転生できると思うなよ!?   作:RPS-3rd

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アスリート顔負け。

セイバーはワンピース着たら似合うと思う。


逃げきれると思うなよ!?

「ヘッブシュ!」

 

「どうしましたゴロウ、風邪ですか?」

 

「……いや、なんだろう。なんか急に寒気が……誰かが噂してんのかね」

 

 なんだか金色の姿の誰かから複雑な感情を向けられた気もするが……わからないな。

 あまり考えても仕方がないのでひとまず俺は生活用品店で歯ブラシやらコップやらを買っていくことにした。別にお泊まり会するわけでもなんでもない。そう、俺の今の状況、これはいわば同居。いや、同棲といっても過言ではないはずだ!

 しかも相手は恋い焦がれてきたセイバーご本人、物はそろえておかないといけねえぜ!

 

「この柄でなければ納得できません!」

 

「……ちょっと待とうか、それ使い勝手悪そうだよ?」

 

「為せば成ります!」

 

「なんて暴論だ……!」

 

 この子生前からこんなに押しが強いんだとしたらさぞかし周りは苦労したろうなと俺は思いながらこの騎士王様をなだめることを考えた。

 その後コップの柄がライオンのやつか使い勝手がいいやつかでかなりもめたが最終的にライオン柄で落ち着いた。もめにもめたがマグカップを手に持っていやいやと首を振り放そうとしないアルを見てると理性がぶっ飛んでしまう。いや、あれで理性が保てる奴がいたら紹介して欲しいよ!

 

 で、そのあと服屋に来たんだが。

 

「お、お客様! 服をお探しでしたらぜひ、ぜひ私にコーディネートさせてください!」

 

「む? ああ、助かります。なにぶん現代(いま)の服はわからなくて……」

 

「(今ってことは……流行に疎いってこと!? こ、こんなきれいな人がなんてもったいない……でもこれは私のセンスが試される一世一代の大勝負が来たのでは!?)では、こちらのデザインのものなどどうでしょうか? ボーイッシュな感じで……」

 

暴威種(ボーイッシュ)!? そんな服が現代(いま)はあるのですか!」

 

 ああ、高くなりそうだ……あの店員さんオススメの服を全て買ったら俺の財布はどうなっちゃうんだろう。あとアル、君多分ボーイッシュをはき違えてるよ。げんなり。

 

 ふぅ……

 

 んっ?

 

 なんとなくそこら辺の服を見ていた俺は、目をしばたたいた。

 

「あれは……」

 

 服屋のマネキンが着ていた服から、俺は目が離れなかった。

 白を基調とした清楚な感じのワンピースがそこにはあった。所々のレースは薄い水色で、背中側の腰の部分には大きめのリボンがついていて、何て言うか、可愛さの中に落ち着いたイメージもあって……

 

 

 

 

 

 着てほしい。

 

 

 

 

 

 アルに絶対似合う。

 

 

 

 

 

 だけど、財布が……

 

 

 

 

 

 

 

 ちら、と値札を見る。

 

 

 

「……買える」

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

「買ってしまった……」

 

「? ゴロウも何か買ったのですか?」

 

「ハハッ。欲に負けただけさ……」

 

「……?」

 

 そのまま重い足取りで別の階の下着売り場に行く。下着まで俺が付き添うのは心がもたないので(チキンと呼びたきゃ呼ぶがいいさ。憧れのセイバーが下着を選んでいる姿なんて俺には刺激が強すぎるんだ……)遠目からアルを眺めて待っていた。

 

「ゴロウ、お待たせしてすいません」

 

 アルはついでにさっき買った服に着替えていた。

 うん、まあなんだ。確かスーツすら似合ってたんだから似合わないものがあるわけもなく。ショートパンツに白のインナー、その上に羽織った青いパーカーという現代っ子スタイルだって似合ってしまうのだから恐ろしいな。鼻血がもうどうにも止まらなくなりそうだったところを俺のすべての精神力を振り絞って耐えてやった。それにしても、なんて破壊力だ……これがかの騎士王の力か!

 

「ああ、まあ大丈夫。さすがに下着を一緒に買うのは無理だからさ。それじゃ行こうか」

 

「? 何故無理なのですか?」

 

「君今サーヴァントじゃ無いんだから士郎に言われなくとも恥じらいを持ってね」

 

 なんかそのあと「何故そこでシロウの名がでるのですか」とかすごい剣幕で言い寄られたから、なんだか恐くなった俺はとりあえず家まで逃げた。

 

「どこに行くのですか」

 

 ……つもりだったがアルは平然とした顔のまま並走してきた。どう考えてもオリンピック出てもいい勝負出来てしまうレベルの速度だ。

 これ、弱体化してるけど肉体は生前の状態というよりはサーヴァントだったときのをベースにして弱体化されてるんじゃ無いだろうか……

 

「話は終わってはいませんよゴロウ!」

 

「痛い痛い! 力もかなり強いよ!? これ以上やられたら逃げるためだけにヴィマーナ出しちゃうぞ!?」

 

「貴方はギルガメッシュではないのですから出せるわけがないでしょう!」

 

「甘いな。その気になればアヴァロンだって出せるぜ」

 

 あ、力緩んだ。

 この隙に逃げよ。

 

「ま、待ってくださいゴロウ! ちゃんと説明してください!」

 

「俺はだいたい全部使える。以上!」

 

「それを詳しく教えろと言っているのです!」

 

 おいおい、いくらなんでも速すぎんだろアルのやつ! も、もう追いつかれそうだっ!

 あのワンピースを着てもらうまで死ぬわけにはいかないのにいぃ!

 

 

 

 その後俺は善戦むなしく家まであと少しのところで捕まって折檻された。

 

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