無事、ルナツーへと着いた俺はガンダムをアナハイムの関係者に預け、街へ出た。
それなりの大きさの街で、小さな屋台から大きなビルまでが立ち並んでいる。
面白そうな所も沢山あったが今は金が少ししかない。
もうすぐすれば長旅の報酬が雪崩れ込んでくるはずなのだが。
「懐かしいな」
ふと目に入ったのはプラモデルだった。
ゲルググだ。
スケールモデルとして販売されているこのプラモデルもアナハイムの商品である。
「買っておいても損はないか」
少ない金を減らしてでもゲルググが気になったのは、
やはりまだゲルググに未練とやらがあるからなのかもしれない。
ルナツーのMSゲートに戻るとそこに見たことのある顔がいた。
「えぇーっと ビレンか?」
少ない頭脳を回転させて名前を思い出させる。
元から名前を覚えるのは得意じゃない。
「おっ ガナーじゃないか!!」
向こうはすぐに気付いたらしい。
ビレンはジオン公国地上部隊だった頃の戦友だ。
筋肉質なおっさん というのが第一印象だったが現在もそのプロポーションを保っている。 おっさんだが。
「お前ぇ····痩せたな」
家族の飯以外美味く感じない という相談をしても無駄だろうと思った俺は
「ダイエットだよ」
そう言い張った。
「なにか買ったのか? おっ ゲルググじゃねぇか!
なっつかしいなぁ って言ってもそれほどだけどなぁ」
「もう昔の話さ」
「まぁ運命って奴じゃないのかい?」
にやけを効かせた口から放たれた言葉は信じられないモノだった。
「お前さんのゲルググが今ここにいるぞ」
戸惑う。 俺のゲルググがここにあるのか?
もうすでに解体でもされて無くなったと思っていたのだが···
「見てぇだろ こっちだよ」
ビレンに付いていく。
何気なく話していたが何故ここにビレンがいるのだろうか
「そういえばビレンはなんでここに?」
「あぁ 実は·····ってジオン残党って知ってるか?」
ジオン残党 ジオン公国の兵士の中でも、まだ連邦を相手に戦っているのが残っていると聞いたことがある。
アナハイムはジオン残党にも機体を売却しているという事も聞いていた。
まだ兵力を蓄えているのか?·····
「それの仕事だよ 連邦に見つかったらお前さんも捕まるかもなぁ」
ハッハッハ と笑うおっさんは見ていて愉快だが、言っていることの重大さとは正反対のベクトルに動いている。
「俺のゲルググはどこの軍属になっているんだ?」
「アナハイムエレクトロニクス!! って書いてジオン残党って読むのさ」
「なるほど アナハイムの名前でルナツーの港やハンガーを使ってるのか」
アナハイムに対しては地球連邦も甘い所がある。
なんといったって地球連邦軍のMSのほとんどがアナハイムエレクトロニクス製だからであろう。MSの開発に関してはアナハイムが世代の先をいっていると言っても過言ではない。
「これだろ? お前さんのゲルググは」
それはハンガーの中で整備されていた。
肩についた星のマーキングはそのままに、
初期生産型であり、珍しかったのか同型のゲルググを戦場で見ることはほとんどなかった。
それが学徒兵の実力不足だった事なんて、俺は知らなかった。
「そうだな あれは俺のゲルググだ。」
落ち着いた声を出していてもやはり愛機を見ると興奮するものだ。
「やっぱりなぁ 当たりだったな。」
乗りたい またゲルググに乗って戦場に出たい。
「乗りたいって顔してやがるな? 乗せてやってもいいぜ?」
「乗せてくれるのか!?」
すぐさま返事を返す。 あのゲルググに乗りたい·····
「あぁ ジオン残党に入りな」
ジオン残党に入る ということはアナハイムエレクトロニクスを退社することにも
なり、更には家や全てのものを手放すことを意味していた。
「悩むのも訳ないか だがなぁ お前さん連邦に恨みはねぇか?」
家族の顔が思い浮かぶ。
「連邦を倒す良いチャンスなんじゃねぇか?」
「チャンス·······」
その日、俺はアナハイムエレクトロニクスを辞め、退職金も有り金も全て使いきった。雪崩て入ってきた金は妹の墓のためにでも置いといてやろう。
俺はこのゲルググとまた宇宙を駆け巡る。
家族を殺した連邦を倒すためにも。
そう誓って····俺は·····
どうも著者のあるふぁべーたですm(__)m
ここまでが主人公のジオン残党に入るまでの話です。
簡単に言えばプロローグでしょうか。
相変わらず地の文多めで読みにくかったでしょうか
ご感想、ご要望あれば投書よろしくお願いしますm(__)m
ゲルググのプラモデルはMGがかなりの傑作ですねー
HGはかなり古いのもあって可動が······
立ち姿なら十分な迫力ですよ!! 是非!!(((