人はお菓子をポケットに詰め込んで、通路に溢れる人の群れに加わった。

 

 汽車はますます速度を落とし、完全に停車した。

 外に出ると、そこは小さな暗いプラットホームだった。寒くてリズは掌に息を吹きかけた。

 

「イッチ年生!イッチ年生はこっち!」

「ハリー見て!ハグリッドだよ!」

「リズ、ハリー、元気か?」

「久しぶり!」

 

 ハグリッドはぐるりと周りを見渡して、

「さあついてこいよーーあとイッチ年生はいないかな?足元に気をつけろ。いいか!」

 

 地面は険しく狭かったが、身軽なリズは楽々と歩いて行った。

 こんな風に人が押し合いへし合いしていなかったら、リズはどれ程早くここを走れたことだろう。

 

「みんな、ホグワーツがまもなく見えるぞ」

 ハグリッドが振り返りながら言った。

 手に持った大きなランプが、ゆらゆら揺れた。

「この角を曲がったらだ」

 

「「「うぉーっ!」」」

 

 一斉に声が沸き起こった。

 狭い道が急に開け、大きな黒い湖のほとりに出た。向こう岸に高い山がそびえ、そのてっぺんに壮大な城が見えた。

 

「五人ずつボートに乗って!」

 ハグリッドは岸辺に繋がれた小舟を指さした。三人が乗り、続いてハーマイオニーとネビルが乗った。

「みんな乗ったか?」

 ハグリッドが大声を出した。

「よーし、では、進めぇ!」

 

 全ボートが船着場に到着して下船したあと、ボートを調べていたハグリッドが言った。

「ホイ、おまえさん!これ、おまえのヒキガエルかい?」

「トレバー!」

 ネビルは大喜びして受け取った。

 

 みんなは石段を登り、巨大な樫の扉の前に集まった。

「みんな、いるか?おまえさん、ちゃんとヒキガエル持っとるな?」

 ハグリッドは大きな握りこぶしを振り上げ、城の扉を3回叩いた。

 

 

 ***

 

 

 扉が開いて、エメラルド色のローブを着た背の高い黒髪の魔女が現れた。

 魔女はマクゴナガルという名前だった。

 マクゴナガル先生は一年生を小部屋に案内した。

「ホグワーツ入学おめでとう」

 マクゴナガル先生が言った。

「新入生の歓迎会が始まりますが、大広間の席に着く前に、皆さんが入る寮を決めなくてはいけません。寮は四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンです」

 リズもこれは知っていた。

「それぞれ輝かしい歴史があって、偉大な魔女や魔法使いが卒業しました。皆さん一人一人が寮にとって誇りとなるよう望みます」

 

「まもなく始まりますので、出来るだけ身なりを整えておきなさい」

 

 そう言って、マクゴナガル先生は小部屋を出て行った。

 

「いったいどうやって寮を決めるんだろう」

「セリアは教えてくれなかったわ」

「すごく痛いってフレッドが言ってたけど、きっと冗談だ」

 リズは今にも倒れそうだった。ネビルのヒキガエルの喋っていることを聞かなければ、本当に倒れただろう。

 

『お腹すいた。ここどこだよくそが』

(うわぁ…)

 

 びくびくするなんて、猫時代以来だ。

 猫時代は鷹とか蛇とか人とか、いろんなことにびくびくしていたものだ。

 

 突然不思議なことが起こった。

 リズは自慢の脚で3メートル上に飛び上がるところだった。

「えっ!」

 後ろの壁からゴーストが二十人ぐらい現れ、部屋を通り過ぎて行ったのだ。真珠のように白く、少し透き通っている。

 そのうち一人のゴーストが、急に一年生に気づいた。

「新入生じゃな。これから組み分けされるところか?」

 二、三人が黙って頷いた。

「ハッフルパフで会えると良いな。わしはそこの卒業生じゃからの」

「さあ行きますよ」

 厳しい声がした。

「組み分けの儀式が始まります」

 マクゴナガル先生が戻ってきたのだ。

 足が鉛のように重い。きっと皆そうなのだろう。

 

 一年生は一列になって、部屋を出て再び玄関ホールに戻り、そこから二重扉を通って大広間に入った。

 

 そこには、リズが夢にも思わなかった、不思議で素晴らしい光景が広がっていた。何千という蝋燭が空中に浮かび、四つの長テーブルを照らしていた。テーブルには上級生たちが着席し、キラキラ輝く金色のお皿とゴブレットが置いてあった。

 

 広間の上座にはもう一つ長テーブルがあって先生方が座っていた。

 マクゴナガル先生は上座のテーブルのところまで一年生を引率し、上級生の方に顔を向け、先生方に背を向ける格好で一列に並ばせた。

 

 マクゴナガル先生が一年生の前に黙って4本足のスツールを置いたので、天井を見ていたハリーは慌てて視線を戻した。

 椅子の上には、魔法使いの被るとんがり帽子が置かれた。

 すると、帽子がピクピク動いた。つばのへりの破れ目が、まるで口のように開いて、帽子が歌い出した。

 

 

 ”私はきれいじゃないけれど

 私を凌ぐ賢い帽子

 あるなら私は身を引こう

 山高帽子は真っ黒だ

 シルクハットはすらりと高い

 私は彼らの上を行く

 私はホグワーツ組分け帽子

 かぶれば君に教えよう

 君が行くべき寮の名を

 

 グリフィンドールに入るなら

 勇気ある者が住まう寮

 勇猛果敢な騎士道で

 ほかとは違うグリフィンドール

 

 ハッフルパフに入るなら

 君は正しく忠実で

 忍耐強く真実で

 苦労を苦労と思わない

 

 古き賢きレインブンクロー

 君に意欲があるならば

 機知と学びの友人を

 必ずここで得るだろう

 

 スリザリンではもしかして

 君はまことの友を得る?

 どんな手段を使っても

 目的遂げる狡猾さ

 

 

 かぶってごらん恐れずに

 君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)

 だって私は考える帽子!”

 

 帽子を被ればいいらしい。簡単ではないか。

 ほっとした。

「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください」

 私の名前はプリズンリバーだから、後ろの方だろうと予想した。

 しばらく聞き流していたが、隣に立っていたハーマイオニーが呼ばれた。

「グリフィンドール!」

 ハーマイオニーは満足そうにグリフィンドールのテーブルに走って行った。

 ネビルもグリフィンドールだった。

 そのあとに呼ばれたマルフォイはスリザリン。

 

「ポッター・ハリー!」

 

 ハリーの名前が呼ばれると、突然広間中にささやきが波のように広がった。

(やっぱり、有名なのね)

 ハリーは注目されるのが怖いのか、私の隣からゆっくりと進み出た。

 

 沈黙が広がった。

「グリフィンドール!」

 帽子を脱ぎ、ハリーはふらふらとグリフィンドールのテーブルに向かった。

 

 グリフィンドールのテーブルは弾けんばかりの歓声に包まれていた。

 ウィーズリーの双子の声が一際響いていた。

 

「プリズンリバー・リズ!」

 

 リズは落ち着いた心持ちで進み出た。

 帽子を頭に被る。何にも見えない。

 

「……ふーむ…グリフィンドール!」

 

 騒めきが起こった。何故だろう?

 立ち上がってテーブルに移動しても、騒めきは収まらなかった。

「どうしたの?」

「プリズンリバー家がスリザリンじゃないのは、初めてだからだよ」

 監督生のパーシーが言った。

「そうなのっ⁉︎」

「ウィーズリー家が代々グリフィンドールのように、マルフォイ家は代々スリザリンのように、寮が予想できる家があるんだよ。それが外れたから騒ついてるのさ」

「へぇ〜」

 来賓席の真ん中のアルバス・ダンブルドアが、にっこりとこちらに微笑んでいる気がした。

 

ロンも組み分けが済んで、リズの隣に崩れるように座った。

 

「おめでとう!ホグワーツの新入生、おめでとう!歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。では、いきますぞ。そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこいしょい!以上!」

 

薔薇の館で話したときと、大分イメージが違った。

気がつくと、テーブルに美味しそうな料理が並べられていた。

好きなものを食べたが、館で食べた味と違って、大量生産の味がした。

 

…To be continued




ハリー・ポッターに出てくるご飯って皆美味しそう
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